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2008年02月01日

豚の味噌漬け

 昨日のQPで見た料理。赤味噌、酒、みりん、ハチミツを併せた味噌床に豚ロース肉をひと晩漬け込んで焼いた。同じ味噌床に長芋を漬け込んで、これは生のまま付け野菜に。ラップを使えば少量で済む。焦がさないように、味噌をしっかりと拭き取って弱火でじっくり焼くのがポイント。
昼過ぎに広尾の中央図書館に行って調べ物をしたのは自分の小説ためではない。
去年の暮れに集英社の伊藤さんからお電話で文庫の解説を依頼され、最初はきっぱりとお断りした。私は原則的に他人様の書評と解説はご遠慮していて、これは引き受けだすとキリがないためであるが、これまで例外として戸板康二全集の解説を引き受けたのは、恐らく今日の現役作家で生前の著者にお目にかかっている人はほとんどいないはずだし、私が依頼されるのは当然かもしれないと思えたからだ。で、伊藤さんにもその旨を申し上げたのだけれど、「ああ、残念です。阿刀田先生もきっと松井さんなら面白いものを書いてくれるんじゃないかと、仰言ってらしたんですが……」といわれて「ええっ、もう御本人に私の名前を出しちゃったの! ならお引き受けしないわけにはいかないじゃない」てなわけで文庫版阿刀田高傑作短編集の解説にも名を連ねるはめになった。
もっとも阿刀田さんの本は昔から好きでよく読んでいたのは確かで、そもそも前に伊藤さんにもその話をしたのがいけなかったのだけれど、なにせ相手は文芸界きっての博識碩学だから、解説となればこれが実に厄介である。
 全5巻すべて女流作家の解説付きで、それぞれ1巻ずつ「ミステリー」とか「ホラー」とかのくくりになっているのだが、こちらにふられたのはおまけに「ペダンチック」だから、そりゃあなた殺生な〜といいたくもなります(笑)。 
ああ、これはきっとあの本の引用だろうなあと思っても、書くとなれば一応確認しておかないわけにはいかないし、私は阿刀田さんのような膨大な蔵書があるわけでもないので、広尾にまで足を伸ばすことになってしまい、行ったら行ったで自分の仕事をそっちのけで図書館の闇に引きずり込まれ、結局帰るころは真っ暗でした。
そんなわけで、編集者の皆さま、やっぱり私には文庫の解説を依頼しないほうがいいと思いますよ(笑)。




2008年02月02日

牛乳煮

近所のスーパーで配布してるパンフに載っていた料理。宇治市の小倉さんという方がご投稿になったレシピである。鶏挽肉、ニンジンの千切り、水煮大豆を酒、砂糖、醤油、塩少々で味付けして牛乳で煮て、そこに高野豆腐を入れ、インゲンを塩ゆでして小口切りにしたのをトッピングする。思ったよりおいしくて、舌にも胃腸にもやさしい料理なので、疲れたときにオススメしたい。
昨日のニュースでちょっと気になったのは日教組が大会を中止した件である。私は日教組の肩を持つつもりは全然なくて、日本の教育を悪くしたのは文部省と日教組双方の責任なんだろうなあと漠然と思ってるくらいなのだけれど、大会中止を余儀なくされたのが会場に予定されていたホテル側の拒否だったことや、拒否理由が右翼の街宣車を恐れてらしいことには義憤を感ずるものだ。街宣車を野放しにしてる警察の責任は追及しないTVマスコミの報道態度も危惧するし、とにかく民主国家である以上、いかなる集会もそれを暴力的に妨げるようなことは断じてあってはならないという理念は理念として堅持すべきだろうと思う。それにしても予定会場がなぜ高輪プリンスだったのだろうか?あそこなら奥まってるから右翼に気づかれにくいという判断だったのだろうか?これはちょっとナゾである。




2008年02月03日

昨日の残り

なんとかクラブハウスにたどり着いたときに「ええっ、あり得な〜い。松井さんは来ないだろうなあと思ってたのに〜」と美しい声で迎えてくださったのはオペラ歌手のSさんだった。左様。関東平野は終日雪で15㎝は積もるという天気予報を聞いて乗馬に出かけた私はまさしく「馬に乗る鹿サン」としかいいようがありません(笑)。
戸外のレッスンはさすがに中止だったが、屋根付きの馬場で90分集中の駈歩レッスンはしっかり受けることができたし、人数が少ないのでインストラクターの方々も何かと親切だし、雪景の乗馬姿を撮影してもらったりもして、無理して行っただけの甲斐は十分ありました。
正直いうと昨晩は絶不調で、頭はガンガン、悪寒もするし、おまけに吐き気までしてせっかく作った晩ご飯はほとんど食べられず、とにかく半身浴でじっくり暖まって早い目に布団に入った。睡眠をたっぷりとったせいか、けさは少し復調したので出かけたのだけれど、体中にホカロンを貼りまくって(笑)、途中でちょっとでも気分が悪くなったら引き返すつもりだったのだ。
なんでそこまで無理して行ったかといえば、今日がランクアップしたレッスンの初日で専用馬を予約してたことが一つ、来週は出張仕事で行けないので今週行かないと2週間あくのが嫌だったこともあるが、何よりも昨日の絶不調は仕事のプレッシャーによるところが大なので、気分転換が一番だと思ったからである。
結果、鬼は内、福は外というべきなのか、やっぱり行ってよかった!のでした(^^)/




2008年02月04日

中華風茶碗蒸し

QPで見た料理。具は豚挽肉と干しエビで出汁は干しエビの戻り汁と鶏ガラスープ。塩と醤油で調味。挽肉は酒と醤油で下味し、干しエビは細かくして肉に混ぜ込んでおく。大きめの鉢に具を沈めて溶き卵と出汁を加えて10分ほど蒸す。長ネギのみじん切りと豆板醤、醤油、ごま油を併せたタレをつけて食す。
 お昼に税理士さんから電話があって、今年の申告はたぶん大変になるだろうから早い目に会いたいといわれ、ああ、今月はそれもあったのね(--);と週の始めから早くも疲れてしまった。自営業やフリーランスの人でないと申告シーズンの厄介さはご理解いただけないだろうと思うが、物書きは全くの水商売で、年によってバラツキがあるから余計に困るのだった。で、去年は申告後に還付金は戻ってきたけれど、そのあとなんだか目を剝くような地方税を取られて憤慨し、今年はもっと酷い目に遭うのではなかろうかと今から恐れをなしている。
 わが大学時代の同級生だった売れっ子のリーライターは、働けば働いただけ税金に持っていかれるのが嫌になって、今年から仕事をぐっとセーブするという宣言をなさったのであるが、働き盛りの自営業者やフリランサーが皆さんそういう気持ちになったら国は一体どうする気なんだろう?とにかくまじめに働いた稼ぎを、ろくでもない政治家や官僚に使われ放題されたらたまらないので、私も仕事をぐっと減らす方針に切り替えようかという気にもなる昨今であります。




