トップページ > 2007年07月の月別アーカイブ

2007年06月 |メイン| 2007年08月

2007年07月01日

上方寿司、カボチャのサラダ

乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。TBSの『どうぶつ奇想天外!』でアルダブラゾウガメのSEXシーンを見ながら食事(笑)。
7月に入った途端クラブがめっきり空いてて、「でも昨日に比べたら涼しいですよね」と受付の人に言ったら、「レッスンあいてますからもう1鞍どうですか?」とそそのかされて(笑)3鞍チャレンジし、1鞍目は年寄りで温厚な性格だが重ーい牡馬、2鞍目はチョー軽い牝馬、3鞍目はチョー重い上にキレやすい牝馬に当たってヘトヘトでわが家に帰ってきたら、もっと早く帰るつもりで朝エサをやらなかった亀がキレて植木鉢をぐちゃぐちゃにしてくれてたので(写真下段)ドーっと疲れた私であります(涙)。 
 ところでインストラクターの教え方はさまざまで、その人なりの馬の乗り方に基づくアドバイスをしてくれるのだが、「皆さんがもっと上達すると、指導員の乗り方を見たときに、きっと好きな乗り方や嫌いな乗り方が出てくるでしょうが、自分はあんな風に乗りたいと思う指導員にアドバイスしてもらうことが一番ですよ」と今日いわれて、なるほどやっぱりそんなものかと思ったのである。
 ゴルフだってイメージトレーニングがけっこう大切で、あんな風になりたいと思うからこそ上達もするのだけれど、ことスポーツに限らず、どんな道でもモデルが巧く発見できると努力の方向性が定まるので効率がいいのは確かだろう。私の場合でいうと、師匠に選んだ武智鉄二氏が色んな意味で途方もない人物だったために、ストレートなモデルにするわけにもいかなかったし、作家になるというのは全く想定外の成りゆきだったので、これまたモデルが全く見いだせず、極めて効率の悪い人生を余儀なくされているのであるが(苦笑)、今の時代は私に限らず人生上のモデルが発見できなくて困ってる人が大勢いるはずで、それは何故かといえば、諸先輩を見習ってもそのやり方が今後に通用するとは決して思えないほど世の中の変化が激しいからである。従って、あんなふうに成りたいというよりは、あんなふうには成りたくないといったアンチモデルの発見のほうが容易い昨今、TVを見ると必ずエライ人がお詫びをしてるので、日本の高校生は出世意欲が他国に比べてダントツ低いという調査結果もまことにごもっともなわけであります。




2007年07月02日

トマトの麻婆豆腐風

 近所のスーパーで配ってるパンフレットに載ってたレシピだが、ヘンなもんだなあと思って作ったわりにお味はオーソドックスでご飯によく合うおかずである。ニンニク、ネギ、生姜のみじん切りと豚挽肉を炒めてからさらに高野豆腐を炒め、酒と水と砂糖、醤油を足してしばらく煮込み、さらにトマト加えて最後にウスターソースを利かせて水溶きカタクリでまとめた。
 今日から次に刊行を予定している『銀座開化事件帖』シリーズ第2弾の校正段階に突入し、これは「小説新潮」に連載した分なので少しはちゃんと書けてるだろうと思いきや、相変わらずヘタクソな文章ばかりが目に付くのでドォーっと落ち込んでしまった。私は初校ゲラを見るといつもこうなので、従ってゲラを直す作業が仕事上で非常に大きなウエイトを占める。なんとかこのヘタクソな文章をせめて出版が許される程度にまでグレードアップすべく、しばらくは異常にぴりぴりした心理状態に陥るのだった。
 それにしてもすべて自分が書いた原稿なのに、まるで完全な他人事のようにヘタクソだと思えるのは少しおかしいから、「ひょっとして二重人格なんじゃないの」と進藤さんによく言われるが、果たして本当にそうなのかもしれない。私の中には常に眼高Aさんと手低Bさんがいて(笑)、眼高Aさんが現れると手低Bさんは震え上がって出てこないから、Bさんが一所懸命に書いた文章でも、Aさんは木っ端微塵にぶちこわしてしまうのである。眼高Aさんが如何に容赦のないタカビーな人格であるかは、このブログの読者ならきっとご存知のはず(笑)。で、その昔、某雑誌で短期間デスクを務めたときは、ライターの文章を勝手に書き替えて、激怒させたり、泣かせたりした実にたちの悪い編集者だった私だが、自分の文章ならいくら手を入れても怒ったり泣いたりする人はいないから、つい安心してどんどん赤入れしてしまう。
 てなわけで、新潮社の田中範央さま、覚悟しておいてください。早くも全ページ真っ赤っかでっせ!




2007年07月03日

鶏肉のレモン煮

 久々にQPで見た料理。鶏モモ肉を塩胡椒で下味して薄力粉をまぶしてフライパンでかりっと焼きあげたあと、脂を拭き取って新たな油を入れて玉ねぎスライスを炒め、肉をもどしてケチャップ、砂糖、醤油、レモン汁、ニンニクのすり下ろしを加えてしばらく煮込み、仕上げに生のレモンをちらす。生のレモンは白い皮を剥いておくこと。東京TVで映画の『ガメラ』を見ながら食事。
 東宝が『ゴジラ』シリーズで当てて、それに対抗して撮られたのが大映の『ガメラ』シリーズで、『ゴジラ』もけっこう好きだったが、当時から私はなんといっても『ガメラ』の大ファンであります(笑)。なにせ大映製作だから『ゴジラ』に比べると子ども向きの映画にしては画面のトーンが暗すぎるし、音楽もちょっと物哀しくて重ーい感じだったけれど、意外にストーリーがちゃんとしてたように記憶しており、円盤状にぐるぐる回転しながら空を飛ぶシーンは当時からあった。大映の本社自体が潰れてもう2度と見られないと思われたシリーズが近年復活を遂げ、その第1作もTVで見て、これまた意外にいいじゃん!と思ったのだから、やっぱり亀好きにはたまらないシリーズなのである(笑)。今回TV放送された映画はこれまでよりもっと子ども向きのソフト仕上げにした作品で、ガメラの幼少期に本物のケヅメリクガメを使ってるのがミソである。で、大きくなるにつれて形態がケヅメリクガメからマップタートルに近づいていくのはちょっとヘンだぞ?と思ったり、巨大化した作り物でまぶたが下から閉じるのは結構リアル!だと感心したり、つまり私は映画とゼンゼン関係なく、ただ亀オタクっぽい見方をしていたのでした。




2007年07月04日

帆立貝柱とレタスの梅炒め

 またまたQPで見た料理。帆立貝柱は横に2分して酒で下味したあと、片栗粉をまぶして先に焼いていったん取りだしておくこと。胡麻油でネギの薄切りとレタスを炒め、貝柱を加えて梅肉のたたきと酒・味醂・醤油を合わせたタレで調味する。簡単にできるし、さっぱりした炒め物なので夏場にオススメ。
 「いやーもう、あんまり情けのうて笑うしかないで」と電話をかけてきた妹は「原爆しょうがない」発言や「女は子どもを産む機械」発言をした「うっかりボーゲン内閣」を嘆いており、「ほんま選挙行く気にもならへんわ」というのもある意味で実にごもっとだし、同じような気持ちの方が沢山いらっしゃるとは思うけれども、まあ、そういわずに、選挙制度がまだ存在する以上、せっかくの権利を行使しましょうよ、と私はひとまず申しあげるほかないのである。
 本当をいえば、IT時代の今日、もはや間接民主主義を存続させる意義そのものに疑問が持たれて当然だし、「国家」や「学校教育」や「家庭」といった、すべて近代に成立したパラダイムやシステムが人類にとって根本的に不要なものになりつつあるからこそ劣化が進むのであって、誰がどんなに手を尽くそうと、それらが本当に必要とされた時代の輝きを取りもどすことは絶対にあり得ない!と、多少なりとも歴史を遡って史料を読む私は断言して憚らないのであるが、そうはいっても人間は空を飛んで俯瞰してばかりもいられず、地を這うような日常を送ることが余儀なくされるわけなので、日常を少しでもマシな方向に持っていくよう、なんとかしたいものであります。




2007年07月05日

カレーライス

BS『ブックレビュー』の収録が済んでから、幻冬舎のヒメと一緒にNHK内の食堂で戴く。特集で『吉原手引草』を中心にしたインタビューをお受けして、放送予定日は7月8日(日)で、時間帯は首都圏だと朝8時からと夜12時からです。
 NHKには30代のはじめから古典芸能系の番組に何度か出ているが、出版系の番組に出演するのは全くの初めてで、とにかく何が有り難かったといって、リハーサル無しのぶっつけ本番だったことだ。一応台本はあったが、対談形式なので、とにかくこっちが喋りたいように喋らせてもらい、別にそれで文句も言われなかったので、ホッとして引き揚げてきた。
 たしか前にもこのHPに書いた覚えがあるが、私は役者ではないから、同じせりふを反復する能力というものは皆無である。話すつど、ちょっとずつ違ってしまうのを大目に見て貰わないと、人前で話すことなんて出来ないのである。ところがこれまで出演した古典芸能系の番組だと、リハーサルをちゃんとやるので、本番にもし違うことを言ったりすると司会者を混乱させると思い、なんとか同じようなことを言うべく非常に努力し、緊張したのだった。一番マイッタのは編集がきかない録画本番というやつで、それに出演したときの緊張感たるや、役者でもない私がなんでこんな目に遭わなきゃならないの(笑)という感じだった。
それに比べたら、ぶっつけ本番のなんとありがたいことか!もっとも司会者の長田渚左さんや中江有里さんは私が勝手に喋ってるのをフォローなさるのが大変だったかもしれないけれど、共に熱心に耳を傾けてくださっているという雰囲気が伝わって、こっちは喋りやすく、気持ちいいお仕事をさせて戴いて感謝している。
 意外だったは、こちらが頼まなくともヘアメイクの方がちゃんとついて、しかもわりあい丁寧にしてくださったことで、古典芸能系の番組だと、初期のころは全くナシだったし、40代半ばを過ぎてからさすがにこちらから頼んでやっとつけてもらったくらいである。芸能系番組より出版系番組のほうがヘアメイクに熱心だというのもちょっと不思議な気がするけれど、これってやっぱ作家の場合は「修正」をバッチリかけないと画面に出せないっていう判断なのでしょうか(笑)。 


コメント(5)

今朝、『BSブックレビュー』拝見しました。ミステリーとして面白そうで読んでみたいと思いました。
それから、最新作を書き始めるヒントになった作品として挙げていらっしゃった本にも関心を持ちました。
早速、インターネットで探してみましたが見当たらず残念でした。私には『ニューヨーカー』誌の、スタッジ・カーウェイの『仕事』と聞き取れたんですが、間違ってますか?

