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2025年07月05日

はぐらかしたり、もてなしたり

昨夜は世田パブのシアタートラムでiaku公演「はぐらかしたり、もてなしたり」を観た帰りに集英社の伊藤さん、眞田さんと渋谷のシノワで食事。写真は美味しかった鴨のコンフィ。
最近なかなか面白い劇作家の芝居に当たらないんだよね〜てな話を以前にしたら、眞田さんから「ワタシは横山拓也が結構面白いと思うんですけど」と勧められて今回主宰の劇団公演にお誘いを受けたところ、たしかに久々に大笑いして、まさに今ドキの男女関係の機微がみごとに映しだされたコメディを堪能したのだった。登場する何組かの男女は親子夫婦といった濃密な関係から、単なる同級生とか、たまたまその場に居合わせただけ程度まで様々あって、それぞれがまた何らかのかたちで別の組とつながりがあるという設定もごく自然に受け止められるほど全体にリアルな会話劇が進行する。にもかかわらずコミュ障的な人物や勝手すぎる人物が登場したり、それぞれがタイトル通りに相手を「はぐらかしたり」逆に意に沿おうとし過ぎる余り、まるで往年の不条理劇を見せられているような奇妙なドラマにも感じられ、ああ、これこそがまさに現代社会のありようなんだろうな〜と妙に納得させられるのだった。とにかく色んな意味で情けない男ばっかり出てきて、女はみんなそれに呆れつつも仕方なく許してしまうという展開も今どきの現実を反映するのだろうし、また出演俳優全員が役のリアリティを損ねないナチュラルな好演をしており、初めて観る役者ばかりなのに大変な親近感を持たせてくれた点でも名舞台だったといえそうだ。


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