トップページ > 2008年05月の月別アーカイブ

2008年04月 |メイン| 2008年06月

2008年05月02日

鯛のカルパチョ、甘鯛のソテー、牛ステーキ空豆のニョッキ添え、コンソメのジュレ、メキャベツのフリットほか

 日比谷シネシャンテで「ゼア・ウイル・ビー・ブラッド」を幻冬舎のヒメと一緒に見て、帰りに銀座三原小路の「グレープガンボ」で食事。ここは料理がどれも美味しかったし、この連休中に二階を貸し切り状態で過ごせたのでけっこう穴場かもしれません。
世間がいくら大型連休モードでも、幻冬舎はさすがというべきか、通常通りの出勤でお仕事モードなのだそうだ。そこでヒメは私に『吉原手引草』の映画化に関する中間報告をするついでに、せっかくなら何か一緒に見ようということになって、ダニエル・デイ=ルイスがアカデミー男優賞をゲットしたことで知られる作品にしたのだった。
彼のファンだということについては前にもブログに書いたが、この作品はファンならずとも感嘆するしかない、まさしく圧巻というコトバにふさわしい演技である。映画自体の迫力が尋常ではなく、ハリウッド作品というよりはチネチッタのリアリズモに近い雰囲気で、一介の山師から石油王にのしあがる怪物じみた男の栄光と破滅を息つく暇もない鋭さと重厚さを兼ね備えた映像で綴ってゆく。冒頭の20分ほどはセリフがなくて、激しいサントラと共に採掘現場のシーンが展開されるが、ここは映画ならではの表現で観客をいっきに19世紀末から20世紀にかけてのプリミティブなアメリカの世界へと運んでくれる。石油の採掘とそれをめぐる人びとにアメリカ社会の欲望のありようとそれと裏腹の深い孤独が象徴されている点において壮大な叙事詩劇ともいえる作品だろう。ダニエル演じる石油王と対立するカルト的な牧師役のポール・ダノもまた彼に劣らず非常にグロテスクな人物の造形が優れていて、他の脇役陣いずれもまた実にリアルな存在感を発揮している。けっして後味のいい作品ではないから、誰にでも薦められるわけではないけれど、久々に見応えがある映画であることは間違いない。見ていて躰が硬直し、見終わるとグッタリもするので、体調のいいときに見るのをオススメします。




2008年05月02日

牛肉と大根の胡麻似

 QPで見た料理。簡単にできて美味しい煮物なのでオススメだ。少量の水と砂糖、醤油で蒸し煮にして、牛肉を加えて酒と醤油を足し、仕上げに練り胡麻を入れて、万能ネギの小口切りをトッピングする。
「船場吉兆」も本当に困ったもんである。牛肉偽装はまだしも、お客様の食べ残しを他のお客様に出していたなんて!大衆酒場や団体旅館ならともかくも(なんていうと、まともにやってる多くの店に怒られそうだが)、最高級の料亭と思われていた店がそんな真似をされると、ほかの料理屋まであらぬ疑いを持たれそうだから、業界全体の迷惑は計り知れないものがあるのではないか。それにしても今度もたまたまNHKの7時のニュースを見ていたが、たかが料理屋の不祥事にしては前回と同様に、扱い方が余りにも大きいのがフシギでならない。「船場吉兆」潰すか、あるいは湯木一族を追い払おうとする何者かの意図が働いてるんじゃなかろうか?と疑ってしまうくらいであります。




2008年05月03日

バーニャカウダ、海老とイカのフリット、牛舌のサラダ、ピッツァ・フンギ、ハチノスのパスタほか

ゴールデンウィーク後半初日のきょうは朝6時起きでエッセイ1本書き上げて、午後から馬事公苑のホース・ショーを見に行った。そこで熊谷夫妻と落ち合い、近くの「カバロ」のバーゲンで乗馬グッズを手に入れ、三茶に戻って「イル・ピッツァ・イオーロ」で食事。帰宅後にTVで「愛馬物語」を見るというまさに馬漬けの1日であります(^^)/
もっとも馬ばかりでなく、馬事公苑に隣接した農大付属の「進化生物学研究所」でケヅメリクガメやワオキツネザルをしっかり見てからホース・ショーに臨んだので、今年はアトラクションはあまり見られませんでしたが、最後の大障害とポニーレースはバッチリ。大障害で優勝したのはニュージーランドの女性で、並み居る男性陣を抑えて小柄な馬で高いバーをラクラクと越える姿は乗馬が性差に関係ないスポーツであることを実感させてくれました。
ところで「愛馬物語」を結構ウルウルして見てしまったのは馬の映像がふんだんに盛り込まれていたからというのもありましょうが、やっぱり薬師丸ひろ子という女優の力も大きいように思われます。
この人は「野性の証明」で天才子役ぶりを発揮して以来、映画本編で主役をを張り続けただけあって、役者としての器が大きいというか、小器用に巧いという感じの演技ではなくて人の心を揺さぶるパワーがある女優だという気がします。


コメント(1)

私も実家で「愛馬物語」を見てウルウルしてました。
あの夫婦の馬に対する愛情が自分の事のように思えて。

やっぱり薬師丸さんの演技力もあったのでしょうか。

私も今日は朝から夕方まで乗馬。
またカドリールも6月以降も続ける約束もしてしまい、
我ながら不安なのですが。。(--)

そして5日は甥っ子二人を体験乗馬に送り込み、午後は
ホースショーに行くなどやはり馬三昧!でございます。

馬キチに(カメキチにも?)つける薬はございません。
(^^)

投稿者 モイラ : 2008年05月03日 23:48



2008年05月03日

ホース・ショーの写真

上段はサイドサドル、中段は大障害のジャンプ、下段はポニーレース。どの写真もブレブレでした(笑)




2008年05月04日

茶巾寿司、大根とモツの煮込み、赤飯ほか

 今日は角川事務所の原重役から文芸評論家の細谷さんの新築祝いに押しかけませんかというお誘いがあって、場所は埼玉の利根川近くなので、乗馬の帰りに立ち寄らせてもらうことにした。鉄筋3階建ての豪邸の大部分は書架で埋まっており、エンターテイメント系の書籍や雑誌、コミック類はちょっとした図書館以上の充実ぶりで度肝を抜かれてしまう。稀覯本や奇書の類はもとより、へ〜 昔はこんな雑誌があったんだ!という驚きもあった。小学館がかつて「小説セブン」という月刊文芸誌を刊行していた事実を、現役の文芸編集者がどれくらいご存知だろうか。小学館の編集者でさえ若い人たちは知らなかったりするんじゃないかと思うほどだが、その目次を見れば当時の錚々たる人気作家が並んでいる。面白かったのは「夫婦生活」という月刊誌で、なんだか怪しいタイトルだと思いながら頁を繰ったところ、案のじょう奥様の性的お悩みやハウ・ツーをふんだんに盛り込んだ内容だから、少子化の今こそこの手の雑誌がリニューアル刊行されてしかるべきなのでは(笑)な〜んて思ったりもしたのである。この日は角川事務所の原重役以下3人のほかにも細谷さんと親しい作家や編集者の方が十余人ほど集まって、細谷さんのお姉様から手料理のおもてなしを受ける格好で、私はひと足遅れで参加し、さんざん食べ散らかして皆様とご一緒に引き揚げたのでした。写真は新緑に彩られた馬場の夕景です。




2008年05月05日

中国腸詰め、揚げワンタン、春巻き 担々麺、土鍋ご飯ほか

今日は翻訳家の松岡和子さんから「お届けしたいものがあります」というメールを頂戴して、三軒茶屋駅前のカフェ「マメヒコ」でランチをご一緒した。
 私たちが「マメヒコ」に入って席に座ろうとしたら、横でいきなり立ちあがったのが女優の大竹しのぶさんで、もちろん松岡さんとは仕事でお付き合いがあるから当然なのだけれど、私が紹介されてちょっと狼狽えてしまったのは、このブログでけっこう彼女を痛烈に批判しているからであります(笑)。もちろん素晴らしい才能を備えた俳優だと認めればこそ時に点数が辛くなるのは中村勘三郎と同断なのだが、蜷川さんとの対談でも批判したのをバラされているので、まさか知ってるはずはないよな〜と思いつつ気が引けてしまうあたり、我ながら小心者としかいいようがありません(^^);
ところで松岡さんはこのブログを文庫化した「今朝子の晩ご飯」をとても気に入ってくださって、去年の筍パーティで木の芽捜しに奔走した箇所を読んで同情し、今日はご自宅の庭で育ててらっしゃる山椒の木をくださったのであった。で、昨日はシアターコクーンで会った白井晃さんにも購読を薦められたとのことで、私も明日見に行く予定のコクーンの芝居がかなりいい出来だという話やら何やら短時間に演劇界の色んなことをたっぷり伺った上で、最後は先日のTV番組『愛馬物語』の話になって「あれ見たらやっぱり泣けるわよねえ〜」と、これまた当然ながら自馬をお持ちの松岡さんは仰言ったのである。
 ランチを終えていったん帰宅し、エッセイを1本書き終えたところで、今度は乗馬クラブのMさんからお電話を頂戴し、バリキャリのOさん、造園設計士のOさん、鉄道模型メーカーのIさんら馬トモの面々と晩ご飯をご一緒する。馬トモ連は午前中に乗馬クラブの競技会に出場し、午後は馬事公苑でホース・ショーを見物。夜になっても馬の話は尽きず、クラブにいるシンボリルフォルテという名馬ルドルフの子は非常に気位が高いとか、牝馬はデリケートで扱いに苦労するとかいう話になり、Iさん曰く「馬は某国との関係と同じでやっぱり『対話と圧力』に尽きますよね」との発言に深くうなずいてしまった私である。造園設計士のOさんは農大の出身だと伺って、「大根踊りやったんですか?」と半ばジョークで訊いてみたら、あれは新入生が全員が最初にやらされるものだというのでビックリ。振付を先輩に教わって最後に新入生180人全員が輪になってグルグル踊りまわる姿はまさに壮観!の一語だそうである。
 バリキャリのOさんは目下3級ライセンスを取得すべく馬場レッスンが専らなのだが、男性陣はいずれも今日のクラブ競技会で障害レースに出場し、そのあと馬事公苑でも障害レースを見物。馬事公苑では最高190センチのバーが設定されていたから「ボクら自分では、やった〜!とか思っても、たかが60センチしか跳んでないわけでしょ。こっちで見たら、それがなんと190なんですからねえ。朝やった〜!の気分は一体なんだっただろうって、ちょっとガックリきちゃいましたよね」というお話は実に味わい深いものがあった。人は何事によらず得てしてその手の体験があるものだけれど、1日の午前と午後でそういうことがあったりすると、なんだか妙に哲学しちゃいそうである。ともあれ乗馬の道は奥が深い。てなわけで道に踏み込んだ皆さんはちょっとやそっとで抜けられそうにもなく、皆さんの話を聞いていると私もますます深入りしてしまうような気がしてちと心配であります(笑)。最後に「今日は馬トモ連のオフ会ってかんじですかね」とバリキャリOさんが仰言った写真を公開しておきます。