投稿者 虎ファン : 2007年07月08日 09:54

>ミステリーとして面白そうで読んでみたいと思いました。

有り難うございます!よろしくお願いします。

新作は9月に新潮社から刊行されます。「銀座開化ものぐさ草子シリーズ第2弾『果ての花火』(仮題)」です。

>私には『ニューヨーカー』誌の、スタッジ・カーウェイの『仕事』と聞き取れたんですが、間違ってますか?

すいません、滑舌が悪くて。スタッズ・ターケル著の『仕事!』で晶文社刊行です。

投稿者 今朝子 : 2007年07月08日 10:18

わぁ、こんなに早く返信があるなんて、感激です。
私は今、子育てもひと段落で自分自身が学校に通ってます。4月から通い始めまして、朝9時から午後3時まで月曜から金曜まで通学しています。中国語の6ヶ月速成コースです。
8月末に弁論大会があります。中国語で800語以上の作文を仕上げて、それを暗記するのです。
私は一昨日見た京劇について書こうと思っています。西遊記でした。初めて見た京劇は面白くて良かったです。
その舞台には日本語の字幕が付いていました。
さて、この字幕、舞台に字幕を付けるなんて発想、最初に始めたのはどこだったのか?サントリーホールあたりでしょうか?
今、それを知りたいと探索中です。

投稿者 虎ファン : 2007年07月08日 14:04

お礼の言葉を書くのを忘れました。失礼しました。
スタッズ・ターケルのこと教えてくださいましてありがとうございます。
それから、先生の滑舌の問題ではなくて、私自身の耳がよくないんだと思います。私はよく人の言葉を聞き取れなくて、聞き返す言葉があまりにも本来の言葉とかけ離れていてあきれられます。
だからでしょう、語学はホントにいつも苦戦します。それなのに四声の発音からして厳しい中国語に挑戦してる現在、ほんと苦戦してます。ピンインの聞き取りテストは地獄です。

投稿者 虎ファン : 2007年07月08日 14:10

>舞台に字幕を付けるなんて発想、最初に始めたのはどこだったのか?サントリーホールあたりでしょうか?
今、それを知りたいと探索中です。

そういうと、今から20年ほど前にロンドンでオペラ(たしか『ローエングリン』)を見たとき、舞台のプロセニアムアーチの上部に字幕スーパーが出たのが新鮮に見えて、日本でもこんな風にしたらいいのにと思ったことがありました。

投稿者 今朝子 : 2007年07月09日 00:10



2007年07月06日

豚と茄子とアスパラガスの生姜醤油炒め

 どうも、いつものように晩ご飯を勇んで作る(笑)気になれず、いい加減な炒め物でごまかしながら、食欲がイマイチないのは蒸し暑いせいなんだろうか?はたまた躰の調子が悪いんだろうか?とか考えて、あっ、そうだ、お昼過ぎにお腹が空いたから枝豆を茹でて食べたんだ!と想いだした私は早くもボケっちゃったんでしょうか(涙)。
 ともあれ食事中にNHKの『報道首都圏』を見て、ネット社会における「祭り」という現象を知った。要は誰かをターゲットにしてブログ上で血祭りにするばかりでなく、例の光市母子殺人事件の被害者弁護士などに対しては今や実害を与える域まで達しているらしい。渋谷松濤温泉のガス爆発事故は朝鮮総連のしわざだという流言がネット上でまことしやかに飛び交ってるという話には、関東大震災後の朝鮮人虐殺事件が想いだされてぞっとした。当時から民度は少しも上がってないというより、あきらかにある時期から下がる方向へと転じたのだと思うし、集団ヒステリーが根深く進行しつつある事実は疑いようもない。こうした責任を誰に問うべきかの特定はそう単純にいかないとしても、同一集団内に憤懣のガスが溜まるとそれを集団の外へ吐きださせて内部の安定を図ろうとする権力の意図はどの時代であれ、どこであれ常に同じだから、ここまでひどくなった日本だと今後その懸念がますます強まるかに見えて恐ろしい。




2007年07月07日

炊き込みチャーハン、アスパラガスの胡麻よごし、缶詰のコーンスープ

 前にQPで見た料理だが、炒めるよりずっと簡単だし、一度にたくさんの量ができるのでこれは断然オススメしたい。ネギ、椎茸、ハムの粗みじんとグリーンピースを米と一緒に炊き込んで別に作った炒り卵と混ぜるだけ。米は同量の水に30分浸してから酒、塩、醤油で味付けし、具は混ぜ込まないよう上に載せ、炊く前に胡麻油をまわしかけておくのがポイントだ。
 これはあまり食事しながら見るもんじゃないよなあ〜と思いながら『カポーティ』のDVDを見てしまった。ずっと見たくて見逃していた映画だが、まず1カット1カット絵コンテ通りのキメキメとおぼしき映像だし、主人公トルーマン・カポーティに扮したP・Sホフマンも噂通り素晴らしい演技を披露している。ゲイの人としてある種の悲哀や疎外感を味わっていたカポーティが、傑作『冷血』のモデルになった一家惨殺事件の犯人が抱えていた人種サベツ的な疎外感と同調し合って、ついに自身の内面まで破壊されるという、作家とモデルの怖い関係を極めてリアルなタッチで描いたものだが、それにしても一目瞭然といった感じのゲイのしぐさや佇まいは万国共通のようで、ホフマンは後ろ姿を撮られていても本当にそれらしく見えるのがスゴイ!
 ところでいくら大作家でも重罪犯のモデルにここまで接近したり、死刑の現場にまで立ち合うことは日本だとちょっと考えられないが、60年代当時の米国出版界には「朗読会」があったというのも、この映画で初めて知って非常に驚いた。作家が執筆中の自作の一節を大きなホールに集めた聴衆の前で文字通り朗読し、それで前評判を煽ってから出版するというやり方で、日本ではひところ詩人の朗読会が盛んだったようだが、小説家が出版のプレイベントで自作の朗読をしたなんてあんまり聞いたことはないが、ひょっとして役者出身の作家だったりすると、おやりになっていてもおかしくはないのである。




2007年07月08日

もんじゃ焼き、イカゲソバター、砂肝バターほか

乗馬の帰りに熊谷夫妻と曳舟駅前のもんじゃ屋で食事。
この春から同じクラブで乗馬を始められた熊谷夫妻は、毎土曜日に騎乗なさってるので、クラブでお会いする機会はなく、今日は帰りにご近所まで伺って馬話に花が咲いた。熊谷氏は私の処女作『東洲しゃらくさし』を世に出してくださった編集者だが、あれから10年経って、まさかお互い馬の話で盛りあがるだなんて!人生わからんもんであります。
 今日はわりあい涼しかったので、2鞍のレッスンを快調にこなして、送迎バスの出発時間を待つ間クラブの敷地内をうろうろしてたら巨大なポリ容器に入れられた3匹の亀を発見(写真下段)。1匹はクサガメで2匹は大きくなったミドリガメで、誰が飼ってるんだろう?と思いながらしばし見入ってしまい、たまたま通りかかったクラブの事務をしている女性に訊いたら「ああ、それは馬場に出てきたのを捕まえたらしいんですよ」とのこと。馬場になぜ亀が???さらなる不審の中で私は取り敢えず「これだと水の入れすぎですよ。陸地に部分を作ってやらないと、甲羅干しもできないし」と注意した上で、「実は私も亀を飼ってるんですけどね」と、おもむろにケータイの待ち受け画面にしているわが家のカメの写真を見せたら、その女性は慌てて「厩務員さんを呼んできます」と駆けだしていった。で、すぐに厩務員さんがやって来てポリ容器を乱暴に傾けながら水を減らした上で、「これは卵を産みに馬場へ来たらしいんだよね」と聞かされて大いに納得した。ウミガメの産卵でもおわかりのように、淡水棲のカメも産卵場所は必ず陸地である。クラブの近くには農業用の貯水池がいっぱいあるし、馬場は卵を埋めるのにかっこうの土質で、亀らは卵が馬の蹄で潰される心配まではしないのだろう。
 水を減らすと案のじょう亀らは急に活き活きと動きだして、今度は若い女性会員が「わーカメだー。おかし〜」とそばに寄ってきたので、私はまたしても葵の紋所のようにケータイ画面を取りだしながら(笑)「これはミドリガメが大きくなったもんですが、正式にはミシシッピアカミミガメというんですよ。ほら、耳のとこが赤いでしょ。で、こっちがクサガメで……」と亀話をトクトクと語って聞かせたのだった。われながらアホであります。




2007年07月09日

海老と青梗菜の炒め物

 QPで見た料理。海老は酒と塩で下味して片栗粉をつけて先に炒めておくこと。青梗菜の茎と葉を順に炒めて春雨と海老を加え鶏ガラスープ、塩、酒、胡椒で味付け。
 私の子どもの頃は世の中が良い意味でも悪い意味でも今よりずっと安定していて、名前もよく知らないうちに大臣がコロコロ交代するようなことはなかったので、荒木といえば文部大臣、赤城といえば農林大臣という風に今でも憶えているのだが、今回またまた事務所経費で問題になってる赤城農水相がやっぱりあの赤城農林大臣の孫だと知って笑ってしまった。政界は今や歌舞伎界と一緒である。おじいちゃんが二枚目役者だと、孫はどんな見てくれでも二枚目をやらせてもらえるのである(笑)。歌舞伎は別に見なくても構わないので、ご勝手にどうぞで済ませているのだとしても、政界にまでそんなことを許していながら民主主義国だと言い張ってる日本人が私には全く理解できません。


コメント(3)

ほんとですね、政界の世襲制は困ったものです。
「サメの脳みそ」がトップというのも落ち着かない気持ちです。大事にならないうちに、早く適当な人にバトンタッチできるといいのに、と国民から同情されるトップって、どうよ。ですね。

投稿者 虎ファン : 2007年07月10日 05:52

いよいよ参院選・・・。ちゃんと行って、投票率をあげないといけませんね。政治家にナメられたまんまだと、結局困るのは自分! それしても「おじいちゃんが二枚目役者だと、孫はどんな見てくれでも二枚目をやらせてもらえる」だなんて! 純粋な見てくれだけならば、そこまでヒドイのは思い当たりにくいですが、ねえ・・・。きゃぴっ(笑)

