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2019年05月17日

歌舞伎座五月興行團菊祭

昨夜は元米朝事務所の大島さんと歌舞伎座の夜の部を観て帰宅が遅くなったのでブログの更新はしませんでした(^^ゞ
近年では珍しく二人で歌舞伎座に行ったのは、お互いお父さんとの関係で子供の頃からよく知っている尾上松也が團菊祭でなんと大切りの「御所の五郎藏」を主演するという大抜擢なので、これは観てあげなくちゃねという感じだったのだけれど、そもそも今月はオバサン二人がチラシを見て「今やこれで歌舞伎座が開くんだ〜」と慨嘆するほど若手中心の興行になっている。でもって若手の中の若手というよりもまだ子役である丑之助の初舞台を目玉の一つにしているせいか、観客がそこそこ入っているのは何よりでした。丑之助は可愛いくて子供ながらにしっかり舞台を務めているし、何しろ團菊にふさわしく、近代歌舞伎の要とされる九代目團十郎の薫陶を受けた六代目菊五郎と初代吉右衛門という両名優の子孫となる子だから、外祖父に当たる当代の吉右衛門がこれだけに付き合うほか一座総動員で脇を固める大変豪華な一幕で、両祖父さんたちが孫デレぶりを発揮するのも見ものとなっている。ただし口上の文句は両祖父さんとも平凡に過ぎておざなりな感じだし、歌舞伎は大昔から口上も芸の内だったのを考えるともう一工夫ほしいように思われた。お父さんの菊之助がこの幕で弁慶の役に扮しながら次の幕でなんと「娘道成寺」を踊る奮闘ぶりはまさに責任興行といってもいいかもしれない。で、その「娘道成寺」はもう十分に歌舞伎座で披露してもおかしくないだけの成長ぶりに唸らされた。ただ長唄の立唄がひょっとして躰の具合でも悪いんだろうか?と思うくらいに調子を乱していて、〽恋の手習いにイマイチうっとり出来なかったのはザンネンというべきか。肝腎の「御所の五郎蔵」は松也の風姿やカタチはまずまずながら、口が甘いのと声を張りすぎて喉をやっちゃってるせいでセリフが聞きづらいという点は指摘しておかなくてはなるまい。ただ松也以外の配役もほとんど若手で上置き的に舞台を締められる役者が付き合っていないため、幕全体が薄い仕上がりなのは如何ともしがたく、夜の部はこれだけが芝居らしい芝居で後は全部ショー的な演目だから、高い料金を払わされる観客には如何なものかと思われて、この点は制作の問題だけに座頭の菊五郎と松竹の責任が問われてしかるべきだろう。とはいえ今やこうしたことを許すというか気にならない観客がほとんどだから、こうなってるんだろうな〜と思うところもあるのですが(-.-;)y-゜゜


コメント (1)


孫デレぶりの発揮が見ものは、とても見たくなります。
久しぶりの辛口批評も素敵でした。しかし、以前の辛口よりはずいぶんマイルドになって、一太刀で切り捨てるくらいの厳しく激しい批評では無い気がする・・・(私の習慣や心持の変化のせいかも・・)歯に衣着ず批評しても良いのではないかと、思います。多分・・・。特に歌舞伎関係は、それを待ち望んでいるような気が・・私の気のせいかなぁ?

私はどちらの批評でも楽しんでいますが。関係者にとっては今朝子様の超激辛批評が最もベストなのでは?と思っています。

投稿者 nao : 2019年05月20日 01:16

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