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2019年09月14日

ハムレット

昨日9/13は翻訳家の松岡和子さんの強いオススメを受けて東京グローブ座で上演中の「ハムレット」を観劇。主演はワタシが名前しか知らないジャニーズ系のヴォーカルグループ「セクシーゾーン」の菊池風磨、演出は「四谷怪談」で余り良い印象を受けなかった森新太郎とあって、正直、強いオススメがなければゼッタイに観なかっただろうが、観てナルホド\(◎o◎)/と感心しきりの公演でした。もっとも風磨ファンで劇場前のキャンセル待ちが長蛇の列だったので、今からチケット入手は困難かもです(^_^;
それにしても通算何回観たかわからない「ハムレット」なのに、今回の上演で初めてワタシがへ〜こんな芝居だったんだ〜と気づいたところがいくらもあったのは、要するに今まで結構ちゃんと観てなかった証拠なんだ!と改めて思ったものである。To be or not to be〜のセリフを筆頭に、尼寺へ行け!とか、あの雲は何に見える?とか、オフィーリアの狂乱とか、墓場のシーンとか、とにかく「ハムレット」はなまじ知ってる名場面や名ゼリフが山のようにあるため、歌舞伎などと同じく今回はそこがどう演じられるかのみを観る側も気にしてしまい、演じる側もそこに気を取られがちなのが、有名古典劇の宿命とはいえ、この戯曲の本当の素晴らしさを理解できないことにつながるのかもしれなかった。今回の上演が優れていたのは、演出家も主演俳優も共にそうした名場面名ゼリフが集積した超有名古典劇という思い込みを一切排除して、この戯曲とまともに向き合ったからに違いない。森新演出は一つのセリフもなおざりなく細やかに丹念に且つわかりやすく展開するし、主演の風磨は有り体にいえばなまじ変に知らなかったからこそナチュラルに演じられたのかもしれない。結果、主人公ハムレットが短い人生で初めて遭ったさまざまな状況に翻弄され、懊悩し、苦悶し、決意するという一連の心の流れが等身大的に胸に迫って、ラストはハムレットが実にいじらしくも愛おしい存在として浮かびあがるのだった。こうした気分にさせてくれたハムレットは今回が初めてだし、既知の名ゼリフ以外にもこんなに穿ったセリフが一杯あったのか(!_+)と感心もさせられたし、初演でこの大役をみごにこなした菊池風磨という舞台の人材を発見もできたという、久々に実り多き観劇体験でした(*^^)v


コメント (2)


松井先生、ハムレット観劇の感想を読ませて頂きました。わたしも先日観劇をしてきました。ハムレット、、古典劇ということで身構えてしまいましたがわかりやすくなんども涙しました。今まで他の素晴らしい役者さんのハムレットをみてきて復讐劇という位置付けでいましたが、今回のハムレットは若いハムレットが自分の人生で起きたものごとに悩んだり立ち向かったりとても素直さを感じ、先生が書かれているようにとても愛おしい存在に感じました

こんなハムレットは初めてでした
菊池風磨は外部舞台は初めてでした森さんには相当しごかれたと思いますがとても素晴らしいハムレットを演じていて感動しました。

松井先生の感想をよみ自分の答え合わせができたようで大変嬉しくてコメントを書かせて頂きました。ありがとうございます

投稿者 まるこ : 2019年09月16日 16:24

こんばんわ、私はもともと風磨担で今回初めてハムレットいうものを知り、読みたいと思い読みました、本は比較的に読むほうなので今回も読みましたが、正直言ってさっぱりわからない…何度目か読まないとわからないのでは?と思いました、そうですね、村上春樹の騎士団長殺しぶりに苦戦する小説でした…笑そんな中松井さんのコメントを読み、そんな舞台だったのか、と考えさせられることも多かったです、今回外れてしまって当日券が当たればいけるのですが、行けない中読んだ小説は難しく、いまだにちゃんと理解し難いことも多かったですが、とても読み応えあったので松井さんのコメントの後にまた読ませてもらいます、風磨さんの演技がきっともっと後になれば日に日に良くなるだろうし、素晴らしいものになると思あと、ほんと見に行きたいです、ぜひ仕事を、テレビをお願いしたいです(この場を借りて行ってすみません)これを機に主役のドラマが来ますように…

投稿者 すずか : 2019年09月16日 22:45

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