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2007年06月02日

お好み焼きほか

お茶の帰りに矢内さん、三村さんと近所の文字平で会食。
 昼間は渋谷のSクリニックで人間ドックに入る。乗馬のおかげか?この年でわずかながらも身長が伸びたのはビックリ!相変わらず大きな胆石があって、炎症を起こさないうちに切除する手もありますよと勧められたが、やなこったと拒否し、ならやっぱり晩ご飯は控え目にしたほうがいいですよと言われて、それもやなこったと腹の中で舌を出しておりました(笑)。乳房超音波検査で片方になんだか異常に時間を取られてヤバそうな気配があり、ちょっと心配しつつ帰宅。11日に結果が出たらまたご報告致します(- -);




2007年06月02日

茄子のミートスパゲティ、新ジャガとビーンズのサラダ

  定番なのでレシピは不要だと思うが、面倒でも茄子は別に炒めてトッピングしたほうが美味しい。サラダの自家製ドレッシングはオリーブ油、塩、レモン汁、ニンニクのすり下ろしを合わせている。
 今日はなんだか朝から筋肉痛というほどでもないが、躰に妙な違和感があって、疲れやすく、それはきっと昨日の人間ドックでバリウム検査をしたからじゃないかと思ってしまうくらい、台ごと逆さまになったりグルグル回転したりして放射能を大量に浴びるのだから堪らない。正常でも相当に苦しいのだから、少しでも異常があってあれをされたら病気が確実に進行しそうである。ところで前回の超音波検査では腎臓結石の疑いがあるといわれて、別の病院で再検査したら、信じられないような恐ろしい目に遭ったあげく、結局のところなんでもなかったという経緯はわれながら余りにも可笑しかったのので、このHPにも某雑誌のエッセイにも書いたけれど、病院では誰しも、ええっ!とのけぞるような経験のひとつやふたつお持ちだろうと思う。
 というわけでちょうど折も折、わが友人で元「ミセス」副編の福光さんとイラストレーターの百田まどかさんがタッグを組んだ『病院のクワバラさん』という病院ネタのオモシロ情報本が送られてきたので、食後にこれを一気読みした。最近の若いお医者さんは「ポリクリでアナムネとらせて戴きます」てな業界用語を患者相手に平気で使ったりするから御用心とか、長く入院するならトイレは温水洗浄式かどうかはもちろんのこと、ペーパーの質や便座の高さも要チェックとか、「ほんとのところ」手術の謝礼の渡し方とか、何かと役立つ情報もあって、これに著者のクワバラさん(=福光さん)を爆乳系の美女(笑)として描いた百田さんのイラストというよりマンガが添えられていて、本当なら深刻になる話のはずが、著者の人柄を反映してか、妙にほんわかと楽しめてしまう本でした。


コメント(2)

早速にブログに本をご紹介いただきありがとうございました!お知らせしたのでご存知の通り、こちらは腰の筋肉の肉離れで日常生活にも不便をしておりますが、追い討ちをかけるように、今、早慶戦で早稲田が5点を取り、「ありゃりゃりゃりゃ・・・」とがっかりしております。と思ったら6点だった。この先何点とられるのやら・・。ハンカチ王子(やっぱりこいつはイケメンの皮をかぶった怪物じゃ)にはほれぼれせざるをえないオバサンではありますが、慶應びいきとしてはなんとしても、ここは慶應に踏ん張っていただき、優勝決定戦に持ち込んでいただきたいものです。早稲田ご出身の松井さんとしては、これで逃げ切り万歳! でいいんでしょうけど。プリプリ。

投稿者 クワバラアツコ : 2007年06月03日 14:01

 早慶戦のハンカチ王子は乗馬で見られませんでした。ちなみに私はどちらかというとハンカチ王子よりマァ君のほうがシュミで、ハンカチとかヨン様とか(一緒にしたらきっと怒る人いると思うけど)の弥生系(大陸渡来系)男子の顔は身内に一杯いるからゼンゼン心が惹かれません。野球でいうと横浜の佐伯とかの顔が好みです。
 ところで早慶戦といえば必ず「三田の色魔テイノー」と唱った想い出がありますが、今だとああいうサベツ用語満載の罵倒ソングはイカンのでしょうね、きっと。慶応の友人の結婚式で(ひょっとして貴方か)皆と一緒に唱って口から出てきたのがあのフレーズなので参りました(笑)。慶応側はどんな風に罵倒してたのかは知りませんでした。

投稿者 今朝子 : 2007年06月04日 07:28



2007年06月04日

中華総菜

3日の晩ご飯は乗馬の帰りに近所の総菜屋でゲット。
怪しい雲行きが心配されたが、思いのほか爽やかな風を感じながら今日も2鞍騎乗した。気温がこの程度でおさまってくれたらいいがそうなるはずもなく、インストラクターの女性は2鞍目に乗った黒鹿毛の老馬を見ながら「いやー、このコがこの夏を乗り切れますかねえ……」と心配そうに仰言った。馬でも黒っぽいのは熱を吸収しやすくて夏は気の毒なことになるらしい。そうなるとやはりポカリスエット的飲料を喜んで飲むそうであります。
帰宅してTVを点けたら地球一巨大な海亀オサガメの映像がバッチリ見られて大満足(笑)。話題の早慶戦は見られませんでした。


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松井さん
6/6夜教育テレビで「一人ぼっちのジョージ」とかいうカメの番組をやりますよ。私も見るつもりです。是非ご一見を!
(私は?そう乗馬クラブの帰路の友でした!(^^))

投稿者 モイラ : 2007年06月06日 00:00



2007年06月04日

海老とカボチャの甘辛炒め

 QPで見た料理。生姜、ニンニク、ネギのみじん切りを入れた油でカボチャと海老を炒めて酒、砂糖、醤油で味付け。カボチャは予め電子レンジで火を通し、海老は酒を揉み込んで片栗粉をまぶして先に炒めて取りだしておき、最後に加えるのがポイント。
 昼食後に台所で後かたづけをしながらNHKBSで米国のabc放送を横目で見ていたら、早くも大統領選挙に向けての識者討論会をやっていた。共和党の候補者はジュリアーノ元NY市長を始めとしていずれも不人気なブッシュとなるべく距離を置こうとしているが、イラク戦争まで否定すると共和党支持者の反発は必至だから、そこまで踏み込んだ発言はなかなか出来ないらしい。おまけにヒラリー・クリントンやオバマ上院議員らを抱える民主党と比べて魅力的な候補者がいないという点で共和党の大苦戦が予想されている中で、ブッシュは決して「邪悪な人」ではないが、米国民の多くが今後に望むのはとにかく「能力がある人」という発言には笑ってしまった。どこかの国も似たような現状だが、ヒラリーやオバマほどの人気者が現れそうもないだけに、国民はもっと憂鬱になるのでした。




