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2024年04月12日

マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」

海外オペラに比してバレエの LIVE に私は余りご縁が無かったほうで、正直マシュー・ボーンも恥ずかしながら 名のみぞ知るで何と今回が初見だからただ面白く鑑賞したに過ぎないが、プロコイエフの同名曲をベースにはしてあるものの、シェイクスピア原作とは意外なほどかけ離れていてストーリーの先行きが読めなかったのも興味深く観られた理由の一つかもしれない。とにかくロミジュリといえば敵対する両家の子女が恋に落ちる悲劇という点は揺るがず「ウエストサイド・ストーリー」だって対立する両グループがあったはずなのに、鎖された矯正施設を舞台にした本作品は、そこに収容された若者たちがグループを組んで対立する構図には全然ならず、ジュリエットが看守のティボルトに追いかけ回されて執拗に関係を迫られるシーンから始まるのだった。後から入所したロミオとダンスパーティで互いに一目惚れするまでは順当でも、ティボルト殺しはロミオよりもジュリエットのほうがむしろ積極的だし、二人が結ばれようとする際も、ティボルトのトラウマ幻想に苛まれるジュリエットはロミオをナイフで刺すという意想外の展開となる。見どころとなるパドドゥはダンスパーティでの出会いが最初で、高くリフトされた二人が互いに求め合う姿を象徴した美しいシーンとなるも、これは存外常套な印象を受けたが、バルコニーシーンから床を転げ回って愛を交歓するパドドゥや最後の鮮血に塗れたパドドゥはエロスに満ちて見応えがあった。コトバが全くなくても身体の動きでこんなにも直截的に且つ雄弁に愛を物語れるのがやっぱりバレエの強みなんだろうな〜と全くの初心者は改めて思ったものであります(^^ゞ


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