トップページ > 罪と罰

2019年01月10日

罪と罰

昨夜はシアターコクーンで「罪と罰」を観て帰りが遅くなったのでブログの更新をしませんでした(^^ゞ
ご存じ「罪と罰」は近年新訳が出たからそれで再読したらストーリーも小説の展開の仕方も何てコンテンポラリーなんだろう \(◎o◎)/! と斬新さに改めて感心させられたのだが、今回のフィリップ・ブリーンによる上演台本と演出はその原作に頗る忠実で且つ現代に訴求する力を十分見せつけてくれた。何しろ幕開きから出演者全員がほぼ出すっぱりで、時には背景ともなりコロスや効果音の役割も果たしつつ、超スピーディに場面転換する運びは圧巻であろう。革命直前の混乱せるロシア下層社会を象徴するような廃墟化した装置や衣裳のビジュアル面、不協和な効果音や BGM を舞台上の生演奏で聴かせるオーディオ面共にとても印象的で、映画ならともかく演劇というカタチで原作に挑んでみごとに蘇らせた点は特筆に値する。にもかかわらずこの作品をキリスト教の基盤に乏しい日本で上演することの難しさもまた感じないわけにはいかず、たとえばソーニャの存在に対する理解が十分に表現されていたとはいいにくい。三浦春馬の主演はラスコリニコフを現代ニッポンの若者と重ね合わせることに成功しつつも、やや一本調子で原作の特異なキャラクターが崩壊から再生に向かう過程を克明に辿るところまでは行かなかった。特異といえばドストエフスキー作品は概ね特異なキャラ満載で、それがエンターテイメント小説風に読ませてもくれるのだけれど、ラスコリニコフを心理的に追い詰める捜査官ポルフィーリを勝村政信が何だか刑事コロンボみたいに演じているな〜と思って見ていたら、演出家がポルフィーリを刑事コロンボの原型と指示したことがプログラムに書いてありました(!_+)


コメント (3)


 「罪と罰」、今月末に観に行く予定です。小説は学生時代に読んだのが最後で、この際読み直してから舞台を観るのが良いと思うのですが、まだ着手しておらず。時間切れにならないよう読み始めなくては。
 勝村政信は演技巧者なので、さぞかしねちっこいポルフィーリなのでしょうね。

投稿者 マロン : 2019年01月11日 18:14

今朝、見たテレビで、外国人に人気だというMAYCHAサイト。
その「やさしい日本語」を選ぶと、明治の頃の新聞みたいにロゴに英語が付いてたりします。とりあえず、ネット上ですが、見ることが出来て、満足でした。
そう、そこでインタビュー受けてたロシアからの観光客の女性が言った言葉が衝撃!
「MATCHA は、(文章が)短くて情報量が多いのがいい。だってロシア人は、長い文章は読まないから」
えぇー!じゃ、長い小説はどうなんですか?現代のロシア人が、どのくらいドストエフスキーを読破しているか、そのパーセンテージをすっごく知りたいです!と思いませんか?

投稿者 せろり : 2019年01月14日 23:49

あれ、打ち間違えてました。MATCHA です。

投稿者 せろり : 2019年01月14日 23:51

コメントしてください




ログイン情報を記憶しますか?


確認ボタンをクリックして、コメントの内容をご確認の上、投稿をお願いします。


【迷惑コメントについて】
・他サイトへ誘導するためのリンク、存在しないメールアドレス、 フリーメールアドレス、不適切なURL、不適切な言葉が記述されていると コメントが表示されず自動削除される可能性があります。