2007年06月05日

桜エビの担々麺、ホワイトアスパラガスのソテー

 担々麺はテレ朝で見たレシピ通りに作った。ミル&ミキサーで粉々にした桜エビと切りごまと醤油を混ぜてお湯を注いでスープにする。豚挽肉を炒めて酒、醤油、甜麺醤で味付けし、セロリと長ネギとザーサイのみじん切りを混ぜ合わせたものを具にする。水菜をトッピングしてラー油、花椒で仕上げる。ミル&ミキサーさえあればわりあい簡単にできるが、それでも店で食べたほうがはるかにお手軽。とはいえ自分で作ると、相当大量の胡麻を使ったヘルシーメニューだというのが実感できるから一度は自家製をオススメしたいところだ。桜エビはミルにかける前に電子レンジで乾燥させておくとよい。
 サッカーのキリンカップでオシム・ジャパンの戦いぶりを見ながら食事。といっても素人目には、とにかくボールを大きく運んでゲームらしいゲームをするチームにしようとしてるんだなあ、てなくらいしかわからんわけで、あとはただただ選手の顔を見て、ああ、美形の川口も、ベビーフェイスの俊輔もちょっと老けちゃったなあ…とか、でも高原のオッサンはずいぶん垢抜けたじゃない…などとつまらんことばっか気にしてたオバサンであります(笑)。
 




2007年06月07日

窒息鴨のソテーブラッディオレンジソース、ウニとフルーツトマトのパスタ、赤ムツのソテーほか

 昨日モイラさんのご投稿でお知らせ戴いたロンサム・ジョージのTV番組をしっかり録画して(笑)夜は集英社さんとの会食に出かけました。『小説すばる』の栗ちゃんがおめでたで1年間休職なさることになり、担当を引き継いだのは音田笑(おんだえみ)さんというペンネームか芸名かわからんような本名の持ち主で、本人の話を聞くと、どうやら体育会系の酒豪であるらしい。思えば大先輩の八代さん筆頭に集英社女性陣はいずれも酒豪揃いでした(笑)。
 プラチナ通りの一本裏道にニューオープンした『ボスチェッタ』は栗ちゃん曰く「お忍びに持ってこい」のロケーションで、食器はすべてオシャレなガラス製、料理もフルーツソースをふんだんに使った女性的なメニューが多いなか、全員が注目したのは「窒息鴨」と書かれた逸品でした。鴨の首を切ったりせずにじわじわ窒息させて殺すと旨みが体内に凝縮されて残るとウエイターに聞いて、ああ、残酷!可哀想!と口々にいいながら全員が註文し(笑)、確かに美味しい!と全員で叫んだのであります。
 「料理も食器もいいけど、ここウエイターが全員イケメンですよね」と耳打ちしたのは栗ちゃんで、「今どきどこの業界でもイケメンが幅をきかせてるのに、文芸出版界は一体どうなってるの?」と私が常日ごろ最大の疑問を口にしたところ、「いやー、入社したてはみんなフツーだし、可愛い子も結構いるんですよ」とのこと。それが仕事がら睡眠や食生活がムチャクチャになるわ、深酒するわで不摂生が祟って、1,2年もたてば見る影もなく崩壊してしまうらしい。なるほど、と私が思い当たったのは旧職場だった某興行会社のことで、恐らくTV業界なんかも含めてエンタメ系産業にお勤め男子はよほど気をつけていないと無残な結果が周囲の女性をボーゼンとさせてしまうのです。


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男性が無残な結果に陥るかたわらで、女性陣はどのような変貌を遂げるのか、興味しんしんです(笑

投稿者 ふみ : 2007年06月08日 00:10



2007年06月07日

鰺の干物の胡麻シソ揚げ

 昨日のQPで見た料理。鰺の干物を二つに割り、水に溶いた薄力粉を付け、胡麻と大葉の千切りをまぶして揚げるだけ。味付け不要で簡単にできる。胡麻を焦がさないよう注意して低めの温度で5,6分じっくりと骨も食べられるくらいに揚げるのがポイント。パブリカと干し杏に水溶き薄力粉を薄く付けて揚げたものを添える。これが意外と美味しい。
 昨夜録画しておいたBBC制作のガラパゴス特集番組『ひとりぼっちのジョージ』を見ながら食事。いきなり画面に私たちが入り浸っていたサンタクルス島桟橋近くのカフェと、従業員のお兄ちゃんが手を振って出てきたから、わー懐かしい!という気持ちで見入っていまった。それにしてもさすがにBBC制作とあって、ガラパゴスの現状を正確に伝えようとする良心的な番組で、自然を荒らす漁業から観光業に方向転換を図ることで自然を守ろうとしたにもかかわらず、年5%の成長を続ける観光業がまたしても自然を破壊するかもしれない新たな問題を孕んでおり、なんとかそれを前向きに回避しようとする島民のさまざまな取り組みが詳しく語られていた。真面目な内容もさることながら、私の眼を釘付けにしたのはやっぱりラパゴスゾウガメの映像で(笑)、中でもロンサムジョージの近影にはホレボレしてしまいました(^。^)/
 




2007年06月08日

和総菜

整体治療の帰りに東横のれん街でゲット。
電車の中吊り広告で目につくのは案のじょう例の社保庁問題で、これについては先月の26日付で書いたことに尽きていて、改めて批判する気にもなれないのだけれど、私が行ったときに何よりも驚いたのは、窓口に10〜20人近くどっと押し寄せて口々に質問してるのに、応対する職員がたった2,3人で、あとの人たちはまるでどこ吹く風と机に向かっていられる神経だったのである。あの場の状態を見て、私はとてもあんな風に動じないでいることはできないタイプだから、これは非難でも皮肉でもなく、純粋に感心してしまうところもあったのだ。
 それにしても社保庁はいささか極端な例だろうが、役人はいずこも概ね似たり寄ったりではないかと私なんかが想うのは、クロサワの名画『生きる』を見たからだけではなくて、仕事上でときどき出会う役所の方々にわりあい似たタイプの人が多いからでもある。けっして悪い人ではないが、フツーの民間会社に雇われたら、同僚なんかがけっこう陰で「あいつどうもイマイチ面白くないし、仕事もトロくてやだねー」なんて悪口いってたりしそうな感じで、こういう方は役所にいたほうがまだ幸せだろうし、その幸せを奪う権利は誰にもないよね、と私は妙に納得していつも引き揚げるのだった。
 ところで、もちろん例外が山ほどあるのを承知して、いわゆる役人気質を挙げると、無愛想、事なかれ主義といったところがすぐに浮かぶが、それと180度違うのが役者気質で、こちらも例外が多々あるけれど、概ね愛嬌があって、とにかく事を好むというか、なんにでも野次馬的に首を突っ込むし、常に身のまわりがわさわさしてないと気の済まない人が多いようだから、役人と役者は本来的に反りが合わないと見るのが正解で、国立劇場なんかだと必ずや互いに苦労や誤解が絶えないものと推察される。
 しかしながら世の中には不思議とこの二つの180度違う転職を立派に成し遂げた人もいて、私の知る限りでは確か白石加代子と役所広司が共に役人あがりの名優である。ふたりが役所にいたときはどんな顔をして勤めていたのか想像もつかないが、ふたりに対談を持ちかけて社保庁のお役所仕事について語らせる、なんて企画をどこかの雑誌がやってくれないだろうか(笑)。