2008年05月07日

土鍋ご飯、車エビの天ぷら他

 5/6は世田谷公演のフリーマーケットに米朝事務所の大島さんとPメディアの三村さんが参加するというので、私もタンスの肥やしをお預けして売って戴く代わりに客寄せのつもりでPLEOをお貸ししたところエライ人気だったらしく、これを売ってください!というお客さんが後を絶たなかったそうです(笑)。私はその間にエッセイを書き上げて、夜は内山さんと一緒にシアター・コクーンで清水邦夫作・蜷川幸雄演出の『わが魂は輝く水なり』を観劇。
この作品を私は初演の民藝公演、宇野重吉演出・主演で見た記憶がかすかにあるが、今回は完全に別の芝居を見ているように初演の印象と違っていた。だからといって全面的に否定するつもりはさらさらないが、改めてこれは作者が宇野重吉の主演をかなり意識して書いた作品ではないかという気が強くしたのである。
篠原の合戦で討ち死にした斎藤実盛を主人公に据え、平家軍と木曾義仲軍の戦を題材にしつつも、この作品に描かれるのは70年代初頭に起きた連合赤軍事件であることは間違いない。
 木曾義仲軍は今や巴(=永田洋子)が率いる「血と狂気の集団」と化しているが、実盛はかつて「森の国」にいて「眩しいほど輝きにみちた若者たち」だった彼らを知っていて、彼らに理想をや夢を託した旧世代の左翼を象徴するかのような存在だ。それゆえにこそ宇野重吉の主演が切実なリアリティを持っていたのではないかと今にして思うのであるが、当時は共産党VS新左翼よりもむしろ新劇VSアングラ小劇場の対立の図式が明瞭に意識された時代でもあったから、清水邦夫が民藝に書き下ろしたということの驚きのほうが強かったかもしれない。
ともあれこの作品は新左翼の青年達よりも上の世代があの事件に接した心の痛みというものが主要なテーマの一つであり、そこから老人の若さに対する憧れや、若さを取りもどそうとするロマンが叙情的に語られる構造であるために、今回その実盛役を若い野村萬斎が演じると、そこにどうしても切実なリアリティが伴わないことは如何ともしがたいのである。しかしながら萬斎自身は『リチャード3世』はもちろんのこと『オイディプス』よりもはるかに演技が達者であると感じられたし、実盛が髪を黒く染め化粧をして「ベニスに死す」的な最期を遂げるラストは極めて叙情的な美しいシーンとして成立したから、今や宇野重吉の存在感に代わるだけの老優がいない以上、
この配役がやはりベストだったようにも思える。息子役の尾上菊之助もさすがに何度も蜷川演出に挑んでいるだけあって、もはや歌舞伎役者の他流試合とは思えないくらいにこの戯曲のセリフを巧みにこなしている。今回の上演にもし問題があるとすれば、それは演技者の責任に帰すべきではなく、今日に清水邦夫の戯曲を蘇らせることの難しさを指摘したほうがいいだろう。内山さんは事前に私から連合赤軍のイメージが背景ある作品だと聞いたから面白く見られたけれど、そうでないとチンプンカンプンの芝居だったといい、「やはりこの上演は古典芸能の次代を背負って立つふたりには(全く文脈の異なる戯曲を演じさせるという)教育リーグ的な意味合いがあって、それが一番の成果だったのかもしれませんね」と結論づけられたのだった。


コメント(2)

今朝子の晩御飯で熱烈ファンになりました。石原保守反動男根主義なんて大笑い!我が意を得たりです。又武智先生の事を書いてくださり有難う御座います。私川口秀子の元弟子です。これからも御活躍お祈り致しております。
あ!亀のでかいのにはびっくり!今今朝子様御本探していますがなかなかありません。売れているんだ!図書館も長い予約待ちですよ。メールアドレスは携帯のもので御免なさい。

投稿者 金子かおる : 2008年05月07日 10:55

川口先生はお元気でしょうか?去年は国立の舞台に立たれなかったので案じておりました。

投稿者 今朝子 : 2008年05月07日 23:31



2008年05月07日

フキとガンモの煮物、塩鮭、トマトサラダ

 決して手抜きの晩ご飯ではありません。フキは大家さんから自生のものを頂戴したので、板ずり、塩ゆで、皮むきという手間をかけて市販のガンモと煮た。皮むきはいささか面倒だが、やはり生のフキを使うと煮物の香りと味わいは格別。サラダはトマト、新タマネギ、塩漬けケッパー、オリーブ油を混ぜ合わせたもの。
食事中にNHK「クローズアップ現代」で映画『靖国』の上映中止問題を見たが、ゲストの吉岡忍氏がこの騒動の核心を「表現の自由」の侵犯と見るよりは、各上映館の「揉め事を避けたい」という意識が作用したものと捉えて、そこにプロフェッショナリズムの欠如乃至衰退を指摘されたことは大いに肯けた。
今は世の中全体がこうした風潮に流れているのも困ったもので、その原因は吉岡氏が指摘されたように、不気味な犯罪が増えて社会が不安になってきているというのもむろんあるけれど、物凄くけちくさい損得を考えるようになってきたことや、とにかく皆が忙しすぎて何事にもきちんと関われなくなっているというようなことにも無縁ではないと思うのだった。
 このブログで私はけっこう色んなものに対して批判がましいことを書いちゃうのだけど、批判するにはそれなりの時間とエネルギーが要るし、ただでさえ仕事で大変なのに、何だってこんなに余計な時間とエネルギーを費やすんだろうと思わないでもないのである。忙しくなると、他人にもモノにも社会にもちゃんと関わる余裕を喪ってしまい、なるだけ「揉め事を避けたい」とする気持ちになるのは当然で、私自身いつも、ああ、メンドクサイなあ〜という気持ちと格闘する日々なのであります。


コメント(3)

今朝子さんの本は吉原手引草を読んでからの大ファンです。で、ブログも毎日楽しみになりました。
ただ、読みづらいのはどうして?と失礼を承知で…。
画面?の右には今朝子さんの御本の紹介なぞが占め、

字の大きさや、色や、レイアウト?等々がもう少しスッキリしてほしいなんて感じています。

生意気言って申し訳けありません。

投稿者 厚子 : 2008年05月07日 23:59

ご指摘恐れ入ります。一度スタッフと相談してみますね。

投稿者 今朝子 : 2008年05月08日 08:47

毎日今朝子の晩ごはんを読んで一日の締めくくりとしています
出版されたものは全部読んでしまったので
このブログが本当に楽しみです
で、私には読みづらいということはぜんぜんありませんが
環境が違うのではないでしょうか?
会社の古いPCでみると書体が違っているので
そういうこともあるのでは?

投稿者 天 : 2008年05月08日 17:59



2008年05月08日

海老カレー

近所のマッサージ師に薦められた「森のスパイシーカレー」というキットを買って、そのレシピ通りに作ったら美味しくできた。
 昨日は胡錦涛国家主席の来日で福田首相との記者会見があって、ちょうど昼飯どきだったのでTV中継を見ていたが、ふたりともなんだか慎重でじみ〜な印象の会見だった。
ところで夜に妹が電話をかけてきて、「情けのうてホンマに涙が出た」と嘆いたのは「吉兆」の記者会見で、私は今日のニュースでそれを知って、さすがに涙は出なかったけれど笑う気にもなれなかった。「もったいない」というのが使い回しの理由だそうで、決してお客様の「食べかす」を他の客に出していたのではないと弁解しながらも、刺身のツマまで洗って再度使っていたというのだから驚く。妹の話だと父もニュースを見て泣いていたそうで、何も泣くほどのことはないように思うが、日本料理の地位を高めた湯木貞一の子孫が引き起こした不祥事だけに、料理界に与えた衝撃はさほどに大きいのだろう。わが家は「瓢亭」や「美濃吉」とは遠戚でも「吉兆」とはまるで無縁なのにそれだから、「船場吉兆」以外の「吉兆」の人たちはどれほど泣いていることかと思うと本当に罪な話である。
 料理屋はとても「冥加が悪い」商売だと私は父から教わったものだ。現代語に翻訳するのは難しいが、大変にもったいないことをするので畏れ多い商売だというような意味である。とにかく本当に美味しいものを提供するには、新鮮でないものはもちろんのこと、材料のいい部分のみを使ってほかは捨ててしまわなければならないのが料理屋なのである。その癖が身についていて、私はちょっとでも古くなった食材を片っ端から捨ててしまうので、ともすればうちに訪れた親しい友人の顰蹙を買ってしまうのだけれど、食糧危機が叫ばれる今日に決して褒められたことではないと知りつつも、素人はともかく、高いお金を取って料理を食べさせるプロならば「冥加が悪い」と覚悟して、ある程度もったいないことをしてほしいとやっぱりと思うのでした。


コメント(1)

ポプラ文庫「今朝子の晩ごはん」を読んで以来の、つまりはほやほやのファンです。このホームページのような、まっとうな大人の意見がマスコミの大騒ぎに隠れて聞こえにくくなっているように思います。昨日の「靖国」問題へのコメント同様、これからも率直なご意見をお聞きしたいです。ところで「種取拍子郎」シリーズ面白いですね。読んでいるうちに朗読したくなってこっそり声に出して読んでいます。気持ちいいですよ。

投稿者 小川智子 : 2008年05月08日 22:05



2008年05月09日

ネギ焼き、キノコの焼きそば、豆腐とジャコのサラダ、イカげそ他

お茶の稽古の帰りに三村さんと麹町の「文字平」で食事。
 稽古場に行くなり阪本先生に「こないだ大丈夫やったか?」と訊かれたのは前回の帰りに沓脱ぎの石で躓いてこけたからである(笑)。こけるといえば、私は知らなかったが、三村さんの話によると、桂米朝師匠がまた自宅でこけて腰椎を骨折されたというニュースが流れたそうで、小米朝さんの米團次襲名を控えているだけに、米朝事務所の大島さんは気が揉めることだろう。
 ところで今日見た電車の中吊り広告で目をひいたのは『週刊新潮』の「リンリン暗殺説」で、案の定というべきか、この手のバカバカしい噂がきっと流れるだろうなあという予感はしていたくらい、ある意味でグッドタイミングな死に方だったのは確かである。それにしてもパンダとか卓球とか何十年も前からちっとも変わらないアイテムが今回の国家主席訪日でも使われたのは、果たして中国側が日本を舐めてるのか、日本の外務省が国民を舐めてるのか、一体どっちなんだろう?あるいは単に外務官僚の感覚がズレまくってる(チベットもギョーザもそれで誤魔化せると思うほどに)だけなのかもしれない、とも考えられるのがコワイ。とにかく日本の官僚は、事を荒立てたくないという日本人的メンタリティーのかたまりのような集団だというのは色んな事例で明らかなのだけれど、そういう集団に国の舵を取ってもらって、今後の激動が必至の世界情勢の中で日本がビンボーくじばかり引かされるの勘弁してほしいと、一国民としては願わずにおれません。


コメント(4)

時々京都のお寺へお供をする方に(2日に宝鏡寺、慈受院、曼殊院へ行きました)「今朝子の晩ごはん」をプレゼントしましたら、「近々、「川上」に行こう」と言われましたので、これは楽しみ。掲載誌はわからないのですが、永樂善五郎さんとの対談の記事のコピーを送っていただきましたよ。先日、本を整理していましたら、小山裕久「恋する料理人」という本が出てきました。買っただけで読んでいません。ぱらぱら頁をめくっていたら、この方は「吉兆」で修業をした人なのですね、湯木貞一さんの思い出が書いてあり、そのことは巻末にある瀬戸内寂聴さんの文章にも書いてあります。「船場吉兆」の連中は、この本を読むべし! 冒頭に書いた方から「鴨川をどり」のチケットをいただいて、6日に見に行きました。8年ぶりに行きましたが、お菓子の皿が、緑色から油滴天目風の黒い皿にかわっていました。その方が言われるには、「「都をどり」も「鴨川をどり」も、それぞれ皿は丈夫ですよ。阪神大震災の時にも
全く割れなかったね」と言われました。

投稿者 松本弘道 : 2008年05月10日 08:52

ごめんください。
松本様がお供なさった慈受院はどちらにあるのでしょうか。お教えいただければうれしいです。
「仲蔵狂乱」大好きです。何だか切ない気持ちになって
再読できません。こんなこと久しぶりです。ありがとうございます、今朝子様。

