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2022年11月01日

談春対談

昨夜は新春対談ならぬ、落語家の立川談春師匠と大宮のホテルで対談した後ご夫人ともご一緒に西川口の老舗「しゃぶ与志」でご馳走になって、帰宅が遅くなったのでブログを更新できませんでした<(_ _)>
談春師匠とのご縁は拙著『吉原手引草』が2007年夏のN賞を受賞した直後に催した銀座博品館に於ける「『吉原手引草』を読む」という自主イベントに女優の三林京子さんと共にご出演を戴いたことに始まるが、その翌年は自伝的エッセイ『赤めだか』の上梓や歌舞伎座で談志師匠との親子会を催すなど談春師にとって一大転機の年となったらしく、以来 TV ドラマ出演でお茶の間に知られるタレントとしても活躍しながら、本業の高座も精力的にこなされているのは周知の通りであろう。来年2月からは柳家三三師匠と組んで「俺たちの円朝を聴け!」と題し『怪談牡丹灯籠』をリレー形式で咄す全国ツアーが予定されており、そのツアー用の冊子に載せる対談相手にワタシが選ばれたのは、2009年に上梓した拙著『円朝の女』の文庫版に収録されたワタシと春風亭小朝師匠との対談が、小朝師を珍しくホンキにさせた対談として印象深かったからだそうである。というわけで談春師にはワタシも自主イベントにご出演戴いた恩義があるし、そういい加減な対談にはできないから、15年近く前に読んだ円朝全集にもう一度目を通すなどの準備をして臨んだところ、談春師は開口一番「実は円朝を名目にして、僕のカウンセリングをお願いしたいと思ってたんですよ」と聞いていささか呆気に取られたのであった(?_?)だが話を聞けばナルホドというべきで、要は世の中が急速に変化を遂げてこれまでの常識がなし崩しになってゆく現在、古典芸能としての落語を最低限守るには一体どうしたらいいんだろう?という深い悩みを抱えた談春師が、歌舞伎や小説の世界には現在そうした苦悩はないんだろうか?と率直に訊きたかったようで、ああ、それは今やホントに落語だけの問題じゃないんだよね〜とワタシもつくづく思ったのだった。で、江戸時代に約30年生きて、明治になってからも約30年という、文字通り時代の変わり目に身を置いた円朝自身の生き方や円朝の描く世界は図らずも非常に今日性があるという認識で一致して、対談の骨子は概ね成り立ったのだけれど、談春師の話はその後も精力的に続いて、活字にはとてもできないような部分が頗る面白く、また車中や食事中も止まるところ知らない超パワフルな喋りに圧倒されつつ、近々に披露される「芝浜の革財布」ニューバージョンや映画出演の話なども聞かせてもらえたのは有り難かった。中でも興味深く聞けたのはやはり談志師匠との死別前後の話で、ワタシのほうも武智鉄二師との別れを訊かれたので、危篤の第一報は談春師の紹介者である元米朝事務所の大島さんからもらったという話をしたら、談志師匠の訃報を最初に談春師の耳へ入れたのもなんと大島さんだった!という話にはビックリし(!_+)他にもフシギなくらい共通の知人が多いことにも驚かされた。奥様はなんと乗馬が趣味とのことで、こちらの話も相当に弾んでの深夜帰宅と相成った次第であります(^^ゞ


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