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2009年10月02日

鯛のあら炊き

 昨夜「あら輝」で帰りがけにご主人から「あの、これは水口の鯛のあらでございますが、どうぞ」と差しだされたときは一瞬驚いたが、考えてみれば実家の料理店「川上」から父母が身を退いて加藤氏の手に委ねられた今年から、私はもう子供のころ毎日のように食べていた水口さんの鯛のあら炊きを食べる機会がまず喪われたといってもいいのである。恐らくはそれを察してくださった「あら輝」のご主人の深い思いやりに感じ入って、本当に有り難く頂戴したのだった。水口さんというのは親子二代にわたって「川上」に瀬戸内の極上の鯛を納めてくださっていた仲買さんで、「あら輝」もうちで知って水口さんから鯛を仕入れてらっしゃるのである。で、もちろん刺身や鮨にすると、これを食べたら他は食べられなくなるくらい美味しい鯛なのだけれど、あら炊きにしても、当然ながら生臭みは皆無で、脂がのった頭蓋周辺の身の味わいはこたえられず、とろっとした目玉の味も久々に満喫した。あら炊きの作り方はさまざまなれど、ひとまず霜降りにしてから煮るのが基本で、酒と味醂を思いきってたっぷり入れた水でしばらく煮込んでから、砂糖と醤油もたっぷり加えて、かなり濃い目の味付けにしたほうがいい。せっかくだから今宵は酒も味醂も上等のものを使ったので我ながら非常に美味しく調理できた。相性のいいゴボウも加えて一緒に煮ました。
 ところで2016年のオリンピック開催地は明日の未明に決まるとあって、今夜は各局がIOC総会での招致合戦を報じているが、オバマ大統領夫妻をはじめ各国の元首クラスが勢揃いして総会に乗り込んだものものしさを見ると、一体いつからこんなに大げさなイベントになっただろう?といささかビックリである。たしか2008年は大阪が名乗りをあげて、あのときは国は全く放ったらかしのようだった気がするし、報道もまた日本中で大阪の人たちだけがガッカリしてる風な印象でしか伝えてなかったはずで、それが一転して今回は鳩山首相夫妻が乗り込んで、首相を筆頭に招致委員の皆さんが英語弁論大会のようなスピーチを披露するところまでしっかり報じられているわりに、今まで国内では本当にそこまで盛り上がっていたかどうかは大いに疑問で、少なくとも私は石原都知事ひとりが張り切って都の職員やら周辺にハッパをかけまくっていたという印象である。応援チームのツアー旅行が企画されて総会が開催されているコペンハーゲンに臨時便まで飛ばしたにもかかわらず、そのツアーにも思ったほど人数が集まらず、都の職員が参加させられて
いたようで、どうも笛吹けど踊らずの印象は最後まで拭いがたいものがあるのでした。


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コメント (2)


日曜日にお父上と大阪の千里山に昼ごはんを食べにいきます  その折に先日のゲンダイのコラムをプレゼントします

投稿者 高橋 : 2009年10月02日 22:53

鳩山さんも始めは乗り気でなかったコペンハーゲン行き。何処からの依頼があったのでしょうか?
石原都知事は張り切らざるをえないでしょうね。例の銀行の件、都民が忘れてくれる題材にはもってこいですし。しかし都民、国民はそんな事で何もかも棒引きにして「オリンピック万歳、石原都知事万歳」という方向に向うでしょうか?

投稿者 お : 2009年10月02日 23:01

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