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2009年09月08日
自家製コンビーフ、タジン鍋の蒸し野菜、野菜のラザニア、サンマとルッコラのサラダ
文春の内山さんと近所で食事。内山さんは「円朝の女」の再校ゲラをご持参になり、いよいよこの仕事も大詰めに近づいてきた。11月15日刊行の予定とのことで、連載開始の初入稿がたしか2007年の11月末だったから丸2年がかりとはいえ、この間は意外と早かった気もする一方、三遊亭円朝の半生を追うかたちで幕末から日清戦争までを描いた作品であるために、非常に長い時間を費やした感じがしないでもないのだった。
小説を書いていると、作中の時間の流れをこちらが自由に操れるし、また作品ごとに全く別の時間を生きることができるために、日常的な時間の流れを含めて何通りもの時間が自分の上を通過するような、とてもふしぎな感覚が生じるものだが、考えてみれば小説を熱中して読んでいても同様の感覚があって、つまり小説を書いたり読んだりすることの醍醐味は、人生の時間が、生命体としての物理的な時間をはるかに超えて何倍も増えるような錯覚が得られるお得感?といったところにあるのかもしれない。フィクション全般にそうだといっても、芝居や映画はやはり物理的時間に支配されている側面が強いし、マンガになると速く読めすぎて時間を増やせるような気があまりしないものである。というわけで時間を増やすお得感に関しては小説に勝るものはないような気がしている。
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