投稿者 しゃらか : 2008年05月10日 10:17

しゃらか様  「慈受院」は、京都市上京区寺之内にあって、「宝鏡寺」のすぐ横にあり、茶道総合資料館のすぐお隣です。が、普段は非公開です。京都市が春秋2回行う「非公開文化財特別拝観」により見ることが出来ました。私は、ある方のお供でこの春秋2回の特別拝観をここ7-8年間見てきました。その方は京都の寺社はほとんど見ておられるのですが、「慈受院」は知らなかったと言われていました。お寺の正式な名前は、「広徳山 慈受院門跡」で、別名「薄雲御所」。足利義持の正室 日野栄子の創建で、1428年。以来、天皇家・将軍家・摂関家から住持が入山した尼寺です。

投稿者 松本弘道 : 2008年05月10日 12:47

松本弘道様
さっそくのお返事ありがとうございました。
この秋には静かな友を誘ってぜひ拝見したいと思います。「薄雲御所」とはなんと優雅な名でしょう。
この時代、門跡寺院や尼寺の継承はどのようになってゆくのか、などと思うこともあるのですが私が心配してもどうなることでもないし・・・。
取り急ぎお礼まで。

投稿者 しゃらか : 2008年05月11日 00:05



2008年05月10日

アサリと空豆の炊き込みご飯、生ハムとルッコラとトマトのサラダ

 炊き込みご飯は昨日のQPで見た料理。初夏らしい一品で、簡単にできるからオススメだ。アサリを酒蒸しにして、その煮汁と昆布を加えてご飯を炊く。塩で味つけるのを忘れずに。空豆はご飯が炊きあがる寸前に入れるといい。アサリの身は最後に混ぜ込むこと。空豆は鞘付きのものを使うと柔らかくて美味しいのは確かだけれど、全体量の7、8割近くがゴミになってしまうのはどうにかならんもんかと思う。これから誇大宣伝をする商品や会社や人物を見るたびに空豆を想い出してしまいそうだ(笑)。
今日は日経のコラムで中国に旅行したときの話を書こうとして(もち胡錦涛主席の来日で思いついたネタですが(笑))、そのときの写真やツアー日程の書類や何かを探したら、なかなか出てこないので参ってしまった。たった6年前の旅行なのに、もうどこに仕舞い込んだかわからなくなってるからコワイ。毎日どんどん色んなもんが溜まってしまって、そのつど多少は整理してるつもりなのだけれど、とても追っつかなくなっている。独り暮らしでこれだから、ご家族でお住まいの皆様はどんなに大変かと思う。だからこの前大島さんと三村さんが参加した世田谷公演のフリマも大盛況の様子だった。で、私が委託したオーバーやジャケット類4点のうち3点も売れて、売れたというよりも有効的に片づいてくれたのが嬉しかったのであります。
ところで昨日書いた米朝師匠がこけた話について三村さんからメールがあって、こけた場所は自宅ではなく、飲み屋のトイレか駐車場なのだそうです。




2008年05月11日

おこわ弁当、鰯と野菜の揚げサラダ

乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。
 「今日寒いっすよねえ。あたしだけなのかなあ」とインストラクターの女性にいわれて、イエイエ決してそうではありません、とお答えした私である。5月中旬とは思えぬ気温が馬には却ってよかったのかもしれない。最初はわりあい順調に走っていたのだけれど、右手前(ふだんの逆走)をメチャメチャ嫌がる馬で、向きを変えたらグルっとひと回りして元に戻ってしまうのがおかしかった。
今日はオペラ歌手Sさんのお友達が見学に来ていて、彼女は以前ウルフルズの事務所にいて、そのあと清水ミチコのマネージャーをしていたというので色んな話を伺った。まず私が訊いたのは、前から気になっていたウルフルズのリーダー「トータス松本」のネーミングの由来で、本人の顔が亀に似ているからだと勝手に思い込んでいたのだが、「リクガメが好きで飼ってるんですよ。3匹も」といわれて、なるほど、それを今まで知らなかったのは亀好きとしてはうかつだったと反省し、お返しに「佐藤浩市もリクガメ飼ってるみたいですよ」と教えてあげた(笑)。清水ミチコは前からファンなので、今度ライブに是非誘ってくださいとお願いしたら「TVでは絶対できないようなネタがすごく面白いんですよ」とのことなので非常に楽しみである。
昨日雨中でカドリールの練習をして風邪を引いたバリキャリのOさんは今日は騎乗せず見学のみで、先週私が薦めたマンガ本『元競走馬のオレっち』を読んで「ウルウルしちゃいましたよ〜」とのこと。このマンガは文字通り、血統抜群のの競走馬が中央競馬でついに一勝もできず、乗馬用の馬にいやいや訓練し直されるというストーリーで、たとえばエリートサラリーマンから転職を余儀なくされたような人が読めばやっぱりウルウルもんだろう。クラブハウスのカウンターに積んで売られてたので思わず買っちゃったあとで背表紙を見たら、なんと幻冬舎のコミックスだったので、しまった!ヒメに頼んでもらえばよかった〜なあんてついついセコイこと考えちゃう私である(笑)。Oさんの話だと、昨日20冊ぐらいドンと積んであったのが、今日はもう2,3冊くらいに減ってたそうだから、目下わがクラブのベストセラーといった感じでしょうか。とにかく乗馬好きにはたまらない1冊なので、是非とも続編が読みたいと今度ヒメに会ったら伝えたいものであります。




2008年05月12日

おじやうどんセット

今日は夕方からスラッシュの事務所でNHKの広瀬氏と6/1放送予定の「おーい、ニッポン」京都府特集の打ち合わせ。スタジオと現地ロケをつないで6時間!も生放送される番組なので、ご興味があればお暇な折にちらちらご覧ください。
私はスタジオゲスト4人のうちの1人なのですが、ほかの3人は津川雅彦、清水圭、そしてギャル曽根!このメンバーで一体どんな話をするのでしょうか(笑)。どうせならギャル曽根がガンガン食べるシーンをナマで見たいものですが、予算が足りないせいか(笑)、残念ながらそれはないとのことでした。とにかく6時間もスタジオにカンヅメ状態で現地ロケを見ながら色んなおしゃべりをするそうなので、こちらの神経が保つかどうか不安は一杯ながら、制作側も作家という人種に臨機応変な対応はそんなに望まないだろうという希望的観測のもとに何とか乗り切るしかありません(--);
それにしても近ごろはどんな仕事が振ってくるかわかったもんじゃなくて、来週は読売新聞のオファーで、ダーウィンの進化論についてのインタビューを受ける予定が入っております。
何が起きるかわかたもんじゃないといえば、帰ってきてTVを見たら、中国の四川省で死者5000人クラスの大地震というニュースが流れていて、関東でも最近ちょっと大きめの地震があったばかりなのでとても他人事とは思えず、この気象異常とも合わせて心配でなりません。
ところで進藤さんに「こないだからずっと気になってたんだけど、ねえ、プーチンとメドベージェフってホモなの?」と訊かれて久々に大爆笑。そういわれたら先日の軍事パレードでふたりが並んだ姿はどうもギリシャっぽいというかローマっぽいというか、怪しげな雰囲気が漂ってなくもなかったので、なるほど、それが政権移譲の理由だったのか!なあんて東スポ的に盛り上がって食事をし、帰ってきたらこれまたちょうどNHKスペシャルで、プーチンが巧みなメディア支配によって権力維持を図る事実に密着したドキュメンタリーが放送されていた。ロシアが今後ますます強大な国になるであろうことを考えると、隣国だけに、もっと注視してなきゃいかんのではないかと思うのだけれど、日本の政治家もマスコミも今や他国の事情にあまりにも無関心に見えるのがまた心配でなりません。




2008年05月13日

鶏肉豆腐、グリーンピースの甘煮、豆ご飯

 実家の近所にお住まいの杉浦さんから鞘付きエンドウマメを3キロ!も送って戴いたので、米朝事務所の大島さんと山分けして、さっそく今日の献立に加えた。鶏肉豆腐は昨日のQPで見た料理。タマネギと生姜のみじん切りを炒めて出汁、みりん、醤油、味噌で味付けし、そぎ切りにした鶏もも肉を煮込み、水溶きカタクリでとろみをつけてから水切りした木綿豆腐をちぎって入れる。TVでは彩りにインゲンの小口切りを使ったが、私はもちグリーンピース。ラー油か七味で辛みつけると美味しく食べられる。
  中国四川省で起きた地震は死者およそ1万人の犠牲を出す大惨事となり、けさ私は日経のコラムを急きょ書き直してメール送付した。中国に関するエッセイだったので、新聞という媒体だけに、地震のことに全く触れないというわけにもいかない気がしたのである。週1で書いていて〆切りが4日前なのでこうした書き直しもできるのだけれど、毎日のコラムだとそうはいかないから新聞に書くのは大変だろうなあと、その昔つくづく思ったことがあった。
 今から19年前の6月の話で、当時は朝日新聞の夕刊紙に橋本治氏がたしか結構時事的なコラムを毎日書いてらっしゃったと記憶する。橋本氏が旺盛に仕事をなさっていた頃で、私はそのコラム毎回楽しみにしていた。で、そのエッセイもやはり中国ネタで、ガチガチの社会主義国にも今や自由の風が少しずつ吹き始め、進歩的な学生たちの間で民主化の運動もさかんに起こっているから、中国はうまくいけば世界中で最も理想的な国になるかもしれない、というふうに結ばれていた。そして次の日にあの天安門事件が起きたので、私は今でもそのコラムをハッキリ憶えているのである。つまりは橋本氏ですら掴めなかったくらいの大激変だったということも今にしてわかるのだけれど、当時は前日のコラムがあまりにもノーテンキだったように思えたもので、新聞に書くことの怖さをまるで関係ない私ごときが感じちゃったくらいだから、橋本氏ご自身はさぞかし大きなショックを受けられたであろうと拝察する。




2008年05月14日

長芋と牛肉と青梗菜の中華風塩炒め、グリーンピースの甘煮

炒め物は大家さんに長芋を頂戴したので作ったオリジナル料理。牛肉は酒、醤油で下味して片栗粉をまぶして別に炒めること。長芋は酢水に浸けてぬめりをしっかり取ってからこれも別に炒めておくこと。油に生姜の粗みじんを入れて青梗菜を炒め、牛肉、長芋を戻し入れて塩、胡椒、隠し味の砂糖少々で味付け。ごま油を鍋肌にまわしかけて仕上げる。大家さんから頂戴したときに「あの〜、『今朝子の晩ご飯』は、次いつ出るんですか〜」と訊かれてビックリ。ご親戚の方々のあいだで評判らしく「料理を作るのにとっても便利なので、次のはいつ出るの?と訊かれまして(笑)」とのことだったので、たぶん10月に発売の予定だとお答えした。
ところで今日も寒かった!なんて5月中旬のブログに書くのはどうかしてるが、私はちょっと風邪気味だから、家ではストーブを入れ、外出時はダウンを着てマフラーをしていた。昔は気象異常があると地震や何かの前触れのようによく言ったものだから、東京が近々そんな天災に見舞われないよう祈りたい。
それにしても四川省の大地震は被害の深刻さが日に日に増しており、今日のニュースでは死者の数1万2千、生き埋め2万三千以上で、まだ不明な点が多いというからなんとも心配な話である。心配なのは被災者ばかりでなく中国全体の国情も気がかりだ。そうでなくとも経済発展の歪みによる異常な物価高や格差の問題が強く懸念されているというニュースを最近見たばかりだし、今はまだ北京オリンピックで国が一致団結してるように見えるけれど、本来的には易姓革命の国だから、いつなんどきまた政情の激変が起きるとも知れないのがコワイ。
この国が政情不安になると今や世界中がお先真っ暗だから、ここは現胡錦涛政権に踏ん張ってもらうよう期待するしかなさそうである。