2008年02月05日

ホタテ貝柱と大根の土鍋ご飯

QPで見た料理。これは久々のオススメ!
いや〜喰った、喰った、米2合で作って、気がついたら半分以上はお腹に収まっていたというわけなので、今もまだ苦しい〜(^^)ヾ
ホタテ貝柱は粗塩と酒を揉み込んでおき、大根はサイの目に切ってごま油で炒めて粗塩で味付けしておくのがポイント。米2合と水2カップを土鍋に入れて30分以上置いてから昆布とみりん少々を入れ、具を加えて炊きあげる。彩りに大根の葉の塩ゆでを散らす。やはり土鍋で炊くのがポイントだろう。始めの8分ほどは強火で12分ほど弱火で炊いて10分以上蒸らす。意外とカンタンに炊けますよ。
 ところで今日はいよいよスーパー・チューズデーなわけで、明日の夜には大勢が判明してるのかどうか知りませんが、ここんとこのTVが日本の政治をそちのけで米大統領選の報道ばかりしてるのは、日本がやはりアーカンソー州みたいな米国の1つの州だからなのかと思ってしまうくらいである。あるいは日本の官僚予算政治のどうにもならなさ加減から目をそらそうとする国家戦略にマスコミが荷担してるのではあるまいかという疑惑も生じる。
それにしても日本のTVを見てると、ただ単に規模の大きな人気投票にしか見えないところが怖くて、指導者をこんなふうに決める民主主義ってどうなんだろう?と思ったりもするのだけれど、なら「お告げ」で決めたほうがいいのか、「血筋」で決めたほうがいいのかといえば勿論どっちもNO!で、やはり選挙がいいに越したことはないのだから、みんなもっと日本の政治家にも関心を持ってちゃんと選びましょうよ!とは思いつつ、米国は人気投票になるだけましで、日本だと陶片追放しちゃいたいヤツばっかりなのが哀しいところであります。




2008年02月06日

揚げ鯖のみぞれかけ

またまたQPで見た料理だが、レシピは記すまでもないだろう。出汁に片栗粉でとろみをつけてから大根おろしを加えるのがちょっとしたポイントかも。鯖は生姜汁と醤油で下味してから片栗粉をまぶすこと。
ワールドカップアジア地区第3次予選日本VSタイの試合を見ながら食事。素人目に見て、これならもうちょっと点差がついてもよかったのかなあと思うような試合だったが、まあ順当に勝ててよかったです。雪が舞うサッカー場はTVで見てるときれいだけれど、むちゃくちゃ寒そうである。気温の点もタイ・チームには気の毒だった。
結局スーパー・チューズデーではヒラリーかオバマかの決着がつかなかったようだから、昨日の続きで書いちゃうと、日本の政治家に魅力がないのは、魅力的なまともな人が政治家になろうとはしないからだと思うしかない。国ごどの職業感はそれぞれかなり違っていて、欧米諸国でステータスの高い職業が日本では必ずしもそう思われていなかったりするのは何も政治家に限った話ではないが、日本で政治家のイメージがここまで下落したのはいつ頃からなんだろうと少し考え込んでしまいそうである。
確か小泉の郵政選挙か何かで緒方貞子さんの名前が挙がったとき、緒方さんほどの女性が日本の政界に入るというようなバカな選択をするはずがないと思ったものだが、小泉チルドレン以降どおっと下落したのは確かだけれど、もっとそのずっと前からイメージは悪かったのである。
 大橋巨泉が立候補したときには、ええっ!なんで〜そんなバカなことを〜とガッカリしたし、伸介が自ら政治家にならないのはとても利口に見えるくらいで、今や私の中では完全にタレント以下の職業イメージなのだけれど、考えてみれば昔のタレント議員のときとは両者のイメージが全然違っていた。結果としては大成されたわけだが、扇のママが「私でも写せます」のCMで売りだして自民党から立候補したときは、ええっ!驚いたもので、その当時はまだこんな人を政治家にしちゃっていいの?という気持ちだったわけであります。


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「オール読物」の<円朝の女>拝読させて戴きました。
落語好きの私には、こたえられない作品で御座いました。 
今後も、是非落語関係のお作をお書き戴きますようお願い申し上げます。
政治家のイメージは、やはり越山先生以降が甚だしく変ってしまったのではないかと思います。政治の力で金儲けが出来ることが露呈してしまった責任は、途方も無く重いのではないでしょうか。政治家志望をしただけで、その人間が品性下劣に見えてしまうのですが?  ー諸悪根源在越山ー 

投稿者 authercochan : 2008年02月07日 15:35

「円朝の女」は「オール読物」に連載の予定です。次回は5月号に載る予定です。私は20年以上前に目白に住んでいて、すぐ近所に「越山先生」の家がありましたけど、顔をナマで見たことはありません(笑)。

投稿者 今朝子 : 2008年02月08日 00:55



2008年02月07日

ちらし寿司、ワカサギとジャガイモのサラダ

法律事務所からの帰りに渋谷の東急フードショーでゲット。
 出版社の〆切りもさることながら、税務署にも〆切りがあって、今年はなるべく早く書類を揃えてくださいと税理士さんに言われたので今日お届けした。とにかく去年は私にとって異例の年だったので、こちらも何かと説明を要したが、税理士さんのほうから「覚悟しといてくださいね」と言われたのは来年以降のことだ。国税は去年の収入にかかるというより、私の場合はほとんど源泉徴収されてるからまだいいのだけれど、地方税は今年申告した分にかかるので、つまり来年どっと取られるのは必至なのだとか。去年でさえ目を剝くような額だったのに、それどころじゃないって感じだから、早くもうんざりしてしまう。
「それと2年後には消費税がかかります」とのことで、今年は消費税を免れる代わりに、2年後に押し寄せて、それは2年後の収入にかかるのだそうである。するってえと「もしかしたら2年後は収入を少なくしたほうが有利ってことなんですか!つまり来年からはあんまり仕事はしないほうが得なんでしょうか?」と思わず突っ込んで「え!ええ、ま、まあ、そういうことも、いえなくはないんですけど……」と慌てさせてしまいました(笑)。
次いで毎度のことながら整体治療等は控医療除の対象になりにくいという話になって、「でも、私の仕事にとっては絶対に必要経費なんだけどなあ」とぼやいたところ、「実にごもっともなんですが、前にある作家の方が、どうしてもマッサージしないと腕が上がらないと主張されたんですけど、税務署では通らなかったんですよ。僕たちもそれは認めさせたいと思ってるんで、何とか機会を見つけて主張なさってください」と逆に頼まれてしまった。私が主張できる場や機会なんて全くないわけで、これは是非とも三田誠広氏あたりに取り組んで戴きたい課題であります。