2007年06月09日

えぼ鯛の干物、白アスパラガスとハムの塩炒め、ザーサイのせ冷や奴、煮豆、茗荷のみそ汁

冷蔵庫のお片づけを兼ねたごくフツーの晩ご飯であります。
お昼ご飯のときは例によってBSで米国放送を見ていたが、トップニュースが例のヒルトン娘の事件というのだから、アメリカも今日のところはまず平和だったのだろう。
 いくらセレブの令嬢でもわずか3日間の収監で後は自宅謹慎という処置に、果たして米社会は納得するんだろうか?と疑問視してたが、案の定そうは問屋が卸さず、再収監の上で刑期まで元通りの42日間に延長されたのはとんだヤブ蛇的顛末で、これについては世論が分れていた。向こうの司法制度には詳しくないので事情がイマイチよく呑み込めないのだけれど、どうやら保安官と検察官の根深い対立が以前からあって、彼女は両者の権力闘争に巻き込まれたのだと同情する意見もある一方で、むろんセレブの特別扱いは許されないからこれで正解だとする人たちが大半のようだ。
 それにしても後ろ手錠をはめられて、収監車両の中で泣き崩れる彼女の映像までTVが流すのはどう考えてもやり過ぎで、要は庶民感情の生け贄にされた恰好だが、こうしたやり口は拙著『辰巳屋疑獄』の例や淀屋事件の例もあるように、江戸幕府が時おり富豪の商人に強烈なバッシングを加えたやり方と似ている。庶民感情をなだめるには、その対極の象徴となる者に誰かが天に代わって鉄槌を下すのが手っ取り早い。近年は日本でもずっとこんな調子で次々と生け贄がTVの画面を賑わし、それだからといって根本的な格差是正は一向に進捗する気配もなく、その場その場の生け贄で目先を変えてごまかされているのだから世話がない。思えば冷戦構造の脱却以降、世界的に民度が低まっているのだろうか。少なくとも庶民感情は何処もひと昔前よりずっと幼稚化したような気がしてならない。




2007年06月10日

海老サラダ、パンいろいろ

乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。
朝クラブに電話して「今日レッスンあります?」と訊いたら、「今はやっております」との答えだったが、三軒茶屋のわが家を出るときは物凄いスコール状態で、駅にたどり着くのもやっとのありさま。渋谷に着いたら小降りだったので思いきって目的地に向かう電車に乗り込んだのだけれど、当駅に着いたら雷がゴロゴロ鳴ってて、ああ、こりゃダメかも……と思いながら、ともかく送迎バスを待った。
 バスから降りてきた大勢の中に例のバリキャリOさんがいて、「レッスン中止になったから帰って来ちゃった」と聞き、さすがに諦めて引き揚げようとしたら、それでも乗り込もうとする女性がもう1人の仲間オペラ歌手のSさんだったので、つい同乗してしまう。「こんな日に行ったら、うちらよっぽど入れ込んでると思われちゃうね」と笑い合いながらクラブの門を潜った途端に、「ゲゲッ!けっこう乗ってるじゃない」とお互いビックリ。雷にも、土砂降りにも、馬場の泥濘にもめげす乗ってる人たちが2,30人はいて、馬好きの人たちにはホント恐れ入谷だと感心したが、他人のことは言えません(笑)。
 幸い私のレッスン時間には雨も止み、2鞍目は陽が射すくらいに天気が回復したものの、帰宅後に乗馬用レインコートを脱いで背中のほうを見たら、なんと襟のあたりまで泥がはねてました!写真は泥の川ができた馬場の様子です。




2007年06月11日

コクーン歌舞伎 三人吉三

 コクーン歌舞伎の、というよりも、中村勘三郎と串田和美のコンビがもたらした最大の功績は、歌舞伎を戯曲本位に上演することによって、シェイクスピア並の現代性を思いのほか引き出し得た点にあり、中でも2001年に初演された「三人吉三」は出色の舞台だった。当時私は読売演劇大賞の選考委員をしていて、これを強く推したが、歌舞伎研究者の某選考委員がさんざん貶して、理由はお坊吉三が双子の妹弟おとせ十三郎を殺す場面をカットしたことであったのを想いだす。私はその場面をカットした点を含めてテキストレジの巧さを認め、ともすれば七五調の口調の良さで流しがちになる黙阿弥ゼリフを役者たちが意味をしっかりつかんで客席に送り届けていたことに頗る感心した。併せて大川端の場で舞台に張った水の反射を利用した美しい照明や、ラストシーンの凄まじい降雪が強く印象に残ったものである。
 今回6年ぶりとなる再演は初演とそう変わり映えはしないが、特筆すべきはまず、おとせ十三郎を演じる勘太郎七之助の兄弟が役者としてかなり成長した点だろう(6年も経てば当たり前だが)。
 次に椎名林檎の音楽を入れた点で、これについては恐らく賛否が分かれそうだ。時おり効果音的に流されるシンセミュージックや抒情的な場面に用いられるそれは悪くなかったが、ラストシーンではテンポの緩い曲がネックになって立ちまわりの迫力を削いだ観が否めない。とはいえ今回の上演は幕末の「下流社会」が生んだ若者の刹那的気分や閉塞感を今日の世相と照らし合わせる意図が濃厚で、それゆえに椎名林檎を起用した点は理解できなくもない。
 最後になったが、土左衛門伝吉の役を前回の坂東弥十郎に代えて笹野高史が演じた点は、この戯曲の現代性をいっそう強調するかっこうとなった。土左衛門伝吉が一体どんな人生を歩んできた人間なのかという点を、笹野高史は丸ごとくっきりと描いて見せられる。歌舞伎役者は相当に巧い人でも「役柄」で演じるしかしないので、そうした人物描写的役作りとは無縁なのである。ただし因果じみた物語を陳べるくだりの笹野は緞帳芝居の役者じみて全く戴けない。役者の育ちによって、得手不得手があるものだとつくづく思った次第だ。
 ところで肝腎の晩ご飯は、芝居を見る前に、東急百貨店内の永坂更科で天丼とざるそばのセットをを注文。その前に近くのSクリニックに人間ドックの結果を訊きに行って、全く異常なしの健康体であることが証明された(^。^)/ので、ガッツリ食べたのであります(笑)。


コメント(1)

ご健康、おめでとうございます!(^▽^)
コクーン、私も初日に観にいきました。笹野さんのあの長台詞、本人がそういう積もりでないことは百も承知ですが、進むにつれてどんどんダレてグダグダになっていって、もう止めてぇ!って感じでした。歌舞伎の人とそうでない人と、こんなに違うんだって(別のことをしていれば、巧拙という二元的構図に嵌らないのでしょうが)。でも、笹野さんは歌舞伎じゃないとこがよかったんじゃないの? 歌舞伎の人じゃない人にも出せる歌舞伎の世界があるんだって言いたかったんじゃないの? だから今さらうたっちゃだめなんじゃないの? 頭グルグルでした・・・。ひとつの演劇としては嫌いじゃないのになー。