コメント(2)

はじめまして。
楽しく読ませていただいています。
「似せもん」など、図書館でかりて読み、吉原手引き草も
予約しましたが、いっこうに連絡がないので問い合わせたら、
97番目! でびっくり!でした。
本屋に行ってきます。

投稿者 mutti : 2008年05月15日 09:04

>97番目! でびっくり!でした。

いまだにそれは私もビックリです!
何とぞご購読をm(_ _)m

投稿者 今朝子 : 2008年05月19日 00:16



2008年05月15日

タイ風焼きうどん

 QPで見た料理。タマネギ、ニンニク、干しエビのみじん切りを炒めて豚肉、剥きエビ、うどんを加え、干しエビの戻し汁、ナンプラー、オイスターソース、砂糖、醤油を合わせたタレで味付けし、さらにニラとモヤシを加える。ニラとモヤシは半ナマ状態でOK。スクランブルエッグを加えて仕上げる、卵を買い忘れたので(笑)カットした。香菜のトッピングもカット。レモン汁をかけて食べると美味しい。肝腎の麺はきしめんがTVのオススメだったけれど、私は稲庭うどんを使った。堅めに茹でて水洗いでぬめりをしっかり取るのがポイント。けっこう本格っぽい味なのでオススメします。
今日はようやく晴れて気温も元に戻ったから、朝は洗濯をして、カメをベランダに出すこともできたのでまずはめでたい。
 夜は食事しながらNHK7時のニュースで、旅行者の撮った四川省大地震が起きた瞬間の凄まじい映像を見て文字通り震撼とさせられた。続けて「クローズアップ現代」ではミャンマーのサイクロン被害を特集していて、共に天災時における国家の状況について考えさせられたのだけれど、日本でも近畿や名古屋圏のシミュレーションがすでに出てその数字にぞっとしたし、東京がもろに直撃されたらどんな風になるのかはあまり考えたくありません。ともあれ自然災害は相身互いだから、日本の人的支援を中国側が受け入れたのは両者共に可とすべきだろう。
 それにしてもこの間、民放TVのニュース番組やワイドショー、またインターネットのニュース等でも中国政府に対する批判をかなり感情的なレベルで展開しているように思えてならないのは遺憾である。中国が色んな問題お抱えていることは確かだけれど、まるでお隣に比べたら私たちの国はまだましよね〜といわんばかりの幼稚な報道姿勢は、それこそこの国のお里が知れる(なんて言葉を若い人は知らないかも)というか、いかにも自らの劣化で余裕をなくしている証拠のように見えるから却って情けなくなってしまう。ナショナリズム的な発言をしたい人はしても構わないから、もう少しこの国の知性や品性を感じさせるような発言に徹して戴きたいものです。




2008年05月16日

豆腐ハンバーグ、30品目サラダ

整体治療の帰りに東横のれん街でゲット。
5月中旬の今どんな恰好をするのがフツーなんだろう?と出かける前にちょっと迷ったのだけれど、出てみたら皆さんムチャクチャでした(笑)。さすがに半袖の人はいなかったが、薄手のシャツだけの人もあれば、コートを着てスカーフというより完全なマフラーをしてる人も見かけた。東京の気温は例年よりやや低めなのか、毎年こんなもんなのかわからなくなってるのは、ちょっと前に異常な寒さの日が続いためで、あれできっと風邪をひいた人もいて、色んな恰好なのかもしれない。
斯くいう私もまだ喉のいがらっぽい感じが抜けなくて、今年は寒い間は風邪をひかずに済んだのに、暖かくなってから2度もひいてしまったのは気がゆるんでる証拠だろう。ただ整体的にいうと風邪をひくのは決して悪いことではない。躰がゆるんで、蓄積された疲労も取れるし、風邪をうまく通すと却って躰が丈夫になるとしている。私は小学生の頃から野口式整体で育ったので、フツーの風邪の場合は薬を呑まず、脚を熱湯につけて汗を出し、熱い番茶を飲んだりして治すようにしていた。熱が出たときは後頭部をわざと温めて一気に40度くらいにあげると、1日でさーっと冷めるが、年を取った今ではさすがにそこまでの高熱には耐えられない気がするのでそれはしておりません。




2008年05月17日

テニスの王子様

 集英社の音田笑(おんだえみ)ちゃんから「あの〜今度の土曜日『テニスの王子様』のコンサートがあるんですけど、ご一緒しませんか」と誘われたときは一瞬どうしようかと迷ったのだけれど、「なんでもジュノン・ボーイとかのイケメン系をずらっと揃えてて、若い女性の間で今ジャニーズ並にスゴイ人気なんだそうで、私も初めてちょっと覗いてみようかという気になりまして」と聞かされて、久々に物好きの血が騒いでしまった(笑)。『テニスの王子様』は少年ジャンプに9年間連載していたスポーツ漫画で、連載時から男性よりむしろ女性の間で人気が高まり、それをミュージカル化したものが「テニミュ」と呼ばれて評判になっていることは何となく知っていたが、誘われでもしなければ、まず行かなかっただろうと思う。
 公演会場は収容人数1万7千人の横浜アリーナで、まず新横浜駅から若い女性の大群がぞろぞろとそちらに向かっているのを見てビックリ。もろにゴスロリファッションの子や、コスプレ軍団もいて、巨大な会場をほぼ埋め尽くした観客の年齢はまちまちながら、99.9%はあきらかに女性である。そして舞台に登場する総勢三十数名は全員若い男性、それぞれタイプが違ったイケメンで、ひとりひとりの登場にキャーッという凄まじい歓声が湧き、無数のペンライトが一斉に大きく揺れるさまを2階席の最前列で見せられて、最初はただただ圧倒されていた。
およそどんな漫画にも、熱血漢や跳ねっ返り、お茶目におバカ、インテリ、人格者、不良系等々のくっきりした定番キャラがあって、『テニスの王子様』もむろん例外ではなく、その漫画キャラにぴったりの青少年を公開オーディションで配役するのがプロダクションの基本方針らしい。スタートから今年は5年目で、メインキャストは4代目ということだから、非常に短いスパンで若返りを図っており、それでいてファンがずっと持続しているのは、いわゆる「キャラ萌え」が大きな原動力となっているに違いない。とにかくキャラのバリエが豊富な分いろんなタイプのイケメンが揃っているから、女子がそのどれかにハマる確率も非常に高いわけである。ファン層の中核は、いわゆる流行りの「腐女子」ではなかろうか。ジャニーズとはまた一風ちがった形の興行システムであり、横浜アリーナで2日にわたって1日3回の興行を成功させている!のだから、もはやジャニーズにとっても侮れない存在になっているだろう。
ふだんは漫画原作に忠実なミュージカルを上演して、舞台でテニスの試合を再現するようなシーンをふんだんに見せるそうなのだが、今回はいわばガラコンサートといった形で、ほぼ歌と踊りに終始した。歌はなじみやすい80年代ポップス風で、バラードをそこそこ歌えるメンバーもいた。踊りはすべてラケットを使った振付で、これがバスケや野球じゃサマになりそうもなくて、やっぱりテニスだからこそ成り立つミュージカルである。
 終演後の会場はモノスゴイ混雑で、なかなか出口にたどり着けずにいたら、背後から「松井さん」と声をかけられ、振り返るとそこに演劇ジャーナリストの徳永京子さんがいて、お互いに、ええっ!なんでこんなところにまで〜と驚き合ってしまい、徳永さんとご同行の中井美穂さん(古田夫人)やマガジンハウスの編集者と一緒に近くのホテルでお茶することになった。
そもそも徳永さんに「テニミュ」の魅力を教えたのは中井さんだそうで、ご本人はすでにハマリ歴3年目、今回はなんと地方公演まで追っかけをなさるのだという。最初はDVDで見て、バカバカしくて笑ってたのが、ナマで見ると演出や何かが意外によくできているのにすっかり感心してハマられたらしい。ここに書いた「テニミュ」情報はほとんど中井さんに教えてもらったことである。徳永さんと一緒に小劇場の公演などもよくご覧になっているようだ。おふたりともども本公演のミュージカルも絶対に見たほうがいいと強く薦められたので、一度そちらも覗いてみたくなった。それにしても1万数千人もの群衆の中で、お互い2階と1階の全く離れた場所で見てたのに、それが偶然めぐり合う!なんて、何かのご縁があったとしか思えず、ひょっとしたら私もこれを機に「テニミュ」にハマってしまうのかもしれません(笑)。




2008年05月18日

鰯のマリネ、枝豆豆腐、ほうれん草とスモークチキンのサラダ、ゴボウと筍のサラダ

乗馬の帰りに東急フードショーでゲット。
馬の洗い場で馬装をしていて久しぶりにお目にかかったのは某大学の事務長をなさっているAさんで、大学全入時代になった今は何かと経営が大変で、Aさんのお仕事も超多忙を極めるらしく、最近は毎土曜日しか来られなくなったのだそうである。忙しいといえばバリキャリのOさんの姿も今日は見えず、幻冬舎「元競走馬のオレッち」担当の斎藤さんから頂戴した「オレッち」グッズをお裾分けしようと思っていたのに渡せなくてザンネン。先週わたしがこのブログで同書を取りあげたのが、斎藤さんの目にとまってグッズを頂けたのだから、やっぱり気に入ったことは何でも書いてるもんです(^^)/
ところで今日も90分の駈歩のレッスンでは私の専用馬スノウホワイト♀が先頭を務め、しっかり走ってはくれたのだけれど、ゴールデンヘブンというしんがりの牝馬がメチャメチャ他馬嫌いなので、近づきすぎないよう注意するのが大変だったとクラブハウスでXさんに話したところ、「でもヘブンはスノウが大好きなんですよ。スノウが前を走ると、ぴったりと後にくっついて走るから、その愛に私が負けちゃいけないって感じでセーブしなきゃなんなくて大変」と笑わせてくださった。前にも書いたが、牝馬は大概♂を嫌っていて、♀同士でくっつきたがるので、恐らく自然界でも繁殖期以外は雌雄が別れて群れをなすものと推察される。
次いでXさんは「今さらいうのはおかしいんですけど、わたし『家、家にあらず』に今すっかりハマっちゃって。その前は銀座シリーズを読んでて、宗八郎が自分のカレシにちょっと似てるなあと思ったら、比呂の気持ちになっちゃって、綾が出てくると腹が立って、もう、この子なんなの〜って感じで」とまたまた笑わせてくださった。Xさんご自身はむしろ綾のほうに近いのではないかと思うような若い美人である。Xさんに限らず、これまであまり小説を読んだことがなかったと仰言るクラブの方々が拙作を読んでくださってるのはとても嬉しいことで、要はきっかけさえあれば小説というもののの読者はもっと増えるのだろうけれど、そのきっかけがなかなか訪れない時代になってるのだろうなあと改めて思われるのだった。何はともあれ、読者あってこその小説なので、皆さま今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m


コメント(5)

機会があったら誰かに聞きたい!と思ってたことなんですが、

> スノウホワイト♀が先頭を務め

と。私も、ずっと任務のことだから「つとめる」は「務める」だよなぁと思ってきたのですが、歌舞伎では「宙乗り相勤めます」って書かれていて、見るたびにあの「つとめる」は違う意味なのかな?と気になって気になって仕方がありません。
馬は部班の先頭をするのと、役者が宙乗りするのと、「つとめる」のにどんな違いがあるのでしょう?