2008年02月08日

ホタテ貝の燻製、甘エビの燻製、鴨の燻製、アサリのパスタ、生ハムとマッシュポテトのフリッターほか

スラッシュの進藤さん守部さんと近所の「燻製屋ヌーベ」で食事。
今日は夕方からスラッシュの事務所で東京電力の情報誌「テプコ」と「クロワッサン プレミアム」のインタビューを立て続けに受けた。
「テプコ」は歌舞伎についての取材だったので、まあ順当な気がしたのだけれど、「クロワッサンP」は「最近買った物」についてのインタビューとあって、私は余りこだわって買い物をするわけでもないし、そもそも物欲の薄いタイプなので、お引き受けするかどうか迷ったのであるが、進藤さんが「別になんでもいいみたいよ」といってこれまでの登場例をあげたところ、櫻井よしこさんの「金ぺん堂の万年筆」はともかくも小池百合子さんの「目の筋肉マッサージ」?とか、蟹江令子さんの軽井沢の別荘!とか竹下景子さんのTシャツとか、ホントに何でもいいみたいなコーナーなのである。
で、私が最近買ったものといえば、例のPLEOしかないので、そんなんでもいいのかあ?と何度も念を押して結局お引き受けしたのであった。
 というわけでカメに続いてPLEOとのツーショットが露出してしまう私は変人作家のレッテルまっしぐらな感じであります(笑)。
ところでPLEOは動画でお見せできないのが残念なのですが、とても怪しい鳴き声を出して怪しい腰つきをします(笑)。カメ♂の俊寛に見せたらコーフンして足を噛みにいき、長い首と尾で蹴散らされても退散せずに立ち向かっていきました。なので名前はやっぱり妹尾(せのお)に決定!しました。歌舞伎の「俊寛」をご覧になった方ならご存知でしょうが、俊寛に殺されるワルモンの名前で、河童さんとはカンケイありません(笑)。
10日は午後1時から大阪で講演があって、雪で遅れると困るので明日中に大阪入りしますので、明晩はブログをお休み致します。


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松井今朝子様 
  
 今朝子先生 はじめまして 大阪在住の藤原と申します。
初めて投稿させてもらいます と言うより生まれてはじめて投稿するという経験をさせてもらいます。
さらに正直に申し上げますと 失礼ながら先生の書を一度も読んだこともないのです。8日のブログを拝見し 9日にこちらにこられるということは京都にも寄られるんだろうと想像し 11日夜 川上さんにこれも初めて寄せていただくことにしておりますもので衝動的にメールさせていただきました。私にも大正14年生まれの父が健在で最近 少々弱り気味なのですが 私自身パワーをいただこうとお元気なお父様に一目だけでもお会いさせていただけるのを楽しみにしております。
それでは 先生の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。


投稿者 藤原 茂 : 2008年02月10日 16:48

残念ながら仕事が立て込んでるので、京都に寄らずに東京へ戻りました。「川上」同様、拙著もごひいきに(笑)。

投稿者 今朝子 : 2008年02月11日 11:43



2008年02月10日

「幸鶴」のてっちり、鮨萬の雀鮨、亀かすて〜ら、かん袋の久留美餅ほか

 2/9はぎりぎりまで原稿を書いて品川17:20発の新幹線に滑り込みセーフで大阪に向かった。車中で翌日の講演に備えて入念に資料チェック。十数年ぶりの大雪に見舞われた大阪で妹とドッキングして、寒いからとにかく鍋で、せっかく大阪に来たんだからやっぱフグ!てなことで北之新地の「幸鶴」でてっちりを食す。これが東京なら確実に倍額は取られそうなフグの美味しさに至極満足して堂島のシティホテルに投宿した。
 2/10の講演は国際ソロプチミスト大阪「なにわ」認証20周年記念で招かれていた。ソロは姉妹プチミストは最善を意味するラテン語だそうで、世界125カ国3000以上のクラブ数を誇り、職業婦人を中心とした慈善団体である。ロータリーの女性版といった感じだろうか。で、女性の生き方について語ってほしいとのことだったし、場所がなにせ大阪だったので、『奴の小万と呼ばれた女』を中心にお話しすることにしていたら、会場が偶然にも『奴の小万』のラストに出てくる夕陽丘に近いシェラトンホテルだったので、会場入りする前にもう一度周辺を見て回ることにして、ついでに母方の実家の菩提寺にお参りをした。お読み戴いた方はおわかりになると思うが、このあたりは四天王寺の近所でもあるから、門前に行って名物の「亀かすて〜ら」をゲット。これは人形焼きの亀版で、人形焼きよりも可愛らしいと思うかは人それぞれだと思うけど(笑)、卵たっぷりでふわふわした食感がとても美味しいからオススメである。肝腎の万代池の亀は冬眠中で見られなかったのがちと残念でした。
本城会長をはじめとして主催者側の方々とはいずれも初対面ながら、そこはやはり大阪の女性だけに皆さまとても気さくな方々だったが、話を聞けば会員はわずか十数名なのだそうで、午後1時からの講演に詰めかけた350名ほどはすべてチケットを買った会員以外のお客様だというのはちょっとオドロキだった。もっとも収益金は盲導犬協会等に寄付されるという話で、講演後に盲導犬を連れた協会の男性が壇上で感謝のご挨拶をされた。講演中にラブラドル犬が最前列に座っていて登壇した直後はぎょっとするも、さすがによく訓練されていて、尻尾を時折パタつかせながら静聴している姿はとても可愛らしかった。大阪在住の親戚や母親の友達、「川上」OBの大賀氏もチケットを買って聴講に来てくださったのは有り難く、子どもの頃に世話になった伯母とも久々に再会できたのはとても嬉しかった。
 帰りは新幹線の車中では本城会長から頂戴した鮨萬の雀鮨や大賀氏から頂戴した堺名物のくるみ餅や亀かすて〜らの美味を満喫。久々に訪れた大阪はやはり何を食べてもオイシ〜のでした(^^)/


コメント(2)

国際ソロプチミスト大阪の会には11月に参加させていただき、初めてそのような女性ばかりのボランテイア団体がある事をしりました。いつも都ホテルシェラトンで催されるのですね。
松井さんのお話しも伺いたかったです。

亀ちゃんのカステラ、天王寺さんの釣鐘饅頭、堺のかん袋のくるみ餅に芥子餅、筋違い橋にある鮨萬の雀鮨、子供頃からお味はちっとも変わってないように思います。特に押し鮨はやっぱり大阪ですねえ。
叉大阪に来ておくれやす(^o^)

投稿者 お : 2008年02月11日 22:50

鮨と蒲鉾の僅かばかりの上方の味をこんなに喜んで頂き、
お慰みとなりました事を嬉しく思います。
雪の生家址の土佐稲荷周辺・上町の浪速七坂といずれも俳句の
吟行に訪れ、情を尽くし、心を傾けた地の話題に癒され、雪の
生き方に感銘しました。
その上に御著書が完売した事は会場に溢れました女性の
知性度の旺盛さが窺われ、主催者としましては満足でした。
今後も《女性の為に変化をもたらす・明るい未来を築く》
のリジョンテーマーに応え、「浪速女」の心意気(?)で
奉仕事業を継続します
  まろうどは秀麗作家よ春隣  布沙女