投稿者 ふみ : 2007年07月10日 15:27

海老蔵丈襲名の時に、日テレの辛坊解説員さんは「世襲が云々され、政界では一般公募が広まってきたが、歌舞伎は違う。市川海老蔵、この海老蔵の上をいく海老蔵なんて一般公募しようが何をしようが絶ぇ〜対出てこない。」というようなことを解説されていて、自分勝手ですが溜飲の下がったことこの上なかったのを記憶していますが、これも、家の歴史全てを背負って幼い頃からの芸道精進の成果以外の何者でもないと思うわけで、役者もファンも何代か続いていくのはひとえに役者が良いからです。選挙は地盤看板かばん、と云いますが、議員の世襲の場合は、むしろ、選挙民の方に大きな問題があると思います。

投稿者 でじょん : 2007年07月15日 23:24



2007年07月10日

茄子と鶏の香味醤油

 QPで見た料理。思ったより簡単にできるからオススメ。玉ねぎと大葉とミョウガのみじん切りに味醂と醤油を足してタレを作り、オクラと茄子の素揚げ、酒と塩で下味して片栗粉をまぶした鶏肉の揚げたものにかけて食す。茄子は高温で揚げるのがポイント。
 昨日と今日とで新聞記者7名の方とお目にかかってインタビューを受け、さすがにくたびれたが、全く言いたい放題のオシャベリだったので、お聞きになった方々は呆れてらしたかもしれないけれど、こっちはすべて終わって妙にスッキリした気分だ。とにかく曲がりなりにも作家になったからには、誰に対しても正直にものを言ったほうがいいと思いだしたのは、これがいわば自分の心を開陳する商売であり、なんでも正直にものが言えるという点を除いては、そんなに旨みのある商売でもないからであります(笑)。てなわけで今日は喋り過ぎたのもあって、ゴメンナサイ、ブログに書くネタがちょっと思いつきません。


コメント(2)

今朝ちゃん、とうとうやったね!おめでとう。。。聖母という同じ学び舎で貴方と過ごせた事を心より誇りに思っております。またお父様やお母様のお喜びを想うとなぜか涙が出てきそうになります。墨染通りを下って来られるお姿をよくお見かけしていたものですから。。。本当に良かったね。最高の親孝行じゃないですか!おめでとう!

投稿者 吉田博子 : 2007年07月17日 23:41

なんか、コメントするところを間違ってしまって。。。トホホ・・ごめんね。

投稿者 吉田博子 : 2007年07月17日 23:45



2007年07月11日

鰹の手こね寿司

 QPで見た料理。鰹は薄切りにして生姜汁・醤油・味醂を合わせたタレに浸け込んでおく。すし飯に新生姜と大葉の千切りをたっぷり混ぜ込んで鰹を加え、仕上げに切りごまを振る。すし酢にスダチを加えるのがポイント。夏向きの爽やかなお寿司でとてもおいしい。オススメ!
 お茶の稽古の帰りに駅張りポスターに目が行って、松方弘樹主演で「素浪人月影兵庫」のTVシリーズが再開するのを知った。顔が親父そっくり!といっても若い方はピンと来ないだろうが、その昔、私が子どもの頃には松方の実父近衛十四郎主演で大ヒットしたシリーズだ。当時好きでよく見ていたが、とてもノーテンキな時代劇だったので、元PHPの熊谷氏に「あれの原作者は南條範夫ですよ」と教えられて、「ええっ、ウッソー!」と叫んでしまったくらいゼンゼン結びつかなかったのである。
 南條範夫の名を初めて知ったのは先々代尾上松緑と先代辰之助共演の『燈台鬼』を見たときで、こんなものを歌舞伎でやるなんて信じられない!メチャクチャ残酷で暗ーい物語だったのだけれど、それがきっかけで南條作品にはいくつか目を通している。司馬遼太郎の歴史物を除いて、私はいわゆる時代小説をほとんど読んでいないので、例外的にご縁があるほうなのだ。
 氏の傑作『被虐の系譜』は「武士道残酷物語」というタイトルで映画化されてもいるが、今どきの時代劇時代小説ファンにはあまり馴染みのない作品だと思う。私は多少SMっ気があるので(笑)近所の古本屋でたまたまこれを見つけたときに「被虐」の文字に惹かれて購読し、以来、こういう作品が書けるのなら、時代小説家になるのも悪くはないと思うようになった。つまりはひそかに私淑していたのだから、南條先生とお呼びするべきなのかもしれないけれど、残念ながら接触の機会がなかったので、敢えてそうはしません。
 『被虐の系譜』は一応現代物のスタイルで第2次大戦後の日本を舞台にしている。主人公がある旧家の古文書を丹念に探るうちに、その家の歴代当主が自分の仕える主君に対して被虐的なまでの忠誠を尽くしていたことが次第にわかっていくというストーリーで、ほぼ全編にわたって当主の「日記」が引用されており、もちろんそれは偽作された文献ながら、非常に巧妙な擬古文なので、ひょっとしたら本当にこんな「日記」が旧家から出てきたのかもしれないと思わせるところがミソである。私は『奴の小万と呼ばれた女』の中でそのやり方を実践してみたが、「あれは本物の文献じゃないんですか!」と仰言った方もあったので内心シメシメだった(笑)。
 ところで主君に対して被虐的なまでの忠誠を尽くす代々の当主はどんどん時代が下がって、ついには「天皇陛下」への忠誠を誓って子どもたちを嬉々として戦死させてしまう父親となる。南條範夫は当時の日本人のメンタリティーを一種カリカチュアライズしたメタファーとして『被虐の系譜』を書き上げた。それが戦中戦後を生きた物書きの責任の取り方でもあったのだろうと思う。時代小説は日本社会のありようや日本人のメンタリティーを批評する道具として有効に使えることを、私はこの作品から学んだのであります。




2007年07月12日

タイ式カレー、青パパイヤのサラダ、タイ式ビーフンほか

筑摩書房の磯部さんと近所のタイ・レストランで食事。
 今春に予定していた『辰巳屋疑獄』の文庫版が9月に刊行される運びとなって、久々にお目にかかった磯部さんだが、彼女が全売り上げ270万部突破の『金持ち父さん貧乏父さん』シリーズを手がけるようになって「もう7年になるんですよ!」とのことだ。当人はいい加減この仕事に飽き飽きしてるのに、シリーズが継続する限り手を引くわけにもいかず「一体わたしは何をしてんだろうって感じですけど、でも、まあ、こういうのが世の中の仕組みってもんなんですよね」と、ずいぶん達観したことを仰言った。
 で、わたしのほうも今年でちょうど小説デビュー10年だというのは他人様のインタビューを受けて知ったのだけれど、10年前と今とでは世の中がすっかり様変わりした。10年前の日本は不況下の暗いムードに包まれていたけれど、正直言って、こんなハチャメチャな感じではなかった。さらにここから10年先となれば、現在かろうじて保たれたあらゆるシステムに秩序や権威が消滅あるいは崩壊しているはずだから、その時点でまだ中年に留まっている世代、つまりは現在の40代前半から30代以下の方たちはそれをどう乗り越えていくのかが心配される。「会社で見てても、けっこう物事を素直に受け取って、なんでも信じちゃえる人たちなんで、ちょっと怖いですよねえ」と磯部さんはいい、きっとその人たちは物事を根本から疑ってみる暇もなく育った世代であると同時に、根本から疑えば崩壊が早まるだけなのを無意識に悟ってそうしないのだろうと私はにらんでるのでした。




2007年07月13日

ポーク・ソテーのジンジャーハニー・ソース

 昨日のQPで見た料理。蜂蜜をカラメル状に煮詰めて酒とレモン汁を入れて、新生姜の粗みじんと醤油を加えたソースである。豚ロースは塩胡椒で下味し、薄力粉をまぶしてソテーする。付け野菜は冷蔵庫にあったカメ餌用のプチトマトとアスパラガスと椎茸。豚の生姜焼きとはひと味ちがいます(笑)。
 昨夜、磯部さんとで問題になった現代ニッポンにおける若年層の話を蒸し返すが、2、30代ではやはり非正規雇用者の「格差」がとても深刻だという実感を彼女は洩らしていた。で、その憤りをどこにぶつけたらいいのかもわからない彼らを見ていると、不満憤懣をきちんとした方角に向かわせるべく、中年の私たちがきちんとフォローしなければ、とんでもないことになるかもしれないという懸念を共有した。
 前にこのブログでもネット上のいわゆる「祭り」について触れ、例の松濤温泉爆発事故が朝鮮総連のしわざであるというような流言飛語の怖さについて書いたが、「そうなんですよ。ネット上で『特ア』ってコーナーあるのご存知ですか?」と教えられてビックリしたのは、東アジアの国々に対する批判を煽るブロガーが今や多数存在する現状で、「これってネオナチの台頭と全く一緒ですからねえ」と彼女は大いに心配するのだった。ネオナチもそうだが、本家ナチスの台頭もドイツの不況を背景に若い連中の憤懣がヒトラーという怪物を担ぎ上げることになったのを忘れてはならない。
 右派に限らず左派にも文化大革命の紅衛兵や、カンボジア・ポルポト政権下のクメール・ルージュがあったわけだし、日本の大昔に遡れば『平家物語』に出てくる「禿」なんてのもその一種だと思うのだけれど、洗脳された若年層の暴走ほど恐ろしいものはないというのを私たちは過去の歴史で当然知ってるはずだから、とにかく折に触れて注意するに越したことはないのであります。


コメント(1)

直木賞受賞、おめでとうございます!!
以前に、星宮先生の同窓会の記事で、「直木賞候補」
と書いてありました。
ついに、やりましたね!!
おめでとうございます。心から、心から、お祝い申し上げ
ます。50代になって、人生これからですね。

そうそう、ケラコのホームページにおじゃましたら、まるで
同窓会のようでした(^O^)/なつかしい友達の名前がいっぱ
いで、嬉しかったです。早速、本を買って読ませていただき
ますネ。

