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2017年02月11日

陥没

2/10はシアターコクーンでケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出「陥没」を観る前に代官山の「ヤマノヒツジ」で米朝事務所の大島さんと食事。ここは大島さんのお友だちが最近オープンした店で、グルテンフリー食材オンリーのおいしい和定食風ランチセット等を提供し、一体これで採算が合うの (!_+) と言いたいリースナブルさでした(*^^)v
ところでケラの芝居は当たり外れもあるとはいえ、個人的には今やっぱり観ておきたいと思える数少ない作家の一人で、別に作風が似ているわけではないが、その昔、吉田戦車のマンガにハマッタ時のような快感が得られて、今回も大いに笑かしてもらった。もっとも今作はタイトルから想像されるようなブラック度は低くて、むしろファンタジー色の強い甘みの勝った仕立てである。一応 1964年の東京オリンピックをモチーフとしてその時代を背景にしてあるものの、それとは余り関係なく、例によってクセのある登場人物たちの微妙にずれた会話の妙が楽しめる。幽霊の登場や、「真夏の夜の夢」的な一目で惚れるクスリ、誰もが本音を吐いてしまうクスリといった、笑える会話の反則ワザが多すぎるのも、まあご愛敬としておけるのは、出演者によって狂騒的な雰囲気の盛りあげに成功しているからだろう。メインストーリを担う人物よりも脇の個性を光らすのがケラの芝居の特徴ともいえて、今回は常連の犬山イヌコをヘンにもてる中高年女性に設定したこと。いかがわしいウザキモイ人物をやらせたら今この人がピカイチと思える生瀬勝久や、おっとりした口調で人物のズレ加減を遺憾なく表現した緒川たまきのチョイスが功を奏しているといえそうだ。


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