投稿者 布沙子 : 2008年02月12日 11:34



2008年02月11日

鰺の干物、大判焼き蒲鉾、アスパラガスの練りごま和え

干物は大家さんから頂戴した小田原産。蒲鉾はソロプチミストの本城会長から頂戴した大寅製でさすがに美味しかった。
 朝から原稿を書いていたが、昼過ぎに頭がくら〜っとして、それからしばらく眠ってしまった。やはり出張疲れがどっと出たらしい。今日中に仕上げるつもりの原稿はなんとかなったが、余力でゲラを読むところまではたどり着かなかった。
それでもときどき講演をお引き受けすると、拙著に興味を持って戴くいいチャンスになるようで、昨日の講演でも『奴の小万と呼ばれ女』を求める声が数多くあがったのだけれど、本屋さんでも現在品切れ状態のようで、出版流通システムの現状では需給のバランスがすぐには取れないのが如何ともしがたい。本屋の店員さんにしろ、出版社の営業さんにしろ、編集者にしろ、作家にしろ、個々の持ち出し的な努力だけではどうにもならないシステム疲労を抜本的に考え直そうとする人はこの業界に現れないのでしょうか?


コメント(1)

お鮨と蒲鉾をこんなに喜んで頂き恐縮しました。
僅かばかりの、上方の味が少しでもお慰みに
なったかと思いますと嬉しいです。
それと共に、御著書が完売されました事も
大阪の女性の知性度の旺盛さが窺われまして、
主催側としましても満足でございました。
今後も「浪速女」の心意気に磨きをかけて(?)
「女性の為に変化をもたらす」というリジョンの
標語のもと社会奉仕を継続します。
  国際ソロプチミスト大阪ーなにわ会長 
〈まろうどは秀麗作家や春隣 布沙女〉

投稿者 本城布沙子 : 2008年02月12日 11:08



2008年02月12日

キムチ・チゲ

とにかく寒いときは鍋に限るが、キムチなのに「国産白菜使用」と表示されたものを買う私も私である。以前から、こと食品に関してだけは国粋主義者であることを認めるしかないのだけれど、近所のスーパーで売られている商品に国産表示がどっと増えたのは、この間の殺虫剤入りギョーザ問題が露骨に響いているにちがいない。あまりの早ワザだから、これはメーカーの対応が速いというばかりでなく、スーパー側が仕入れ方を変えたということもあるのだろう。
メーカーがギョーザに入れるニラを国産に切り換えたので値上がりしてるという報道もあったが、今日見たら確かに1束198円という倍の値段になっていて、とても買う気がしなかった。したがって写真の青い部分は春菊と細ネギであります。
ところでキムチ・チゲの本場韓国ソウルでの南大門が焼失は他国のことながら非常に胸が痛む。崩落のさまは9.11に勝るとも劣らぬショッキングな映像だった。それにしてもあんな町中の建造物が6世紀ものあいだ無事でいたことのほうが驚きで、韓国の公徳心の高さが窺えるが、たった1人の過ちでそれが台無しになったのだから無念さやるかたなしといったところだろう。決して他人事ではないと各国が心すべきなのかもしれない。




2008年02月13日

すき焼き風肉豆腐

凄まじい寒波に見舞われた今宵は、市川崑監督の訃報に接して感慨深いものがあった。面識も何もない方なのだけれど、ほんのちょっとしたご縁があったのだ。今ならもうハッキリ書いていいと思うが、去年の8月6日のブログでは、『吉原手引草』の映画化に関して「驚くような巨匠からのオファー」もあるとしたのが市川監督だったのである。監督ご自身が本を読んで強くご希望になったという話で、私はそれを聞いて非常に光栄に感じつつ、ああ、20年前ならドンピシャだったのになあ……と正直思ったのだった。市川監督のお名前を最初に知ったのは確か『東京オリンピック』で、相前後して長谷川一夫主演の『雪之丞変化』を見たような気がする。私にとってはカラー映画というものの素晴らしさを最初に教えてくれた監督だった。謹んでご冥福をお祈り申し上げる。


コメント(2)

私も市川崑監督とは松竹の事務所でもお会いしたことがあり
何度か監督の映画ポスターも作らせていただいたので
さきほどヤフーニュースで訃報に接し
驚きました
チェーンスモーカーで歯にタバコがちょうどはさまるように
くぼみができているとか、まことしやかに語られていたことや
撮影現場で御年○○才の大女優をチャンづけでお呼びになっていたことなど、さすが巨匠というか、大女優が可愛らしく見えたのが
印象に残っています
ご冥福をお祈りいたします

投稿者 天 : 2008年02月14日 03:31

先週末から神保町シアターで市川昆特集が始まり、今週末の雷蔵特集に行くつもりだったので、訃報に驚きました。監督を意識せずに見ているので、気づきませんでしたが、以前見逃した長谷川一夫の「雪之丞変化」も見るつもりですが、ミニ・シアターなので、早めに行った方が良さそうです。「吉原手引き草」の映像化は、前から気になっていましたが、市川監督が撮った映画なら見たかったです。
ちなみに、京橋のフィルムセンターでもマキノ雅弘監督特集を上映中。こちらは500円なのがうれしく、見逃していた名画をまとめて見れる機会なので、寒さを押しても出かける価値がありそうです。「寒さ」と言っても、東京の寒さは北国と比べたら可愛いものですが。

投稿者 ウサコの母 : 2008年02月14日 13:55



2008年02月15日

あら輝

2/14の夜は幻冬舎のヒメと一緒に久々の「あら輝」で食事。
見るからに美味しそうなトロ(写真)もさることながら、ヅケも本当に美味しかったし、ほかに白子を軽く炙って柚をきかせたのや、脂がのった鰺を同じく軽く炙ったのや、関鯖を軽くスモークしたツマミ等々、相変わらずなんでも美味しく戴けたのだけれど、ここは今やほとんど予約が取れない店になっていて、ヒメも顧客の知り合いに頼んでなんとか予約を先に入れて、あとから誘う相手を考えたのだとか。で、誘われたこちらとしては、ええっ、いいの?だって2/14だよ。もっと誰かいい人を誘ったほうがいいのでは?と一応いってはみましたけれど(笑)、得難いチャンスではあるので遠慮無くお誘いをお受けしたのでした。
 その前にまずヒメはわが家でPLEOとご対面。かつてオマキトカゲやマタマタを自宅飼っていた!という爬虫類好きのヒメだけに、かわい〜!を連発して、「う〜ん。夏のボーナスか……」と腕組みなさったのである(笑)。
  ところでお互い会うのは久々だから、もちろん仕事の相談もいくつかあった。まず『吉原手引草』について韓国での出版オファーがすでに3件来ているので、諸条件を考慮してどこにするかをふたりで決定。印税率やアドバンス料や翻訳者など多岐にわたって細かく記された書類を見ながら、へえ〜外国での出版ってこういうものなんだと私は興味津々である。既に現地に行って出版界の動向や向こうで出版された日本人作家の本をリサーチしてきたヒメに「装丁もすべて変わるんで、本をぱっと見ただけでは誰の本かもわからないんですよ。書名も著者名もハングルだし」と言われて、「そうすると『吉原』とか、松井今朝子をハングルで書くとどうなるかわかるわけだよね。それってメチャ面白くない?」と私はますます興味津々になったのでした。
『吉原手引草』に関しては某局からTVドラマ化の企画書も来ているし、映画化のほうも幻冬舎サイドでいろいろと考えてらっしゃるようなので、今後の映像化が期待される。
それよりもこちらにとって当面だいじなのは次回作の問題で、やはり吉原を舞台にした作品をどんなふうに書くかという点がある程度の一致をみたのでひとまずほっとしてお別れしたのだった。


