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2010年09月15日
なべ家3
「小説新潮」連載の「江戸のもてなし」シリーズ第3回目の今日は前回と打って変わって涼しい1日で、写真の料理のほかに鶏ネギ鍋も美味しく頂戴しましたが(^_^)/前回同様に小林姐さんの目を恐れて(笑)料理の詳細には触れないことと致します。
「なべ家」での会食後に大塚駅周辺のファミレスで書籍担当の田中ノリオ君とお会いして、明後日発売の「銀座開化おもかげ草紙」第3弾『西南の嵐』の見本を3冊受け取った。西南戦争突入後の不穏な空気を漂わせる新橋駅をスタティックに描き出した表紙の装画は近々このブログでもご覧戴けるようにします。
そもそもこのシリーズは西南戦争に突入する以前で完結させるつもりだったのだけれど、第1巻の文庫解説を引き受けてくださった関川夏央氏が、山田風太郎や司馬遼太郎と並べて「これら先達が志した歴史文学の流域にある有力な作家のひとり」と私を過大にご評価くださった上で、「松井今朝子は~中略~さらにそのつぎには西南戦争を書くだろう。 少なくともそこまで達しなくては、教養小説としても、早すぎる老境小説としても完成しない」と書かれてしまったために、こちらも西南戦争という大変なテーマに挑まないわけにはいかなくなって、思わぬ難渋をしながらなんとか完結に漕ぎつけたのだった。で、今回も関川氏は「波」での書評を快くお引受け戴いたのだけれど、ノリオ君の話によれば、「関川さんは、まだまだこの続きが書けるはずだと仰言ってるんですよ。日本の近代化において天皇制が強化される問題は明治10年以降にも色んな例があるわけだし、僕は松井さんの小説でなら読んでみたいと仰言ってて」とのこと。私としては、西南戦争を扱うだけでも相当にきつかったから、ええっ!!一体なんだってそんな大変なことばっかり要求されなくちゃならないの??という感じで、「とにかくこのシリーズはこれで完結です!!!」と断固言い張ったのでした。
そのあと急に話変わって「それにしても小沢は案がもろかったですね~」というノリオ君と現代の日本が抱える問題をひとしきり論議して、「とにかく目先の景気対策や雇用の促進なんかじゃ、今やどうにもならないって感じだけはみんな持ってますよね」との意見には大いにうなずいたのでした。これも今後どこまで効果が持続するのかは甚だ疑問ながら、為替介入で今日は円高が少しは抑えられ株価も上昇したのだから、政府としては取り敢えず目先の手を打つことしかないのでしょうが。
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