投稿者 川口(山本)昌美 : 2007年07月20日 10:59



2007年07月14日

ズッキーニと生ハムのパスタ

 昨日のQPで見た料理。ズッキーニは薄切りで塩をして水を抜いておく。オリーブ油でセロリのみじん切りを炒めてズーッキーニを足し、スープで蒸し煮にしてから生クリームを入れる。生ハムをトッピングして仕上げに黒胡椒をきかせる。蒸し煮にするのでオリーブ油は少なめにできる。
 今日でこんなに降っちゃうと、台風が通過する明日は一体どうなるんだろう(--);九州の方々は本当に大変だとお察し申しあげるが、東京でも朝からずーーーっと降りっぱなしでどんどん激しくなってるから、含水量が限界点に達する土地だってあるだろうし、近くに決壊しやすい河川があると本当に怖いと思う。結果3連休の予定がパアになるどころの騒ぎじゃない済まされないかもしれないけれど、唯一助かったのはダムの水不足がこれで解消とまではいわなくとも、確実に緩和されたことかもしれない。
 昨夜、京都の妹からの電話で「鉾(ほこ)が倒れるかもしれんちゅうて、補強しはるのが大変みたいやで」と聞かされて、ああ、そういえば、今は祇園祭の真っ最中なんだと改めて想いだしたが、およそ祇園祭の鉾が台風で倒れたなんて話は今れまで聞いたこともなかったので、7月のこんなに大きな台風はやっぱり異常気象の一種なんだろう。
 気象の変化は人間が居住を定めることの根幹を揺るがせ、そこが揺らぐと働き方も社会の構成も何もかもがドラスティックな転換を余儀なくされるはずで、とにかく今後はあまり定住志向や安定志向は持たずにフレキシビリティー命で過ごしたほうが、余計なストレスはなくなるような気もするのでした。




2007年07月15日

THE BEE

ako

 台風が関東を直撃するという話だったので、乗馬は明日にまわして、今日はバッチリ仕事するつもりでお昼過ぎまでゲラ直しをしていたが、ああ、こんな日ならひょっとしてOKかも?と思って3時から近所の世田谷パブリック・シアター・トラムでキャンセル待ちをして無事チケットを入手し、野田秀樹脚本・演出の話題作『THE BEE』ロンドン・バージョンを観ることができた。
 NODA・MAPと世田パブは毎公演ご招待戴いてるので、当然これも戴けるものと厚かましく思い込んでいたら(笑)、トラムはさすがにキャパシティーが小さいせいか、それとも招待されながらブログで悪口を書くのに気づかれたのか(笑)、今回は残念ながら招待状が来ず、チケットを取ろうとした時はすでに完売だったのですっかりあきらめていた。ところが先日友人の岡本螢から電話があって「野田君はやっぱさすがだよね」との感想を聞いてからまた急に観たくなった。ダメもとでキャンセル待ちに並べるのも劇場の近所に住んでる者の強みであります。で、結果、やはり観てよかったと思える濃密な70分の舞台だった。
 原作は筒井康隆の『毟りあい』で、立てこもり犯によって妻子を人質にされた善良な市民が、逆に立てこもり犯の妻子を人質にとって交渉を続けるという、典型的な筒井ワールドの不条理劇である。主人公はマスコミに仕立てられた善良な「被害者」よりも、むしろ自らが「加害者」になるほうを選ぶことで自己実現を遂げるという点に強いスポットを当てたところが野田の作意だろう。かくして被害者から加害者に転じた主人公はその凶暴性をどんどんとエスカレートさせ、ついには自壊して世界が失われてしまう。そこには9.11以降、世界中で顕著になった「報復の連鎖」のメタファーが明解に読み取れるのだった。
 ロンドン公演は前作『赤鬼』よりもはるかに評判がよかったらしいが、それはこうした意図がわかりやすい点と、演出も『赤鬼』よりずっと整理されて実に求心力のある舞台を成立させた点が大きいのだろうと思う。個人的には野田秀樹の女装演技が今までになく色っぽいので面白かった(笑)。日本バージョンでは野田が主人公を演じて、これが実に今までになく素晴らしい演技だったと岡本螢は絶賛していたから、見逃したのは残念である。
 写真は劇場から帰ってわが家で食べた晩ご飯のおかずで、沼津産アジの干物、水菜と油揚げの煮浸し、メカブの酢の物、某新聞社の方から頂戴した玉木屋製の牛肉ゴボウ巻きであります。 


コメント(2)

私は日本版を見たのですが、「蜂」の意味が最後までわかりませんでした。「神」のようなものでしょうか?それとも「良心」とか人間そのものの存在とか、そういう何かなのでしょうか。
こういう質問してしまうこと自体がレベルの低い観客そのものなんだろうなぁと思いつつ、ココで答えが得られるなら満足です(^^ゞ

投稿者 猫並 : 2007年07月16日 21:07

>「蜂」の意味が最後までわかりませんでした。ココで答えが
得られるなら満足です(^^ゞ

鋭いツッコミ畏れ入ります(笑)。私も確信を持って書けないので敢えて触れなかったのです。人間の運命を操るふしぎな存在で、俗ないい方をすると「魔が差す」の「魔」のようなものだたりするのかしら?と始めのほうでは思いましたけど、後半になるとそれが「神」のような気もしてきましたね。レベルの低い答えで申しわけありません。

投稿者 今朝子 : 2007年07月16日 22:02



2007年07月16日

五穀米弁当

 台風にしろ地震にしろ、被災地以外の人間はすぐ何らかの行動が取れるというものではないから、幻冬舎の木原さんのご実家が新潟だったり、本のことで小千谷市の方にお世話になったりと、ご縁がまるでない土地でもないだけに心配はしつつも乗馬に出かけた私である。
 クラブにはやはり昨日来られなかった日曜のメンバーがぞろっといて、例のバリキャリOさんが所持するワンセグTVを見せてくれながら、「阪神大震災のときも、TV見てたらあんまり酷い状態だったから、私たちがフツーに暮らしてるのがなんだか悪いような気がしたんですよね」と殊勝なことを宣うた。で、まさか罰が当たったというわけでもなかろうが、今日わたしはほぼ1年ぶりに落馬した!のであります。
 理由不明で馬がなんだか苛立ってる雰囲気があって、どんどん速くなり、気が付いたら宙を飛んで頭から落ちたらしい。すぐに立ち上がれたものの、何がなんだかわけがわからず、そばにインストラクターの女性が呆然として「物凄いハネ方でしたね」と言われたので、どうやら尻っぱねで前に落とされたらしいのだった。で、胸を強く打って痛みがあるので、取り敢えずクラブでもらったシップを貼ってるが、明日朝起きたらもっと色んなところが痛くなってるのは過去の落馬経験からわかる。胸の痛みも酷いようだったら、骨にヒビが入ってる恐れもあるので、明日はまた整形外科でレントゲンを撮らなくちゃならない。嗚呼!なんであれ物事の痛みは当事者にしかわからないのであります(涙)。


コメント(13)

直木賞受賞おめでとう御座います
あれから十年、ヨッカッタヨカッタ、
又、関西でお祝いパーテイー盛大にしましょう、
                    森口文雄 寿万子

投稿者 森口文雄 寿万子 : 2007年07月17日 20:52

直木賞受賞おめでとうございます。今後とも、体調に充分気をつけられ、ますます、良き作品を作り出して下さい。

投稿者 夕焼けさん。 : 2007年07月17日 22:12

歌舞伎ファンの一読者です。第137回直木賞受賞、おめでとうございます。これからも良い作品を期待しています。どうかこれからも頑張って下さい。

投稿者 六条亭 : 2007年07月17日 22:19

直木賞おめでとうございます。ほんとうにうれしいです。

お忙しくなると思いますが、お体大切にご自愛下さいませ。

投稿者 あきこ : 2007年07月17日 22:30

わ〜、すごいすごい!直木賞おめでとうございます!!
今後とも、ますますのご活躍を。

投稿者 飯塚美砂 : 2007年07月17日 22:48

受賞、おめでとうございます! 今回のことで、今まで松井さんを知らなかった方々の手にも、作品の届く機会が増えるということですね。お互いに(書き手にも読者にも)メデタイことだと思います。これからも一層のご活躍を祈念申し上げます。松井さんが、馬と亀と芝居に割く時間を確保し続けられますように〜(これもお祈り)。

投稿者 ふみ : 2007年07月17日 22:54

直木賞受賞、おめでとうございます。
ところで、痛みのほうは大丈夫ですか?今日はブログの更新もままならないほど、痛みがあったのかと心配でした。受賞はとても素晴らしいけど、このタイミングというのは本当にお体が大変と思います。
お大事になさってください。

投稿者 虎ファン : 2007年07月17日 23:29

 このたびは直木賞受賞おめでとうございます!
ぴあの歌舞伎入門書からお名前に注目し、小説を手に取ったファンです。
今後とも、よい作品を読ませてください。

投稿者 羊猫 : 2007年07月17日 23:40

今朝ちゃん、とうとうやったね!おめでとう。。。聖母という同じ学び舎で貴方と過ごせた事を心より誇りに思っております。またお父様やお母様のお喜びを想うとなぜか涙が出てきそうになります。墨染通りを下って来られるお姿をよくお見かけしていたものですから。。。本当に良かったね。最高の親孝行じゃないですか!おめでとう!

投稿者 吉田博子 : 2007年07月17日 23:49

おめでとうございます。
受賞作が既読だなんて、長いこと生きてきて初めての経験です!なんだかそれがすごく嬉しいです。

投稿者 猫並 : 2007年07月18日 00:05

松井今朝子さま
おめでとうございます。
朗報に思わず、声をあげてしまいました!
「仲蔵狂乱」で今朝子さまを知り、以来友人知人に「時代小説で何回も読み直した唯一の作家さん」と話していたので、今回の受賞はとっても嬉しいです。
受賞作も既に複数回、読ませていただいて楽しんでいます。

ブログも楽しみにしています。
これからもお身体大事に、頑張ってください。
亀ちゃんたちもお元気で!