投稿者 ふみ : 2007年06月14日 23:56



2007年06月12日

ニラ玉、冷やしトマトのニラ醤油かけ

 昨日のQPで見た料理。ニラ玉には豚肉を入れてボリュームを出すのがポイント。豚肉は酒醤油で下味し片栗粉をまぶして先に炒めること。ニラ醤油はニラをみじん切りして砂糖ひとつまみと醤油を注いで30分以上置く。なんにでもかけられるので作っておくと便利かも。
 晩ご飯の買い物に出かける前に郵便ポストを覗いたら都民税の通知書があって、その場で開封し、中身を見てさすがにイヤーな気分になった。還付金は去年とほとんど変わらなかったから、明らかに報道されていた通りの大増税であります(--);。
 昼飯時にたまたま民放を見ていたら、厚生年金制度が出来た当時の厚生省課長談話が紹介されて、とにかく集めた金はどんどん遣っちゃえーてな調子だったので、アタマに来ていたところにもってきて、これだから、ホントこの国を脱出したくなっちゃいました(怒)。
 「天下り防止法案」もいいけど、私はその前にまず「七光り防止法案」を作れと言いたい!所詮は官僚に作文を頼んでそれを読むしか能がない2世、3世のアホ議員に、この国をどうにかできるとはとても思えないし、官僚も官僚で、ホントに地アタマのいい(佐藤優氏の造語)人ならいいけど、ただ学校のお勉強が出来ただけ、というような程度の連中に国をむちゃくちゃされたのではたまらない気がする。
  ところでゼンゼン話が変わって昨夜シアター・コクーンで翻訳家の松岡和子さんとバッタリお会いしたから乗馬のお話をさせて頂いた。松岡さんは自馬までお持ちでホント羨ましいのだけれど、自馬を所有すると預託金が半端じゃ済まないから、「今は馬を養うために働いてるようなもんですよ」と笑って仰言っていた。それにしても金を払ってくだらない役人や政治家を養っとくより、馬やカメを養ったほうがはるかに地球環境に良さそうであります。




2007年06月13日

春雨サラダ、めかぶ

 サラダの具は茹でたインゲンとイカの切り身、レッドオニオン、香菜、トマト。ドレッシングはおろしニンニクとナンプラー、レモン汁、胡麻油を合わせたものに鷹の爪の輪切りを加えた。
 スカパーの歌舞伎チャンネルでS59年にNHKが放送した俳優祭の舞踊劇「雨舎(あまやど)り」を見ながら食事。ザッピングでたまたまキャッチしたが、歌右衛門、先代勘三郎、先々代松緑、梅幸といった当時の大幹部クラスが勢ぞろいした懐かしの映像で、何せ現坂田藤十郎が扇雀を名乗って若手扱いなのだから、その古さがわかろうというものである。
 で、ふと、当時わたしは何してたんだろう?きっとまだ学生だよね?とか思って西暦を確めたら、すでに松竹を退社していた年だったので愕然とした。ええっ!なら私って結構な年寄りじゃん(-.-);と改めて気づくのもなんですが(笑)、この歌・勘・松・梅の四巨頭がいた時代は安部的表現を借りると歌舞伎の「戦後レジーム」といったところで、つい最近「コクーン歌舞伎」を見ただけに、当時と今とでは、良い意味でも悪い意味でも歌舞伎はホント変わっちゃったなあとつくづく感じる。考えてみれば歌舞伎界に限らず、どんな業界であれ、「民」は生き延びるためにそれぞれの「戦後レジーム」をとっくに脱却しており、かけ声ばかりでちっとも出来ないのは「官」ばかりではないのかしらんと思った次第であります。




2007年06月14日

カボチャと豚肉の炒め煮

 QPで見た超簡単安あがりメニューであります。長ネギの薄切りと鷹の爪、豚肉、カボチャと順に炒めて醤油、味醂、水を加えて少々煮込み、最後に味噌を溶き入れて仕上げた。
 買い物をかねての散歩の途中で急に激しく降りだしたので、帰ってまずベランダでずぶ濡れになってたカメらを慌てて室内に入れた。なにせカスピ海沿岸ステップ地帯出身のカメらだから、雨は大の苦手で、梅雨時は洗濯物とカメの取り込みが欠かせません(笑)。それにしても近年これほどキッパリした梅雨入りは珍しいくらいで、長らく高気圧に阻まれてイライラしてた梅雨前線がソレ行けーッとばかりに押し寄せた感じである。
 食事をしながら「クローズアップ現代」を見て、コムスンの問題を短い時間の中でもさすがに民放とは違ってきちんと取りあげているので、NHKはまだ捨てたもんじゃない番組だってあるんだと改めて感じた。ただ欲をいえば、折口某にかつて国の後押しがあった事実をもう少し鋭く深く突っ込んで、介在したに違いない政治家や何かも明らかにしてほしいところだったが、まあ、そこまで出来ないのはNHKの限界だろう。ただ今後こうした「官」がなすべき仕事を「民」が請け負うかたちがどんどん増えていくだろうから、その背景をしっかり解明する努力がマスコミにもっと求められてしかるべきだと思うのです。




2007年06月15日

日本橋「たいめいけん」のメンチカツ弁当とミックスサラダ

三越劇場で俳優座公演を見た帰りにゲット。
 前にも書いたが、幻冬舎のヒメこと木原さんの叔父上は商業演劇界で昔からよく知られた演出家の金子良次氏であることが、石川さゆり公演をお誘い戴いたときに判明した。今回お誘い戴いたのは、滝口康彦原作の「上意討ち―拝領妻始末―」で、主演は加藤剛と息子の頼三四郎で、劇中でも親子を演じている。
 この作品は昭和40年代の小林正樹監督・三船敏郎主演による映画化以来、商業演劇でもしばしば上演されて、過去に何度か見ている。いわゆる「時代小説」原作の舞台化は意外と難しいのだが、これなどは数少ない成功例だろうと思う。
 殿様の側室をむりやり妻に娶らされたあげく、その側室の生んだ子どもがお世継ぎとなれば、今度はまた召し上げられてしまうという理不尽な目に遭った家臣の父子が、あくまで筋を通してお上の仕打ちに挑戦し、無残な上意討ちに遭うという極めて救いのないストーリーだが、封建時代とはまさしくそうした理不尽に満ちた社会だとの認識が私の若い頃には大勢を占めていた。脳天気な「江戸ブーム」とはおよそかけ離れた認識であり、従って江戸時代を背景にした小説は封建制度の矛盾を鋭くえぐり出し、そこからいわば日本社会に通底する病理を抽出して描くものだと考えられ、私自身は正直今でそういう気持ちで書くことが比較的多いのだった。
 この作品に即していえば、お上の理不尽さを訴えてなんとか抵抗しようとする父子に対して、上司はおろか同僚も親類も家族さえも全く理解を示そうとはせず、事なかれ主義と長いものには巻かれろ式の保身に徹して、逆に父子を追いつめてゆくところが、現代の日本社会でも大いにありそうな話だと受け取れる。映画の橋本忍シナリオに基づく今回の脚本はそこをうまく外さずに現代社会への警鐘を鳴らし、それをスピーディな転換で見せた金子演出は評価したいが、主演の加藤剛父子はともかく女優や脇役の顔ぶれがあまりにも戴けないので舞台の出来としてはイマイチだった。それにしても俳優座は本当にいい役者がいなくなったものだと思わざるを得なかった。俳優座に限らず旧新劇系にはもういい若手が集まらないのだろう。私の若い頃は新劇俳優といえば巧い役者の代名詞だったことを思うと、まさに隔世の感であります。




