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2009年11月02日

京都行

10/31は夕方に宝ヶ池のグランドプリンスホテルにチェックインしてから祇園の「川上」で米朝事務所の大島さんと食事。何せ大島さんは「賑わし神」なので、新生「川上」が繁盛するようにお誘いしたのだった。
カウンターで加藤氏と南氏の包丁さばきを見ながら、私が家で過ごしたころ想い出をお話しながら次々と出てくる料理に舌鼓を打つ。突出しはずいきの胡麻和えで、そこから鯛の鮨、山芋、ぎんなん等の八寸、鯛とよこわとイカのお造り、土瓶蒸し、マナガツオの味噌焼き、カブラ蒸し、蒸しあわび、海老しんじょと松茸の揚げ出汁、ずわい蟹の酢の物、松茸ご飯と赤だし、洋なしと柿とマンゴーの水物までびっくりするほどたっぷり頂戴して、改めてここに書くと、ええっ、あんなお値段でよかったの?!というくらい新店主の加藤氏はベンキョウしてくれたのだった。とにかく手間のかかる料理を皆で一生懸命作っている姿に好感が持てたし、土瓶蒸しの出汁がやや薄味に感じられことやわさびがマイルドだった点を除けば、素材と味はかなりの水準でキープしている。中でも美味しかったのは海老しんじょと松茸の揚げ出汁で、これは新メニューとしてぜひとも定着させてほしい。カウンターは満席で、2階にもどんどんお客さんがあがっていかれたので、新生「川上」の船出は順風と見た。とにかく東京の割烹料理店で同じくらいの値段で食べ比べると、「川上」の料理はいかにお得感があるかわかるというもので、そうした誠実な料理作りをしていれば、おのずとファンは増えるだろうと思う。是非とも頑張ってほしいものである。
11/1は朝から「古典の日推進フォーラム」の打ち合わせがあり、1時半の開演から午後5時過ぎまで国際会議場に縛り付けられてほとほとくたびれてしまった。主催が「古典の日」推進委員会という名誉職の寄り合い所帯であるためか、責任の所在が不明確で、大勢のスタッフがいながら誰が責任を持ってアテンドしてくれるのかも、わずか1時間超のパネルディスカッションでなぜこんなに長時間縛られているのかもさっぱりわからず、他のパネリストは皆さん京都の方なのでとても穏やかになさって文句もいわれなかったが、忙しい最中に東京から引っ張り出された私は余りにも非システマチックな運営に呆れ果て、会場をあとにする段階でとうとうキレて珍しく人前で憤りをあらわにしてしまった。どうやら仕事をする感覚がまるで違うので、京都は遊びに行くだけにしたほうがよさそうな気もする。ともあれ会そのものは無事に進行したし、ほかのパネリストの方々には面白いお話も伺えたのでよしとすべきだろう。パネリストのひとりに「明月記」の発見で一躍有名になった冷泉家の当主夫人冷泉貴美子さんがいらっしゃって、私がカメのイラスト入りの名刺を差し上げると、「カメはうちのシンボルなんですよ」と仰言ってその理由をお聞かせ戴いた。400年前に(!)家の建て替えをした時に大きなカメが出てきたので、以来、木彫りのカメが冷泉家のシンボルになったのだとか。私が俊寬ファミリーの話を披露したら大いに受けて、ことに俊寬が鳴く話にいたく興味を示されたのは、藤原為家の歌に「亀の鳴くなり」という言葉が出てくるからだろうと思われました(笑)。


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