ところで。私は間違いなくオバサンですが、松井さんの小説を読んでいていつの間にか感情移入しているのは必ず若い男性です。これも不思議です(^。^)

投稿者 猫並 : 2008年05月18日 22:40

今朝子さま

業務繁忙期のため、本日は午後一杯自宅のPCに向かい、仕事に集中!しておりました。

昼間は久々の気持ちの良い天気だったというのに。

時々休憩にコーヒーを入れたり、ベランダに出て風にあたったりしましたが、ダイニングテーブルでずっとPCと打ち続けたため肩と背中がすっかり張ってしまいました。

さて、土曜日カドリールの練習は着々と進んでおります。
少しずつメンバーの緊張感も高まり仕上げに向かって
おります。

来週日曜はお目にかかれると良いのですが。
皆でおがわじゅりさんを応援しましょう!

P.S.
この後23:00から「情熱大陸」で障害馬術の特集ですよ。
馬ファンの皆様お見逃しなく!

投稿者 モイラ : 2008年05月18日 23:06

>モイラさまへ
「情熱大陸」見ました〜お知らせありがとう!
>猫並さまへ
>歌舞伎では「宙乗り相勤めます」って書かれていて、見るたびにあの「つとめる」は違う意味なのかな?と気になって気になって仕方がありません

よくぞ訊いてくださいました。私が小説を書き始めたころはまだ歌舞伎の影響が強くて、役をつとめるを「勤める」と書いて校閲のチェックが入ったのですが、「務める」と書くことにはどうしても抵抗があって、いっそひらがなにしたのを想いだします。江戸時代には「勤」が一般的で「務」は使わなかったのかといえば別にそうでもありません。ただ今日のように厳密な使い分けはしておらず、歌舞伎の場合は出勤という言葉をよく使うので勢い「勤」の使用がメジャーになったものと思われます。漱石の小説なんかを読んでも今日から見ると文字表記はメチャメチャですしね。よく「一所懸命」が本当だとかいいますが、江戸時代の表記は「一生懸命」のほうが圧倒的に多かったりします。

>松井さんの小説を読んでいていつの間にか感情移入しているのは必ず若い男性です。
私は子どものころ小説を読んでいて、女性に感情移入した経験はほとんどなかったのです。女流作家の小説をあまり読まなかったせいもあるのでしょうが、というより女性に感情移入できないから女流作家の作品を敬遠してたのかも。比較的好きだったのは岡本かの子で、彼女の小説を読んでも感情移入する対象は必ず若い男性でした。

投稿者 今朝子 : 2008年05月19日 00:06

はじめまして。一ヶ月ほど前に、このブログのことを知り、拝読させていただいております。おもしろくて、そして、学ぶことも多くて、すぐに今朝子さまのファンになりました。早速「今朝子の晩ごはん」も購入、一気に読み終えました。知識豊富で、わかりやすくて、美しい言葉を使われる今朝子さまの大ファンになりました!!! これから、どんどん今朝子さまの作品を読ませていただきたいと思っております。
お願いしたいのは、このブログのスタート時からのものもすべてを読みたい!!! のです。ぜひ、実現よろしくお願いいたします。
これからも、楽しみに読ませていただきます。応援しております!!

投稿者 彩の女 : 2008年05月19日 13:12

>彩の女さまへ
ありがとうございます。「今朝子の晩ご飯」続編は今秋発刊の予定です。今後もよろしくお願いします!

投稿者 今朝子 : 2008年05月20日 00:18



2008年05月19日

すき焼き

 今日は夕方からスラッシュの事務所で「ミセス」のブックインタビューを受け、そのあと東京會舘で月刊『文藝春秋』の「同級生交歓」のグラビア撮影。私でも昔から知ってる名物グラビアページで、子どもの頃はよく、へ〜!この人とこの人は同級生なんだ〜てなノリで見ていたが、それに出るのだから年を取ったものであります(--);
で、その同級生であるクーちゃんことサントリーの久保田宣伝部長とユリちゃんこと翻訳家の香川由里子さん、文藝春秋編集者の幸脇(さいのわき)さん、文春広告部の菊池さん、クーちゃんの部下の堀田さんの計6名で赤坂にあるすき焼き料亭「よしはし」で会食。前回はお腹を壊して出席出来なかった内山さんが今回はなんとギックリ腰でまたまた欠席というので当然サカナにされて、学校の後輩でもある幸脇さんも実にらしい話を披露に及ばれた(笑)。堀田さんも見かけに似合わずドジらしくてしょっちゅうケガをなさってるんだそうで、「とにかくいつ見ても走ってんだよなあ〜。それもケータイを首と肩の間にはさんでツツツーと横走りしてんだから危なくてしょうがない」と上司の弁(笑)。
そのクーちゃんから話を聞いてモーレツに食べたくなったのは丹後半島の間人(たいざ)港で水揚げされる蟹だ。松葉蟹や越前蟹ずわい蟹と呼ばれるものと同種の蟹だが味の濃厚さが全然ほかのとは違うらしい。漁獲量が非常に少ないので幻の蟹と呼ばれているとかで、地元でも滅多に手に入らないが、クーちゃんの友人に舞鶴の名士がいて、以前は向こうに毎年訪れてご馳走になっていたそうである。
その話からやはりよく各地に出向かれている菊池さんに今まで食べたものの中で一番印象に残っているものを挙げてもらったら、「うーん。やっぱりマカオで食べたアイスクリームですかね」と意表をつく回答。味もさることながらビックリするほどカラフルなジェラートだったらしい。
今日わたしが聞いて、へ〜!と思ったのは最近三軒茶屋の交差点にも出来た巨大フィットネスクラブ「ティップネス」がなんとサントリー傘下の子会社だという話。前にハーゲンダッツが傘下だと聞いた以上のオドロキで、サントリー恐るべしである。たまたま三軒茶屋店の会員である菊池さんが「でも、確かサントリー以外のドリンクも置いてあったたような……」と言いだすと、クーちゃんが慌てて「ええっ、ホントォ!そんなはずないんだけどなあ、ホントだとするとまずいよー。おい、堀田、ちょっとそれ調べといてよ〜」と指示を飛ばすあたりはさすがに愛社精神が感じられました(笑)。


コメント(3)

よしはしはまだ東宮御所の近くですか
そうだとしたらそこは以前先代三津五郎さんが住んでいらした所です。御存知かもしれませんがーー。武智先生の事書いてくださって有難う御座います
私川口秀子の弟子でした。今朝子の晩御飯で大ファンになりました。これからも楽しみにしています。

投稿者 金子 かおる : 2008年05月20日 20:17

「よしはし」は東宮御所の近くです。
先代三津五郎さんとは、武智先生の盟友で、フグで亡くなられた八代目のことでしょうか。だとすると不思議なご縁を感じます。私の母の実家とも親しい方だったので。

投稿者 今朝子 : 2008年05月20日 22:46

そのとうりです。改築 移転していなければですが。私も三津五郎さんとのささやかなご縁で川口先生に入門させて頂きましたので三津五郎さん生前に何度か伺っております。今日東京に出ますのでこちらでは手に入らない今朝子様の御著書ゲットして参ります。楽しみ 楽しみ!

投稿者 金子かおる : 2008年05月21日 09:02



2008年05月20日

筑前煮、タコとトマトのマリネ、塩鮭ほか

夕方、読売新聞の科学部記者、野依英治氏が車で迎えに来てくださって上野の国立科学博物館で開催中の「ダーウィン」展をご案内戴いて、その後「進化論」をめぐるインタビューをお受けした。野依氏のご父君はノーベル化学賞を受賞なさった野依良治氏で、やはり顔も少し似てらっしゃるし、極めてソフトな感じで人の話をとても熱心に聞こうとなさるので、その点は話しやすくて助かったのであるが、何せこっちはまさか科学部の記者からインタビューを受けるとは思いも寄らない商売をしてるわけでして(笑)、なぜ私に白羽の矢が立ったのかといえば、ひとつはポプラ社の矢内さんから情報が入ったらしく、もう一方で生物学者の長谷川真理子先生からご推薦があったそうなのである。「長谷川先生とは一体どういうご縁で?」と車中で訊かれ、そもそも以前うちのTVが勝手に受信していた放送大学の講座を何度か見て面白かったので注目していたら、その先生がポプラ社の雑誌でマンガ家の萩尾望都さんとたまたま対談をなさると聞いて、聴講させてもらったのがきっかけでお付き合いが始まったことを想い出して、本当に人生は一体どんなご縁が何につながるかわからないなあ〜という気が改めてしたのでした。
で、閉館後の博物館で「ダーウィン展」見てまわったが、全体にパネルが多くてその内容は非常にマジメにかなり深く突っ込んだところまでダーウィンの進化論に迫っているのであるが、如何せん一般には地味で難しいかも?というのが正直な印象だ。ただ私にとって非常に嬉しかったのは、何といっても生きたガラパスゾウガメが巨大なガラスケースで展示されてたことで(笑)、どうやらお隣りの動物園から出張なさっているらしい。これで生きたイグアナも展示されていれば、もっと人気が出たのではなかろうか。
現代にダーウィンをどう再評価するかという難しい問いに、私なりの答えとして挙げたのはまずダーウィンが進化論を唱えた時代背景である。彼の進化論はマルサスの「人口論」がヒントになっているくらいで、産業革命直後の英国の状況と進化論は切っても切り離せない関係にあり、それゆえ適者生存の原理がいわゆる社会ダーウィニズムの悪しき温床ともなり得たことはダーウィン自身にとっては非常な不幸であった。要は近年のグローバリゼーションによる勝ち組負け組という発想の原点は当時に遡れるわけで、だからこそ当然進化論嫌いの人たちも出てくるわけなのだけれど、私にいわせれば、ダーウィンは人間が動物と共通の祖先を持つ生き物だという事実をキリスト教社会の中で勇気を持って発言した人であり、その意味では人類と自然の共生を意識的に提唱した人でもあるのだから、今日的にはそれこそが再評価されるべきではないか。などと適当に話をまとめにかかったのだけれど、野依氏はその後も実に熱心に私の今の仕事と進化論の関連づけや果ては人生観のようなものまでお訊きになって、ざっと1時間半近くお茶も飲まないで話し続け、帰りも自宅まで送ってくださった。
帰宅後近所で総菜をゲットして晩ご飯を食べながらTVで女子バレーの日本VSカザフスタン戦の第2セットを文字通り手に汗握る感じで見入ってしまった。柳本ジャパン3連勝おめでとう!栗原この調子でガンバッテ!




