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2013年02月23日
祇園「川上」3月の献立
22日の夜はもちろん「川上」の晩ご飯で早春の味覚に舌鼓を打つ。まずは突き出しに珍味の「のれそれ」(穴子の稚魚)が出て、これも今後はだんだん食べられなくなりそうな予感が(-。-;) いかにも雛の節句らしい八寸で出た蛤の器は本物の蛤に漆塗りをしたものだと店主の加藤氏が説明。向付は鯛とイカとシビまぐろのトロで、昔からこのお造りは質的にも量的にも「川上」のお値打ち品といえそうだ。次に出たのは意外にもフグ鍋の糟仕立てで、笹掻きゴボウと山椒の風味を効かせた逸品。これと併せてフグの白子と皮のポン酢和えが美味しく戴けたが、いずれも今度の改正で新たに加わったメニューにちがいない。次いでとても柔らかい牛ヒレ肉のステーキと、京都ならではのきめ細かい舌触りのカブラ蒸し、泥臭みの全くない穴子の揚げ出しが続き、〆に蒸しアワビの酢の物が出て豆ご飯に至るまで、今回は間然とするところなくまたボリューム満点の結構な献立で、従来の「川上」の良さを踏まえつつも、器を含めて新七時代とはまたちがった加藤氏のカラーがはっきり打ち出されており、花板の南氏ともども大変に頼もしく感じられた。思えば私が知るだけでも料理界には次々と流行りの名店が現れて、いずれも店主の脂がのりきったあたりで全盛を迎え、店主の盛りが過ぎていつの間にか消えてゆくというパターンが繰り返されているのだけれど、加藤氏に引き継がれた新生「川上」には上り調子の安定感が出てきて、今後いよいよ大きく開花しそうな予感のする非常に楽しみな店となった。 3月6日からはまた東京日本橋高島屋の京都展でお弁当を売りだすそうなのでファンとしては(^^ゞなるべく行ってみようと思っております。
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コメント (1)
だいぶ以前のことになりますが、木屋町綾小路下ル・・・だったかにあったごくちいさなお寿司屋さん「楽屋寿し 寿し政」さんの大将とお仲間の方々とご一緒に、おとうさまおかあさまのやっていらしたころの「川上」さんへほんの数回うかがったことがありました。
まだ若かった自分が最初に知った京懐石、本当に美しく美味しかったです。今も忘れられません。
いつか機会がありましたら、二代目さんのお料理も味わいにうかがえたらいいなあ〜と思っています。
投稿者 Tomoko : 2013年02月25日 10:49