投稿者 ひすい : 2007年07月18日 00:13

おめでとうございます\(^o^)/初めて書き込ませていただきますが、自分のことのようにうれしいです!
 ぜひ、お祝いの会をしたいですね・・・

投稿者 竹本越京 : 2007年07月18日 00:35

ご受賞誠におめでとうございます。
大阪は谷町6丁目、直木三十五が生まれ育った町の片隅の小さな文学記念館から、松井先生のご受賞を心よりお祝い申しあげます。
今回の候補作品読ませていただき大変よい作品だと思いました。
大阪にお越しの折には記念館に是非お越しください。
記念館の近くには実川延若や初代中村鴈次郎などの上方歌舞伎の役者の方のお墓も沢山あります。

投稿者 直木三十五記念館事務局長 : 2007年07月18日 11:20



2007年07月18日

皆様ありがとうございました

 7月17日はN賞の発表待ちで夜の7時過ぎまで自宅でせっせとゲラ直しをしていたが、ゲラ直しが全部完了してもまだ連絡が来ないし、ひどくお腹が空いてきたので、自宅の電話をケータイに転送するかたちで近所のイタ飯「クッチーナ」に向かった。そこでは幻冬舎の永島さんとヒメ、校正者の渋谷さん、スラッシュさんの進藤さんが待っていて、前菜をひと通り食べていたらしく、さあこれからパスタを注文しようというので、この店の絶品である鶏レバーの赤ワイン風味を頼んだところでケータイに連絡が入った。で、とにかく店に作ってもらったサンドイッチや何かをタクシーの中で食べながら東京會舘の記者会見場へ直行。そこで例によって言いたいことを言って、その後いわゆる文壇バーに連れていかれ、選考委員のWJ氏、KK氏、AT氏、AJ氏にお目にかかってシャンパンで乾杯し、すぐにそこを出て麻布のバーで各社の担当編集者の方々と軽く談笑して家に帰ってきたのが1時半過ぎ。その後留守番電話のメッセージや頂戴したメールやらを聞いたり見たりしてるうちに3時を過ぎてしまった。
 そんなわけで御祝いメールやブログの書き込みをしてくださった皆様本当にありがとうございます!お一人お一人にすぐ御返事できなくて申しわけありませんが、これまでご支持ご支援くださったことを大いに感謝し、厚く厚く御礼を申しあげます。今後もとにかくできるだけペースを守って自分なりに誠実な書き方をを続けていきたいと思いますので、引き続き長く応援してくださるよう心よりお願い申しあげます。


トラックバック(1)

このリストは、次のエントリーを参照しています: 皆様ありがとうございました:

» 祝、直木賞受賞、松井今朝子さんの愛亀の名は俊寛。 from トクダス
7月17日、第137回直木賞が発表されました。《吉原手引草》で受賞したのは、松井今朝子さん。公式ホームページhttp://www.kesako.jp/早稲... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月19日 01:56

コメント(9)

うわぁ〜直木賞受賞おめでとうございます!
こちらのHPは毎日来ていますが、昨年「マンガ歌舞伎入門」を送っていただいてから松井さんの作品全読破を誓ったのに遅々として進んでいません。
これを機会に本腰入れてがんばります!
どうかこれからもお体に気をつけて次々作品を生み出してくださいませ。

投稿者 福寄 : 2007年07月18日 05:57

 bookレビューで拝見して、すぐ本屋さんに飛んで行き、「吉原手引草」かわせて頂きました。期待に違わず、というか、それ以上に素晴らしくて、たちまち松井ワールドの虜になりました。stickamの、わたしのプロフ(おらうーたんです)に、本名と抜粋させていただいた言葉を書いたほどです)
 同時に、こんな素晴らしい本が、なんで賞とってないんだろ〜って思ってた矢先。。わ〜、やった〜^^♪って、自分のことのように、うれしかったです。これからの、ご活躍もたのしみにしています。忙しくなられると思いますが、健康管理されて、頑張られて下さい。

投稿者 matu : 2007年07月18日 08:28

直木賞、受賞おめでとうございます!
Rom専でしたが(^^ゞ、顔出しして、お祝いを・・・

京都新聞には、お父様のインタビューも載ってました。
お元気そうで、何よりです(^^♪
同級生としてこんなに嬉しい事はありません!
これからも、お体に気をつけて・・
ご活躍をお祈りいたします。
ワッチン

投稿者 小田(渡辺)智子 : 2007年07月18日 09:09

おめでとうございます。まあ、何ということでしょう。偶然、書店で目にとめ、購入し、読み終わったところで、受賞されるなんて。読み応えのある本でした。実は、「仲蔵狂乱」以後、楽しみに読ませていただいております。これからのご活躍を、楽しみに願っております。

投稿者 西の都の無名の者 : 2007年07月18日 15:45

直木賞受賞おめでとうございます☆
歌舞伎という文学では斬新な題材を取り上げられての受賞、本当に素晴らしいですね。これを機に日本人がもう一度日本の伝統芸能の素晴らしさを再確認できるといいですね。

投稿者 上杉@農業 : 2007年07月18日 15:52

「松井今朝子先輩のおかげで、今日のわたくしがあるのです」と日ごろから吹聴している子分です。昨日今日は、私もあちこちから「獲ったねえ、よかったねえ、すごいねえ」という声をかけてもらってます。本当におめでとうございます。デビュー作の「東洲しゃらくさし」から10年ちょっと。まだ一昔とは思えない期間に受賞なんてすごいです。ひとつ前のコメントに、「歌舞伎という文学では斬新な題材」とあったので、思わずコメント続けちゃいます。今朝子さんが歌舞伎の尻尾を掴んで、いつか振りまわす日が来るのを楽しみに待ってます。

投稿者 歌舞チャ前川 : 2007年07月18日 17:02

直木賞受賞おめでとうございます。
今日の新聞で、といいながら夜10時以降に知りました。
数冊を読んだ一介のファンですが、お話のいくつもに出てくる人情の表れが気に入ってたくさん読ませてもらってます。

投稿者 藤川智之 : 2007年07月18日 23:06

この度は直木賞受賞おめでとうございます。
一介のファンですが、お祝いさせてくださいませ。
新聞の書評で紹介されていた『仲蔵狂乱』を探しに書店に行ったものの見つけられず、代わりにあった『幕末あどれさん』を購入・拝読して以来のファンです。その後もちろん『仲蔵狂乱』はじめ他の作品も拝読しています。
肝心の受賞作は就職したてで忙しく未読なのですが、ばっちり初版で購入しておりますので、これから読ませていただきます。
お忙しくなられるかとは思いますが、お体には気をつけて、これからもステキな作品を読ませてくださいませ。

投稿者 ねむ : 2007年07月19日 00:40

受賞おめでとうございます。よっ!十八回生の星☆ 
感動・元気を頂きました。ありがとう(^^)/
これからもいいお仕事を期待しております。
                    れこ より

投稿者 れこ : 2007年07月19日 21:36



2007年07月18日

皆様すみません

 今日は朝からピンポーンと電話の嵐で直近〆切の原稿が2枚も書けずに午後から文藝春秋社に行って怒濤の如く人に会いまくり、帰りに幻冬舎のヒメと軽くパスタを食べて家に戻ってきたら、またピンポーンと電話が鳴りっぱなしで着替えもできずにへばってしまった。聞きしにまさるとは、まさにこのことであります。てなわけで、その後もいろいろと暖かい御祝いメールを頂戴しながら、ちょっと返信を書く余裕がありませんので皆様お許しください。


トラックバック(1)

このリストは、次のエントリーを参照しています: 皆様すみません:

» 松井今朝子さん、直木賞受賞 from ほぼ日刊時代小説
第137回直木賞が発表されて、松井今朝子さんが『吉原手引草』で3回目のノミネートで見事受賞された。お気に入りの作家で、しかも2003年の第130回の京極... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月18日 22:45

コメント(2)

松井さん、直木賞受賞おめでとうございます!!! 今朝、新聞を読んで感激しました!!! 随分とご無沙汰をしておりますが、お元気そうで何よりです。(名前だけではわからないですよね・・某所マネージャーの若林です!! キーワードはポールです(笑)) 頂いた本も読みおわり、私も母もすっかり松井さんのファンになりました!!! 明日、早速本屋へ行って「吉原手引草」を買ってきまーす!!! 実は・・・ 私は、既にあの場所(会社)から去ってしまい・・・偶然がないかぎりお会いする事が出来なくなりましたが・・・こうやってHPには遊びに来るつもりです。ガラパコスの写真も以前ゆっくり拝見できなかったので、HPで再度拝見させて頂きました。 なんか・・・ とにかく新聞読んでびっくりで!!! 失礼とは思いましたが、コメントに書かせていただきました。 本当になぜか自分のことのように嬉しくて!! 本当におめでとうございます!!! しばらくは取材などなど・・・お急がしい事とは存じますが、お仕事がんばってください!!!

投稿者 若林 : 2007年07月18日 23:22

おめでとうございます!
ニュースで・・・
でも、お祝いを申し上げるのが遅くなってしまって、ごめんなさい。

私は香川の中越です。
劇団浪漫座の旗揚げで「四谷怪談」をやった時の「お岩」です。
あの節は本当にお世話になりました。
改めてお礼申し上げます。

ちょっとでもお会いした方が賞を頂くのって嬉しいものですね。
漫画や書物でお名前を拝見する度に嬉しくなったものです。

お身体にお気をつけて、読者を楽しませて下さい。

投稿者 中越 : 2007年07月19日 17:37



2007年07月19日

鶏レバーの赤ワイン煮込みパスタほか

 今日の昼間は新潮社の方々がお越しで、新刊のタイトルと装幀の相談。『銀座開化事件帖』の文庫版は『銀座開化おもけげ草紙』と改題。このシリーズ第2弾の単行本タイトルは『果ての花火』と決定しました!発売はほぼ1ト月早まって8月31日の予定です。
 それにしてもゲラ直しがよくぞ出来たりで、もし受賞前に仕上がってなかったら出版延期は必至だった。ゲラ直しが完了したのはひとえに選考会の審議が長引いたおかげであります(笑)。で、私がゲラ直しを終え、空腹に堪えかねて近所の「グッチーナ」に駆け込んで、注文した直後に連絡が入って食べ損ねたパスタをやっと今日食べることができた。意地汚い私はこういうことをスゴク根に持つのである(笑)。昨晩もバタバタして結局パンを2個食べただけだから、今宵やっと食事らしい食事にありつけた格好で、席を共にした近所の大島さんに色んな頼み事をしてしまった。とにかく今日もピンポーンと電話で仕事が全然捗らず、わずか原稿用紙3枚のエッセイをやっと1社にお渡しできたのみ。あと既に聞いているだけで5社のエッセイと3社の取材で、幻冬舎のヒメのところでまだ止まっているものが沢山あるという話だから空恐ろしいばかりである。体重計にのったらこの2日で1キロ痩せてました(涙)。


コメント(1)

ストーカーの、じゃなかった病院のクワバラ(笑)です。直木賞ご受賞当日は、玄関ドアに(お祝いの)お札を貼り付けて帰り、恐怖のどん底に陥れてしまってすみませんでした。ほ〜ら、やっぱり受賞後は想像以上に忙しいでしょ? こりゃ当分落ち着かれませんな〜〜〜(哀)。「お祝いディナー」にお招きしたいけど、この夏は無理かもしれませんね。とにかく山積みのお仕事をちゃっちゃか片付けられて、少し余裕ができる日をお待ちしています。で、とりあえず骨折はしてなさそうでよかったです。で、こうなると、昔の仮装パーティの写真に価値が出て……(とまたまた恐怖に陥れるクワバラなのであった)。

投稿者 クワバラアツコ : 2007年07月19日 22:50



2007年07月20日

上方寿司、鶏肉サラダ

整体治療の帰りに東横のれん街でゲット。
 今朝は5時起きで午後1〆切の産経新聞エッセイを書き始めてなんとか入稿し、午後はダカーポ誌の取材で書評家の井家上氏にお会いした。作家が選ぶこの1冊というので私はまたしても『フラット化する世界』を挙げて、近刊予定の「銀座開化おもかげ草紙第2『果ての花火』」と関連づけてお話した。
 夜は整体治療でG先生にお会いして先日の落馬の件を話したところ「ああ、それはやっぱり馬が地震波か何かを感知したんじゃないんですか。そういえば阪神大震災のときに、野良犬が整然と一列で安全地帯に向かって行進するのを藤本義一さんが目撃して、人生観が変わったという話がありますしね」と言われて、その光景をまぶたに描きながらホーと唸ってしまった。動物に優れた感知能力があるのはいうまでもないが、頼りにしているわが家のカメはこれまで何度か地震があっても全然動じませんでした(笑)
 ところで例によって電車に乗ると中吊り広告を物色するが、今日ふと目をひかれたのは某週刊誌が暴き出した赤城農水相の女装趣味疑惑である(笑)。となると、あのガーゼと絆創膏は何だったんだろう? 


