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2012年01月12日

ハンブルグステーキ

紀伊國屋サザンシアターで井上ひさし作・長塚圭史演出の「十一ぴきのネコ」を観る前に近くの「つばめグリル」で食事。今日から新たにiMacでブログを更新することになり、その感想は後日に譲るとして、ここではお芝居に触れておきます。
私が最初に観た井上作品の舞台はテアトル・エコーの「それからのブンとフン」で、明るいコメディタッチがラストで一転するのに驚かされたが、その時に誘ってくれた友人が引き合いに出したのがこの「十一ぴきのネコ」だったと記憶する。つまり初期の井上さんらしい作品であり、この作品はその後書き替えられたにもかかわらず、今回はその初演時の台本を使っているので、ベトナム戦争や三島由紀夫の切腹がモチーフに使われ、ゴーゴー(ダンス)や赤尾敏というコトバまで飛びだすから私以上の世代にはとても懐かしいだろう。片や今回の演出家も俳優陣も、そうしたセリフの端々に登場する当時の世相や風俗に対してはおよそ無縁な世代にちがいないのだけれど、別に違和感なく演じて、それぞれの個性を大いに発揮している点で好感の持てる舞台だった。中でもいわゆるカルチャーヒーローとして前向きに仲間を引っ張ってゆくにゃん太郎役の北村有起哉がそこそこ歌えてちゃんとミュージカルに仕立てているのに感心し、はみ出し者のにゃん十一を演じた山内圭哉も良い味を出していたように思う。宇野誠一郎の原曲を巧くアレンジしたことで、全体的にテンポのいい舞台に仕上がっており、長塚演出はブラックなラストシーンを敢えてソフトな仕上げにして、その代わりにネコたちが大きな魚を仕留めるシーンの音響で、そのぞっとさせられる結末を暗示したようである。


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コメント (1)


北村有起哉さんがミュージカル!(^^)!知りませんでした。
井上作品の舞台も一度見たいと思いながら、歌舞伎、邦楽関係で手一杯なのが残念です。
昨日は文楽、住太夫丈がまだまだ元気で「桜丸切腹」の切り場を語って居られました。客席もほぼ満員。しかし歌舞伎以上にギャラリーは高齢化です(+_+)
浅草歌舞伎は活気があって若い歌舞伎ファンで一杯でした。あの辺りの商店街が協力して盛上げておられるので行くだけでワクワクします。もちろん壱太郎さんの夕霧しっかり見てきました。はんなりした傾城ぶりでした。
来月の松竹座は若い歌舞伎ファンが集まり、壱太郎さんのお里に期待感一杯です。
マックの方がウイルスには強いど聞いていますが、直ぐに使いこなしておられるのが凄い!!

投稿者 お : 2012年01月13日 16:24

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