コメント(3)

『吉原手引草』が映画化されるのでしたら是非見たいです(^o^)
サスペンスでもあり、廓の中の手引書でもあり。今までにも廓を舞台にした小説は読みましたが、『吉原手引草』ほど詳しく廓の仕組みを書いてある本は初めてでした。色々な見方があり、女性の側から見ればあまり有りがたい場所では無いですが、京の島原、江戸の吉原があって受け継がれてきた文化もある事は事実ですね。
ところで『奴の子万』はもう再販されないのでしょうか?探していますが見つからなくて。是非読みたいのですが。

投稿者 お : 2008年02月15日 22:00

>『奴の子万』はもう再販されないのでしょうか?探していますが見つからなくて。是非読みたいのですが。

ああ、とてもいいタイミングのお問い合わせでした。今日ちょうど講談社から連絡あって、増刷が決まったとのことです。お近くの本屋さんにその旨を仰言ってお取り寄せくださるか、ネットでご購入ください。

投稿者 今朝子 : 2008年02月15日 23:24

お返事ありがとう御座いましたm(__)m
今「家、家にあらず」を家族で順番に読んでいますので次に読めるようにネットで申し込みます。
「東州写らくさし」を読んで感じました事は「継がせる」難しさですね。遺言を変えても一番の適任者に継がせる事が一家を守る、その家に繋がる人間を守る事に、引いてい言えば文化も守る事になるんですね。歌舞伎界も是非そうあって欲しいものです。

投稿者 お : 2008年02月16日 22:15



2008年02月15日

蟹しゃぶ

スラッシュの進藤さん、守部さん、米朝事務所の大島さんとわが家で食事。蟹を食べると沈黙が支配するというのだけれど、全くそうはならない会食でした(笑)。


コメント(1)

アシだけじゃなくて肩もしゃぶしゃぶOKなんですね。う〜。カニ〜。

投稿者 ふみ : 2008年02月16日 09:16



2008年02月16日

菜の花のパスタ、生ハムとルッコラとキドニービーンズのサラダ

パスタは今週のQPで見たレシピとこれまでの作り方が同じだった。要はペペロンチーノ系で味付けはアンチョビ。菜の花はパスタと一緒に茹でるが茹ですぎないようにしたほうがいい。ニンニクのみじん切りは弱火で焦がさないようにすること。
 ところでミシュランガイドのひどさは発売とほぼ同時にこのブログでも触れたが、一昨日会ったヒメに幻冬舎刊の『ゲーテ』で反ミシュラン特集をしたのだと聞いて、読みたいといったところ、早速送ってくださった。その特集の中に「本当なら、体を張ってでも、あなたが行くのをお引き留めしたい店」という恐ろしいネーミングのコーナーが設けられていて、うん、確かに……と思える店がありました(笑)。




2008年02月17日

フォー、ゴイクンほか

乗馬の帰りに東急フードショー内のベトナム料理店で食事。
空の色はもう春だけれど、まだまだ空っ風の冷たい馬場で、今日は先週休んだ分を取り返すべく連続3鞍!騎乗し、「松井さん、元気〜」とバリキャリのOさんには言われ、ソフト開発者のMさんにも「意外に丈夫ですよねえ」と、からかわれたが、いずれも軽い馬だったので思いのほか疲れずに済みました(^^)/
児童書出版社の取締役Tさんには「日経読みましたよ」と言われ、これは日経新聞夕刊の「プロムナード」というコラムに乗馬の話を書いたからで、インストラクターのKさんにも「事務所の掲示板に貼ってありますよ」と言われたのであるが、Tさんはさらに追加で「うちの女房が松井さんの写真を見て、あの精米器を買っちゃいましたよ。ホントに搗きたてのお米は美味しいですねえ」とのことだったから、私はこれで『通販生活』にもしっかり貢献したわけであります(笑)。
ところで「松井さんの小説読んでるうちに、ボク歌舞伎見たくなっちゃったんだけど、なんだか敷居が高そうだし、何を見たらいいかわからないし」とMさんが仰言ったから、「なら『コクーン歌舞伎』みたいな、取っつきやすいものがあったときにでも一度お誘いしましょうか」とお答えして、その後クラブハウスで常連のメンバーといろいろ話しているうちに、女子高生のEちゃんがケータイの着メロについてとうとうと語ってくれたのが面白かった。「シャーペンの芯をカチカチ鳴らす音とか、鉛筆で線を引く音とか、修正テープを貼る音とかあって、授業中でもメールのやりとりができるんですよ」との話にオバサンはただただへぇ〜!である。「授業中テレビも見れるんですよ。ワンセグ付きの電子辞書とかあるから、みんなそれ買ってて」なのだそうで、ウーン、女子高生おそるべし!今どきは学校の先生もホント大変ですよねえと申し上げるしかない。
帰りはあんまり寒かったので、つい温かい麺類を食べたくなったのだが、それがどうしてベトナム麵になったのかというと、出かける前にテレ朝の「サンデープロジェクト」でベトナムの特集を見たせいなのかもしれません(笑)


コメント(1)

「サンデープロジェクト」見ました。ベトナムの発展は新聞では読んでいましたが、映像で見ると私達が小学生時代の大阪、堺の街を見ているような気がしました。
ベトナム麺美味しそうでしたねえ(^o^)
来月始めに東京に行くので(歌舞伎を見に)ベトナム料理のお店探します。しかしエースコックがベトナム風即席麺で成功しているとは知りませんでした、驚きです。

投稿者 お : 2008年02月17日 22:33



2008年02月18日

豚バラ肉と大根の味噌煮込み、大根の中華風なます

QPで見た料理。煮込みの味噌は最後に香り付け程度に加えるだけで、あとは酒、みりん、醤油、砂糖少々で味付けする。豚肉を先に1時間ほど、大根は20分程度下ゆですること。なますは大根の皮を千切りして塩もみし、甘酢に漬けて、そこに唐辛子と花椒を入れた油を熱してかける。これで大根はどこも残さずきれいに消費できるからという意味だったのだろうか、料理の先生は唐突に「エコですね」と仰言いました(笑)。
 NHKBSで市川崑監督の『細雪』を見ながら食事。公開時にも見ていて、私はこれで初めて吉永小百合が演技の素晴らしい女優だと思えたことを想いだす。
ところで昨夜もBSで追悼の「映像美の巨匠」と題する再放送番組を見て、市川監督はさすがにマンガ家の清水崑から名前を戴いたり、アニメから出発した人だけあって、どんな映画でもちょっとした笑いを取らなくては気が済まない人であるのがよくわかった。私の記憶では『鍵』のラストが結構ホラーっぽいのになぜか笑えたのだが、今回改めて見て『東京オリンピック』にまでその手のシーンが盛り込まれていたのもわかったし、なんといっても驚いたのは『青春銭形平次』の大谷友右衛門すなわち現中村雀右衛門扮する平次が銭にゴムをつけて投げまくるという怪演でした(笑)。一時雀右右衛門さんは「佐々木小次郎」で一斉風靡した人気映画俳優だったのは知っていたけれど、まさかこんなヘンな映画に出ていたとは!