コメント(1)

この度は直木賞受賞、本当におめでとうございます。
旦那さんと女将さんが大変喜んでおられました。
ことに旦那さんは知らせを受けた瞬間、感極まるものがあったようでした。その様子を見ながら、わたくしも胸を熱くしておりました。
京都で『今朝子スペシャルメニュー』をご用意してお待ちしております!

投稿者 カトちゃん : 2007年07月20日 23:40



2007年07月21日

谷中生姜とオクラの豚肉巻き

QPのホームページを見て作った。薄切りの豚肉に谷中生姜のほうは味噌を、オクラのほうは梅肉をつけて巻く。梅肉は酒でのばしておく。表面に粗塩と黒胡椒をふって中火で炒める。
 イヤー、久々に自分でご飯を炊いて食べるとホッとしました(^。^)/
今日までTVを見る時間もなくて、世間で何が起きてるかさっぱりわからず、こんなことではイカンと思い、本日〆切の入稿を果たしてからまずとっちらかった家のお片づけをした。そのあと実家の料理店「川上」に初めて連絡を入れたら、案の定というよりも想像をはるかに超えた大変な騒動で、頂戴した御祝いのお花が今や店の外へあふれ出して、通行人の中には立ち止まって写真を撮る人までいるという。「瓢亭」のご主人自ら鯛と伊勢エビをご持参になり、「美濃吉」は女将さん自ら鰻の蒲焼きを大量にご持参になったとかで、ご両家ともウチの親戚ではあるが、そこまでなさるとはもうビックリ。ほかにも一保堂や虎屋やもろもろの京の名店がどっと押し寄せて、店内は足の踏み場もなく混乱してるようだが、こちらは放っておくしかなく、夜は久々にTVのニュースを見ながら食事した。で、原発事故の件は幻冬舎のヒメから少し聞いていたから驚きはしなかったが、農水省副大臣の発言にはすっかり呆れました。
 そうですか、故松岡大臣の事務所費は赤坂の芸者さんの花代に消えてたわけですか(嗤)。1回のお座敷で2,30万というのは、むろん独りで来たわけではないから相場だろう。それにしても赤坂は前に何かの事件で極秘情報が漏洩して以来、政治家がすっかり寄りつかなくなったという話を、ずいぶん前に花柳界情報に詳しいS社のO氏に聞いたが、いつの間にか復活してたってことだろう。O氏の話だと、日本の政治家や経済人が最も重要な会合を開くのは赤坂ではなくて、いまだに柳橋だというのだが、これはちょいマユツバであります。


コメント(2)

この度は本当におめでとうございます!
今頃になってのコメントですが、インターネットのニュースをちょこちょこチェックしては発表を待ち、結果を知った時は大興奮でした。
まだまだ落ち着かない日々、と言うよりは、ますますお忙しい日々がすでにスタートしていることと思いますが、どうぞお体ご自愛ください。
私はこのHPで拝読する舞台の感想に、大いに頷いたり胸のすく思いをしたり、目からウロコが落ちたりしているので、松井さんがさらにお忙しくなって観劇の回数が減るのは少し寂しいです。どうか舞台も忘れないでくださいね。また劇場でお会いできることを楽しみにしております。

投稿者 トクナガ : 2007年07月22日 02:27

いつもHP、拝見しています。
この度は、受賞、本当におめでとうございます。
あれから○年、私はシンガポールで暮らしてます。
ますますお忙しくなると思いますが、熱帯の地から、ご健康と
ご活躍をお祈りしております。

投稿者 オオサワ(旧姓:  ナオエ) : 2007年07月22日 18:20



2007年07月22日

えぼ鯛の干物、カボチャと高野豆腐の煮物、ジャコおろしのせ冷や奴、蜆のみそ汁

 朝から乗馬に出かけ、いつもより早い目に帰宅したものの、このところの気疲れと煙草の吸いすぎで口内炎がひどくて、凝った料理をする気にもなれず、晩ご飯はおざなりな献立になったので写真は載せません。
 朝ひんやりしてたのでカメに餌をやらずに外出したら、午後から急に暑くなったのでマズイ!と慌てて帰ってきたのだけれど、案の定またキレて植木鉢をぐちゃぐちゃにしてた(涙)。俊寛という名前まで新聞に載ってしまったカメなのに、私がバタバタしてて世話する時間がめっきり減ったのはちょっと気の毒であります。
 ところで近々〆切の仕事が山積みにもかかわらず乗馬に出かけたのは理由がある。クラブハウスで会ういつもの仲間やインストラクターの皆さんが一様に「おめでとうございます!で、体のほうは大丈夫ですか?」と仰言ったのは、先週とてもハデな落馬をしてしまったからで、私のほうは「ありがとうございます。ご心配かけてすいませーん」を連呼していた。
 落馬すると必ず直後に乗ることを勧められるが、それは恐怖心が出るのを防ぐためで、去年の夏に落馬したときはかなりのブランクをあけたために、そのあと以前よりもあきらかに乗れなくなってしまい、近ごろやっとカムバックしたところで、またしても!だったのである。幸い今回はハデな落ち方のわりに痛みが早くひいてくれたけれど、今日は何がなんでも乗らないとまた去年の二の舞になりそうだったし、この際忙しいから乗馬できないなんていってられない気がしたのである。
 やっぱり行くとすっかり気分が変わったのが何よりで、皆さんとても控え目に暖かく祝福してくださったのがありがたかった。面白かったのはひとりのインストラクターの女性が「直木賞って一体どんなもんなのか全然わからなかったので、ネットで検索したら、松井さんのブログが出てきて、ガラパゴス紀行を楽しく拝見しました」と仰言ったことで、世間とは概ねこういうもんだということを、直木賞でやたらに大騒ぎする文芸関係者はちゃんと認識してほしい。
 ひとり男性のインストラクターからは「松井さんが飼ってるカメってどんな種類ですか?」と訊かれたので、「ホルスフィールドです」と答えたら、「ああ、僕も前にそれ飼ってたけど死んだんで、今はヘルマン飼ってるんですよね」とカメ談義が始まってしまい、今後はこういうカメ好きの方とどんどんお知り合いになれるのかもしれないと嬉しくなった。でも大きくなり過ぎて飼えなくなったリクガメを、わが家の前に捨てていく人がぞろぞろ出てきたらどうしよう(-.-;


コメント(2)


直木賞受賞おめでとうございます。
発表直後には、メール出し遅れましたので、少しはメール・電話が減ったのではと思い1週間後に出しました。

乗馬もとてもいい趣味・運動とは思いますが、冬場のスキーも是非思い出して楽しんで下さい。

歌舞研の同僚より

投稿者 大石 学・紀子 : 2007年07月23日 15:56

直木賞受賞おめでとうございます。

同じ乗馬クラブに通っていて、頭を下げる程度のご挨拶をしている男性です。
せっかくクラブで息抜きをされている時に、お祝いの言葉を言うのもと思い、クラブでのご挨拶は遠慮させていただきました。

落馬をした瞬間って、体の痛さだけでなく、周りの方々に見下ろされ、惨めさと恥ずかしさの、まるで廊下に立たされた子供の頃の気分を思い出させられます。

お忙しい中、すぐに騎乗され、自信を取り戻されたようでよかった。
恐怖心から、体が萎縮してしまっては、ますますバランスが取れなくなってしまいますからね。

同じ日曜日に、先週、障碍を自分だけ跳んでしまった方も騎乗されてました。彼に関しては、ちょっと無茶と、心配しながら見てましたが、当のご本人は楽しそうに乗っていました。

投稿者 まぁくん : 2007年07月24日 00:29



2007年07月24日

刺身盛り合わせ、温野菜サラダ、生姜豆腐ほか

 青山スパイラルホールでダンダンブエノ双六公演/本谷有希子作/倉持裕演出『砂利』を観た帰りに劇場でたまたま一緒になった岡本螢と近所で食事。
 「本谷有希子って最近ちょっといいですよー」と前に内山さんに薦められたので観る気になったが、今回は岡本螢がいみじくも述べたように「本谷さんのホンって結局やれば誰でも出来るってもんじゃないんだよね」といったところだろう。空っぽの自分を被害妄想で埋めていこうとする現代人の病ともいうべきものがわりあいストレートなテーマとして綴られるこの作品は、それなりの役者が演じれば切実なリアリティを感じさせることができるのだろうけど、残念ながらは田中美里も坂東三津五郎も決してそうではなかったから、前半はただただ退屈なドラマとしか見えなかった。ところが片桐はいりが登場するや否やがぜん舞台はイキイキとして、後半は結構面白く観られた。岡本松井の両人とも率直に言って「これって、はいりを見に来たようなもんだよね」との結論に達し、「あの顔がだんだん美しく見えてくるとこがスゴイよね。あれこそが芸ってもんだよね」と舞台女優片桐はいりを絶賛しながら劇場をあとにしたのであります。




2007年07月24日

棒々鶏、えぼ鯛の干物

 棒々鶏のゴマだれは生姜とニンニクとネギとのみじん切り練り胡麻と砂糖、鶏ガラスープ、味醂、醤油、豆板醤を合わせて作る。鶏モモ肉は塩を薄く揉み込んでネギの青い部分と生姜の皮を載せて電子レンジで酒蒸しにする。
 今日はすっかり梅雨明け〜てな天気だったが、関東はまだみたいだし、おまけに今年は猛暑だといってたのが一転して冷夏になりそうだと聞いて驚いた。経済効果ガタオチで、株価がドーンと下がった企業もありそうだ。もっともこちらは正直言って冷夏のほうが有り難い。わが家はとても風通しがいいので、来客がない限り、今年はまだ1度も冷房を入れたことがなくて、ひたすら省エネ健康を目指している。柏崎原発の操業中止でビル全体が省エネモードになると、東京はもっと涼しくなるに違いないのである。私が京都から東京に移り住んだのは35年も前だけれど(計算して自分でもビックリ(笑))、当時はなんて夏が過ごしやすい街なんだろう!と感動し、それがずっと東京に居続けようと決めた一因でもありました。




