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2018年08月29日
第一回古典芸能を未来へ 尾上流
今夕はNHKのご招待により国立劇場で「第一回古典芸能を未来へ」と謳った尾上流の舞踊会を鑑賞。尾上流は現七代尾上菊五郎が宗家で、現三代菊之丞が家元を務める日本舞踊の一流派だが、歌舞伎の若手として人気の菊之助や右近を擁するだけに、舞台客席共に華やかさ賑々しさがあふれていた。中でも見応えがあったのは意外や序幕の義太夫による「二人三番」で、昔ほどのごちそう感がないとはいっても一応は清治以下の文楽陣が地方を務め、菊之助菊之丞という双菊の溌剌とした素踊りを堪能させられた。右近、紫、京による「松の調」もすっきりした印象の佳品で、先斗町と新橋の綺麗どころをずらっと揃えて先代家元の墨雪が芯を締めた「雨の四季」はいかにも江戸らしい洒脱さが窺えた。新作舞踊の「斧琴菊旭旗」は今若、乙若、牛若の子連れで逃避行をする常盤御前に菊之助が扮し、義朝に菊之丞、三人の子にそれぞれ双菊の男児女児に加えて寺島しのぶの男児が扮するという身内の勢揃いが場内を沸かせた。「双生隅田川」の筋を借りたかたちで常盤は子供にはぐれて狂乱するも大天狗に救われて、この大天狗に扮するのが菊五郎なのだから文句はない。新橋の綺麗どころが出演したせいか、七時という非常に早い終演時間だったのも有り難かった。
超満員の客席は案のじょう関係者大会と化しており、幕間は久々に会った大勢の関係者に挨拶をしまくっていたのだけれど、誰よりも姿を見て驚かされたのは元集英社の八代さん(◎_◎;)で、相変わらず芸能鑑賞者として侮れない人だな〜と思ったのでした(^◇^;)
コメント (1)
昨日の尾上流舞踊会も、菊之助・右近をお目当てに出かけました。新橋や先斗町からも出演し、観客も多くが舞踊関係者と分かり、猛暑の中でも和服姿が多い華やかな雰囲気で、尾上流の何たるかも知らず、そもそも舞踊が苦手な私は全く場違いでしたが、良いものを見せてもらった満足感がありました。先日の「音の会」でも三番叟がとても良かったのが印象に残っていましたが、式三番の幕が開くと、鶴澤清治・呂勢太夫・織大夫など文楽の方々が並び、眼と耳をたっぷり楽しませてもらいました。「音の会」では京蔵さんの吃又お徳が素晴らしく、最近は歌舞伎座の帰りに(何だかなあ…)と釈然としない事も多く、こうした発表会の方が正統派の歌舞伎を見せてもらった気がするのは私だけでしょうか。
投稿者 ウサコの母 : 2018年08月30日 22:52