2007年06月16日

スパゲティナポリタン、アスパラガスとトマトのサラダ

レシピは不要だろう。古典的な味を目指して作りました。
一昨日やっと入梅したと思ったら、今日はもう完全に明けちゃった!て感じで、ベランダのカメらはご機嫌だったが人類としては今後の水不足が大いに心配されます。
 食事しながら先週に引き続いて見たのは「最近ではホンマ珍しいええドラマやで、絶対お姉ちゃん見よし」と妹が強く薦めたNHK番組『こんにちは、母さん』で、永井愛がもともと舞台のために書き下ろした同名戯曲を、舞台とほぼそっくりそのままにやるという、その意味でも極めて珍しいTVドラマだった。
 主人公の「母さん」と息子をこれも舞台と同じ加藤治子と平田満が演じており、老いてなお男と恋して同棲する女を演じた加藤治子の演技は2001年の初演時でも驚嘆に値したが、6年後の今日になんと85歳(手元の古い新劇名鑑に大正11年生まれとあった)になった女優が再びそれをしかも映像で見せてしまうというのだからスゴイ!の一語に尽きる。同性としてはただただ脱帽するのみであります(-.-);

 




2007年06月17日

上方寿司、焼き野菜のサラダ

乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。
 倶楽部ハウスでバリキャリのOさんが「これ買っちゃいましたよ〜」と見せたのはなんと拙著の『吉原手引草』で、時代小説とはおよそ無縁なタイプの彼女が「いやー面白い。昨日から読み始めて、ほら、もうあとちょっとなの」と残りの頁を示されたから、こっちもさすがに嬉しくなってしまった。「ananで表紙の写真見て、キレイだったんで思わず買っちゃった」のだそうだから、anan誌と装幀には大いに感謝しなくてはならない。単行本の装幀は大切で、私はこれまでずっと装幀には恵まれてきたのだけれど、そういえば漫画家の萩尾望都さんとご縁が生じたのも、『仲蔵狂乱』の装幀をたまたま気に入って、買って読んだら面白かったので「週刊朝日」の読書日記で紹介されたからなのだった。
 ところで今日は馬場レッスンでちょっとしたハプニングがあった。写真のように一列になって行進するレッスンでは先頭になりたがらない馬とか、♂が後ろに来るのを絶対嫌がる♀とかいろいろあって、そのつど順番を変えるのだが、今日は途中でコーフンした馬がいて、「あっ、まずい!マリアの前に♀がいた」とインストラクターの女性が叫んだからこっちは一瞬???マリアは名前通りの♀で、♀同士が並ぶのはフツーOKのはずなのだけれど、「マリアは最近どうしちゃたのか牝馬を見てその気になるんですよ」と聞いて、ヘー馬にはそういうことがあるんだ!とチョイ驚いたのでした。
 生物界には広く同性愛(と呼んでいいのかどうかは疑問だけれど)が存在し、ことに鳥類にはその報告例が多いようだが、雌雄の数に問題のあるケースがほとんどである。うちのクラブは♀は比較的少なくて、ほとんどが去勢した騸馬(せんば)であり、ラティナ君という純然たる牡馬が1頭だけいて、彼は♀に全くその気にならないので去勢を免れている。で、ラティナ君はどうやら生まれつき♀に興味がない♂だったようだが、マリアはこれまでそんな徴候も全く見られず、このところ急に♀に対して発情するようになったらしい。別に特定の♀に対してでもないようなので、ええっ、それって一体どういうこと???と騎乗しながらしばし考え込んでしまったものです。


コメント(1)

母校の馬術部には、なぜかオス、しかもせん馬を相手にその気になる牡馬がいました。牝馬にはまったく無関心で。
新入生の頃、新人の対外試合でその馬にあたり、抑えきれずに他校のオスに乗っかっちゃった時は、えらく恥ずかしかったです…しばらく同期から馬鹿にされましたっけ。

投稿者 猫並 : 2007年06月18日 22:39



2007年06月18日

鶏手羽中とアスパラガスのグリル

 QPで見た料理。手羽中は岩塩(たまたま前に原重役から戴いたモンゴルの岩塩を使ったが、この料理には粗塩よりも確かに岩塩のほうが合うと思います)黒胡椒を揉み込んでグリルする。アスパラガスはそのままでグリルしたあと、粗挽きマスタードと塩と醤油と酢と油を合わせたマリネ液に漬け込んで、盛りつけでフレッシュトマトの千切りをトッピング。安あがりで簡単なわりに、ちょっとしたおもてなしにも使えそうなのでオススメしたい。
 近ごろ民放TVのニュース番組は年金問題の色んな例を出してつないでる感じだから、私もここで1発というわけではないが(笑)、こないだの電話で妹が「お姉ちゃん、いっぺん調べてみてよ」と言ってきたのはわが両親の年金問題であります。実家が経営する「川上」は一応有限会社になっているので、当然ながら両親は厚生年金に入ってるものと思いのほか、なんと何も入ってなくて貰えない!ことが判明したが、年金番号はあるらしい。で、社長の母親は5年間くらい払い続けた時点で、わりあい親しく話していた社保庁職員の山崎さん(実名)に「こんなもんいくら入ってても、結局なんも貰えまへんで」と言われたので、以来、父の分もろとも支払いを止めちゃったんだそうである(-.-);てなわけで「そしたらその払ろた5年間の分はどうなんの?」と妹が訊いてきたのでした。果たして山崎さんはとても正直で、親切な人だったわけ?……とも思えるところが、この問題の怖さであります。




