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2010年03月26日
ブロッコリーとホタテ貝の炒め物、豚肉とニンニクの芽の炒め物ほか
下北沢のシアター711でパニック・シアター公演「ハムレットの舞台裏」を見た帰りに近所の「雪園」で翻訳家の松岡和子さん、女優の中村まり子さん、兵庫県立芸術文化センターの栗原さんと一緒に食事。
タイトル通りのバックステージ物で、英国の地方都市の小さな劇団が「ハムレット」の稽古をして、無事に初日をあけるまでのさまざまな出来事を綴るが、「ショー・マスト・ゴー・オン」的なコメディではなくて、役者にからんだ女たちの人生観や親子愛がしっとりと描かれた人情劇といっていいかもしれない。かつて劇団の看板役者で、年老いてアル中になって女癖の悪いのだけが相変わらずのダメ男優を田村連が、その男優のかつての恋人で劇団主宰者兼演出家を中村まり子が好演している。ダメ男優はハムレットの父の亡霊役を演じ、亡霊役のはく長靴がかつての名優の小道具だという設定で、この小道具が父親の象徴として非常に巧く使われている。劇団は存亡の危機にあり、主宰者兼演出家の身の上が次第にあきらかになるなかで、劇団を救うのは死後も娘を見守る名優の父親であり、これがハムレットの父の亡霊と重なり合う設定が実に洒落ている。名優の亡父役を演じる川辺久造と、その妻の役を演じる原知佐子が素晴らしくいい。劇場全体を舞台空間として使い、舞台稽古直前の裏方の様子をプレオープニングに仕立てた自然な導入部もみごとだし、若い役者が大勢出て劇団というものの雰囲気をうまく醸し出している。中村まり子の演出家役も演じているとは思えないくらいナチュラルな演技に徹しており、芝居自体がよくぞこんなにピッタリの翻訳劇があったものだと感心させられたのであるが、ご本人に話を聞くと翻案創作に近いらしく、それを聞いてなるほどと思われたのでした。
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コメント (1)
「歌舞伎の中の日本」買いました。「積恋雪関扉」、苦手な舞踊の中でも、特に分り難く感じていたので、楽しみです。
表紙写真の3階B席から見下ろした歌舞伎座、10年近く通ったなじみの光景で、昨日、最後の1階最前列と3階、好対照な席で見たばかりでした。天井は吹寄竿縁天井という作りで、中に照明と冷暖房が配置されていると知り、来月は写真を撮ろう、と思っていました。
投稿者 ウサコの母 : 2010年03月27日 21:31