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2011年01月07日

オムライス

シアター・コクーンでシェイクスピア原作の「十二夜」を観る前に渋谷東急プラザの「麻布茶房」で元米朝事務所の大島さんと会って食事。
串田和美の潤色・演出による「十二夜」はオン・シアター自由劇場出身のキャストを活かした楽器演奏やアクロバットによって、随所で祝祭的雰囲気を盛り上げるが、どうもシェイクスピア的というよりはフェリーニ的なそれに見えたのは、モチーフをいろいろと拝借しているばかりでなく、全体にあまりにもセンチメンタルなムードが漂うからだろう。主人公となる双子の兄妹を、二重人格の両性具有的な存在としてイメージさせる点もいささかフェリーニ的で、松たか子だからなんとか演じていたとはいえ、ちょっとやりにくそうな感じがしないでもなかった。詰まるところこの上演はシェイクスピア劇というよりも、シェイクスピアの原作に触発された串田和美のイメージを見せられたというわけで、美術的には成功していなくもないのだけれど、やはり不満のほうが大きい。改めてシェイクスピア劇はセリフの洪水から観客がそれぞれのイメージを立ち上げて観るところに本当の面白さがあるのではないかと思った次第。


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