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2013年02月02日

寒ブリ、メジマグロ、ツブ貝の刺身、銀ダラの西京焼き、豚肉の塩麹焼き、おでん、タコの柔らか煮ほか

大宮東口の「魚匠 基」で中村京蔵丈と食事。
京蔵さんは私が引っ越してすぐに新居をご訪問くださるはずが、この間に大震災があり、また毎月日本中どころか世界をまたにかけての舞台出演でご多忙を極め、延び延びになっていたのだけれど、今月は久々の休演でようやくお越しになれたのだった。まずは氷川神社にお詣りしたいとのことで、ご案内したら「いや〜こんな立派な神社とは思いませんでした〜」と感心しきり。次いで土曜日とあって大勢の若い子たちが参詣しているのを見て「僕たちが若い頃には考えられない風景ですよね〜」とびっくりされたのだった。
お茶しながらも食事しながらも話は当然ほとんど歌舞伎の話ばかりだったが、私が昨日たまたま歌サマ手作りのお茶碗を手に取ったら通常より大ぶりだったことを話すと、「ああ、成駒屋の旦那は手も足も大きい方でしたからねえ」とのこと。「やっぱりそうだよね。だからあれだけ強く印象に残る手振りだったんだよね」と言いながら、お互いに歌右衛門の手振りの真似をして盛り上がったのだった。「六代目菊五郎は自分の手の形が不格好だったんで、なるべく手を出さないような振りをして、それが今に伝わってますよね。だから六代目系の踊りを受け継ぐ人は、みんな袖から手をあまり出さないようにして踊るじゃありませんか。歌右衛門はきっとその反動で手の動きをわざと強調して見せようとしたんじゃないかという気もするんですよ」と京蔵さん。「なるほど、それはあったかもね。歌舞伎に限らず、伝統芸能の世界をよく見てれば、一時代を画した名人ががこの世を去ると、次の時代の名人がわざとのように全く違った行き方をすることのほうが多いし、つまり反動の連続で受け継がれるのが本当の伝統であって、昔から一直線に変わらぬままずっと受け継がれるものだなんて考えるのは門外漢の素人だけだという気がするもんね。だって結局は人間がすることなんだから、当然ながら反発の気持ちが起きるわけだし、実の親子で受け継いだ老舗だって代が変わるとゼンゼン違うことしようって思うわけじゃない」といいながら私はどこかの国の政権交代をふと想い浮かべたのでした。


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