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2010年12月01日

すき煮

QPのレシピ本を参考にした肉の少ないすき焼きで、代わりに椎茸とエリンギをたっぷり入れました。
案じられた通り本人の良いクスリだけでは済まなかった海老蔵の事件だが、今日はヒメから電話で某民放局が私に何か依頼をしたいとの話があったと聞いて、こうした件での取材はもちろんお断りするようお願いはしたのだけれど、今後ますます報道が過熱するようで、なんだかやりきれない気分である。
連日連夜の報道を見聞きするにつけ、朝青龍なき今マスコミの格好のターゲットにされてしまいそうな感があって、ご当人は自ら撒いた種とはいい条、ご両親はいい方々だけに本当にお気の毒でならない。関係者もさぞかし大変だろうと思う。
酒で乱れる男性は、私が知る限り、たいてい根っこのところでは気が弱い人だから、当人の落ち込みようもさぞかし大変なものだろうが、やはり責任問題は免れず、この件を親しか叱れないようではまた困ったことであろうと思う。あの歌右衛門や永山会長が存命であれば、どういう判断を下されただろうか。
いや、存命ならここまでの大事になる前に歯止めがかけられたのではないか、とも想像される。
今ちょうど新作の資料として戦前の歌舞伎俳優が書いたさまざまな本を読んでいるところだが、当時の歌舞伎界は今とは比べものにならないくらい封建的な抑圧が強かった一方で、師弟の情もまた並々ならぬものがあり、血族だけによらない一体感の強さもまた窺えるのだった。それは何も歌舞伎界に限らず、日本全体を覆った世間一般のありようだっただろう。近所の子が悪さをしても今や誰も親身になって注意をしない世の中となれば、歌舞伎界といえども、皆が細々とした付き合いを表面的にあたりさわりなくやってれば文句はなかろうという雰囲気になったとしてもおかしくはないのだった。
 人が成長する過程には必ず肉親以外の誰か一目置ける相手が絶対に必要だと私はつねづね思っていて、海老蔵にはひょっとしたらそうい人のないことが問題なのかもしれないと思ったりもする。海老蔵に限らず、古典芸能に携わる今どきの若手ホープはみな同様の問題を抱えているかもしれない。武蔵における沢庵和尚のような存在を、別の世界でもいいから見つけてほしいものである。


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コメント (1)


海老蔵さん、酒癖が悪いのもあるかもわかりませんが、酔っておられない時にも相手により非常にお行儀が悪かったり、暴言をはかれたりなさると言う事を聞きましたし、見た事もあります。歌舞伎会の先輩にはとても気遣いなさる方だと聞いていますのでとても残念です。

福助さんのブログにも「私たちが若いころには叱って下さる先輩がたくさん居られたが今は先輩方もあまり叱る事をなさらない」と書いておられました。大人になり一番不幸な事は叱ってくれる人が少なくなることですよね。
今はどこの世界も自信を持って若者を叱る事が出来ない時代、古典の世界で生きて行かれる御曹司は余計叱られる事無く大人になられるのが気の毒でもあり、又親の躾、管理が何時までも続く時代なんだと思います。親業が永遠に続くわけでシンドイ事です。

投稿者 お : 2010年12月01日 22:57

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