2007年07月25日

牛肉と夏野菜の煮物

 久々にQP3分クッキングを見て作った(^。^)ラタトイユの中華バージョンといった感じの料理だ。潰したニンニク、ぶつ切りにしたネギ、薄切りにした生姜を入れて牛肉と茄子、縞目に剥いた胡瓜を入れて、豆板醤、甜麺醤、砂糖、醤油で味付けし、さらにトマト入れて10分程度煮込む。最後に塩胡椒で調味。
 直近の新聞エッセイを今日でようやく全部入稿して近所のスーパーに行ったら、野菜が急騰してるのでビックリ。ネギなんてふだんの3倍近い値段になってるじゃありませんか!これって気候のせい?ほんと日照時間が少なかったんだ……どうしよう、メニュー変えようかな……でもそんなにケチんなくても……などと迷ったくらいに高かったのであります。
 お昼に韓国出張から帰国したヒメに連絡をもらって、現在韓国は日本のエンタメ小説が一大ブームになってるという話を聞いた。どうも韓国の小説家はいわゆる純文学作家が主流で、面白いエンタメ小説家がいないらしい。かくして日本作家のミステリーが大流行で、中には100万部!も売れた本があるというからオドロキだ。つまりは人口に比して、まだ日本よりもはるかに本が読まれているのである。 


コメント(1)

松井今朝子先生
花の会でのご縁でやはり先生と呼ばせて下さい
遅まきながら直木賞受賞お目出度うございます
本当に嬉しい!!!
6月始めに買って一晩で読みました。。午前2時までかかって
受賞は、生まれて初めての海外旅行から帰って次の日の新聞で知りました 時差ボケを覚ましてくれました 
花の会の皆大喜び、秋の講座へのおいでをお待ちしています
御本が買えない人が多く私のが今3人目を回ってます
次の作品を期待して
今朝子先生 バンザーイ!

投稿者 赤尾雅子 : 2007年07月25日 22:22



2007年07月26日

ヂンギスカン

 今日の昼間は「小説宝石」の竹内編集長と深草さんがカメラマンと一緒にお越しになって、まず近所の風呂屋の前とかコンビニの前とかでグラビア撮影された。近くにもうちょっと絵になる場所もありますよと言ったのだけれど、こういう町場の感じのほうがイイとのことで黙って撮られていた。で、家の中ではカメTシャツを着てカメと一緒に撮られたりして、撮り終わってからこのページですと最新号を見せられたら、若手作家の森見登美彦氏が美しい竹林を背景にしてステキに撮られているので、ええっ!なんでこんなに差があるわけ〜と少し僻んでしまいました(笑)。
 夕方はPHP研究所の小林局長と文庫編集長の山田氏が御祝いにお越しになり、元PHPの熊谷氏も同行された。小林局長が引き揚げられたあと、山田氏と熊谷氏と一緒にわが家と同じビル内の地下にあるヂンギシカン料理店で食事。
 PHPには処女作の『東洲しゃらくさし』と、「銀座開化」シリーズの前身である『幕末あどれさん』を出版してもらい、熊谷氏は最初の担当編集者として非常にお世話になった。『東洲しゃらくさし』ではゲラ直しに徹夜で付き合ってくださり、おかげで処女作ながら意外な好評を得た。そのほかにもいわゆる時代小説を書くにあたって必須となる基礎資料をいろいろと教えられ、私がこの道で立つきっかけを作った方でもある。あれから10年、あっという間に過ぎてしまったが、当時のことをいろいろと回想すれば、出版状況はまだおっとりしてたんだなあと改めて思ってしまう。『東洲しゃらくさし』と『幕末あどれさん』の文庫も9月に復活しますので皆様よろしく!




2007年07月27日

鱸の刺身、茄子炒め納豆ソース、茸のサラダ、浅蜊の雑炊

 今日は午後から「赤旗」誌、ジャパンFMネットワーク、「週刊ポスト」誌、「楽天ブックス」の取材を立て続けに受けてさすがに喋り疲れたところで、ちょうどうまくスラッシュの守部さんから連絡が入り、近所の店で一緒に食事をした。顔を見るなり「ちょっと痩せたんじゃない」と言われて、そうかも……(-.-);である。ひとまずタイトル通りの料理を注文して、あとで追加する気にもならないのだから胃が縮小してるのかもしれない。とにかく妙に神経が立っているのと急に暑くなったので眠りが浅く、勢い食欲も衰えがちとはいえ、50過ぎてコレだけ食べられたら十分じゃない!との声もアリ(笑)。




2007年07月29日

ハンバーガー

 「急なお誘いですが、神宮球場の中日ヤクルト戦のチケットが1枚余ってるので、気分転換にいかがですか?」とのメールを友人からもらって球場に赴き、なんで私が中日の応援をしなきゃなんないわけ……という根本的疑問を抱えながら「燃えよ!ドラゴンズ」を熱唱して4時間近い試合を観戦。なにせここんとこTVでも日本のプロ野球とはすっかりご無沙汰で、元近鉄の中村紀がすったもんだあって中日に拾われたのはよく知っていたが、元横浜のキャッチャー谷繁までいるのはちょいとオドロキだった。
 「ねえ、福留はどうしたの?」と訊くと「それがケガして休んでるんですよ」というし、「おまけに抑えの岩瀬が絶不調なんです」とのことで、目下4連敗中のところへ先に4点も取られて、ああ、こりゃ今夜もダメだと思っていたら、ベテラン谷繁が2ランを打ち、中村紀が逆転打を放つなどして、抑えの岩瀬がなんとか踏ん張って連敗を止めた。途中までは何だってこんな負け試合に誘われたんだろうと気持ちが暗くなってしまったが、終わってみれば実に面白い白熱のゲーム展開で、名手森野や藤井の好守備も見られたし、別に中日ファンでもないのにそれなりの満足を得て球場をあとにした私であります。


コメント(1)

見も知らぬ者ですがコメントさせて頂きます
直木賞受賞おめでとうございます
ミステリーチャンネルでお姿を拝見し、その語り口調に
思わずひきこまれ
ついつい著作を買ってしまい
ついつい他の著作にも手をのばし
松井ワールドにひきこまれていましたら
今回の受賞!
なんだかうれしく、今頃ですが
おめでとうございますと
ひと言お伝えしたく
またお伝えできるこのような手段があることもうれしく
図々しくもコメントさせて頂きます
これからも存分に松井ワールドの展開をされることを
勝手に期待させて頂きます

投稿者 天下井教子 : 2007年07月29日 11:07



2007年07月29日

塩鮭、ニラ玉、ブロッコリーのサラダ

乗馬の帰りに近所の総菜屋でゲット。
朝からむっとする陽気だったし、神経が安まらないせいか頭の芯がズンと重かったのだけれど、めげずに乗馬に出かけたら、意外とすっきりした気分で帰宅出来たのは嬉しい。やはり頭が疲れたときは、体も疲れさせたほうがいいようである。
 クラブハウスで例のバリキャリOさんと顔を合わせるなり「大宮市の図書館のサイトで『吉原手引草』を検索したら、15冊も置いてあるのに、今なんと250人待ちみたいですよ!『ダ・ヴィンチ・コード』だって80人待ちなのに〜」と聞かされて思わず「我ながらそれはスゴイねえ……」と唸ってしまった。順番待ちしないで買ってくんないかなあ……というのが本音だけれど(笑)、とにかくこれを機に新たな読者と出会えるのは有り難いと申しあげるしかない。
 ところで選挙のほうは行きそびれるとまずいので、昨日のうちに不在者投票したが、帰ってきてTVを見たら、投票率が想ったより伸びてなかったのも意外だけれど、それでいて自民惨敗の数字が予想以上のデキだから、これをもって国民がいかに怒っていたかわかろうというものである。こんなに惨敗しても、まだ居座り発言をしてる安倍の神経って一体どうなってるんだろう?ブッシュと同様の狂気じみた「鈍感力」が空恐ろしくなる。それにしてもネオコンと比較するのもバカバカしいような塩崎世耕らの「少年官邸団」とやらを、内部で始末できなくなったほど自民党の力は落ちてしまったのだろうか?とにかく政治家らしい政治家がいなくなってることだけは確かなようで、こんな時代にありとあらゆる問題が噴出してるのだから、ホント日本はこの先どうなるんだろう(--);


コメント(1)

早速受賞作品を拝読させて頂きました。失踪の謎を私なりに色々と推理して読み進むのも又それらが次々と打ち消されていくのも楽しくてあっと言う間に読み終えてしまいましたが、私などが申し上げるのは誠におこがましいことではありますが、もし私がこのストーリーを書き上げるとしたら、きっと最初に葛城の〇〇〇〇をもってきてからの展開としてしまいそうですが、それらは尽く隠されてあっても最後まで読者を惹きつけておく手法?筆力?は流石に上手いなぁ〜と感心いたしました。しばらくは何かとお忙しいこととは思いますが落ち着かれましたらお祝いの席を設けたいと思っておりますのでその時は受賞作を持参いたしますのでサインしてね(笑)。それでは今後とも益々のご活躍を楽しみにしております。

