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2015年10月12日

ヴェローナの二紳士

さいたま芸術劇場での蜷川演出によるシェイクスピア・シリーズも早や第31弾となる本作は、意外にもシェイクスピア最初期の作品で、登場人物も少ない短編戯曲だけに、大劇場での上演には無理があるようにも思われたが、実際に観れば、さまざまな家具や調度や彫像や絵画をフリーマーケット状態で飾りたてたオープニングはゼッフィレリの「ラ・ボエーム」を想い出させるような賑々しさに満ちており、鏡面を巧みに使った装置と共に功を奏して舞台の薄さを感じさせない仕上がりになっていたのは何よりだろう。二組の恋人が中心となる喜劇で、美人に目が眩み最愛の恋人の存在を忘れて且つ親友を裏切る正直だけどズイブンな男を三浦涼介、そのズイブンな男を追いかける健気で可愛い娘を溝端淳平、ズイブンな男に恋される美人にして聡明な女性を月川悠貴、彼女に恋してついに結ばれる男らしいくせに案外ドジな男性を高橋光臣が演じており、全体としては超ご都合主義のストーリーながら、いかにもシェイクスピアらしいウイットに富んだ軽妙なセリフが耳を心地よく賑わしてくれる。男にズイブンなことをされる女を男優が演じることで女性客のハートを掴むオールメールスタイルにはピッタリの作品ともいえそうだ。美人にして聡明な女性の父親を演じる横田栄司や、彼女に一方的に恋してるキモイ男を演じる河内大和ら脇役陣も舞台を賑やかに盛り立てるなか、本物の犬が登場してこれが異常にはしゃぎ過ぎた演技?で場をかっさらったり、セリフが飛んでアタマ真っ白状態になった高橋が「ちょっとアタマを整理してくる」と当意即妙の迷ゼリフを残して途中で舞台を抜けて拍手大喝采を巻き起こすなど、初日ならではのハプニングが観客を大いに楽しませたのはまさにケガの功名ともいえそうでした。


コメント (2)


順平は淳平の誤りかと…

投稿者 Kay : 2015年10月13日 08:46

ご指摘有り難うございます早速訂正しました。

投稿者 今朝子 : 2015年10月13日 15:41

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