2008年05月21日

豚肉の鳴門煮

前にQPで見た料理。豚しゃぶしゃぶ肉を二枚つなげて薄力粉をうっすら振ってワカメを巻き、油で炒めてから水を加え酒、みりん、砂糖、醤油で味付けして煮込む。写真でおわかりの通り、うっかり煮詰め過ぎて(メール返信してたのが失敗(^^);危うく食べられなくなるところだったが、生ワカメを使ったので磯の香りがして美味しかった。好みで付け野菜に獅子唐を加えた。
夕方近所を散歩してたら、自転車をこぎながら犬を引いて、前のカゴに猿を乗せていたオバサンを目撃。キジはいませんでした(笑)。皆さん色んなものを連れて散歩してらっしゃるが、そういえばポニーを連れてたオジサンは、残念ながらその後お見かけしません。
米大統領選もついにオバマ候補の勝利宣言が出てしまったが、クリントン候補がまだ撤退宣言をできないのはたぶん周囲の事情もあるのだろう。諦めの悪い女と揶揄されようと、開き直るしかないと割り切って、闘い続ける精神的タフさ加減は、肉体的なそれと併せて、やっぱりアメリカ女性はスゴイ!としかいいようがない。
それにしても、タフネスという点では、毎晩連戦の柳本ジャパンもかなりイイ線いってるのです。今日もまた食事をしながらTV中継を見てしまったのはエース栗原が確実にパワーアップしてるし、接戦続きで面白いからなのだが、毎試合毎セット彼女たちには是非とも諦め悪く闘ってほしいものであります。とにかく4連勝おめでとう(^^)/


コメント(4)

犬と猿のオバサン、私も先週、遭遇しました!
歌舞伎友達が三軒茶屋に住んでて、一緒に「グッチーナ」も行った事があり、このブログを知って以来、ぜひ三茶巡りをしたく、土曜に友人とのランチを機会に実現したのです。メニューにバーニャ・カウダとピッツァ・マルゲリータが登場する度に食べたかったので、お昼は当然「イル・ピッツァイオーロ」。その後、友人お勧めのマメヒコを教わり、去年の今頃、ブログに登場した天台宗の護摩をたいて祈祷していたお堂が気になってたのですが、探し当てたら、なんと目青不動!昔、ハマッた「虚無への供物」に出て来た目青不動と知って、感激。その前日は目白を歩いた後、本屋で立ち読みしたエッセイに「虚無への供物」が出て来たのも、何かの縁か……。レトロ喫茶「セブン」は分らなかったものの(後に友人が発見、報告がありました)、満足して、友人と別れてから、夕方5時頃、最後のチェック・ポイント、烏山川緑道へ。ポニーのオジサンやカメのオバアサンはいないだろうけど……と思いながら、歩いてたら、犬猿のオバサンと会ったのです。超小型の猿はリスザルと言い、人間なら90才を過ぎて目が見えないそうですが、キーキー鳴いてて、私の肩に乗りたがり、猿は女性ばかり攻撃すると、最近TVで見たので、少しコワかったですが、事もなくホッ。予想以上の収穫に大満足の三茶巡りでした。
と、書いていたら、まるでストーカーみたいで気が引けますが、地図と街歩きが大好きで、今までも浅草から土手堤伝いに吉原大門〜投込寺〜三ノ輪コースを歩き、途中で「泪橋」を発見。ジョーや段平が住んでたのは、ここだったのか!と感動したり、イギリスではジョージ・ハリスン巡り、パリではジェラール・フィリップ巡り、と思い入れが強くなると、その足跡をたどりたくなるらしいです。
ポニーやカメが散歩してる位なので、猿でも驚かなかったものの、やはり犬と猿は仲が悪いそうでした。

投稿者 ウサコの母 : 2008年05月21日 23:43

30年前に三茶に引っ越して、目青不動を見つけたときは、ああ!私まるで「虚無への供物」しちゃってる……と思ったもんです。なぜなら引っ越す前に住んでた場所が目白だったので(笑)。

投稿者 今朝子 : 2008年05月22日 00:11

「今朝子の晩ごはん」でファンになり、遅ればせながら「吉原手引草」で大感激し、今「そろそろ旅に」を読んでおります。面白くて寝不足になって大変です!これから楽しみながら今までの作品を読ませていただきます。
ところで「ペットと散歩」ですが、私は新潟市在住ですが、近所に「改造した乳母車にオカメインコのふくちゃんを乗せて散歩」している方がいます。なかなか強烈です。以下に記事も載っております。http://www.assh.ne.jp/backnumber/index.html
ちなみに私はこのフリーペーパーの編集を受けております。この取材はとてもとても面白かったです。

投稿者 ちえこ : 2008年05月22日 10:44

記事見ました。確かにインパクトのある方です。ブルドッグのオジサマも似てました(笑)

投稿者 今朝子 : 2008年05月23日 01:19



2008年05月23日

鮑ご飯、鶏ささみとコンニャクの和え物、トマトと生ハムとルッコラのサラダほか

鮑ご飯は某社のお歳暮?でもらったキットで作った。和え物は近所のスーパーに置いてあったレシピで作る。鶏ささみとコンニャクは茹でてからほぐし身と薄切りにして長ネギとミョウガの千切りと和え、梅肉と昆布茶とみりんを合わせたタレで食す。さっぱりした夏向きの和え物でメタボを気にされる方にもオススメだ。久々に米朝事務所の大島さんとスラッシュの守部さんと一緒に会食。私もそれなりに忙しいことは忙しいのだけれど、大島さんは超ご多忙で近所にいても滅多に会えない。昔から色んな仕事をしてる人でもあるのだが、今日聞いて面白かったのは30年ほど前にコンパニオンの斡旋業に携わっていたときのお話だった。
「皇室関係のパーティでは色パッチがあるんだよ」と聞かされても最初は何のことだか全然わからなかった。今はどうなってるかわからないとしながらも、当時はパーティに出るボーイやウエイトレスほか接待係はみんな肌の色の白い人に限られていたそうである。で、ちゃんと色見本まであって検査を受けたというからオドロキである。「それってサベツじゃないの……」と守部さん。もちろんあきらかにサベツなんですけど(笑)、その基準がイマイチ意味不明で面白い。まあ、インドやアフリカ系諸国でも肌の色は白いほうが高貴とされるのだという話は本か何かで読んだことがあるし、日本でも昔から「色の白いは七難隠す」というたとえもあるからそうなんだろうけど、色見本まであったというのはやっぱり笑える。私なんか地グロだから一発でハネられたでしょうけど、当時それでハネられた人はどう思ったんだろうとか、ひょっとして今でもそんなことをしてるんだろうか?とか、色んな興味が湧くお話でした。




2008年05月23日

ピーマンの肉詰め、めざし

ピーマンの肉詰めは色んなレシピがあるだろうが、私はピーマンを丸ごと使って中に豚挽肉とタマネギのみじん切りを混ぜたタネを入れて、フライパンで表面を軽く焼いてからコンソメスープで煮込み、ケチャップとウスターソースで味付けする。
またしても女子バレーボールの試合を見ながら食事。今日の日韓戦は意外と負ける気がしない試合運びでオリンピック出場を決定した。柳本ジャパン、ひとまずおめでとう!北京でもよろしく!
 ところで昨日カメ♀が珍しく植木鉢をひっくり返すなどしして大暴れだったから、産卵後のカルシウム不足でヒステリーでも起こしたのかと思ったら、今日なんとまた卵を2個も産んで!!!まだ産み足りない感じなのに、カメ♂の馬鹿めがそばに寄って前足を噛んだりして邪魔するので、とうとうイキムのを止めてしまった。今日産んだのはたぶん先月産み残した分だと思うが、2個目の卵は異常に大きくて、巧く産みきれずに途中で割れてしまったほどである。先月3個産んで、今日また2個、お腹にあと何個残ってるのだろうか(--); 先月末に産んでからこんなに間が空いたのは、きっと途中すごく寒い日があったから、変温動物の哀しさで血流や何かが悪くなってしまったのだろうと思う。寒い期間はもちろん室内にいて、ホットカーペットの上で寝てたり、ストーブにあたったりしてたけど、やはり気温そのものが上昇しないと産卵には至らないのだろう。明日また気温が下がりそうだから、出産はまたお預けになるのだろうか。一体いつちゃんと産み終えるのだろう。ああ、異常気象の被害者ともいうべき、気の毒なカメ♀なのであります。


コメント(2)

全日本女子おめでとう! 正座してTV観てました(無意味なのですが、何となく)。選手それぞれにいろんなものを背負ってコートに立っている・・・そのことを知った上で試合を見た方が、観客も感情移入しやすいのでしょうが(通しで観た後に見取りで観る感じ?)、“そっとしといてあげたら”とも思います。大事な言葉は、それを伝えるべき相手に一番早く伝えるものだと思うので。でも、とりあえず北京確定、ばんじゃーい!!\(^▽^)/

投稿者 ふみ : 2008年05月23日 22:24

はじめまして。本日の日経新聞(夕刊)の『「常識」の話』を拝読した者です。名前につきましては、コメントが表示された場合、ちょっと困りますので、恐れ入りますが控えさせてください。コメントの内容としましても、このホームページの記事内容に対応するものではないことをご容赦ください(本来ですと、メールでお送くりしたかったのですが、先生のメールアドレスが見当たりませんでしたので、この「コメント」欄に記載させていただきました)。                日経の『「常識」の話』で、「常識」と「コモンセンス」との対応関係について、書かれていらっしゃいましたが、「常識」という日本語は、どちらかといいますと、共同社会での「共通の知識」「共通の行動・ふるまい・思考パターン」といった、「知識」や「型・形式」に重点を置いた意味で使われることが多いのではないのでしょうか。したがいまして、「コモンセンス」の訳語としては、先生も書かれていましたように「分別」といった点に重点を置いた「思慮を働かせる、知恵」という意味での『良識』という日本語のほうがふさわしいと思われます。「常識」に対応する英語として、「common sense」 とともに、「common knowledge」ともあります。日本語の「常識」には、この「common knowledge」のほうが、近いと思われます。僭越なことを申し上げて、失礼いたしました。

投稿者 日経読者 : 2008年05月23日 23:23



2008年05月24日

塩鮭、青菜と空豆の山芋和え

和え物はQPで見た料理。2種類の青菜(小松菜と山東菜を使ったがほかのものでもOK)と空豆を茹でてすり下ろした山芋で和えて醤油で味をつけるだけ。作るのは別にどうってことないが、あんまり思いつかないので、おもてなし料理にいいかも。
 今日の女子バレーボールの対戦相手はタイだったので、昨日の試合の調子からしたら楽勝?と見て、サッカーに浮気してしまい(途中ちらちら見たら全然そうじゃなくて大苦戦してて心配したが)、キリンカップ親善試合のコートジボアール戦を見ながら食事。日本も結構よく走れるし、カラダを張ってアグレッシブなプレ-ができるようになったんだ〜と思いながら見てたら、早くも前半20分くらいでゴールを決めてくれた。後半は押されっぱなしでひやひやするも、なんとか守りきってめでたし!というところでチャンネルを切り替えたら、なんとバレーはフルセットにもつれ込んでいて、こちらも辛勝してほっとひと息である。
ところで雨が降るとピッチは滑りやすくなるようだが、明日の朝は土砂降りが予想されるなかで、私が見に行くオークスの芝生はどうなんだろう?コンクリートが濡れてたりすると馬はよく滑るので危ないのだけど、まさか芝生で滑る!なんてことはないんでしょうねえ(笑)。


コメント(3)

日経夕刊の貴稿 欠かさず拝見しています。先日の常識について 私も拙い文をブログに載せています。ご披見賜れば幸甚

http://plaza.rakuten.co.jp/camphorac/diary/200805250000/

http://plaza.rakuten.co.jp/camphorac/diary/200705180000/

ご実家の方へは、随分昔 人に連れて行ってもらった事があります。

投稿者 柳居子 : 2008年05月25日 10:08

滑りますよ、芝生。馬事公苑の芝馬場で雨だと凄く怖かった記憶があります。確か、全日本の大障害で雨天だと転倒続出だったような。松井さんもジムカーナなどに出場されると怖い思いをなさるかもしれません!
競馬は確か、天候によって蹄鉄を替えてたような。
馬券、取れましたか?(^。^)

投稿者 猫並 : 2008年05月25日 18:05

乗馬クラブのフロント前で、レッスン参加者名のディスプレイを見ていたSさんが「あれ?松井さんが来ていない」と大きな声で言うので、何かあったのかと、このブログを覗いたら、なぁんだという事になりました。
日曜日は馬の日という、松井さんのライフサイクルである事には違いありませんね。
そうだ、来週末はお仕事でしたね。
馬に乗りたい病になりませんように.....。