2007年06月19日

氷屋来たる

 新国立劇場でユージン・オニール作・栗山民也演出の『氷屋来たる』を見た帰りに近所のバーガーショップで食事。
 『氷屋来たる』はいわば「どん底」の米国バージョンといったスタイルで1910年代のNY下町の安酒場を舞台にした群像劇だ。そこはかつて社会主義運動の闘士だった男たちや法律家になり損ねた男、汚職でクビになった警官等々人生に挫折してアルコール漬けになった男たちの吹きだまりと化している。年に1度必ず彼らの元に訪れ、酒をおごったりして喜ばせる陽気で活きのいいセールスマンのヒッキーは、今年に限って異様なくらい熱心に敗残者の彼らが再び立ちあがるよう説得に努め、さまざまな力を貸すが、その裏には彼自身が取り返しのつかない事件を引き起こしていたという背景があった。いったんは立ち直りかけて酒場を出て行った連中も、終幕ではすべて舞いもどったなかでヒッキーの妻殺しという犯罪が明るみ出されるいっぽう、社会主義運動家の母親を持つ青年が孤独な死を遂げる。酒場の連中は自分たちがみなヒッキーの狂気に振りまわされたのだと感じて元の飲んだくれに安住し、唯独り一貫して冷めた男ラリーが「人生という奴、俺には荷が重すぎる!死ぬその日まで、物事の両面を憐れみながら眺めている弱虫な阿呆なのか!」と呟いて幕になるという、なんとも救いのないドラマはさすがにオニールの作品である。
 オニールに限らず、米国のシリアスな戯曲は登場人物それぞれが徹底的に孤独な「個」として人生に向き合う悲劇を描くが、それは日本人が見てカタルシスを得るのが非常に難しい芝居といわなくてはならない。今回は木場勝巳、たかお鷹、大鷹明良、中嶋しゅう、若手では岡本健一といったそれぞれ実に芸達者な男優陣をずらりと揃えたことで、なんとか面白く見られたとはいえ、結果役者の芸比べに終始して演出サイドが芝居全体の流れやトーンを調整して明確な方向性を持たせるまでには至らなかった。装置や照明があまりにも開放的な空間作りをして舞台に求心力に欠く憾みがあった点も指摘せざるを得ない。主演ヒッキー役の市村正親はわりあい当を得たキャスティングで、近年になくまともな演技を見せたと私は推したいところだけれど、卒論がオニールだったというのでご一緒した内山さんは「正直いって市村さんの長ゼリフが始まったら私スイッチ切れちゃって、なんも頭に入ってきませんでした」とキツイことを仰言った。確かに妻との関係を長々と物語る一番肝腎のセリフは余りにも単調で私も退屈した。ただし狂気と紙一重の表情や時折キラッと妖しげに光る眼が非凡な輝きを見せた点は評価したい。




2007年06月20日

いさきのソテー青のり風味

QPで見た料理。ふつうにバターソテーしたいさきの下に市販の青のりを敷いて、粒マスタードと牛乳を合わせたソースをかけるだけ。牛乳はどうしても分離しやすいので生クリームを使ったほうがいいかも。もちろん牛乳のほうがあっさりしてカロリー少なめ。合わせてから塩で調味しアサツキか万能ネギの小口切りを加える。青のりは沸騰したお湯をまわしかけるだけでOK。これがソースによく合って意外にオイシイ。
 昨日は夕方も夜もTVが見られなかったので、松濤温泉スパ爆発のニュースはけさ知った。シアター・コクーンに行くと大きな看板が見え、へえーこんなとこにスパが出来たんだ!うちに近いからいっぺん利用してみようかなあ、でもきっと場所が場所だからハイソな会員制だったりしてご縁がないかも……なんて思ってただけにビックリした。それにしても爆発音は物凄かっただろうし、自分がたまたまそこを通っていたらと思うとゾッとする。3人もの方が亡くなられたという大惨事には、松濤の奥様連もさぞかし眉をひそめてらっしゃることだろう。
 そういえば松濤住人である扇のママは爆発音を聞いたんだろうか?聞くわけないよなあ、だってまだ国会やってんだもんなあ。早くハワイのコンドミニアムに行っちゃいたいだろうに、最後の最後に会期まで延長されてお気の毒ともいえるが、それにしても会期を延長した自民党は、夏休みに突入したらきっと反自民に流れがちの浮動票が減って、頼みの公明票がものをいう選挙になると思ってらっしゃいますわよね、きっと(嗤)。




2007年06月21日

豆腐とクレソンのサラダ

QPで見た料理。豆腐にツナフレーク、玉ねぎスライス、トマト、クレソンをたっぷりトッピングして、ニンニクのみじん切りを熱した油と醤油を合わせたドレッシングをまわしかける。なにせ決め手となるクレソンが近所のスーパー2軒共に売り切れてて、こういうことでヘンに向きになる私は駅近辺の巨大スーパーを併せて5軒も!ハシゴするという執念の捜索(笑)でめでたくゲットしました。
 途中、駅前の広場に大きな人垣ができてるので何だろう?と思って覗いたら、可愛らしい日本人の少女たちがハワイアンの唄とダンスを披露していて、隅の立て看を見たら「まちかどハワイアンライフ大会」の文字があった。私は皆目不案内なので何を唱ってるのかチンプンカンプンだったが、どうやらメジャーなナンバーを演奏していたらしく、100人前後いた見物人の相当数が手拍子をして一緒にハワイ語の唄を口ずさんでいたのはビックリだった。
 今ちまたでハワイアンけっこう盛りあがってるらしいとの情報は得ていたけれど、三茶の町だけでこんなに大勢のハワイアンファンがいる!のがわかってブームは本物だと実感。それにしても今の東京のどこかで「まちかど日本舞踊大会」とかやって『娘道成寺』を流したところで口ずさめる人がいったい何人いるだろうか?と考えて、和物ブームはいささか心もとない感じがしたほどであります。




2007年06月22日

海老サラダ、おじや

海老サラダは渋地下でゲット。おじやは昨日のご飯の残りで作りました。
 お昼はポプラ社の矢内さんのお誘いを受けて、フランス著作権事務所の代表取締役カンタン・コリーヌ女史と渋谷のホテルで会食。
 「フランス人とはとても思えない!イイ人なんですよ(笑)」と矢内さんが仰言ったコリーヌさんは、日本の作家の小説を数多くフランスに紹介なさっていて、大江健三郎氏らの信頼も篤いという。そうと聞いてちょっと緊張したのだけれど、いざお会いすると実に気さくな方で、お顔からも本当に優しいお人柄が窺えて、人の話をとても面白そうに聞いてくださるから、こちらも安心して本音でいろいろと話し、日本人の初対面の方よりもむしろずっと会話が弾んだ気がした。
 ところで何故お会いしたかというと、2000年に日仏同時出版されたアンソロジー『東京小説』(紀伊國屋出版刊現在角川文庫)の京都バージョンを2008年に刊行する予定で、矢内さんのほうから私に京都を舞台にした短編小説の依頼があって、コリーヌさんはフランスでの出版を請負い、且つ翻訳もなさってくださるそうなのである。むろん日本語はペラペラで、漢字もすらすら書けるといった方だから翻訳もなされるのだけれど、日本語の場合は漢字の文字遣いによってもニュアンスが微妙に違ってくるから大変で、文章によってはやはりわざと古風なフランス語にしたりとか、テクニックもいろいろとあるらしい。書くほうも翻訳を前提にした書き方にするといくらなんでもまずいし、かといって全く意識しないというわけにもいかないから、結構スリリングで興味深いお仕事になりそうである。
 出版されたらぜひ一緒にフランスへ行って、パリの本屋に自分たちの本が並んでるところを見ましょうね、といって矢内さんとお別れしたあと、ふとガラパゴスのホテルで日本人作家の本がフロント前の書棚に並んでいたときのことを想いだした。それはたぶん旅行者が置き忘れていったものだろうが、他の日本人と全く出会わなかった旅先だったので、見つけたときの驚きは非常に大きいものがありました。




