トップページ > 継承の会

2012年11月18日

継承の会

今日は夕方五時半から青山の銕仙会能楽堂で「継承の会」を観た。武智鉄二夫人であった川口秀子師の孫千枝さんが二代目川口秀子を襲名。最初は同級生市川染五郎との共演により「秋風の曲」で楊貴妃を舞う予定だったが、染五郎のアクシデントで急きょ演目を差し替えねばならず、地唄舞いとして非常にポピュラーな難曲「雪」を独りで舞うことになったのは大変だっただろうけれど、舞踊家として立つには結果としてこのほうが良かったのではないか。この前に観た時はいかにもたどたどしい舞いぶりだったので、大丈夫だろうかと心配したが、この間の精進の甲斐あって、今回は思いのほか堂々とした舞いぶりで、躰の使い方もかなり落ち着いてきた。年齢のわりにまだ稚い芸とはいえ、押しだしが立派で花もあるから、精進を重ねれば斯界のスターにもなれそうである。ただ、まだまだこれからみっちりと稽古を積んで舞台を数多く重ねることが必要なのはいうまでもない。中村京蔵がお付き合いで同じく地唄舞の「珠取り」を素で舞ったが、橋がかりの出で袴付きでも女の姿に見えることにまず感心した。歌舞伎役者で地唄舞の得意な人がめったにいないのは、表情を含めて抑制をきかせた中で表現力を発揮するのが難しいためなのだけれど、芸の濃すぎる気味さえあったこの人が、意外にも地唄舞に向いているかもしれないと思わしめたのはお手柄であろう。開演の途中では故人のVTRも流されて、これには思わず目が惹きつけられ、改めて故人の芸が偲ばれた。それについてはいずれ「師父の遺言」で詳しく触れることになりそうです。


このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kesako.jp/cgi-bin/mt/mt-tb_kesako2.cgi/2461

コメント (1)


川口の会私は行かれませんでしたが暖かい目で見て下さり有り難うございます。
お付き合い下さった京蔵さんは大変に稽古に精進なさったと聞いております。拝見できなくて残念でした。
私が言うのも変ですがお忙しいのに有り難うございました。
所で今度の選挙私も妹君と同じく誰にしたらよいのやら、もう嫌だ!と言いたいですね。今頃になって池上彰の本読んでます。やれやれ。

投稿者 ねこ : 2012年11月21日 16:56

コメントしてください




ログイン情報を記憶しますか?


確認ボタンをクリックして、コメントの内容をご確認の上、投稿をお願いします。


【迷惑コメントについて】
・他サイトへ誘導するためのリンク、存在しないメールアドレス、 フリーメールアドレス、不適切なURL、不適切な言葉が記述されていると コメントが表示されず自動削除される可能性があります。