投稿者 M : 2008年05月25日 21:11



2008年05月25日

オークス

けさは土砂降りの中をまずはタクシーで新宿西口に向かい、そこでJRAの送迎バスに乗り込んだ。バスは3台仕立てで乗客は9割がた女性だった。なにせオークスだからか招待客は全員女性で、同伴が1名までOKだから男性の姿がちらほら見えるも、大方の人が女性を誘ったらしい。かくいう私もこの話に頗る興味を示された幻冬舎のヒメをお誘いしたのだった。
バスの各自の席にスポーツ新聞が一部ずつ置いてあって、しかもヒメと私の席とでは違う新聞だったから、恐らく全紙が取りそろえてあるのだろう。早くも念の入ったもてなしぶりに感心しつつ、車中で新聞の予想を見ると、評論家各位の推す馬が全く違っているので、どうやら今年のオークスは混戦模様とおぼしく、おまけに土砂降りで超重馬場が想像されて、これは何が来るかわからんね〜と言ってるうちに到着。
バスを降りてすぐに「松井さん、どうも」と声をかけられたのは横浜動物園ズーラシア園長の増井光子さんで、するとこの招待は増井園長のおかげなんだろうか?と思ったりもするが、乗馬のほうでは名高い方でも、JRAとの関係は不明のまま、ともあれメインスタンドの横にあるメモリアルスタンドに向かう。
するとエントランスでまた後ろからまた「松井さん」と声がかかった。振り向いたら、毎日新聞文芸部記者の内藤さんなので、お互い顔を見合わせ、ええっ!なんでこんなところで〜!!てなことがとてもよく起きるので、人間やっぱり悪いことはできないなあと思う今日この頃であります(笑)。内藤さんは脚本家の羽田野さんや、NHK朝ドラ『風見鶏』のヒロインだった新井晴みさんらとご一緒で、私たちもテーブルに誘われて競馬の合間に歓談を楽しませてもらった。
 メモリアルスタンドは7階建てのビルで、私たちが通された最上階はホテル並の設備が整い、ベランダに出ると馬場のコースが一望できる。想像をはるかに超えた広さに目を奪われ、芝生の緑に酔いしれながら、競馬は5レースからメインの11Rまで見届けることができた。ビルの真下は芝の直線コースで、馬がドドドーッと驀進する音はもちろんのこと鞭がピシピシ鳴る音まで7階にいて聞こえるのにはビックリだった。
 途中で一度地下に降り、レース前後の馬たちが行き交う地下通路を延々と歩いてパドックを見学。通路で汗びっしょりの馬にすれ違ったり、パドックであきらかにチャカつく馬を間近に見られたのが非常に面白かった。乗馬クラブで馬は見馴れているとはいえ、現役の競走馬のカラダはさすがに引き締まっているし、脚が異常なまでに細いのには驚いてしまい、ガラス細工のようだといわれる所以を納得する。
 各自のテーブルには競馬専門紙も各種用意され、JRA職員の方は馬券の購入方法を懇切丁寧に教えてくださるし、TVの競馬評論家まで現れて予想をご披露なさるので、皆さんこれはもう買わないわけにはいかず、私も少額ながら各レースいろいろ買って、3連複(1〜3着を順不同で当てる)に執着するも、これはことごとく外してしまい、無難な複勝でそこそこ取りもどして赤字を少なく抑えたかっこうだ。3着内のうち2着までは当たっても、3着全部を当てるのは意外と難しいものだというのを実感した。で、メインレースもトールポピーとレジネッタの1着3着は順当に当てたにもかかわらず、2着に各紙無印のエフティマイアが来るなんて思いもよりませんでした(--);
私は初めて参加したからだろうと思うが、JRAの会長や副会長までわざわざご挨拶にいらっしゃるし、広報の方にも「松井さんのブログはよく読ませてもらってます」といわれたりして、今回のご招待はそれが理由なの?と思いながら改めて訊くのも憚られて、結局はわからなかった。ともあれホテルのビュッフェスタイルで昼食やデザートがふんだんに振る舞われたし、帰りには豪華なお土産まで頂戴するという、なんともオイシイ〜!!としかいいようのない1日で、他の大勢のリピーターが朝の悪天候にもめげずに参加なさった理由は実によくわかったのであります(笑)。TVでよく顔をお見かけする女性も沢山いて、むろんJRA側はその宣伝効果も狙ってはいるのだろうけれど、それにしても何故ここまでに至れり尽くせりのイベントなのかはナゾのまま、再びバスに乗り込んで、「うーん。これはやっぱ馬の本を作らないといけませんかねえ」と呟いたヒメでした(笑)。
写真上段は7階から見た全景だが左右は見切れてしまっている。中段は地下通路で、すれ違った馬は余りにも早くて巧く写せなかった。下段は入場を先導する馬とのツーショットを内藤さんに撮って戴きました(^^)/


コメント(2)

なんと貴重なご体験、さぞかし刺激的だったのでは?
こうなったらJRA関連の本、雑誌に寄稿するしか
ありませんね!(笑)

あとはやっぱり「今朝子の馬日記」でしょうか。。

今後のご発展や如何に!?

投稿者 モイラ : 2008年05月25日 22:43

Mさんともども来週のカドリール頑張ってください!

投稿者 今朝子 : 2008年05月26日 00:47



2008年05月25日

オークス

写真は上段が8R前のパドック。中段が11Rオークス出走前のゲート。下段が11Rの直線コース。ゲートは可動式で、オークスは2400mの長距離レースだからゲートがちょうど私たちが見ている場所の真下の直線コースに設置され、ゲート入りの様子もしっかり見られました。




2008年05月26日

新じゃがとトマトのカレー煮込み

だいぶ前にQPで見た料理を想い出して作ったのでレシピは適当なオリジナル。タマネギのみじん切りを甘みが出るまで炒め、さらにニンニクとカレー粉を炒め合わせ、そこにトマトとソーセージ、新じゃが、白ワイン少々を加えてじっくりと煮込む。新じゃがは皮が付いたまま輪切りにして、そのままだと水っぽいので、あらかじめ素揚げしておくのがQPの教えたポイントだったと思う。
食事しながらNHKの「クローズアップ現代」でバングラデシュの海面上昇やアメリカ南東部の干ばつなど、いずれも地球温暖化による深刻な水不足の現状を見たために、おかしな話だが食後の洗い物でいつもと同じように水を出しっぱなしにするのは気が咎めてしまった。水はここで使わなかったからといって簡単に他へまわせるものでもないのだけれど、日本で暮らしていると、水のありがたさをついつい忘れるようなところがある。それでも飲料水を買うのがごく当たり前になったという点は昔とは大違いで、私が子供の頃は、わが家にお客様用のエビアンが置いてあっても、まだ、西洋人が日常的に水を買って飲むらしいと知れば、へぇ〜!てな感じっだのを憶えています。思えば当時はまだ祇園町でも井戸水が美味しく飲めた時代で、水道はカルキ臭くて飲めなくても、井戸水ならOKだったのが、いつの間にか井戸水は飲んじゃいけないことになったみたいで、何処でもしらずしらず大地が汚されていったのでしょう。温暖化の話も、蓋を開けたらすでに世界の各地でもはや深刻な事態になっていたわけで、こうしてる間にも色んな場所で取り返しのつかない事態が徐々に進行してるとしたらぞっとします(--);


コメント(2)

突然のメールで、失礼ですが。。。

私は、7年程前に祇園 川上の板場でお世話になっていました、さとみです。 現在は、フランスのド田舎で料理の勉強を続けているのですが、両親が、今朝子さんの本を時々送ってくれるようになり、拝読させていただいています。 ブログも拝見して、なんだか京都が懐かしく、嬉しくなり、この様なメールを送らせていただきます。  パリのジュンク堂でも、今朝子さんの本が販売されていたので、今度また別の本を買って、読ませて戴きたいと思っています。フランス語だけの暮らしで、すっかり、読書が趣味になってしまいました。

投稿者 川村 聡美 : 2008年05月27日 05:49

わぁー、懐かしい!京都ホテルオークラでお目にかかったのは何年前でしょう?あれからもずっとフランス料理の勉強を続けてらっしゃるんですね。えらいなあ……。
それにしてもネット社会は本当にグローバルですね。私が去年書いた『吉原手引草』もフランスで翻訳出版される予定で、来年はフランスと日本の同時出版による『京都小説』という他の作家とのアンソロジーも出るはすなので、できればそちらに行ってみたいと思ってます。またお目にかかれたらいいですね。

投稿者 今朝子 : 2008年05月27日 08:16



2008年05月27日

今日は午後からNHKで「邦楽の楽しみ」の収録。毎土曜AM9:00〜10:00に放送されるラジオ番組で6月のパーソナリティーを引き受けることになり、30分番組とはいえ4回分を一気に収録したのでさすがに疲れてしまった(--);「明治の邦楽ルネサンス」と称するシリーズで、第1回は「劇場音楽の文明開化」と題して長唄の『鏡獅子』と『島の千歳』を、第2回は「明治に完成した江戸音楽」と題して、清元の『三千歳』と『隅田川』を、第3回は「明治のアイドル・娘義太夫」と題して『弁慶上使』と『野崎村』を、第4回は「新日本音楽の誕生」と題して箏曲『水の変態』と尺八本曲『石清水』を聴かせるというものだが、なにせ司会者もいなくて、私が独りで自己紹介に始まり、曲目と演奏者の紹介もした上で、曲の合間にそれなりの蘊蓄も傾けなくてはならず、4回分をまとめてしゃべるとなると頭がごちゃごちゃしてくるし、ちょっとでも集中力が切れるとロレツがまわらなくなるので参ったのだけれど、担当ディレクターはバッチリです!というばかりで、収録のやり直しをほとんどしなかったので、こっちとしてはもう、あとは野となれ山となれで(--);まあ、なにぶん素人ですから大目に見てくださいと申すほかありません。とにかく独りに任せっきりの超低予算番組のようで、過去の例を知るかぎりではパーソナリティーも邦楽とはおよそ無縁そうな方ばかりだし、私なんかまだマシなほうだったので取り直しがなかったのでしょう。
ともあれ取り直しがなかった分、思ったよりずっと早く済んでしまったために、そのあと新国立劇場で観劇の予定を組んでいた私は時間が余ってしまい、とはいえ帰宅して一仕事するほどの余裕もなく、というわけで前から気になっていた「美登利寿司」の渋谷店で早めの夕食を取ることにした。梅ヶ丘に本店を構えるこの店は渋谷のマークシティーに進出しているのだが、その前を通るといつもズラ〜〜と長い行列ができていて、何がそんなに人を惹きつけるんだろう?と常づね不思議に思われ、暇つぶしに覗いてみたのだけれど、うーん、まあ、安いっちゃ安いけど、「寿司清」なんかとどれほどの違いがあるのかはわかんないな〜、鮨飯がちょい甘めで柔らかすぎる気がするけど、それが却ってウケてるんだろうか?とも考えながら、つまるところ、日ごろ行列に並ばないような人間には、行列の出来る店の良さなんてわかるわけがないんだよな〜という結論に達したのでした(笑)。
 新国立劇場で見たのは木下順二の名作『オットーと呼ばれる日本人』で、戯曲は若い頃に読んでいるけれど、上演未見のために今回に臨み、これまた、う〜ん、困った……という感じで、亡き木下先生がご覧になったら愕然となさるか、激怒なさったもしれない。生前なら許されない演出だろうと思う。
これはゾルゲ事件を扱った作品だけに、劇中にはソルゲを始め事件に関わった外国人が多数登場するのだが、木下戯曲はそれらの外国人も日本語を話しているのに、今回はそれを敢えて英語に替えているので、舞台に巨大な字幕スーパーが出ても、戯曲のセリフが意図する観念的ものが全くこちらに伝わってこないのである。その外国人も本格的な舞台俳優が演じるならともかく、半プロの外タレ演技だから本当に困ってしまう。初演時は清水将夫や北林谷栄といった名優が演じて、尾崎秀実役の滝沢修と拮抗するようにちゃんと書かれた役だけに、今回の上演はあまりにも酷いとしかいいようがない。社会主義と民族主義の狭間で揺れた尾崎秀実という複雑な人物を通して日本人のアイデンティーそのものを問うた極めてスケールの大きい戯曲であり、しかもセリフの端々に今日的意味をしっかり汲み取れて普遍性もある作品だけに、何よりも鵜山仁演出の責任が問われるべきだろう。


コメント(2)

美登里すし梅が丘店行きましたがなんで並んでまで食べる店なのかさっぱりわかりませんでした。
ところでまさかまさか本日(28日)銀座にいらしゃりませんでしたか?午後に福屋書店で日曜日ひきこもり用に今朝子本をゲットすべく歩いていたらお写真に似た方とすれ違いました。まさかとは思いますがーーー。
本は無事ゲット!最近今朝子様のお蔭でびんつけと白粉の匂いにひたっております。

投稿者 金子 かおることねこかおる : 2008年05月28日 20:46

>本日(28日)銀座にいらしゃりませんでしたか?

