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2008年05月02日

鯛のカルパチョ、甘鯛のソテー、牛ステーキ空豆のニョッキ添え、コンソメのジュレ、メキャベツのフリットほか

 日比谷シネシャンテで「ゼア・ウイル・ビー・ブラッド」を幻冬舎のヒメと一緒に見て、帰りに銀座三原小路の「グレープガンボ」で食事。ここは料理がどれも美味しかったし、この連休中に二階を貸し切り状態で過ごせたのでけっこう穴場かもしれません。
世間がいくら大型連休モードでも、幻冬舎はさすがというべきか、通常通りの出勤でお仕事モードなのだそうだ。そこでヒメは私に『吉原手引草』の映画化に関する中間報告をするついでに、せっかくなら何か一緒に見ようということになって、ダニエル・デイ=ルイスがアカデミー男優賞をゲットしたことで知られる作品にしたのだった。
彼のファンだということについては前にもブログに書いたが、この作品はファンならずとも感嘆するしかない、まさしく圧巻というコトバにふさわしい演技である。映画自体の迫力が尋常ではなく、ハリウッド作品というよりはチネチッタのリアリズモに近い雰囲気で、一介の山師から石油王にのしあがる怪物じみた男の栄光と破滅を息つく暇もない鋭さと重厚さを兼ね備えた映像で綴ってゆく。冒頭の20分ほどはセリフがなくて、激しいサントラと共に採掘現場のシーンが展開されるが、ここは映画ならではの表現で観客をいっきに19世紀末から20世紀にかけてのプリミティブなアメリカの世界へと運んでくれる。石油の採掘とそれをめぐる人びとにアメリカ社会の欲望のありようとそれと裏腹の深い孤独が象徴されている点において壮大な叙事詩劇ともいえる作品だろう。ダニエル演じる石油王と対立するカルト的な牧師役のポール・ダノもまた彼に劣らず非常にグロテスクな人物の造形が優れていて、他の脇役陣いずれもまた実にリアルな存在感を発揮している。けっして後味のいい作品ではないから、誰にでも薦められるわけではないけれど、久々に見応えがある映画であることは間違いない。見ていて躰が硬直し、見終わるとグッタリもするので、体調のいいときに見るのをオススメします。


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