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2017年05月26日

宮崎行

近年は「高校生のための文化講演会」と題する一ツ橋文芸教育振興会と各地方紙共催の講演をお引き受けする機会が多く、日本各地の高校生たちが意外なほど熱心に講演を聞いて、きちんとした理解力を示すのに毎度感心しているが、今回の宮崎も例外ではなく、講演する最中にもそれなりの反応がしっかり伝わって来たのは嬉しい限りだった。特に今回は拙著を以前から愛読して下さっている先生方と両校でお目にかかれたのもまた嬉しいことの一つである。全学年数百人もの高校生を前に正味一時間半もたっぷりとしゃべって、しかも午前と午後で1日2校を回るという極めてハードなお仕事とはいえ、両校をこなすために前日から現地入りして、新聞社の方に名所をご案内戴いたり、名物をご馳走になる歓びもある。宮崎は何しろ「日本神話のふるさと」なので、23日はまず空港から近い青島神社とホテルに近い宮崎神宮を訪れた。山幸彦と豊玉姫を祀った青島神社は熱帯植物に覆われた島全体が境内のようで、境内から随身門越しに見えるコバルトブルーの海、島の周囲に広がる鬼の洗濯板(波状岩)など、ここならではのユニークな風景にはすっかり魅了された。夜は新鮮な魚介や宮崎牛や冷や汁のほかにも珍しい大名竹や朝日蟹をおいしく戴きながら、宮崎日日新聞の方から隣国薩摩に対する感情やら、シラスウナギの売買が暴力団の資金源となっている現代事情やら、地元の話あれこれを面白く伺えた。
24日は両校の講演の合間に日向の一の宮都農神社や西都原遺跡群を訪れ、天孫降臨伝説のメッカである日向の一の宮に祀られた祭神がなぜか出雲系の大国主命である矛盾?が面白く感じられたものである。
この夜は旧友モリの妹モリミキと三十数年ぶりの再会を果たして集英社の伊藤さん共々ホテル内の宮崎牛専門店で食事し、牛肉はもとよりピーマンの丸焼きをはじめ色んな野菜の美味しさに感動しまくり∈^0^∋十数年前に移住して今や地元の名士になったモリミキは宮崎の魅力について熱く語ってくれたが、二晩しか過ごさなかった私でも、この土地が良質の食材の宝庫であることや、地元の方々が皆さんとてもフレンドリーで親切だということは肌身に実感されて、モリミキの移住についても大いに納得が行ったのだった。
かくして25日はホテルを早朝に発ちタクシーで3時間強もかかる高千穂に向かい、高千穂峡の絶景や天の岩戸神社の神秘的な雰囲気を満喫。ランチはモリミキの紹介で訪れた蕎麦店で美味しく戴き、店主の今村さんから高千穂の夜神楽のお話をあれこれと伺って、来月ご自身が出演される国立劇場公演も拝見することに。高千穂からは熊本空港のほうが近いため、阿蘇山越えをして途中の雄大な風景に目をなごませつつ、同じ九州でも宮崎と熊本では植生を含め全く違う風景なのを体感。宮崎県内でも高千穂と青島では百八十度異なる共にインパクトの強い風景だったから、出会った方々のフレンドリーさと相俟って、今回の講演旅行はいつにもまして濃密な時間の流れが感じられた次第であります(∩.∩)
写真は上から講演ショット、青島神社の境内から望む海、鬼の洗濯板

モリミキとの3ショット

高千穂峡

高千穂峡の屏風岩

天の岩戸神社に近い天安河原(隠れたアマテラスをどうするかについて八百万の神々が協議した場所)

雄大な阿蘇の風景をバックにした小モノのワタシ(^^ゞ



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