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2019年03月01日
大藪春彦賞贈賞式
「颶風の王」でその存在を知って以来、年下の敬愛する作家であり、且つ畏友でもある河崎秋子さんがこのたび第 2 1回大藪春彦賞を受賞されて、今夜はその贈賞式が新橋の第一ホテル東京で催されたので駆けつけた次第。受賞作の「肉弾」は河崎さんならではの動物バイオレンスとでもいえそうな作品で、想像を絶するような残酷なシーンも含めて全体がリアルに凄まじい迫力のある筆致で描かれており、そこから発せられた人間も含めての生命の輝きが意外なほど清涼な読後感をもたらしてくれる。それは受賞式でも「この時間はふだん牛の搾乳をしております」と仰言ったように、北海道の厳しい大自然の中で育まれた彼女の共に健やかな肉体と精神に支えられた筆力によるところが大きいのだろう。朝5時から酪農と羊飼いの仕事をして夜の10時にようやく執筆の時間が取れるという中で生まれた作品とは思えないくらいの精緻な文章も魅力で、そうした事情から比較的寡作にならざるを得ないだろうが、今後も河崎さんならではの力作を大いに期待したいとだけ言いたくて会場を訪れ、集英社の伊藤さんのリードで素早くご本人にお目にかかってすぐに帰って来た。そもそも文芸作品の受賞式に顔を出したのは自分がN賞を受賞して以来で、出版各社からご招待を頂戴しても一度も顔を出したことがないくせに、今回は伊藤さんから知らせを受けて、招待状もなく行って大丈夫なんだろうか(^_^;と心配しながら訪れたところ、幸いホテルの玄関で集英社の眞田さんにバッタリ会って無事受付を通過できたのは幸いでした(*^^)v
コメント (1)
読みたいと思っていたのにまだ読めていないのが、後ろめたく思いますが、有難うございます。
河崎 秋子さん 集英社と心と紙にメモします。なんとなく文庫で出ていた?気がしますが。
作者の姓名が分かれば、大型書店で検索すればまずヒットするのでご著書を調べて、ゲットできるものは「げっとするぞー」と雄たけびをあげ、私的な楽しみにふけるように読みたいです(一年以内の目安で)。
つい最近、〇風の王(はふうかひょうふうだった気がするが・・・漢字を出せない)読みたいのに思い出せないジレンマに。タイミングぴったりでとても嬉しく思います。
投稿者 nao : 2019年03月02日 01:30