コメント(3)

え〜っ!あのかわいい雀右衛門さんが!見たかったです。かっこよかったですか?NHKのお正月の舞台中継で久しぶりに拝見しました。石川屋真砂路。かわいかったです。

投稿者 ikoka : 2008年02月20日 15:46

>かっこよかったですか?

かっこいいというよりも、やはりかわいかったです(笑)

投稿者 今朝子 : 2008年02月20日 22:26

大根料理と女優評
面白いですね
細雪私も見ました
独特のカット割り、編集技術
映画ってつくづく監督のものなんだなって
思いました

投稿者 天 : 2008年02月21日 23:00



2008年02月19日

浅蜊バター雑炊、たこ焼き風薩摩揚げ、牡蠣と明太子のグラタンほか

スラッシュの守部さんと近所の無国籍料理店「256」で食事。三軒茶屋栄商店街にあるこの店は焼酎の銘柄が揃っているし、食べ物も結構おいしくて、値段がリーズナブルなので呑める人にはオススメだ。で、守部さんは焼酎お試しセットを呑みながら、私も名前だけは知っている森伊蔵の旨さについて得々と語ってくれた。「呑み終わったあとのリリースのよさが凄いんだよね。ワインでいうとジュヴレ・シャンベルタンみたいな感じかな」と言われても下戸の私はチンプンカンプンなのであるが(笑)、今年のバレンタインにはその森伊蔵を使ったチョコレートボンボンが売りだされたという話にはビックリしました。


コメント(5)

ラリアンスのショコラですよね。高島屋で見かけたけど“ふ〜ん”って素通りしてました(笑)。パレ・ド・オールで出した“利き酒ショコラ”も大人気だったし(おかげで買えずじまい)、洋酒でないお酒×チョコの組み合わせはもうスタンダードなんですね。わたくしは、材料に組み込むよりお酒と合わせて食べるのが好きです。早死にしそうだけど。ソムリエの友人によると、AMEDEI(チュアオだったかポルチェラーナだったか)はワインによく合うそうなので、松井さんも機会があればお試しを〜。

投稿者 ふみ : 2008年02月20日 08:36

初めて投稿いたします。
2月にこのブログに気がついてすっかりはまってしまいました。毎晩チェックして、ご本も少しずつですが読んでいます。時代小説が大好きです。
ところで、チョコレートのことでですごく疑問に思っていることがひとつあります。ホテルニューオータニ大阪の1Fにあるコーヒーハウスのカレーにはチョコレートが入っている!という友だちの意見です。何しろ半端じゃない甘さ。そんなことあるでしょうか?
ふみさんの「材料に組み込む」という言葉にひっかかって、それはお料理にも?と思った次第です。
これ、無知丸出しの質問でしょうか。

投稿者 しゃらか : 2008年02月20日 12:44

カレーにチョコレート、は、どちらかというと基本、の部類です。
老舗洋食屋さんの上品な感じのカレーで、特に色も濃い場合に入っていることが多いようです。
家庭でも結構使っている奥様も多いのでは。

投稿者 でじょん : 2008年02月20日 21:27

まぁ、お恥ずかしい!
基本の基だったんですね。でも、わたくしめの好みからみると「この甘さはいったい何や!」というところでして・・・。
あんまりお料理には自信がないので、当然のごとく
知識もない、これがはっきりしましたね。さびしー。
でも、めげずに老舗洋食屋さんを探して食べにいってみましょう。お教えいただいてありがとうございました。
ところで」昨日から、ついに「吉原手引草」を読み始めました。
「家、家にあらず」の瑞江ってちょっとコーデリア・グレイを思い出させてくれましたが、これも的はずれかしら?

投稿者 しゃらか : 2008年02月21日 12:06

>ちょっとコーデリア・グレイを思い出させてくれましたが、これも的はずれかしら?

書いてるときは全く念頭にありませんでしたが、P・Dジェイムズの作品を愛読してるので、無意識のうちに影響されてたのかも知れませんねえ。

投稿者 今朝子 : 2008年02月21日 21:54



2008年02月20日

ジャガイモのグラタン

 昨日守部さんが「フランス家庭料理の定番らしよ」といって教えてくれたレシピとそっくりの料理を今日のQPで紹介したので、これは食べろってことねと思って作ってみた。ポテトをマッシュしてそこにチーズ(というのが守部バージョン。QPはバター)とホットミルクを加え塩こしょうで調味してベースにする。この中に挽肉と玉葱とにんじんのみじん切りを炒めたものを挟んでさらにチーズをトッピングしてオーブンで焼く。意外と簡単にできました。
TVでサッカーの東アジアカップ日本VS中国を見ながら食事。いや〜結構コーフンした試合だった。もろアウエーだし、プレーはラフだし、日本チームはよくぞ我慢の勝利である。たぶん1点差でしのげるとは思えなかったのだろう、へたに守りに入らず最後の最後まで攻めに徹したプレーが、素人目にも清々しく、ちょっと見直した感じでした。
ところで米大統領候補の民主党予備選も泥沼化しつつ、ほぼオバマ氏で決まりの感じのようだが、この間の過熱報道と日本の首相って誰だっけ?と首をひねる影の薄さには驚くほどで、それより私がもっと驚いたのはアメリカ大統領の選挙が100年以上前とほとんど変わらず、当時から共和党と民主党の一騎打ちで、党大会の予備選で物凄く盛り上がっていたという事実である。なぜそんなことを知っているかといえば、132年前の予備選の模様を明治9年7月29日付の東京日日新聞がかなり詳しく報じているからで、これについては日経新聞の「プロムナード」というコラムにも書いたので、興味のある方は明後日22日の夕刊をご覧ください。




