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2009年08月29日
川上
8月31日で実家の料理店「川上」の経営が替わって、父親が現役の料理人を引退するとあって、今宵は妹と共にカウンターで父親が包丁を振るう最後の姿を見届けながらジバラで存分にその料理を味わうことにした。突出しの枝豆どうふにゴリの佃煮やぎんなん、甘藷のワイン煮等を盛った八寸、鱧の落としと鯛のお造り、鱧のお椀、鯛のあら炊き、鱧焼き、稚鮎の塩焼き、加茂茄子の田楽、麦飯(ばくはん)蒸し、新ゴボウのき込みご飯に最後は水物のイチジクコンポートに至るまできれいに食べ尽くして大満足しました(^_^)/「ウチのお造り食べたら、よそのは食べられへんで〜」とか「鱧焼きはウチのがイチバンだよね〜」とか「バクハン蒸しはやっぱりウチの名物料理として残してほしいなあ」とか姉妹で思いっきり手前味噌ができるのは何よりも幸せなことでした。見てくれや、奇をてらった料理や、時代にフィットしたコンセプトで持て囃される店は多々あるけれど、改めてジバラで食べてみると「川上」は昔ながらに良質の素材をふんだんに使って「味」本位の料理を提供する、いわば誠実な直球勝負の店であることが納得され、9月からスタートする加藤氏、南氏、野上氏を中心とした新生「川上」にも何とぞその精神を受け継いで戴きたいと願わずにはいられなかった。われわれ姉妹は「川上」の味を惜しんでも、父の引退に感傷的になるようなファザコンでは全くないためか、7時に食べ終わったらそのままさっさと店をあとにして、京都駅でお茶しながら「ちょうど日本の政権が替わる時期に引退できてパパも幸せな人やで〜」てな結論に達して互いの帰途に就いたのでした。
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コメント (2)
昨晩、隣の席にいた者です。
私は一介の客にすぎませんが、料理が美味しいのはもちろん、
ご主人にお会いできると思って川上さんに寄らせていただいて
いたので、最後に深々と頭を下げられたお姿を見た時に
胸が詰まる思いでした。
いつまでもお元気でいらしていただきたいです。
投稿者 kawata : 2009年08月30日 18:57
祇園とは無縁の生活をしている私の今年の夏の最大のイベントが、川上にお伺いする事でした。
右も左もわからない京都で、今朝子さんと妹さんのエスコート付きで、写真に写っているカウンターに座らせていただき、美味い料理とともに、お父様の沢山のお話を聞かせていただけるという贅沢な時間を過ごせた事は、一生の思い出です。
いつまでもお元気で、ご趣味の絵の新作を楽しみにしております。
投稿者 乗馬クラブのM : 2009年08月30日 21:51
