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2010年07月26日

ビフカツ弁当

よみうりホールにおける「夏の文学教室」で講演をした帰りに大宮の駅ナカでゲット。
話している最中に演台に置かれた時計を見て、ああ、こりゃダメだ!と焦ったあたりからガゼン集中力が欠けてゆくのを如何ともしがたく、アッという間の1時間に収めるのはとても無理な内容だったと気づいても後の祭りである(-_-;)歌舞伎の話をするのが難しいのは、昔からご存じの方なら役者名や固有名詞をたくさん挙げたほうがわかってもらいやすいのだけれど、そうでない場合は、人名や固有名詞等を挙げれば挙げるほど余計に聞きづらくなるのが予想されるところで、今回の内容はやはり「文学教室」には不向きだったようにも話している最中に感じながら気が散漫になったのも確かだった。
なにしろ歌舞伎の興行がどんなふうになってるかなんて話をちゃんとするには最低2,3時間はかかるだろうし、本当に踏み込んだ話は相当の予備知識を前提にしないと成立させにくいのである。かくして時間内にアウトラインだけをざっと話した感じで切りあげる結果となり、講演終了後に集英社の八代さん、横山氏、新潮社の小林姐さん、講談社の堀さん、幻冬舎のヒメこと木原さんたちと近所でお茶して、用意しながら出来なかった踏み込んだ話をいろいろお聞かせしたところ、「今回の話にはやっぱり続編がほしいところですねえ」とのご意見を頂戴した。会場の聴衆の中にも歌舞伎の予備知識を十分持ち合わせながら、アウトラインだけを聞かされてご不満を覚えられた方も多々いらっしゃっただろうし、もう少し的を絞って突っ込んだ話にしたほうがよかったかと思いつつ、こちらの時間の読みが悪かったことを反省しておりますm(_ _)m
ところで東京駅から新幹線で大宮駅に着いたら意外と涼しいのにちょっとビックリで、それは雨が降ったせいなのか、それとも都心の実際の気温は天気予報で発表されるよりもはるかに高いのだろうか?と思いながら帰宅したのであります。


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コメント (3)


拝聴いたしました。私は歌舞伎初心者なので、とても面白く聞きました。
ほんとに、続編、完結編と続けてほしいです。

投稿者 せろり : 2010年07月26日 23:23

歌舞伎に詳しい人と、ほとんど関心ない人、双方が混じった聴衆を相手に、1時間という制約の講演は厳しかったでしょうが、とても中身が濃く、興味深いお話で満足しました。
江戸から戦前までの歌舞伎上演劇場に関する説明から、松竹と東宝の役者の引き抜き合戦、東宝の小林一三の理念、長谷川一夫の東宝歌舞伎などは、断片的には読んだものの、一挙に解説してもらって、全体の流れが掴めました。
襲名興行を次々に打って、観客を呼び寄せるやり方は、戦後の事とは意外でしたが、襲名前のお練りも比較的新しい、と聞いたのを思い出しました。襲名公演は料金が高くなり、切符が取りにくくなる事もあるし、その度に(松竹は、全く商売が上手いなあ……)とぼやく事がしばしばでしたが、十七代目勘三郎襲名に関しての一般認識で、やっと腑に落ちた気がします。
国立で歌舞伎を観た後で感じる物足りなさは、立地や館内の雰囲気だけでなく、教科書的で猥雑な面白さに欠けるところにもあるのを感じました。
続編を聞きたいのは、全く同感で、ぜひ機会を作って頂きたいものです。

投稿者 ウサコの母 : 2010年07月26日 23:53

講演を拝聴致しました。たしかに時間配分は難しかったでしょうね。いろいろな聴衆の方がいて、今朝子さまがしゃべりにくそうだな、と思いました。最初に明治期の興業形態からはなされたので、やはり時間をとられますよね。でも私にはそこのところがとても面白く聞かせていただきました。松竹の攻め上がり方と小林一三が何度も挑戦しては失敗、というのも歌舞伎という世界が独特の世界なのだと納得しました。私も続編が聞きたいと思いました。お疲れさまでした。

投稿者 馬田 広亘 : 2010年07月28日 20:19

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