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2010年04月26日

歌舞伎座さよなら公演

歌舞伎座さよなら公演御名残四月興行第3部を見る前に妹と一緒に銀座の「ざくろ」でステーキを食す。
わが青春の大部分を費やした歌舞伎座の建物もとうとう無くなるかと思えば、やはり行って見たくなるのが人情というわけで、外観内装ともにじっくりと見れば、私が初めて見たときどころか、松竹に勤めていたころと比べてでさえ、見る影もなく薄汚れていて、自分もずいぶん年を取ったことに改めて気づかされたのであります(;_;)
それにしても芝翫さんは昔とそんなに変わらないなあ~とか、團十郎さんがあれだけの大病を克服して助六を立派にひと月やり通せたのは素晴らしい!!とか、玉さんは美貌をよくキープしたし、あれだけ色んなことがあっても、結局は戦後の歌舞伎座で最後の立女形をつとめられたのは本当に良かったなあ~とか、何かと感慨の多い舞台でした。1本目の「実録先代萩」は「伽羅先代萩」の素養がないとほとんど意味がわからない愚劇といってもいいようなお芝居だけれど、芝翫が孫をきちんと仕込んだことにおいて意味のある演目であろう。芝翫当人も80代とはとても思えない元気な舞台をつとめ、口跡にまったく衰えがないことは特筆すべきである。
2本目の「助六」はもう2度とは見られない当代の大顔合わせである。なにしろ勘三郎が股くぐり通人をつとめるといった近年にないご馳走ぶりもさることながら、いわゆる御曹司クラスが名題クラスの役を引き受けているから舞台の隅々まで見逃せないし、ああ、歌江さんの番新もこれが見納めだろうなあ~とか何かと
これまた感慨無量の舞台だった。御曹司クラスでは並び傾城の松也と梅枝に今後の期待が持てたのは何よりである。客席と舞台の双方に気迫と緊張感が漲っているせいか、もともとはあまりわけがわからない芝居であるはずなのに、ストーリーやセリフの意味が妙にはっきり伝わってくることにも新鮮な驚きを憶えた。こんなに丁寧に演じられた「助六」も珍しいのではないかと思うくらいで、それはひとえに主役を演じた團十郎の芸質を反映したものかも知れない。勘三郎が花道で歌舞伎座に別れを告げて立ち去る時に、本舞台にいる團十郎と菊五郎の眼が一瞬うるっとしたように見えたのはこちらの気のせいだろうか。ともあれ明日は第1、2部を見に参ります。


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コメント (5)


昨日私も歌舞伎座へ行きました。と言っても外から見ただけですが(笑)外にも何かイベントめいた事とか歌舞伎座グッツなどあるかなと淡い期待をしていたのですが静かなもので写真を撮っている人が何人かいただけでした。残念!松竹も案外商売気ないなあ それとも観にくるかただけで手一杯なのかな?

投稿者 ねこ かおる : 2010年04月27日 11:03

いつもブログを楽しみに拝見しています。
私も昨日、歌舞伎座に参りました。
幕間、松井さんが横をスーッと通られて
「あ、松井さんだ。ああ、あぐあぐあぐ(ブログのことを
お話したい、でも何て言っていいのか、あぐあぐ)」
結局、お声をかける勇気はなく、目だけで
後を追いかけさせていただきました。
松井さんは歌舞伎座で
どんな思いでご覧なのかな、と思っていたので
感想をしみじみと拝見いたしました。
二回目の「助六」でしたが、月初めとは空気が違いました。
私は、勘三郎さんの目がうるっと光ったように感じ、
楽では、きっと決壊するのではないかなあ、
もちろん、私も、、と。

今日も、歌舞伎座にいらっしゃるのですね。
特に第二部の感想とご飯を、楽しみにしています!

投稿者 桔梗 : 2010年04月27日 12:03

初めてコメントいたします。

先日「歌舞伎座クライマックス」で松井さんがおっしゃった「演劇鑑賞ではなく芝居見物」という言葉に大きくうなづきました。

他の劇場もいろいろ参りましたが、座りごごちは悪くても(三階席の常連です)歌舞伎座がいちばん楽しいと思っていました。
人件費など問題もあるでしょうが、新しい歌舞伎座でもおみやげを売るだけではなく一日楽しく過ごせるような空間にしてほしいと思います。

最後の歌舞伎座の感想を楽しみにしています。

投稿者 YURI : 2010年04月27日 12:59

和の学校で今朝子様が歌舞伎座の千秋楽にお出かけという話をなさっていましたが、とうとうあしたはほんとうのさよならですね。わたしも助六を見ながら、この顔合わせはもう二度と見られないだろうと思いながら、目がうるうるいたしました。3年後には玉様の白玉を再び拝見したいものです。40年間歌舞伎座に通いました。歌舞伎座…ほんとうにありがとう!!

投稿者 くぼちゃん : 2010年04月27日 22:48

和の学校で今朝子様が歌舞伎座の千秋楽にお出かけという話をなさっていましたが、とうとうあしたはほんとうのさよならですね。わたしも助六を見ながら、この顔合わせはもう二度と見られないだろうと思いながら、目がうるうるいたしました。3年後には玉様の揚巻を再び拝見したいものです。40年間歌舞伎座に通いました。歌舞伎座…ほんとうにありがとう!!

投稿者 くぼちゃん : 2010年04月27日 22:49

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