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2018年11月08日

琥珀の中の虫

昨晩は下北沢シアター711でパニック・シアター公演「琥珀の中の虫」を翻訳家の松岡和子さんと観劇。同公演は中村まり子が主宰して3 7 回目を数え、今回は作・演出・主演も兼ねるという、同い年のワタシはもう脱帽するしかない奮闘ぶりだ。ネタバレしないように紹介するのは難しく、生死の間を彷徨う魂の収容施設で最後の時を過ごす人びとの会話劇といえば何だか深刻で難しい感じの芝居を想像されるだろうが、ゼンゼン違ってごく日常的な雰囲気のコミカルなやりとりの中に作者の死生観や宗教観が反映され、女の切なくも可笑しな人生がミステリアスに且つアイロニカルに描かれた秀作である。ハメ書きされた常連のメンバーがそれぞれの持ち味を発揮しながらナチュラルな芝居を展開するのが同公演の特長でもあるが、今回は原知佐子の病による降板で急きょピンチヒッターを務めた青年座の井口恭子が往年の大女優の役に扮して実にそれらしいムードを醸しだす好演ぶりが印象に残った。真田薫の個性的な怪演ぶりも相変わらず同公演ならではの魅力といえよう。


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