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2025年11月16日
犬山行
金曜日は大宮をお昼に発ち新幹線を乗り継いで名古屋へ。名古屋から名鉄で犬山入りして、さっそく国宝の犬山城を拝観。ここは尾張徳川藩の家老職だった成瀬氏の居城で、明治維新後も長らく成瀬氏の個人所有だった点でも非常にユニークだし、個人所有だったからこそかもしれないが、よくぞこれだけ昔の佇まいをきちんと残して維持したものだと感心させられる建築物だった。城内は地下1階上4階建てで、1段1尺ほどの高さがある急な階段を手摺りにしがみつきながら懸命に昇って最上階に出れば、滔々と流れる木曽川を前にした壮大な絶景が広がって観る者を圧倒し、こうした借景も含めてこれぞ国宝ヽ(^0^)ノを堪能させてもらった次第。翌土曜日は講演の前に、この犬山城を現在所有管理する公益財団法人犬山城白帝文庫の成瀬淳子理事長とお目にかかって午餐を共にしながら、成瀬家の子孫でいわば犬山城の当代姫君ともいうべきこの方に、現在にまでつながる尾張徳川家と成瀬家の関係や現在も定期的に行われるらしい徳川一族の集まり等々、この方からしか聞けないであろう諸々の興味深い話を伺った次第。もっとも理事長は途中で「松井先生とはもっと違うお話がしたかったんですよ!歌舞伎の話を」と言われ、何しろお祖父様の成瀬正勝氏は雑誌「演劇界」等に劇評の筆を執った方なので、理事長ご自身も歌舞伎に造詣が深く、ご贔屓の澤瀉屋の話やら映画「国宝」の話等々そちらの方面でも話の種は尽きなかったのである。
肝腎の講演は犬山市民交流センターにある設備の充実したホールで画像を見せつつ手話入りで進行し、「江戸の旅心」と題してシーボルトの「江戸参府紀行」や十返舎一九の「膝栗毛」シリーズ、「伊勢参宮献立道中記」等を引用しながら話したところ、幸いにも熱心に聴講されて、講演後に質問を受け付けたら次々と手が挙がってそれに答える間にも、予約していた帰りの新幹線の時間に間に合わないかも(!_+)と心配されるほどだったのであります(^^ゞ