今日は1日家で原稿を書いてました(笑)。

投稿者 今朝子 : 2008年05月28日 22:26



2008年05月28日

天津丼

 QPで見たので作ったが、今までよく作っていた芙蓉蟹とそんなに変わらなかった。長ネギ、筍、椎茸の順にじっくり炒めて具を作り、熱いうちに溶き卵へ入れ蟹のほぐし身をプラスして、熱く熱したフライパンで焼くのがポイント。椎茸を入れた時点で塩を振ると、少ない油でしんなりさせられる。甘酢ダレもあらかじめ用意して、ふつうより硬めにトロミをつける。
例の「船場吉兆」がとうとう廃業に至った件に関して、京都の妹は「80人ほどの従業員が可哀想」というメールをよこしたが、まあ、料理屋に生まれた娘がこの問題に関心が高いのは当然とはいえ、NHKの7時のニュースでもまたしても大きく取りあげていたのはちょっと解せない。中国側が四川大地震被害者の救援物資搬送に自衛隊機を受け入れるかもしれないというニュースと、国家公務員制度改革法案がようやく今国会で成立する見通しがついたというニュースの間に、一料理屋の廃業という出来事が挟まっているのはどうにも違和感があって、鼎(かなえ)の軽重が違い過ぎるように思われる。民放のヤジウマ的ワイドショーならばともかくも、NHKの7時のニュースが吉兆問題をやたらに大きく取りあげることについては以前から???だったのだけれど、今日に至ってはやっぱりどうかしてるというか、NHKのポピュリズム(大衆迎合主義)ここに極まれりの感を新たにした。世界的にみて、現在もっときちんと取りあげるべきニュースは他にいくらもあるだろうにと思う。
 もちろん民放も含めてだが、近ごろのTVはニュースに限らず大方の番組において視聴者を舐めてるのか、あるいは国民を痴呆化する計画に加担してるつもりか、はたまた制作の連中が単にアホ揃いなだけなのかは知らず、この分だと気の利いた人びとから見捨てられるのは必至で、いや、もう見捨てられてるからこそ、ますます自滅に向かってるような気がしてならない。その昔、ある雑誌の編集者をしてた友人が「雑誌は読者をバカにすればするほど売れる」と豪語した編集長の話を聞かせてくれた憶えがあるが、長い目で見てそれがどういう結末に導かれたのかは申すまでもありません(--);


コメント(3)

松井さん、偶々本日拝読。我が家にはテレビがありません。見なくて困った、損をしたと思ったことはありません。NHKも含め製作者は、自分たちは賢く、見ている人はバカだと信じている御目出度い人々だと、私は思っています。さて、話し代わって、松井さんの益々のご活躍期待しております。

投稿者 にしかわ : 2008年05月29日 00:35

楽しみに毎日拝読しています。NHKひどいです。単に製作の連中がアホ揃いだというだけではない!上に気骨のある人間がいなくなってしまったとは退職した先輩方の心配と嘆きであると聞きました。ラジオも油断なりません、ある日突然楽しみにしていた内橋克人氏の解説番組が某日の丸迎合氏にどうも替えられた気配。80代のじじ友連は日本がこのままずるずるとヘンな方向にいくのではと心底心配しています。アホ番組を口を開けて見ている場合ではない、楽しい投稿中心のホンワカラジオ番組に目(耳)眩ましされていては危ないなと感じています。

投稿者 RYO : 2008年05月29日 09:17

ここアメリカでもNHKのニュースを見ていますが
その内容に私も時々不満を感じています。
今毎日のように報道されている女性不明事件も
その一つです。あの異常な事件の細かい内容や
犯人の映像が何度も繰り返し放送されるので
嫌でもそれらが頭にこびりつきそうで
吐き気がします。人や社会はどんなに残酷な事件でも
それを何度も見ることによって、じょじょに
それに慣れ感覚が麻痺していくそうです。
あのような刺激的なニュースを毎日目にし、
耳にして育つ若者達の将来が特に気になります。

投稿者 まりこ : 2008年05月30日 02:30



2008年05月29日

鰹の塩たたき、小松菜と油揚げの煮浸し

 塩たたきはQPで見た料理。鰹のサクに粗塩を大目にまぶしてフライパンで焼くだけ。水に取らず熱いままで盛りつけてOK。新タマネギのスライスを敷いて、ニンニクの薄切り、小ネギを添え、レモン汁を絞って食す。簡単にできるのでオススメ。
最近のTV番組を昨日さんざん批判して、賛同のご投稿も頂戴しながら、今日は6/1
にBS2で放送される「おーい、ニッポン」の物凄く分厚い台本が事務所に届いており(苦笑)、食事後にざっと目を通してボーゼンとした。6時間もの生撮りはさすがに長くて大変そうだし、どうやらゲスト4人に万遍なく話を振るみたいだから、ド素人の私もプロの方々に混じってそこそこ喋らなくてはならないらしい。でもって、現地の中継が色々と挟まる複雑な構成だし、リハーサル全くなしで、6時間ものあいだ集中して、その場その場の状況や段取りを果たして呑み込めるかどうか、私はゼンゼン自信がありません(--);
そもそも作家という人種は物事をじっくり考えられても、頭のフットワークがいいというタイプでは決してないから、TVとかに出るとワリを喰うのは必至なのだが、それにしてもあんまりバカみたいな映り方をするのはご勘弁願いたいものである。安請け合いで失敗した!と今さら後悔してもあとの祭りだし、私は別にタレントでもないわけだし、放送はその場で流れて消えてしまうから、まっ、イッカ〜と思い定めたところで母親からメールが来て、現地で空中撮影をする飛行船がわが実家の上空を飛ぶときに屋根で青と黄色のタオルを振ってほしいという要請がNHKから来たというからビックリ!幸せの……でしょうか(笑)


コメント(1)

日曜日のおーいニッポン、楽しみにしています。
当日、私達のカドリール発表会で、ライブで見られないのが本当に残念ですが、しっかりビデオに撮らせて頂きます。
松井さんの御両親までご出演って事になるのでしょうか?
NHKらしい演出のようにも思いますが、幸せの.....素敵な親孝行になりますね。

飛行船ツェッペリン号で金閣、清水寺、二条城などの世界遺産をパノラマで映し出すようで、素晴らしい映像も楽しみ、松井さんが、津川雅彦さんや、ギャル曽根さんとどう絡むかも楽しみです。
天候に恵まれます事をお祈ります。

投稿者 M : 2008年05月31日 02:17



2008年05月30日

カレー鍋

スラッシュの守部さんと三茶の名画座で遅ればせながら「エリザベス・ゴールデン・エイジ」を見た帰りに食事。カレー鍋は三茶の名物になってるみたいだから、一度食べてみたかったのだけれど、いつも満員で今日ようやくトライ。そば屋のカレーうどんの汁をベースにして、色んな肉や野菜を煮て食べる感じで、具で目新しいのはレタスくらいだろうか。値段はリーズナブルだし、別にまずくはないが、途中で飽きるから一度食べたら十分。やはり若い人向きだろう。
「エリザベス〜」は泰西絵画がそのまま動きだしたような映像美で、期待に違わぬゴージャスなコスチュームプレイが堪能できた。主演ケイト・ブランシェットの演技は圧巻の一語に尽きる。ただしストーリーは想像した以上にウエルメイドなメロドラマで、ちょっと物足りない感じがしなくもなかった。そもそも英国のエリザベス映画は日本の忠臣蔵みたいな感じで色んなバージョンを見せられているが、今回のエリザベスは最もふつうの女性っぽく描かれていた気がするし、ケイト・ブランシェットも歴代女優の中では一番可愛らしく見える。ただしその分メアリー・スチュアートを陥れる陰謀の件がイマイチわかりにくくなっている憾みはある一方で、スペイン艦隊との海戦シーンなどスペクタクルをたっぷり盛り込んでエンターテインメントな仕上がりにしている。
またこれは映画の内容とは関係なく、エリザベスと恋人のウォーターローリー卿が馬で遠乗りするシーンで、ブランシェットが吹き替えなしにサイドサドル(横乗り)でかなり速い駈歩をするのにはすっかり感心してしまいました。


コメント(2)

今朝子さま

ケイトブランシェット素敵でしたよね!
ローリー卿もなかなかいい男ぶりだったし。

帆船大好きの私にはガレー船の帆船シーンに大興奮!
でしたが、もう少し政治的背景とか堀りこんで欲しかった
な、と残念。

このあたり、カトリックとプロテスタントの戦いとか
スペイン大帝国と新興国イングランドの戦いとか
女帝同士の戦いとか、かなり深みがあって面白いです。

私が脚本書いたらもっと面白くできるぞ〜と思いつつ
観たものでした。

投稿者 モイラ : 2008年05月31日 01:14

今朝子さま
本日のコラム内容とはズレてしまいますが、私は昨日、丸の内界隈で現在展示されている、坂田栄一郎写真展を見てきました。私は坂田さんの表紙写真のために20年間、毎週アエラを買っているようなものなので、至福のひとときでした。
坂田さんの表紙に150円、現代の肖像に100円を払ってるつもりなので、あとの記事はトータルで110円の価値があれば充分です。最近は姜尚中まで執筆していて、これはもう私には200円の価値ありなので、あっさり定価をクリアしちゃってます。
時間が無くて、とても全エリアは見れませんでしたが、行幸地下ギャラリーは年毎にピックアップされた人を拡大パネルにしてあって、20年近く前の片岡孝夫がまだ片岡孝夫として出ていて、大満足でした。
と、見ていくうちに、あの湯木貞一もありました。
ああこの人が伝説の料理人なんだと、しみじみ拝見しました。
当然ですが、囁き女将と面差しが似てますね。

投稿者 虎ファン : 2008年05月31日 10:54



2008年05月31日

塩豚挽肉とキャベツのスープ

前にQPで見た料理。豚挽肉に塩と粗挽き黒胡椒をたっぷりきかせてラップに包んで2〜3日置いておく。キャベツを少量の水で蒸し煮にしてから用意しておいた塩豚挽肉を少しずつちぎって入れ、酒を足して煮込めばOK。皮なしの粗挽きソーセージといった感じで旨みがあるし、すぐに食べられないのがザンネンだけれど、用意もその後の調理も実に簡単にできる。ほかの野菜を使ってもいいし、炒め物にもいけるし、とても使い勝手がいいので塩豚挽肉は絶対オススメです!
今日はもう寒くてたまらず、ストーブを入れたら、どこからともなく2匹のカメが忍び寄ってそばを離れなかった(笑)。明日の気温はいっきに10度もあがるそうだから、カメも人もついていけません(--);それに明日は梅雨入り前の最後のお洗濯日和だというのに、朝9時から午後6時過ぎまでNHKにカンヅメになるのだからたまりません。ああ、乗馬も2週連続で休んじゃうし。カドリール見たっかったのに……。


コメント(1)

大丈夫!
MさんがVTR取ってくれますって。

記念写真も撮るし、あとでゆっくりご覧になって
ください。

今日は泥たんぼみたいな、最悪のコンディションの馬場
でしたが、皆でしっかり最後の確認をしました。

頑張ってきます。(^^)V

投稿者 モイラ : 2008年06月01日 01:31