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2017年06月24日

高千穂の夜神楽

今日は午後から集英社の伊藤さんと国立小劇場で「高千穂の夜神楽」公演を二部通しで六時間も観たあと東京ステーションホテル内の中華料理店「燕」で食事。
この公演には、先月宮崎旅行をした際旧友モリの妹モリミキの紹介でたまたまお目にかかった高千穂在住の今村さんがご出演になっていて、一般売りは発売二日目にして完売したというプレミアチケットの関係者の分をわざわざ回して戴いたのであるが、これが想像した以上に見応えのある舞台で大変興味深く拝見できたのだった。そもそも神楽は日本の庶民芸能の原点ともいうべき存在だから、私も学生時代は隠岐の島まで夜神楽を観に行った経験があるのだけれど、当時よりもずっと楽しめるようになっていたのはそれこそ年の功というべきだろうか。とにかく全体として特徴的な足捌きや手振りが興味深くてリフレインが相当あっても見飽きないし、笛と太鼓だけの単調なリズム音楽で繰り返される同じ動きを見続けているうちに一種のトランス状態に陥りそうな快感を味わいながら、歌舞伎の見得とよく似た形象美を愛でる歓びに包まれた。一部では真剣を用いて非常にアクロバット的な動きを見せる「岩潜」に驚かされたし、二部は「岩戸開き」を主題にしたストーリー性のある神楽が展開する中で、ここの神楽は天照大神が人形としてしか登場せず、一貫して手力雄命がスター的な存在に扱われることを理解させられたのだった。「弓正護」という弓矢を手にした勇壮な舞を披露された今村さんには唱教(しょうぎょう舞いながら唱う言葉)の声の美しさにも魅了されたし、幕間に楽屋をお訪ねして今村さんからご紹介された三田井神楽保存会の指導者で83歳のご高齢であられる甲斐さんは、今どきは日本舞踊家にも滅多にいない純粋に優れた舞いの名手であることに驚嘆させられ、高千穂神社の後藤宮司の佇まいの美しさにも心を打たれて、機会があれば次は現地で拝見したいものだと思ったのでした。


コメント (1)


松井様
先日はご来場いただきありがとうございました。
このご縁を機に再会できます事を楽しみにしております。

投稿者 今村康薦 : 2017年06月26日 14:55

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