トップページ > よみがえる娘義太夫

2010年08月30日

よみがえる娘義太夫

 国立演芸場の帰りに近所のホテルで講談社の堀さん、クルックの矢内さん、幻冬舎の木原さんと一緒に食事。
演芸場では「よみがえる娘義太夫」と銘打っての女流義太夫演奏会がPM6:30から開催されて、景事(舞踊曲)の「二人禿」演奏後に、私が高座で20分ほどおしゃべりした。新作「星と輝き花と咲き」をお読み戴いた方はある程度ご存じかと思うが、明治半ばから大正期にかけて異常なほどの盛り上がりをみせた娘義太夫の風俗を現代に蘇らせるという試みで、女流義太夫界の若手陣が髷を結い花簪を挿しての出演とあって、とても華やいだ雰囲気のなか、客席も超満員だったのはご同慶の至りである。話を終えたら私も客席で拝見するつもりで、話しながら場内を見渡して、空いてる席はないかと探したのだが、立ち見の方がいらっしゃるくらいだから、こらアカンと諦めた次第。大切りの「野崎村」は2代目駒之助師や4代目綾之助師らベテラン勢のオールスターによる掛け合いで、残念ながら楽屋のモニターで拝見するしかなかったのだけれど聴き応えは十分だった。それにしても「星と輝き花と咲き」の刊行直後にこうしたイベントがあったのは出版した側としても何よりで、幕間にはロビーで若手出演者の方が扮装のまま本の直販にご協力くださったのも有り難かった。楽屋ではそもそも今度のきっかけを作られた鶴澤寛也さんをはじめ出演者の皆さんほぼ全員とご挨拶したほかにも、早稲田の後輩である竹本越京さんや近松座時代にお世話になった竹本綾太夫師とお会いできたし、ロビーでも大学院時代に面識を得た原道生先生や鎌倉さんといった懐かしい方々とも再会できた。文春の内山さん、山口さんともお会いできたが、集英社の八代さんがおいでになっていると聞きながらロビーが込んでいて結局お会いできず、Pメディアの岡野夫妻ともあまり話ができなかったのは残念でした。写真は娘義太夫の扮装のまま本の直販にご協力いただいた竹本京之助さんと綾一さんとのスリーショットです。


このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kesako.jp/cgi-bin/mt/mt-tb_kesako2.cgi/1653

コメント (3)


女流義太夫は何度か聴いた事があるものの、女義の会は初めてでしたが、当日券がない程の盛況ぶりで驚きました。隣に座った年配の男性は、普段はこの半分も来ないのに、今日はどうした事か、といぶかしげだったので、「私は松井さんのお話を聴きにですが」と答えましたが、若い演者さん達の登場で、身内や友人知人も多かったのでしょうか。初舞台という若い太夫さん、失礼ながら意外にしっかりした語り口で感心し、「野崎村」はオールスター出演で聴き応えがありましたし、華やかで見た目も楽しかったです。
実は、これほどたくさん、女流義太夫の演者がいるとは思いもよらず、受け取ったチラシで、演奏会も多く開かれていると知りました。お話なされた様に、地と役柄を語り分けながら、感情移入できるのが、他の邦楽とは違う面白さなのかな、と思いつつ、水野さんの「娘義太夫」も読んでみようと思った次第です。

投稿者 うさこの母 : 2010年08月31日 01:33

昨日はありがとうございました。
またのご縁のあることを願っております!

投稿者 鶴澤津賀寿 : 2010年08月31日 12:08

国立文楽劇場に文楽がかかっている時は必ず行っているのですが、まだ素浄瑠璃を聞いた事がありません。娘義太夫の事は祖父が一時夢中になっていたらしくよく話は聞きましたが、私は一度も聞いた事が無く、先ず10月に行われます咲太夫丈の素浄瑠璃の会に行こうと決心しました。関西でも娘義太夫は行われているのでしょうか?

投稿者 お : 2010年08月31日 23:04

コメントしてください




ログイン情報を記憶しますか?


確認ボタンをクリックして、コメントの内容をご確認の上、投稿をお願いします。


【迷惑コメントについて】
・他サイトへ誘導するためのリンク、存在しないメールアドレス、 フリーメールアドレス、不適切なURL、不適切な言葉が記述されていると コメントが表示されず自動削除される可能性があります。