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2016年09月14日

眞田十勇士

9/13は新国立劇場で『眞田十勇士』を見た帰りに集英社の伊藤さん、元集英社の八代さんと新宿の『全聚徳』でジューシーな北京ダックをたらふく食べました∈^0^∋
既に映画化もされて今秋の公開を待つ『眞田十勇士』を観たのは今回が初めてだが、商業演劇の現在をよく伝える舞台だった。若い方は余りご存じないだろうが、その昔「新国劇」という劇団があって、眞田昌幸に島田正吾が、幸村に緒形拳が扮した舞台の記憶が私にちょっと蘇ったのは、勿論内容は全然違うのだけれど、新国劇が殺陣を売り物にしていたこととの共通点を感じたせいだろう。とにかく全編立ち回りが盛り沢山で、十勇士それぞれの見せ場をきちんと拵えてあるから、そのつど旬のキャスティングで上演できる点でも商業演劇としてのメリットが大きい舞台といえるかもしれない。もっとも絶対外せないのは主演の猿飛佐助を演じる勘九郎で、亡父をややシャープにした親しみやすい風貌と、亡父にも迫る愛嬌と、まだまだ若い身体能力を存分に発揮して一座を率いる奮闘振りは観ていて実にすがすがしい。この歳の亡父には無かった魅力も今やしっかり備えている。ストーリーやセリフのやりとりがいささかマンガチックなのはイマドキで、今や小説さえも明らかにマンガ的な感性で書かれた作品が主流になる中では商業演劇もマンガ文化の影響を受けざるを得ない現状をよく表しているといえそうだ。今回は映画の公開に合わせたせいか、演出は映像を多用した連鎖劇風の活劇仕立てで、プロジェクションマッピングが汎用性の高い技術となった今日では、こうした連鎖劇風の舞台が今後もますます多くなるのが予想される。それにしてもプロジェクションマッピングを用いたスピーディな可動装置を使用すると役者の動きは大変そうで、うっかりしたら転落事故も起こしかねないスリリングな舞台だから、その点で緊張感のあるステージングが千秋楽まで期待できるのもある意味おまけのメリットといえるだろうか。


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