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2011年09月23日

御献茶

神仏や宗祖に抹茶を献げる御献茶という儀式は南北朝時代からあったようで、現在では各流派家元が有名寺社で定期的になさっているのは知っていながら、実際に拝見する機会はなかったのだけれど、お茶の阪本先生は私が引っ越した際に氷川神社でも表千家の御献茶が行われているのを想いだされて「今朝子ちゃんにはいっぺん見といてほしい」というお気持ちになられたそうである。今日はそのお招きを有り難くお受けして、午前中にまずは氷川神社の社務所にご一緒し、そこで表千家同門会の埼玉支部の方々にとても親切なおもてなしを戴いたのも、わざわざ遠くからお越しになった賓客をもてなそうという心意気だったのだろう。なにしろ阪本先生は京都から、お姉様の星野先生は軽井沢から大宮にお越しになったので、関係者は恐らく一体なぜわざわざここまで???という感じだったのではなかろうか。実は私は歩いて10分もかか
らない場所に住んでいることを申しあげるのは気が引けるくらいだった(^_^ゞ
御献茶のお点前をなさったのは次期家元の若宗匠で、本殿に向き合うかたちで建てられた舞殿で行われたそれを、なんと中央最前列で拝見できたのもご一緒戴いた阪本星野両先生のおかげであろう。もちろん本番中は撮れないので、事前の撮影をアップするかたちだが、四方から丸見えになる舞殿という空間で、一般の参詣もひっきりなしにあるという悪条件にもかかわらず、若宗匠は淡々としかもあたりを鎮めるだけの集中力を持って成し遂げられた。お点前は上半身だけで見せる日本的な所作ともいえるが、舞いなどと同じくお点前も見比べると人によってずいぶんと違うような気がするし、私も全流派の家元と若宗匠を見比べているわけではないけれど、表千家の若宗匠は変に力んだところが少しもなくて所作がさりげなく見え、動きの流れがスムースで柔らかみがあってとても美しく感じられたのだった。
お点前を拝見したあとは社務所で点心を戴き、神社に附属したのお座敷と立礼でそれぞれ一服ずつ戴くという催しで、関東近県から何百人ものお弟子さんが詰めかけての一大イベントながら、全体に混乱もなく
穏やかで温かい雰囲気に終始していたのは何よりだった。
晩ご飯は両先生とご一緒に近所のイタ飯「ヴァーリオ」でたっぷり戴きました。


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コメント (1)


先日、氷川神社の献茶式でご来賓の皆様の接待を務めさせていただきました小関啓子と申します。

その節はわざわざお越しいただきまして誠にありがとうございました。

早速松井先生の著書を拝読したいと、サイトを散歩しておりましたら、な、なんとこのページに・・・
お献茶のことを取り上げていただいた上に、私ども支部関係者のことまで触れていただき、「感激」の一言です。

このページのことは支部役員、お弟子さんに是非とも伝えたいと思います。
阪本先生、星野先生も私の中では伝説の方で、まさかお目にかかれるとは夢にも思っておりませんでした。

松井先生も、改めて大変な作家でいらっしゃると知り、顔から火の出る思いでございます。
また、私も先生と同じ1953年生まれ。とても嬉しく思いました。
江戸や歌舞伎など和の文化を題材になさった先生の作品はどれも興味をそそられます。
早速、拝読したいと存じます。

私は、お茶の稽古場である大宮の実家、自身が代表を務める音楽事務所兼自宅のある浦和を行ったり来たりしております。

お近くですので、何かございましたら是非お声をお掛けください。

阪本先生、星野先生にもくれぐれもよろしくお伝えください。

      表千家支部幹事   小関 啓子

投稿者 小関 啓子(こせきけいこ) : 2011年09月25日 12:38

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