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2010年08月10日

夏野菜と高野豆腐の煮物、シュウマイ、赤飯

 今日の夕方は「クロワッサン・プレミアム」誌のインタビュー取材をお受けして、そのあと新潮社の田中範央氏と軽く打ち合わせ。晩ご飯を作る時間はカットして伊勢丹クインズでゲット。
 この時期に女性誌のインタビューなので『星と輝き花と咲き』に関してかと思いきや、9月刊行予定の「銀座開化シリーズ」完結編『西南の嵐』が対象だというのは意外だったが、斎藤副編集長とライターの一澤さんが同シリーズをご贔屓だったり、発行元のマガジンハウス社が銀座にあることなどから選ばれたらしい。結果、刊行とほぼ同時期にご紹介いただけるので、こちらとしても願ったり叶ったりであります(^_^)/
インタビュー中に、一澤さんは、明治維新から西南戦争までの10年間は歴史の時間でもあまり取りあげられないし、書かれた本も少ないから知らないことばかりで非常に面白かったと仰言るので、実はこの10年間こそが近代国家としての日本を誕生させた実に重要な時期であり、当時は日本が共和国になる可能性もまだ残されていたし、戸籍の名簿を見ればそこに天皇もしっかり含まれていた事実を述べた上で、薩長閥によって作りかえられた近代国家としての日本を、もう一度冷静に振り返る必要があるのではないかという私見を披露したのである。
ところで今日は日韓併合100年に当たっての菅首相談話が発表されて、またしても「痛切な反省と心からのおわび」が繰り返されたことで、当然のごとく右派勢力から非難の嵐が吹きつけたようだが、個人的な感想としては、ちょうどタイミングがタイミングだったので、韓国に謝るのはいいけど、こっちが謝まるばかりじゃなくて、米国には原爆の件で一度きっちり謝ってくれるよう、日本政府としては申し入れくらいしてもいいんじゃなかろうか、と思ってしまったのだった。近代国家の日本が植民地政策を志向したのはあきらかに西洋列強の影響であるどころか、明治初期には英国が日本に対して朝鮮半島に侵略するよう強く唆してもいた事実がある。つまりは世界的な民度がその程度のなかで、やや遅まきながらも西洋的な近代化を遂げた日本は、アジア諸国に対してタカビーに振る舞ったあげく西洋からも出る杭は打たれるというジレンマに陥っちゃったわけで、こうした歴史的経緯を一度きっちりあきらかにしてからでないと、何をやってもうわっ面の形式だけで、ほとんどの人にはちっとも身にしみないし、心にも残らない行為と化してしまうのではなかろうか。ただし日本人はその手の形式主義がけっこう好きな民族だったりもするのでした。


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コメント (1)


 ある大学(文化系)の2年生のクラスで、日本史、世界史、日本地理、世界地理を学んだことがあるかどうかアンケートをとってみたところ、日本史は25%、世界史は75%、日本地理は30%、世界地理は40%でした。これでは、現時点での自分の立ち位置についてだけでも、最低限必要な基礎知識に欠ける者が半数以上ということで、いったい高校では何を教えているのだろう、と愕然としたことでした。多分、受験技術だけを効果的に身につけることはやっているのでしょうね。課目の選択再に際しては、国民的アイデンティティを持つために必要な課目は必修であるべきだと強く感じました。
 正しい基礎知識に欠ければ、日々、ただ周りのありきたりの情報に流されていくだけ、何も主体的な判断ができないことになります。
 松井さんが言及しておられる幕末から明治以後の日本史についても「歴史的経緯を一度きっちりあきらかにしてからでないと、何をやってもうわっ面だけ」ということは火を見るよりも明らかです。何とかしなければ・・・と思いますが、出来ることは限られています。松井さん、何か突破口になるような名案はないものでしょうか。
 私が、上記のアンケートをなぜ取ってみたか、といいますと日本のエネルギー事情について一連の講義を始めに際して、上記の事項に関連してどのくらい基礎的な予備知識を持っているか知りたかったからです。知っているのことを話したり、知らないことを話さないでしまうことのないようにでした。結果は上記の通りでしたので、時間的、空間的に最低限必要なことを補足しながらの講義になりましたが、何とか目的は達せたかナと思う学期末です。
 

投稿者 荒谷 美智 : 2010年08月14日 10:06

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