2008年02月21日

チヂミ

今日は午前中から取材であちこち歩き回った。いくら時代小説でも頭に絵が浮かばないとリアルには描けないので、現実の土地を舞台にする場合は、事前に必ずそこへ足を運ぶようにしている。で、「小説すばる」に連載中の『道絶えずば、また』では江戸時代に谷中にあった日蓮宗の某大寺院をモデルにするつもりなのだが、現在そこはもう往時の面影を偲べないので、まずは池上本門寺に参詣。境内を歩き回ったばかりでなく、参考のために本堂でご祈祷も授かった。
ご祈祷は¥3000〜数万までの料金表があり、私の前に何人かまとまって受けてられたのを見て、一番安いのを申し込んで順番を待っていた。当然何人かまとまって受けるものと思い込んでいたのだけれど、次に60畳?敷きの広い内陣に通されたのは私たった独りで、前の何人かと変わらぬとても立派なお経をあげてもらった上にお札とお供えのお菓子まで頂戴して、なんだか申し訳ないくらいお得な感じだったのである。ちなみに私は子どもの頃に育ててくれたばあやさんによく日蓮宗の寺院に連れていかれたので、4,5歳の頃には法華経を丸暗記していたらしいので、なにがしかの仏縁があったのかもしれない。もっとも祇園神社の氏子として毎年誕生日には祝詞を授かってもいたし、幼稚園から高校までカトリックのミッションスクールで「めでたし聖寵……」や「天に在す……」も毎日のように唱えていたという、日本人のいい加減な宗教観を一身に背負ったような人間なのでした。
絶好のお日和だったこともあり、池上梅園に立ち寄って西馬込まで歩き、そこから日暮里まで行って谷中の天王寺町界隈を散策。谷中墓地の桜通りを歩きながら、何年か前にデザイナーのみるきぃ・いそべさんや漫画家の森園みるくさんらと一緒に深夜の谷中墓地で花見をしたことがあったのを想いだしたが、考えてみるとあれはけっこう異常な体験でした。
谷中から循環バスで上野に出て、上野から浅草に行き、新仲見世の「帯源」で他人様のプレゼントをゲットしてようやく家路についた。この間ゆうに7時間が経過し、改めて東京は広い!と思われたのである。写真は本門寺の五重塔と池上梅園です。




2008年02月22日

ぶり大根、もずく酢、プチトマトとベビーリーフのサラダ

今日のQPは鍋物だったが、天気予報で寒くなりそうだといってる明日にまわすことにして、今晩は適当に済ませました。
結局イージス艦の事故は直前まで自動操舵にしていたことに起因するようだが、この「自動」という問題が今後あらゆる面で噴き出してくるような、ちょっと嫌な予感がする。
昨夜も妹と電話で話していて、最近トイレに入っても自動的に水が流れるし、手を洗おうとしたら勝手に水が出てくるから、これからの子供たちはレバーを押すことも蛇口をひねることも知らなくなるだろうと聞いて、なるほどと思ったのであるが、私たちが若い時代にはなかった「自動」がしらずしらず人間社会を浸食してるのは確かだし、「自動」に馴れることの怖さは容易に想像がつく。まず自分で何かをやらなくてはという意識が薄らぐのみならず、自分が流れに逆らって何かをやれるという気持ちもどんどん喪われてゆくのではないか。巨大で精密な機械に取り囲まれたらなおのこと無力感が増すだろう。もちろん全員がそうなるとはいえないけれど、人類の未来形として大いにあり得る悪い傾向の端緒が、今回の事件で図らずも見えてしまった気がするのでした。


コメント(1)

恥ずかしながら、「自動」におかされてます。ガランがついている蛇口に捻りもせずに手を出して待って居る、出ないと「故障?」と疑ってしまう。
家の水周りをリフォームした時にトイレが自動で排水されるようになって数ヶ月め、デパートのトイレを流さず出てきて、慌ててもう一度戻った事が数度。恐いです。

投稿者 お : 2008年02月23日 22:41



2008年02月23日

牛肉とゴボウと舞茸の醤油鍋

  昨日のQPで見た料理。昆布だしでささがきゴボウを煮て、同量の酒、みりん、醤油、塩少々で味付けし、舞茸、しゃぶしゃぶ用の牛肉、セリを加える。薬味にゆず胡椒を添えて食す。
TVでサッカー東アジアカップ日本VS韓国戦を見ながら食事。引き分けで優勝を逃したのは残念だが、ずっとアウェーも同然の中でよく健闘したほうだろう。以前に比べるとアグレッシブだし、素人目にもパス回しは巧くなってるような気がする。山瀬はアッパレ!安田のプレーは面白い。前半の中村憲剛のシュートは惜しかった。
今日は春一番で室内にいても風の音がビュンビュン聞こえたし、夕方散歩に出たら時おり凄まじい突風に見舞われて怖いくらいだった。ちなみに私が東京に来て何に一番驚いたかというと、この風の強さである。今でも忘れられないのは、大学入学を間近に控えた春休みのある雨の日に、麹町を歩いていたら、突風に襲われて、買ったばかりの傘の、骨ならともかく、柄の部分がボキッと折れてしまったことである。そのときは春なのに凄い台風が来てるのだと思い込んでいた(笑)。京都は台風が来ても東京の春一番ほど恐ろしくはありません。 




2008年02月24日

上方寿司、菜の花と魚介のサラダ

乗馬の帰りに東横のれん街でゲット。
 今日も相変わらずの強風で、東武線はストップしてるし、JRも遅れが出ていたからまずはクラブに電話を入れたら、午前中は中止になったレッスンもあったが、午後はやる予定とのことだった。専用馬の予約を入れていたのであっさりキャンセルしたくはないし、取り敢えず行ってみることにしたが、乗った電車が途中で何度もストップ。前がつかえているという理由はありがちだけれど、「ビニールのようなものが線路に付着しておりますので、ただいま確認しております」とか、「何が異物が前をふさいでおりますので、ただいま当電車の運転手が除去しております」というようなアナウンスにはちょっとビックリで、電車は遅れに遅れて駅に着いたときはレッスン開始の15分前。あわててクラブにまた電話を入れ、タクシーを飛ばして駆けつけると、すでに馬装もしてもらっていたので、なんとか滑り込みセーフでレッスンに間に合った次第である。
 かくしてトイレに行く間も、喉を潤す間もなく立て続けに3鞍騎乗。ときどき猛烈な突風が吹いてインストラクターの声は聞こえなくなるし、砂煙で目も開けられないし、口の中がじゃりじゃりするしという、最悪のコンディションながら、比較的おとなしい馬に乗ったのでさほどの怖さを感じずに済んだのは有り難かった。
 さすがに人数はいつもより少なめで、といっても常連の顔ぶれはしっかり揃っていて、皆さん昨日の春一番の中でも乗ってたというからスゴイ!馬は強風が苦手だからさぞかしピリピリしてたはずで、オペラ歌手のSさんはなんと乗ってる馬に突然ギャロップされちゃったというから恐ろしい。
乗馬は常歩、速歩、駈歩という3段階の走り方があるが、このさらに上が襲歩=ギャロップといい、要は競馬の走り方である。昨日Sさんが乗った馬は競馬あがりだったから、何かの拍子にそれを想い出して爆走したらしい。Sさんは途中でよっぽど自分から落馬しようと思ったくらい怖かったけれどなんとか根性で乗り切ったそうである。「で、どんな感じだった?」と思わず訊いたところ、「耳もとゴーって風が唸ってるの。新幹線の窓を開けて乗ったって感じ」とのことでした。
帰りのバスではまたまたバリキャリのOさんと一緒になった。Oさんは近ごろカドリール(馬のシンクロみたいなもの)にも参加して、今や仕事と乗馬を両天秤にかけそうなくらいの入れ込みようだが、来週の日曜は乗馬を休んでケイト・ブランシェットの『エリザベス』を見に行く予定だという。で、彼女は卒論でもろに英国がスペイン無敵艦隊と争った外交的背景をテーマにしたと聞いて、私もあの映画は見に行くつもりなので見てからいろいろと教わってみたいものです。ちなみにOさんは卒論がそれだったから海軍が大好きで、海事博物館とかも熱心に見たそうなので、「イージス艦の事故についてはどう思われます?」と訊いたら「うーん」と唸って頭を抱え込まれたのであります。




