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2010年06月13日

ナムル、ホタテ貝のフェ、牛すじとこんにゃくのチヂミ、石焼きビビンバほか

12日は明治学院大学で催された「武智鉄二 伝統と前衛」と題するシンポジウムの帰りに伝統文化放送の前川さんと白金の「ハナ」で食事。
武智先生のシンポがなぜ縁もゆかりもなかったはずの明治学院で?と疑問に思いつつ聴講に臨んだのだが、要するに本校にお勤めの映画評論家四方田犬彦氏が、大島渚監督の研究を進める中で前衛映画の先駆者たる武智鉄二の存在に気づき、同校に勤務する「錬肉工房」主宰の岡本章氏と語らって映画演劇合同開催に至ったらしい。朝10時から夕方5時半までの超ロングなシンポで、正直いって前半はかなりシンドイものだったのだけれど、後半に中村富十郎と茂山千之丞という実演者がふたり登場するに及んで会場は大いに活気づき、非常に値打ちのあるフリーイベントになった。富十郎がアヅマカブキで渡米の折に当時米国に在住していた仏教学者の鈴木大拙に面会し、武智鉄二に習った発声の呼吸法を尋ねられて、それがあとで禅の呼吸法と同じだったことがわかったというような話も面白く聞けたし、木下順二の「夕鶴」を能様式で上演した際の発案者は千之丞だったという話も初耳だった。実演者以外の講師は武智師の数多くの舞台や映画にコンテンポラリーで接している人が意外に少なくて、当時、世界のアートシーンを席巻したモビール芸術を武智師が舞台美術に取り入れたことの研究発表などは話に感心しつつも、発表されたのが私の子どもくらいの年齢の女性だから、果たして一体何がきっかけで武智師に興味を持たれたのか、まずそれをお聞かせいただきたいくらいだった(@_@)
若い人が聴講者にも意外なほど多かったのは幸いとしたい反面、たとえば観世寿夫と岸田今日子と長岡輝子の共演がどんなにスゴイことなのかピンと来るのかしら?と思われないでもないけれど、とんでもなく縦割りタコツボ化していた当時の閉鎖的な古典芸能界を暴力的なまでの横断活動によって(ヌード能はやり過ぎだったかも(笑))打破しようとした武智師の勇猛果敢な試みが、非閉塞的な今の時代に内向きといわれる今の若い人たちへ伝えることの意味は大いにあったとしなくてはならない。
それにしても武智師に接して一緒に何かをした人の話は聞く機会はほかにもあったし、文献を通じて研究しようとする方がいらっしゃるのも今回わかりそれはそれで結構なことだが、私が一度聞いてみたいと思うのは武智歌舞伎の観客だった人の感想である。本当にそれは後世に関係者が吹聴するほど画期的な印象を与えた舞台だったのかどうか、純粋な観客だった人に証言してもらいたいと思いながら自身いまだ果たせないでいるし、今後はますます聞くことが難しくなることが予想されるのは残念でならない。
ともあれ今はちょうど引っ越し準備で執筆を控えているから7時間にも及ぶシンポジウムを全部くっつり聴講できたのは幸いで、このシンポを最初に報せてくださった元マガハの中田さんやブログ投稿でお知らせくださったねこかおるさんには感謝を申しあげたい。会場で懐かしい方々にもお会いできたのもありがたかった。


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コメント (2)


昨日一日やはり張り付いておりました。乗馬でお鍛えになっておられる松井さんならお疲れも薄かったかと思いますが、しんどい会でした。
お嬢様や、もちろん松井さんを含め関係者の方がたくさんお見えになっていたようなので、どうせならお話を伺う機会があると良かったのではないかと全くの局外者としては思います。
もと観客だった堂本正樹さんなどは見た印象など書いたりしゃべったりされてますが、ごくフツーの、下町の芝居好きの人などで第一期の武智歌舞伎を見た人はもう80才は越えているでしょう。伺うには急がなければなりませんね。

投稿者 nami : 2010年06月13日 08:21

昨日はお目にかかれて本当に嬉しゅう御座いました。人目なければ飛び上がっていた所を知性と教養で?ぐっと抑えておりました。あの長いシンポジウム、お忙しい今朝子様が始めからいらしたとはびっくり!私は元の師匠の茂山先生に間に合えばと仕事の後で駆けつけました。私もいわゆる武智歌舞伎は見ていないので残念です。亡くなられた三津五郎丈とはささやかなご縁があり川口秀子師に入門させて頂きました。

投稿者 ねこ かおる : 2010年06月13日 10:26

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