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2010年04月25日

タイ風焼きそば、海老サラダ、酢豚

紀尾井町小ホールで女流義太夫演奏会「はなやぐら」の会を聴いた帰りに近所の総菜屋デ」ゲット。
「はなやぐらの会」は美形の義太夫三味線弾き鶴澤寛也が主宰する会で、例年女義の人間国宝である竹本駒之助との共演を果たしているらしい。私が初めて聴いた今回は、駒之助のオハコともいえる「野崎村」だから当然ながら聴き応えがあって、文楽の太夫とはひと味違った女義の語りの面白さを堪能させてもらった。帰宅後すぐに駒之助の師匠である四世竹本越路太夫のテープ(昭和36年録音/三味線は二世野澤喜左衛門)を聴きくらべたが、ポイントの置き方がやや違っていて、駒之助がお染のクドキやお光の述懐をたっぷりと語り、久作の意見はわりあいサラサラと運ぶのも、やはり力の配分を考えた女義ならではの演奏といえそうだし、全体にメロディアスなフシの聴かせ所と詞や地色の語りがはっきりと分かれて聞こえるのも、その特徴のひとつと指摘できるのではないか。それでいてお光と久松が久作に灸を据えるあたりのコミカルなやりとりも面白く聴かせてくれるのはさすがに駒之助である。
大先輩の胸を借りたかたちの寛也は大健闘で、澄んだ音色を力強く聴かせる撥さばきは女流としてはアッパレながら、語り出しの運びは少し早間に過ぎて、メリヤスのあたりでようやく本来の落ち着きを取りもどしたといった感じだろうか。段切れの「さらば、さらば、も遠ざかる舟と~」のあたりはもっと粘って、連れ弾きのアタマを激しく聴かせて、ガラっと雰囲気を変えた上で、その後は緩急自在に三味線の聴かせどころとして闊達な演奏が望ましいが、これはむろん今後の課題であって、現段階では十二分に精進を重ねられた演奏と拝察した。多大な期待を込めて、敢えて苦言を呈した次第である。
演奏に先立ち、三浦しをんさんと矢内賢二氏によって曲の紹介が掛け合い漫才のようなトークでなされるのも面白かったが、初心者向けとするなら、最初に曲のストーリーをざっと紹介してもよかったかもしれない。あるいは今後は演奏者も交えたポストトークにすれば、義太夫節の具体的な面白さがより伝わるのではないか。
客席も大盛況で、いろんな方にお会いして、幕間では並びで座っていた橋本治氏と近年の日本人の異常さについてお話したりして、終演後のロビーではその橋本氏から岡田嘉夫画伯をご紹介いただき、岡田画伯とも最近の歌舞伎についていろいろとお話をさせてもらった。女義太夫研究家の水野悠子氏ともお会いして、「星と輝き花と咲き」の資料をたくさん頂戴したお礼を申しあげたのはもちろんのことである。久々に萩尾望都さんともお目にかかり、望都さんのお友だちと、元ポプラ社現クルック編集者の矢内さん(賢二氏の奥サマでもある)、幻冬舎のヒメと私の5人で近くのカフェで満開の八重桜を見ながらお茶して、ようやく今年の花見らしい花見もできたのでした(^_^)/


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