2007年06月23日

豚シャブサラダ

タレは練り胡麻、砂糖、味噌、豆板醤、味醂、醤油、だし汁を混ぜ合わせて作った。中身は茹でた豚しゃぶしゃぶ肉、水菜、キュウリ、玉ねぎ、トマト、スプラウト。
 NHKの討論番組「日本のこれから」を見ながら食事。ニュースの続きでつい見てしまったが、今日のテーマは近年の労働をめぐる諸問題で、非正規雇用、成果主義、長時間労働、地域格差等の功罪が問われ、識者のコメンテーターも一般参加者も真っ向から対立し、そこに埋まりそうもない溝が横たわるのはあきらかだった。肯定的な意見は概ね「格差」がある経済優先の社会を容認する立場だし、否定的な意見はそうした社会自体が人間を破壊する恐れがあることを訴えているのである。
 私個人はもちろん非雇用でかつ時間があってないような労働に勤しみ、おまけに努力と成果は必ずしも結びつかないし(笑)心身を壊せばそれでオシマイの実に不安定なキツイ職業に就いてるわけで、周りの編集者を見ていると、モノスゴイ長時間労働や会社間の賃金格差など諸問題を抱えつつも、「正規雇用」という一点において、今の世の中ではやはり比較的恵まれた方たちだという気がする。もっとも業界全体が長期のスパンで見て「沈みゆく(あるいはもう沈んじゃったのに気づいてない)タイタニック」なので、将来的に必ずしもハッピーハッピーとはいいきれないだろうけど、今はまあ好きなことやってんだからいいじゃない的ノリで皆さん頑張ってらっしゃるようだ。ただ、この好きなことだから的モチベーションは今の世の中で昔よりはるかに切実な意味を持っているのは確かだろう。それがないと、天下りのハシゴしてる役人や、選挙で勝つことしか考えてない政治家や、モラルのかけらもない企業家の氾濫する社会で心身を健全に保って生き抜くのはとても難しいように思うのであります。
 




2007年06月24日

五穀米弁当、もっちり豆腐

乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。
 きょう乗って怖かったのは馬ではなく、電車である。湘南新宿ラインで、乗ろうとしていた電車がまず少し遅れて渋谷駅に到着した。その前に現在8分ほど遅れているという構内アナウンスが流れ、原因は車内で異常音が発生したからと聞いて、まずイヤ〜な予感がした。途中かなりスピードアップしたらしく、渋谷駅は5分遅れで出発。乗り込んでしばらくは遅れたことなどすっかり忘れていつも通りの読書タイムに突入した。
 私はこのところ編集者の方から、ちょうど自分の子どもくらいの年齢の作家の本を頂戴する機会が多くて、いずれも面白く拝読しており、今日はポプラ社の矢内さんから頂戴した西川美和監督「ゆれる」のノベライゼーションに目を通していたが、赤羽駅を過ぎてから、本のタイトルがふと気になるくらい、電車えらく「ゆれる」のである(笑)。しだいに本がぐらぐらして読めなくなり、窓の外を見ると通常よりも明らかにスピードが出てる感じで、そのうちガガガガギーガガガガギーと金属の軋む音が異様に大きく車内に響きわたって、乗客が顔を見合わせる始末だ。とにかく祈るような気持ちで大宮駅まで我慢し、その間に音は鳴りやんでいたものの、気持ちが悪いので次の普通電車に乗り換えてしまった。例の福知山線事故以来、電車にも昔ほど安心して乗ってられないのは困ったもんである。
 帰りはまたバリキャリのOさんと一緒になり「これ見てくださいよ〜」と見せられたケータイ画面は線路上を歩いている人びとの映像で、先日TVのニュースでも大きく取りあげていた高架線事故に巻き込まれたときに撮影したのだという。「降ろされてずっと歩いたんですよ。10時に会議があったのに、着いたらもう12時過ぎてて、いやぁ、マイッタマイッタ」とのことでした。




2007年06月25日

フレッシュトマトのアラビアータ

 相変わらすQP3分クッキングで見たレシピ通り。まずニンニクと鷹の爪をオリーブ油で焦がさないようじっくり炒めたところに、湯むきして細かく切ったトマトをどばっと入れて20分以上時間をかけて煮詰めたものがソースになる。仕上げにパセリのみじん切りを加え、塩と黒胡椒をきかせてこんがり焼いた豚薄切り肉をトッピング。形がなくなるまでトマトを煮込むのなら、缶詰かピューレを使ってもよさそうだけれど、生トマトを使ったらこんなにもプロの味に近づけるのか!と我ながらビックリで大満足。面倒でも一から手作りしたら、ヘンな疑惑もなくて後味もよろしいようで(笑)。
 今日はTV各局が朝昼晩のニュースでミートホープ社の牛ミンチ偽装問題を大きく報じ、「何でも安ければ買う消費者も悪い」的な発言をした同社の田中社長に非難囂々だったが、お前なんかに言われたくない!と憤りつつ、それもある程度は当たっていると認めざるを得ないだろうと思う。買うほうはともかくも、本当に美味しいものを作ろうとしたら、絶対に儲かりっこない!と、評判のわりにちっとも儲かってない料理屋の娘である私は声を大にして言わせていただきます(笑)。




2007年06月26日

鰺の和え物、胡麻豆腐

和え物はQPで見た料理。三枚におろしてそぎ切りにした鰺の切り身と胡瓜の千切り、白髪ネギを和えて生姜汁・醤油・酢・塩・胡麻油を併せたタレをかける。胡麻豆腐は市販のもの。
昨夜に続いてNHKBSで英国ドラマ『エリザベスⅠ世〜愛と陰謀の王宮』の後編を見ながら食事。
『クイーン』のエリザベスⅡ世役でオスカーを手にした名女優ヘレン・ミレンがⅠ世に扮した一見重厚なコスチュームプレイだが、内容的には「イングランドと結婚した」といわれる処女王の公然たる情事を描いた完全なメロドラマである。前編では永遠の恋人レスター伯にジェレミー・アイアンズ、後編では超年下の恋人エセックス郷にヒュー・ダンシーという、いずれも英国きってのイケメン男優を揃えたのは結構だが、ふたりに女王が惚れてるならともかく、ふたりのほうが女王に心底惚れてるらしい設定が見ていてどうも腑に落ちないのだった。
 へレン・ミレンは確かに巧い役者で、コワモテのおばさんだから晩年のエリザベスⅠ役はほんとにピッタリだが、私より8つも年上なのに(笑)美形のジェレミーやダンシーとまで!情熱的なキスをしまくるのはやはり英国ドラマならではだ。米国や日本だとちょっと考えられない。もっとも英国ではバネッサ・レッドグレープが超美人女優だといわれているから、当然ヘレン・ミレンだって美人女優の部類なのだろう。私はその昔ロンドンに2月ほどロングステイしてTVドラマをちらちら見てたが、日本人の目で美人女優は皆無だった!まあダイアナよりカミラを選ぶ皇太子がいる国なのでそもそも美人の基準が違うのかもしれないけど、容姿よりも演技力を重視する国であるのは確かである。若いコを片っ端からどんどん使い捨てする日本や米国とはひと味違ったドラマ制作だとはいえ、見ているうちにこの役のヘレン・ミレンはあまりにもオイシイ!ちょっと、ちょっと、おいし過ぎるじゃないか!と余計なクレームをつけたくなったのでした(笑)。




