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2009年11月12日
トンカツ
今日は朝6時台から原稿を書き、午後は世田谷文学館で「花の会」の講師として2時間お話をする。そのあと渋谷の信託銀行で損失確定と書類の書き替えをしたら6時をまわり、さすがにお腹が空いて料理を作る気になれず、三茶駅近くの店で久々にガッツリ食べました(^_^ゞ
「花の会」は私が30代から講師を務めて、よく歌舞伎や文楽の話していたのだけれど、今回は明日店頭に並ぶ新作「円朝の女」にちなんで三遊亭円朝の話をさせてもらった。このブログでも何度か触れたが、この会に集うメンバーはびっくりするほど教養豊かなご婦人方が多く、日本文化のいかなるジャンルに関してもある程度の基礎知識はお持ちなので、余り下手なことは言えないという怖さも感じるいっぽう、初歩的な説明抜きで速やかに本題に入れて、かなり突っ込んだところまで話せるから、こちらもいい勉強になるのである。で、今日はひと通り話を終えて質疑応答から雑談に流れるなかで、近年は古典芸能と並んで、時代小説もブームというか、非常に書き手が多くなったという話になったところで、あるご婦人が「時代小説といっても、ただ江戸時代にしてあるだけみたいないい加減なものも多いし、歌舞伎を扱ってるという謳い文句があるとついつい買っちゃうんですけど、中には『髭の意休』を『髪の意休』と書いてるようなムチャクチャな作家もいたりするから本当に腹が立ちます」と仰言ったのでビックリした。それはたぶん作家の責任よりは校閲や編集者の責任だという気もするし、数人がかりで校正しても、考えられないような誤字脱字が出版後に見つかる場合も多々あるので、こちらも他山の石とするしかないが、出版界が貧すりゃ鈍す状態で量産体制に走り、全体の品質低下を招いていることが、結果として貴重な読者を喪うことにならないように願いたいし、自分自身としてはとにかく全力投球で、拙いながらもできるかぎり品質の維持と向上を心がけたいと思っています。
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