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2013年05月03日
生春巻き、青パパイヤのサラダ、ソフトシェルクラブのフリッター、イカのレモングラス炒め、フォー他
池袋芸術劇場で三谷幸喜作「おのれナポレオン」を幻冬舎のヒメと一緒に観てから近くの「フォーベト」で食事。
ハメ書きの三谷が野田秀樹を役者として起用し、他にも天海祐希や内野聖陽、山本耕史といった人気者が出演する話題の舞台だが、何の情報もないまま臨んだために、幕開きはやや戸惑いを覚えたほどのマジな芝居の雰囲気で進行し、途中からだんだんほぐれて、次第に狂躁的なおかしさに包まれていつも通りに笑わせてもらったが、それはどうやら役者たちの奮闘に負うところ大だったようである。ストーリーは野田の扮するナポレオンがセントヘレナで亡くなって二十年後に毒殺の疑いが持たれ、同じ島にいた実在の人びとがそれぞれ当時のことを語って次第に真相が明らかになるというミステリー仕立てで、その中のひとりナポレオンの監視役だったハドソン・ロウ総督が登場した瞬間やっと、ああ、なんだ、これは『アマデウス』のパロディ (というより刑事コロンボと古畑任三郎の関係) じゃないか!と気づいたのは、内野が幸四郎に似せた演技を見せたからである。要するにハドソン・ロウがサリエリ、ナポレオンがモーツアルトの設定で、三谷は野田に貧相な小男にして天才という役をハメ書きし、内野と天海と山本らは野田の小男ぶりを強調するための配役?なのか皆デカイのがおかしい。設定が面白そうなわりに、三谷の筆はイマイチ転がらなかったようで、芝居のほうは野田の例のキレ演技によって転がってはいるものの、内野がせっかくオイシイ役どころでいいセリフもあるのに、幸四郎の真似に囚われたせいか、ちっとも舞台をさらっていないのはどうしたものか。ナポレオンの愛人役の天海はただデカイから起用された?ような感じで、彼女の持ち味が存分に活かされた役には書かれていないのがちょっと気の毒かもしれない。その夫でナポレオンに最後まで仕えた臣下を演じる山本のほうがオイシイ役になっている。他にも演技派の今井朋彦や映像で活躍している浅利陽介を擁した豪華なキャスティングで、とにかく野田の年齢を顧みない超ハードなドタバタぶりが楽しめる舞台といえそうだ。
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