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2017年02月08日

足跡姫

2/7は池袋の東京芸術劇場でNODA・MAP公演「足跡姫」を観劇後に音楽ライターの守部さんとお友だちの小川さんと食事して遅くなったのでブログは更新できませんでした(^^ゞ
「足跡姫」は往年を彷彿とさせる言葉遊びも好調で、近年の野田作品では最も自然な筆の運びが窺える秀作といえそうだ。三、四代目出雲阿国一座と由井正雪の乱をからめて芸能と権力のありようが語られる一方で、この世から消え去る宿命の人の命と人が残した「足跡」というさらに普遍的なテーマが紡がれて、舞台にある道具は何もかもがニセモノのように、その死もまた本当でないことを切実に祈りたかったであろう十八代目中村勘三郞に対する野田のオマージュが、美しいラストシーンで阿国を喪った後も台本の筆を執り続けようとするサルワカ勘三郞の姿に託されている。サルワカの役には妻夫木聡のピュアな持ち味が活かされているものの、作者は果たしてそんなにピュアな存在なのかという不審に応えるべく?由井正雪の死体役の古田新太が幽霊作者即ちゴーストライター役も兼ねる趣向。宮沢りえは芸能の真髄を体現する阿国と、権力に対する「反骨」の剣を隠し持った足跡姫を歌舞伎のいわゆる「双面(ふたおもて)で演じる趣向だが、両者の演じ分けが今一つくっきりとしない憾みもあった。


コメント (1)


2010年9月に、東京芸術劇場で野田マップの「表に出ろいっ」を観ました。勘三郎さんと野田さんのあまりにもテンションの高い演技には、ただただ圧倒されて、こんなにテンションの高いお芝居を続けていたら命が!と思いました。今月歌舞伎座での、かわいらしい勘太郎さん、長三郎さんの襲名の舞台は、連日満席の盛況で、命のつながれていく歌舞伎の世界を実感していますが、来週「足跡姫」観劇の予定なので、勘三郎さんにささげるオマージュの舞台がどのように展開するのか、松井先生の足跡を参考にして観劇できる嬉しさを感じています。
先日の木下歌舞伎の舞踏には、やはりすごいものを見たとしか言いようがありません!!

投稿者 順子 : 2017年02月08日 16:43

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