投稿者 吉田博子 : 2007年07月30日 11:37



2007年07月30日

フランス大使館

 「フランス大使館から昼食会にご招待されましたけど……」と幻冬舎のヒメから連絡が入ったときは、ホント今年はいったい何が起きるかわかったもんじゃない!という気がしたが、つい受諾したのは料理の味に心惹かれたからで、イギリス大使館なら断ってたかもしれません(笑)。
 期待されたその料理は全体にベトナム系フランス料理といったエスニックな味わいで、前菜とスープをかねた蟹肉のルバーブ巻き(?)に始まり、フグかカワハギみたいな白身魚のソテー、次にチーズが山盛り出てきて、最後のデザートがエッグノックみたいなよくわからないもので、最初から最後まで、美味しいかどうかはともかく、どれ一つとして今まで似たものですら食べたことがなかったのに感心した。さすがにフランス大使館である。
 で、一体なぜ私が招かれたのかというと、バルベ・シュローデルというあんまり聞かない監督が江戸川乱歩の『淫獣』を映画化するにあたって、日本の芸者を登場させるシーンがあるので、参考のために色んな人の意見を聞きたいとのことで、文化補佐官が朝日放送の社長に相談したら、たまたま受賞時期と重なったので吉原に詳しい人として私の名前が出たようなのだが、撮影スタッフと会って話を聞くと舞台は京都の祇園なのだそうで、どうも吉原と祇園の違いもわかってるのかどうか疑わしい人びとなのだった。 で、10月に撮影開始といいながら、キャスティングもまだほとんど固まってないようで、フランス語がひと通りできる男女俳優を捜しているとのことだったので、ソルボンヌ大出の長塚京三とかどうなんでしょう?と、こちらが勝手に挙げる名前をどんどんメモしていくのである。芸者の演技指導ができる人は誰かいませんかと訊かれ、祇園が舞台なら大昔にアメリカ映画にも出演したてる子さんとか、『さゆり』で有名になった岩崎峰子さんとか、いろいろいらっしゃいますけどと答えてメモされ、ほかにも東京で日本庭園を撮影できる場所はないかと訊かれてまたいろいろと挙げながら、それにしても私はたまたま祇園町で育ったし、松竹という興行会社に勤めて俳優や撮影場所とかもそこそこ知ってたからいいようなものの、ただ吉原を舞台に時代小説を書いたというだけの人間がこんな席に呼ばれたらどうすんだろう!と驚くほどアバウトな人選によるご招待だったのだ。ほかの日本人招待客は堂本尚郎画伯夫妻と日本文化をいろいろと海外に紹介なさってる相原さんという女性で、長卓にバルベ監督以下撮影スタッフ大勢とル・リデック大使夫妻が座って一斉にしゃべり出して同時通訳が入る中での昼食会はなんとも疲れる!としかいいようのないものだった。
 食後は応接室でドリンクや葉巻が振る舞われ、ようやく少し落ち着いた雰囲気の中で文化補佐官の田村さんという女性とゆっくり話をしたら、「面白いでしょ、ここの大使は映画関係者が来たら誰でも歓待して、こうした協力を惜しまないんですよ」とのこと。大使夫妻は日本語もそこそこ堪能だし、とても気さくな感じでイイ人そうな人たちなので、映画の公開が予定されてる来年秋には京都を舞台にした短編アンソロジーを日仏同時出版する話が私に来ていると伝えたら、その企画書を早くこちらにも出してくれと言われて、協力を惜しまない態度を示されたのであった。さすがに文化を大切にするお国柄というべきか。
 ところで田村補佐官もまた京都の出身だというので何かと話をしながら、思いきって「私は聖母学院の出身で、小学校からフランス語を習ってたんですけど」と申しあげたら「ええっ!私も聖母なんですよ」と答えられたのでさすがに驚いてしまった。
 わが母校の聖母学院は1学年120人くらいしかいない小規模なフランス系ミッションスクールだったから、出身者にめぐり会うことは滅多とないのに、なんと初めて行ったフランス大使館でバッタリ会うとは!ちなみ私は小学校のころ、フランス語の授業を得意科目にしていて、人生で初めてもらった賞は「仏国領事館賞」というものだから、フランスにはふしぎと縁がある。てなわけで『幕末あどれさん』というようなタイトルの時代小説も出来たのであります。
 写真はパーティに集った面々と大使館のスタッフで、私の後ろに立つ水色のシャツを着た男性がバルベ監督、顔がマルコヴィッチそっくりなのがおかしかった。ネクタイを締めてる大柄の男性が大使で、茶色い洋服の大柄な女性が大使婦人。


コメント(6)

はじめまして。直木賞おめでとうございます。
御本いつも読ませて頂いております。
こちらもよく覗いているのですがコメントするつもりはなかったのですが..
Barbet Schroederさんという綴りでよければ 
バーベット・シュローダー(バルベ・シュローデル)
90年ジェレミー・アイアンズが主演男優賞を総なめにした
運命の逆転やメリル・ストリープ、リーアム・ニーソン出演
判決前夜の監督さんではないでしょうか。
乱歩の映画化をされるのですか。
出演者が日本人でフランス語で撮影となると結局
ほかのアジア圏の俳優に決まってしまうかも?ですね
Gacktさんなんかいいかも 仏語話されるそうなので。
耽美系ですし演技経験ありますし
女性だとどなたがいいんでしょうね。
いずれにしろ久々の監督作は楽しみです。
今朝子様には過労でお体をこわされませんように。
ではでは

投稿者 阿部麻理 : 2007年08月02日 02:23

>運命の逆転やメリル・ストリープ、リーアム・ニーソン出演
判決前夜の監督さんではないでしょうか。

エエッ、そうだったんだ!私も『運命の逆転』は観てますが、全く気づきませんでした。

>出演者が日本人でフランス語で撮影となると結局
ほかのアジア圏の俳優に決まってしまうかも?

フランス人の男優がひとりで、あとは全員日本人で撮りたいそうですが、話を聞いてるとあまりにも準備不足で大丈夫かなあ?という気がしました。Gacktが仏語を話せるということも、知っていれば教えてあげられたのにと残念です。女優は宮沢りえちゃんにアプローチして断られたそうで、お引き受けになりそうな方の名前は秘密でした。

投稿者 今朝子 : 2007年08月02日 08:37

 受賞おめでとうございます。タイトル通り、吉原の良き
 ナビゲーションですね。私は戦後昭和25年〜33年まで
 の吉原しか知りませんが、それでもあの社会独特の用語、
 隠語、(かすかに風習も・・)は残存しておりました。
 ほんの一例ですが「鼠鳴き」など・・。
 尚、小生、古典落語の愛好者なもので、沢山の「廓噺」
 (「文七」「お直し」「幾代餅」「付き馬」「突き落とし」
  「大坂屋花鳥」「お茶汲み」等々キリがありませんが)
 と比較しながら御著を拝読させて頂くと興味倍増です。
 落語はイメージの世界ですから、視覚で楽しむなら五社
 監督の「吉原炎上」なんかよく出来た作品ですよね。
 歌舞伎は御専門ですから控えさせて頂きます。
 久し振りに良い作品を読ませて頂きました。深謝。  「 

投稿者 戸鹿里 次(とがりゆずる) : 2007年08月03日 10:38

ははあ。私の名前は思い出してくれなかったのねえ。冷たいわねえ。フランス料理に目がくらんでたのねえ。別にいいけど。

投稿者 中村まり子 : 2007年08月11日 19:04

中村まり子さんへ

もちろん真っ先に想いだしましたとも!で、コリーヌ・カンタン女史には貴方の活動をいろいろ報告したりしてます。けど、今度の映画で捜してる女優陣は祇園の芸者の役だというから名前を挙げなかったんですよ。前に時代劇とかは絶対にやりたくない!って言ってたじゃない。

投稿者 今朝子 : 2007年08月11日 20:51

なるほど。実は先日禁を破って時代劇?の映画に出てしまいました。悔しいから題名は教えない。祇園の芸者は無理だ・・・だが、何とか婆あ?とかないのかな。準備不足なのではなく、それはフランス人だからです。関係ないけど私は先日ロシア大使館に招かれて、昼間からウォッカを飲んだ!

投稿者 中村まり子 : 2007年08月12日 16:21



2007年07月31日

中華おこげ他

 ラジオ番組で「ボンドガール」の浜美枝さんと対談したときに、人間長生きすると思いがけない人とお目にかかれるものだという気がしたが、『オール読物』の対談相手が林真理子さんに決まったときも同様の感慨が湧いたのである。
 林さんはほぼ同年代で、『ルンルンを買っておうちに帰ろう』が一世を風靡し、コピーライターから作家に転身されたことが実に印象深くて、長らく心にひかかっていた。私と同世代で世間の注目を浴びた最初の女性はたぶんユーミンか中島みゆきで、林さんは3番手くらいだったと思うが、文筆面でのトップランナーであったことは間違いない。それもコピーライターという新進の花形職業で先頭を切って走りながら、なぜ女流作家などという古くさい道に進まれたんだろう?という疑問を当時の私は持ったものだ。今日初めてお会いして、そのことを率直に話すと「ああ、それは私が本屋の娘で、作家というもののヒエラルキーが高かったからでしょうね」と実にあっさりと答えられた。「ほんとに私が作家になった頃は若い女性の作家がほかに誰もいなかったんですよ」とご本人も言われた通り、その後に山田詠美さんや、桐野夏生さん、高村薫さんらが次々と現れたけれど、当時はポカっと穴があいたように女流作家が払底し、萩尾望都さんをはじめ女流の才能はマンガの世界に開花していた。一方で当時はまだ文壇の権威主義的な雰囲気が多分にあったのだろう、「私が直木賞を獲ったときは、これで賞の値打ちが下がったみたいな言われ方までされましたよ」とこれまた正直に話されたのは、その後もずっと牽引車な走りを続けてこられた自負と自信がなせるわざだろうと思う。
 この方はいまだに原稿が手書きで、しかも物凄いスピードの仕上がりだという話を私は担当編集者から聞いているが、つまりはカラダで書くことのできる本当の意味で作家らしい最後の人ではないかという気がするほどで、お話を伺っていると言語型記憶のスゴイ人だというのが如実にわかる。片や私はそもそも言語型でなく映像型記憶のほうが強い人間で、鮮明な映像として見えている妄想を言語に移し替える作業に自信がないのは、言語型記憶の蓄えがないからだという話を正直にした。
 歌舞伎や京都のネタでお互いに共通の知人をやたらと見つけて賑やかに談笑しながらも、時にマジメな顔で人からホンキの話を誘いだすところは、さすがに長年週刊誌の対談ページで鍛えられたプロの腕を感じさせた。速記者への気づかいや編集者とのやりとりを見ても実にプロ意識が感じられて、とにかく非常にパワフルな女性である。こちらも約2時間半にわたり例によってスキマ恐怖症的お喋りに徹して、さすがにお腹が空いたので、帰宅してすぐ大島さんを誘って近所の「銀座アスター」で食事をしたのであります。


コメント(2)

 始めまして。直木賞受賞をお喜び申し上げます。
29日付の新聞を拝見いたしまして、早速購買の予約をしました。大阪の「国際ソロプチミスト大阪ーなにわ」の会員ですが
文学を通して「女性の少子化」「女性と女児の向上」に関しての
講演をお願い致したく勇気を出して投稿致しました。
「大阪ーなにわ」は20年になるクラブで関西の文化に貢献したく歌舞伎や、文楽の公演事業を継続してきました。詳しくお話も聞いて頂きたく、ぶしつけなお便りいたしました。
 あつかましいことですが、お答え戴けますでしょうか。
よろしくお願い致します。   本城布沙子

投稿者 本城布沙子 : 2007年08月01日 20:04

本城様へ

 追ってまたこちらからメールアドレスのほうにご連絡を致します。

投稿者 今朝子 : 2007年08月01日 21:17