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2025年06月28日
花巻行2025/6/26〜27
一ツ橋文芸教育振興会から花巻市での講演依頼を受けた際には即決で承諾したものである。今は花巻といえば大谷翔平と菊池雄星を輩出した花巻東高校で有名だが、わたし世代だとやはり宮澤賢治を想い出す方が多いのではなかろうか。わたし自身は小学生の頃に宮澤賢治の作品を読み耽るも作意がなかなか呑み込めずに何十編も読み返した覚えがあり、そのせいか今でも妙によく憶えていて、何か事あるごとにそれらの作品が比喩的に浮かんだりするので、彼の故郷に行くチャンスを逃すわけにはいかなかったのだ。というわけで26日の午後に東北新幹線で大宮を発ち、夕景前には新花巻に到着。宿に向かうTAXIの車中で、同行された振興会の斎藤氏と集英社の伊藤さんを「ねえ、せっかく花巻に来たんだから、もしホテルと同じ方角なら花巻東高校の前を通ってもらわない?」と唆したワタシ(^^ゞかくして広大な敷地とBIGな体育館やグラウンドが目につく同校をTAXIでぐるっと回ってもらって、大谷と菊地のサインや手形の碑があるグラウンドの前で撮影する(写真上)など3人で大いにミーハーしてたのでした(^0^;)
この日の晩ご飯はホテル近くの「バダローネ」でイタ飯を。岩手の食材に徹底してこだわったこの店は一品一品に新鮮な素材を活かした清々しい美味が感じられて満腹した次第。ホテルは宮澤賢治の遠縁の方が経営者とあって、フロントロビー脇に賢治コーナーが設置され、わたしの泊まった部屋は「注文の多い料理店」をイメージして壁には色んな注文書きの木札が貼られ、ベッドの上にはコック帽を載せた山猫が今にもわたしを食べようとする恰好の絵を描いてあるなど遊び心が満載。翌朝も朝食後にまずは賢治の弟清六の子孫が経営する喫茶店「林風舎」で珈琲を飲み、市の中心部とおぼしき場所にある賢治の生家跡を訪ね、賢治が作った花壇を有する昭和モダンな豪邸橋本家でランチをしてから岩手県生涯学習センターで同県高校の国語の先生を前に「『見る』依存の時代」と題した80分の講演を。1995年以降の急速な社会の変容を自身のさまざまな体験を通して、また時にはパワーポイント画像の助けを借りるなどして披露した拙話にご静聴戴いたばかりか、そのあと真摯なご質問もいくつか受けるなどして、久々の講演が何とか無事に終わってホッと致しました(-.-;)y-゜゜
中段の写真はバダローネの前菜サーモンの山椒クリーム和えで、生山椒の美味しさに唸る逸品でした。下段の写真は林風舎入口で看板のミミズクは賢治が自画像としていたものだとか。下のほうの写真は賢治の生家跡と橋本家の花壇で、花壇の壇をなす瓦には一枚一枚賢治が凝らしたであろう意匠が見られました。最後は講演中の写真です(^^ゞ
コメント (1)
半年ぶりの書き込みですが、郷里のレポートをうれしく読みました。住んでいたのは新幹線開通前で、帰省はお墓参りだけになり、花巻東高設立も橋本家公開も私の上京後で、だいぶ様変わりし、出てきたレストランもホテルも初めて知りました。
賢治は、曽祖父の尋常小学校の教え子で、大叔父は農学校で教わり、と身近な存在ながら、教科書に載っていても難しくてコワい作品が多いという印象で今に至ります。どんな講演だったか興味津々ですが、教師の友人も既に引退しており、聴講した方がいないか郷里の知人に尋ねてみたいです。20:30
投稿者 ウサコの母 : 2025年06月29日 20:27