トップページ > 薬膳カレー、根菜の煮物

2011年01月04日

薬膳カレー、根菜の煮物

カレーは市販のレトルト。煮物は人参、大根、ゴボウ、筍の水煮、こんにゃく、干し椎茸をゴマ油で炒め、干し椎茸の戻し汁と鰹出汁と鶏ガラシュープで煮て、砂糖、酒、醤油、味醂、塩少々で味付け。
 ご多分に洩れず、私も今日から仕事始めだが、新年早々に中村富十郎丈の訃報に接して実に残念である。先月の初めにかなり重篤であるという噂は洩れ聞いていたが、それにしても急なことだったから、ご子息が幼いだけに、その点では心残りなご最期だったかと拝察する。
  私は20年ほど前に、坂田藤十郎(当時中村扇雀)の主宰する「近松座」が「堀川波の鼓」を上演した際に演出を担当し、相手役の彦九郎を演じた富十郎丈と初めて面識を得た。その時はノーテンキなくらい何も考えていないように見せながら、役作りには鋭い洞察力を備え、ご自身の芸に磨きをかけつつ、後進や弟子にも厳しく的確に指導できる方だという印象を受けたものだ。表面的にはあくまで明朗闊達で若々しく見え、それは晩年の芸風にも反映していた。舞踊は掛け値なしの名人であり、やはり20年ほど前に見た「船弁慶」前ジテの静の舞いが今も目に焼きついている。こういう名人なくして歌舞伎舞踊の面白さは体感できないだろう。想いだせば「堀川波の鼓」の稽古場で富十郎丈らと話している最中に飛び込んで来たのが壱太郎誕生の一報なのだから、それを思うと私もずいぶん年を取ったものである。
近年はお目にかかるチャンスがほとんどなかったが、去年、武智鉄二師を偲ぶシンポジウムで大変お元気なお姿を拝見していた。思えば、あのときお元気だった茂山千之丞師も故人になられ、なんだかおふたりとも武智先生に呼ばれたような感じだが、ともあれ謹んでご冥福をお祈り申しあげます。


このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kesako.jp/cgi-bin/mt/mt-tb_kesako2.cgi/1778

コメント (1)


明けましておめでとうございます。
やっと新しいパソコンに慣れて来てブログに参加出来るようになりました。
新年早々富十郎丈の訃報 去年の武智先生のシンポジュウムでんの大きな声でお話しされた事を思い出します。茂山先生は私の狂言小舞の師でもありましたのであの会でお目にかかったのが最後となり寂しい事です。今頃は武智先生と三人で芸談に花を咲かせていられるかもしれませんね。本当に武智先生がお二人を呼び寄せたみたいですね。ご冥福をお祈りいたします。

投稿者 ねこかおる : 2011年01月05日 19:15

コメントしてください




ログイン情報を記憶しますか?


確認ボタンをクリックして、コメントの内容をご確認の上、投稿をお願いします。


【迷惑コメントについて】
・他サイトへ誘導するためのリンク、存在しないメールアドレス、 フリーメールアドレス、不適切なURL、不適切な言葉が記述されていると コメントが表示されず自動削除される可能性があります。