2007年06月27日

ミョウガのつくね、カマスの干物

 つくねはだいぶ前にQPで見た料理を想いだして作った。ミョウガにつくねダネを巻いて電子レンジで蒸すだけなので、火を使わなくてすむ。つくねは鶏挽肉に酒と醤油を少々混ぜて、卵、玉ねぎのみじん切り、片栗粉を加える。梅肉ダレで食したが、味噌ダレでも合いそうだ。カマスの干物は大家さんに頂戴した。NHKBSで英国TVドラマ『第一容疑者』を見ながら食事。昨日さんざんクレームをつけたヘレン・ミレン主演のテニスン警視シリーズである。このシリーズはずいぶん前に初放映された時にも見ているのに、また見てしまった。なんだかんだいって私はヘレンが好きなのだろうか(笑)。 




2007年06月29日

担々麺ほか

28日の夜は世田谷パブリックシアターで『国盗人』を見た帰りにスラッシュの進藤さん、守部さんと近所で食事。
 『国盗人』は「リチャード3世」の翻案で、『間違いの喜劇』で成功を収めた野村萬斎が演出・主演で新たに挑んだシェイクスピア作品である。狂言の演技術を活かして「リチャード3世」を喜劇的に上演する試みだが、ひと口でいうと若い女性ファン向けを意識した「萬斎オン・ステージ」の感があって、萬斎自身の魅力は十分発揮され、蜷川演出の舞台に出ていたときよりものびのびと演じ、またリチャード3世の役柄を一種の「道化」として客観的に捉えた演じ方も悪くはなかった。それはそれでよしとしても、演劇作品として見たときは評すに能わずといったところで、私としてはあまり多くを語りたくないのだけれど、「芸能」と「演劇」とは何かが大きく違っていて、萬斎やはり所詮「芸能」のセンスの人だという気が頗るしたのであった。もっともシェイクスピアは近代戯曲ではないから今回のように萬斎一門と白石加代子の「芸能尽くし」といったかたちでの上演が許されないわけではないにしても、河合祥一郎の台本や演出のセンスは全く戴けないし、志向する客層のレベルが低すぎるのである。同行した進藤さんがいみじくも語った「古典芸能の人にありがちなことなんだけど、チャチになっちゃうんだよね」との指摘は当たっていて、現代において古典芸能に携わる人間は「啓蒙」したいという気持ちを常に抱えているために、孤高を気どらず自らが客のレベルに合わせようとしてしまう向きがどうしてもある。これはまた何をやってもそこに需要があってこそ意義があるとする「消費社会」がもたらした不幸ともいえるのであるが、古典芸能に限らずこうしてあらゆる文化がどんどんレベルダウンし、それを受け取る者がさらにまたレベルダウンしていく現象をどう考えたらいいのか、私は何やらうそ寒い思いで劇場をあとにしたのだった。




2007年06月29日

鰻丼、ナムルサラダ

整体治療の帰りに東横のれん街でゲット。
 このブログで私はしばしば自民党をボロクソに貶すが(笑)、それは岸→福田→安部→三塚→森→小泉→現安部政権と続く右寄りのラインを日本でこれ以上のさばらしておくのはいくらなんでもマズイからであって、戦後の中道保守を代表する宮沢喜一氏は昔からけっこう好きだったので、なんとかして一度お目にかかれないものかと思い、友人に相談したこともあるくらいだったが(会って何かを頼もうとしたわけじゃありません(笑))、昨日とうとう他界された。去年だったかTVでお顔を拝見して、尋常じゃない窶れ方だったので、そう長くはないような気がしていたものの、やはりこういう時期だけにちょっとショックである。
 この方はもちろん極めて順調に立身栄達を遂げて最高位に就いた政治家だが、実力に比してイマイチ運に恵まれなかったという印象がある。そもそも87年の中曽根裁定で竹下じゃなくてこの人が先に総理になっていれば、以後のあんなメチャメチャなバブルは回避できたし、国民が今よりもう少しはお利口でいられたような気がするくらいだ。91年の総理就任は遅きに失する観があったし、93年の不信任決議案が可決して退陣に追い込まれたときは、愚人は賢者の心を知らずというが、賢者もまた愚人の心が読めなかったという感じで、私は宮沢氏のある種の限界を見る思いがした。
 歴史的に見てもこの国では泰平を謳歌しだすと利口な権力者はあまり歓迎されなくなるようで、育ちのいいボヤっとした人を優秀な人たちがしっかり支えるという特殊な権力構造を好むきらいがあるのだが、早大弁論部レベルの総理でも、東大出の官僚たちがしっかりガードしてるからニッポンは大丈夫だと思っていたのが大マチガイ!だったことに今さら気づいても遅いのであった。優秀な官僚に欠如してるのは想像力であり、つまりはビジョンのない人たちが数字の辻褄合わせだけをして、それを代読する程度の頭脳しか持ち合わせのない政治家を抱える国はとても不幸としかいいようがないのだけれど、かえすがえすも87年の中曽根裁定が痛恨の極みであり、あの時点が日本の不幸の始まりだと私には思えるのであります。




2007年06月30日

茄子と豚と筍の炒め物

 夏の定番メニュー。油にニンニクを加え、甜麺醤、豆板醤、酒、砂糖、醤油で味付け。豚バラ肉を先に炒めて取りだしておくこと。
 今日は午前中に執筆を終えて、午後は六本木で開催されてる思文閣の古文書市に出かけるつもりだったが、片づけと掃除に夢中になって気が付いたら午後3時!汗だくになってしまったし、そんなにいいものが買えるほどのお金もないので(笑)予定キャンセルと相成りました。
 昔は古文書の即売会によく出向いて、別に買わなくともどこかの図書館に行けば見られる程度の文献を手に入れて喜んだりしたものだが、2,30年前に比べて諸物価ほど値上がりした気がしないのは、需給のバランスがそれなりに取れていせいだろう。まあナニを高いとし、安いとするかは人それぞれで、私なんかだと、ブランドのお洋服やバックを買うほどのお金があったら、こんなにいいもんが手に入るんですよといいたいところで(まあ持ってて意味がないのは両者似たり寄ったりですが(笑))、即売会の出てくる古文書や絵巻や軸物の類はもちろんそれなりに値は張っても、目を剥くほどではなくて、無理したら買えないわけでもないくらいに設定されているからこそ商売が成り立つのであろう。で、前にカタログで見て、もちろん私ごときが買える代物ではないけれど、意外な安価で素晴らしい掘り出し物に思えたのはかの元禄時代の立役者柳沢吉保の「書」を一軸に仕立てたもので、この人物らしい、流麗というよりむしろ華麗といいたいような筆捌きに圧倒された覚えがある。政治的評価とは別として、確かにある種の才人だったのがよくわかる「書」だ。「書」を見ると人柄がよくわかるような気がするのでその手のカタログによく目を通している私が純粋に「書」として欲しいと思った一軸でした。