トップページ > コロッケ、サラダ4種、メゾンカイザーのパン

2010年02月24日

コロッケ、サラダ4種、メゾンカイザーのパン

今日は実に盛りだくさんな一日であった。
現在執筆中の講談社書き下ろし小説は明治期に爆発的ブームを巻き起こした女義太夫の大スター、初代竹本綾之助をモデルにしているが、その件で大変お世話になった現在の女義の三味線弾きである鶴澤寛也さんが紀尾井ホールに出演されるので、まず講談社の堀さんと一緒に拝聴する予定にしていて、寛也さんに何か楽屋見舞いをと考えていたら、ちょうど今日から日本橋高島屋で「美食の京都展」が始まって、祇園「川上」が出店しているから、現経営者加藤氏らの激励をかねて、そのお弁当をお届けすることにした。紀尾井ホールの開演は2時なので、楽屋に12時にお弁当をお届けしたあと、自分も試食をすべく、堀さんにご馳走する代わりに講談社の応接室を使わせてほしいと交渉し、国兼グルメブチョーの分もゲットしたにもかかわらずブチョーがあいにく不在と知れ、その時点で急きょ場所の変更を決定。紀尾井ホールから徒歩5分の場所にある文藝春秋社の内山さんに、いきなり電話を入れて、アポなし「突撃!あなたの昼ご飯」(笑)を持参するかっこうになり、宣伝部の会議室で3人そろって会食をさせてもらった。
 「文春ビルに入るのはこれが初めてなんですよ」と仰言った堀さんにも、突然襲われて大慌てで会議室をご用意くださった内山さんにも大変シュールな経験をさせてしまったのではなかろうかと心配しつつ、食後は宣伝部のTVでフィギュア・ショートの真央ちゃんとキム・ヨナのライブをバッチリ見届けるという我ながらずうずうしい時間の潰し方をしてから紀尾井ホールに入ったら今度は幻冬舎のヒメともバッタリ。ヒメは雑誌で寛也さんの対談ページを担当したご縁でつながっていて、それにしても毎度ながらに世間は狭い!としかいいようがない盛りだくさんな一日であります。
ところで肝腎の紀尾井ホールで行われた「女流義太夫の新たな世界」と題するイベントは想像していた以上に面白く、「躰にすっと入ってきて、本当によくわかるし、これなら誰か誘ってまた来たくなりますよね」と堀さんがいえば、ヒメのほうも「話がわかってるけど泣かされてしまう、こういうベタな感じって今けっこう求められてるから、女流義太夫も絶対また(ブームが)来る感じしますよ!」とのこと。客席にも若い観客が意外なほど多くて、以前、集英社の八代さんが、自分の身のまわりに女流義太夫愛好家がすごく増えてるんですよ、と仰言ったことが思い合わされたたのだった。
女義の場合ふつう人形がつかない素語りで演じられるのだけれど、この公演では吉田玉女や和生以下文楽の人形遣いが出演してほぼ本行通りに演じているので、その点が初心者の堀さんやヒメにとっては非常にわかりやすくなったよかっただろう思う。私自身も人形のついた女義公演を拝見したのは今回が初めてだが、文楽よりも観客との距離が近いパフォーマンスに感じられたのは何も劇場が小さいからだけではなく、文楽の太夫とはひと味違う女義さん特有のなまなましい演じ方が良い方向に働いたのだと思われる。裏返せば人形がついたことによって、文楽の太夫とは違う女義の魅力がより鮮明になったともいえる。むろん演目にもよるわけで、今回の「傾城阿波の鳴門」の場合はそれが良い目に出たかっこうだ。そもそも「阿波鳴」は子どもの声や巡礼唄が聴かせどころになるばかりでなく、母親=子どもを生んだ女という存在をなまなましく表現できる点において、へたな文楽の太夫よりも女義のほうが断然面白く聞ける演目なのである。今回の現綾之助師の語りを聞いて、その点が再確認させられた。巡礼唄ではもう少し伸びやかな声を聞かせてほしいとはいえ、曲全体の音遣いや足取りはしっかりとして情感溢れる語りを堪能させられた。
寛也さんも後半は撥音が冴えて曲をたるみなく引き締めている。文楽でもあまり上演されない「巡礼唄の段」以降が今回は竹本越孝、鶴澤三寿々のコンビによって演じられたのも意欲的で面白い試みだったように思う。
晩ご飯は高島屋の小倉課長に頂戴したパンと近所の総菜屋でゲットしたサラダ等をフィギュアの録画を見ながら食す。


このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kesako.jp/cgi-bin/mt/mt-tb_kesako2.cgi/1461

コメントしてください




ログイン情報を記憶しますか?


確認ボタンをクリックして、コメントの内容をご確認の上、投稿をお願いします。


【迷惑コメントについて】
・他サイトへ誘導するためのリンク、存在しないメールアドレス、 フリーメールアドレス、不適切なURL、不適切な言葉が記述されていると コメントが表示されず自動削除される可能性があります。