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2010年05月21日

冷やしうどんと天とじ丼のセット

 シアターコクーンで勅使河原三郎と佐東利穂子のダンスパフォーマンス「オブセッション」を見る前に三茶の「杉の子」で食事。
舞踊は古今東西を問わず根本は重心のとらえ方で、現代舞踊の多くはこの重心を意識的に操作しているように見受けられるが、勅使河原三郎は絶対音感ならぬ絶対重心感とでもいうべきものがある人ではないかと思われるほど、アグレッシブな重心移動で観客を魅了する。今回は「オブセッション=取り憑かれること」という舞踊で表現するにはとてもわかりやすいテーマに基づく、きっちり1時間に濃縮された実に刺激的なパフォーマンスを堪能させてもらった。前半は不協和音のミュージックコンクレートをBGMに男女の葛藤が激しく生々しく暴力的なまでに表現され、後半はファニー・クラマジランの非常に集中度の高いパッショネートなヴァイオリンの生演奏に乗せて主に佐東がリリカルな姿態を繰り広げるが、舞踊手として力量のそこそこ拮抗する両人が前後に重なり合ってからむワン・シーンがことに美しく感じられてダンスデュエットと銘打たれたのも納得である。モチーフは鬼才ルイス・ブニュエルの「アンダルシアの犬」だそうだが、さすがに映画をほとんど忘れているので、オープニングに眼を切るような所作があったくらいのことしか共通項は見いだせず、天井からいくつもの裸電球をぶら下げた舞台美術もひょっとしたら映画にヒントを得ているのかもしれないと思われた。


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