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2019年06月08日

オレスティア

昨夜は新国立劇場公演「オレスティア」を見たのだが、いや〜イマドキ珍しいかも?の4時間20分(!_+)という長丁場で帰宅が遅くなったからブログの更新はしませんでした(^^ゞ
エレクトラ・コンプレックスの語源ともなったオレスティア三部作、要するにアガメムノン王の子殺しがその妻クリュタイメストラの不倫と夫殺しにつながり、さらにその子供たちエレクトラとオレステスが復讐の母殺しを遂げるまでが描かれたギリシャ悲劇を英国の新進劇作家がブレヒト的というか異化的に換骨奪胎した本作は、原作になかった例えば男性原理と女性原理との相克といったようなものを強く打ち出した現代化には成功していても、若い劇作家のせいなのか?真実とは個々の想い出の断片の集積に過ぎないといったようないささか観念的なセリフのやりとりが多すぎるでような気もしたのだけれど、クリュタイメストラを演じた神野三鈴がみごとにセリフを肉化して表現し得たことで、現代人の生々しい息吹が感じ取れる芝居に仕上がっている。この女優の静謐で且つ強靱さを感じさせる声は以前から色んな芝居で印象に残っているが、今回もこの人がいなければ見続けるのがちょっときつかったかもしれない。現代アート風の装置や映像を面白く使ったスタイリッシュな演出にも惹きつけられたし、他のキャストもそれぞれに健闘が見えるのだから、最終幕的でちょっと物足りないような感じを受けてしまったのはやっぱり戯曲に問題アリなのかも?と思ったのでした。


コメント (2)


四時間以上の芝居を見て最終的に物足りない・・・

飽きさせず見られてもやはり、締めは重要なのでしょうか?必殺シリーズを続けて見ていますが、一時間以内の番組なので脚本家によってかなり好き嫌いが偏っている気はします。筋がブチ切れながら進んだり、筋が追いやすく面白いが微妙な出来だったり。筋が追いやすいが、結構疑問が浮かぶ回だったり。
何でもありな番組だからとは言っても、回収は無いわ、この後どうなったの?とやっつけ仕事みたいな印象だったり。
全て、一回は見てみようと思うので文句は無いのですが。

ところで、縁は異なもの月並の記ってピンと来ていないのですが、読んでいただろうか?文春文庫六月新刊と見て、読んでいる気がするが、書下ろしでは無くても読んでいなかったかも?と覚つかず、本屋でチェックしなければ・・・(記憶力の減退で数か月前や一か月前の記憶が怪しく、年になると余計に怪しいです、ちょっと悲しく思いますが)。

投稿者 nao : 2019年06月09日 01:23

  「オレスティア」は難解そうで忍耐が続かないかもしれないと思いパスしましたが、パスして良かったかもしれません。4時間超の難解舞台は長塚圭史氏の「浮標」の時のように、爆睡の挙句終電の時間が気になって集中できない、という羽目に陥ったかもしれません。
  神野美鈴は信頼できる舞台人ですね。私が特に心に残っているのは「メアリー・スチュアート」で、中谷美紀との二人舞台でしたが女王と召使の一瞬の変わり身が見事で、しかも一人舞台でも力を見せつけている中谷美紀とシンクロしながらの演技は怒涛の迫力で、膨大な台詞の量、舞台上の動きの大きさに圧倒されました。
  また先日「ハムレット」を観ました。今回の舞台はカットした場面も多かったようで、常々「この場面はこの尺が必要かなあ」と不遜にも感じてしまうところがバッサリ短くなっていたりして、少し理解しやすかったかな、と思いました。オフィーリアの黒木華の狂い方が凄まじく、「あなたにはスミレ・・・」などと哀れな雰囲気の心づもりでいたので、まさに狂人!という気のふれ方にびっくりさせられました。
  それから強烈な印象だったのが「キンキーブーツ」です。初演を見逃していたので今回の再演を楽しみにしていましたが、さすがトニー賞作品、パワーを貰ってきました。シンディー・ローパーの曲がどの1曲を取っても素晴らしく、小池徹平、三浦春馬はじめ出演者自身が楽しんでいるのが伝わってきて、こちらも元気になりました。

投稿者 マロン : 2019年06月09日 09:36

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