2008年02月25日

スペアリブ・スープ

QPで見た料理。豚のスペアリブに塩こしょうを揉み込んで表面を焼いてから水で1時間半じっくり煮込んで、塩と醤油少々で味付け。仕上げに茹でたほうれん草を散らす。このほうれん草がとても美味しい。煮込むときはネギの青い部分と生姜の皮を入れて臭みを取り、鍋のふたを少し開けて水分を減らすのがポイント。私は冷蔵庫にあったジャガイモとお酒を少々加えて、豆板醤で辛みをプラスした。QPがオススメしたのは生姜醤油につけて食べること。
現地では脚本家のストライキで開催が危ぶまれ、日本では浅野忠信のノミネートが話題になった今年のアカデミー賞。主演男優賞は下馬評通りダニエル・デイ=ルイスに落ち着いたが、「マイ・ビューティフル・ランドレッド」以来のファンとしては、久々に顔を見て、ああ、オジサンになっちゃた!とチョイがっかりでした。
ちなみに私はこの男優をナマで見てます。今から19年前、丸ひと月ロンドンに滞在していた時にちょうど彼がナショナル・シアターで「ハムレット」を初演し、「タイムアウト」誌の劇評でボロクソ書かれていたのを知りつつも、当日券で最前列かぶりつきの席をゲットして見たのでした!しかし彼の人気に便乗したと思しき芝居そのものは言葉のよくわからない私が見ても明らかに陳腐なプロデュース且つ演出であり、日本だと往年の松竹や東宝の商業演劇に出ていたような俳優陣が脇を固め、シェイクスピアの本場にして今どきこんな通俗な上演がまかり通るのかと私はビックリしたほどで、ダニエル自身の演技も硬さばかりが目立ち、せっかくナマで見たのに、舞台俳優としては残念ながらさほど魅力的ではなかったのであります。それにしてもわざわざ早朝のチケット売り出しに並んだのだがら、私もまだ若かったのでしょう。ダニエルもオジサンになるわけです(笑)。
ところで若いといえば私は三浦和義容疑者(と、また呼んでしまっていいのだろうか)の殺された妻一美さんと同い年だったことを、27年後の今日に初めて知ったのである。当時はまだ松竹に勤めていた頃で、たぶん暇だったのだろう(笑)、TVの報道をよく見ていたのものでした。まさか今になって蒸し返されるとはご本人はもとより日本人のだれも思ってなかったにちがいない。このブログの読者の中には当時まだ物心がつくやつかずで、この事件が今またこんなにも大きく取り上げられることに疑問をお持ちの方も結構いらっしゃるのではないか。


コメント(2)

私も、数年ぶりで見たダニエル・デイ=ルイス、ちょっとショックでした。マイ・ビューティフル・ランドレット、眺めのいい部屋、ラスト・オブ・モヒカン、存在の耐えられない軽さ、等々、作品ごとに全く異なる役を演じて、次はどんな役柄で登場するか、楽しみにしていました。カネボウ<デナリ>とか言った男性化粧品CMに登場したものの、映像もポスターも魅力的に撮れておらず、(このスタッフ連中には、彼の美しさが理解できないんだ)と失望したものです。長年のパートナーだったイザベラ・アジャーニにファクス1枚で別れを告げ、アーサー・ミラーの娘と結婚したのを思い出し、アジャーニとの間に生まれた子供は、どちらに似ているんだろう、などと、洋画ミーハー時代を思い出したことでした。

クロワッサン最新号、拝見しました。京都らしい、はんなりした着物で登場かと思ったら、キリリとした粋な縞柄で、志村喬夫人の逸話も面白かったですが、その後のいきさつを思い出して、この日は、さぞかし長い1日だったのでしょうね。
私は歌舞伎にハマッたのと、着物を着られる様になったのが同時期で、歌舞伎座に通い始めた頃は、1等前列で着物で1人見ていたとは、怖いもの知らずと言うか、今思うと冷や汗モノです。着物で観劇の時は、舞台を見上げる程の前列なら良いのですが、中央から後方にかけてだと、後ろから「見えないので、もっと低くなって下さい」と注意を受けて、水を差された事が何度もあり、折角の良い気分を損なうことになり、もう着物では行くまい、と思っています。座高が高いのは承知でも、洋服の時より、背筋が伸びるのは仕方ないのですが、前の人が邪魔で舞台が見えなくなるのは、誰しも嫌ですし。

投稿者 ウサコの母 : 2008年02月26日 14:18

投稿ボタンは1度しか押したつもりなかったのですが、長文メールがダブってしまい、大変失礼いたしました。

投稿者 ウサコの母 : 2008年02月26日 16:32



2008年02月27日

刺身、温野菜のサラダほか、

 世田谷パブリックシアターでサイモン・マクバーニー演出の「春琴」を観たあとで、集英社の八代さん、スラッシュの守部さんと近所で食事。夕方スラッシュの事務所で「ゲーテ」の取材を受け、そのとき守部さんと終演後に食事を一緒にしようと約束して独りで出かけたら、劇場でタマタマというかマタマタというべきか八代さんとバッタリ!なので3人で食事して八代さんにゴチになってしまいました。
今年上半期演劇界の最大の話題作といってもいい「春琴」ながら正直言って期待はずれの感は否めなかった。前回の村上春樹作品をモチーフにした「エレファント・バニッシュ」は非常にコンテンポラリー且つボーダレスな舞台として感銘の深い作品だったけれど、今回は鬼才マクバーニーにして従来の西洋人的な日本観から一歩も出ていないような印象を受けた。つまりは「はっきりしない」ことというよりもむしろ「はっきりさせない」ことに美なり真実なりを見いだすのが日本的であるという観点に沿って『春琴抄』を丸ごとそっくり群読風のスタイルで再現し、合間にちらっと朗読をする女優の私生活をかいま見せるようなシーンがあるが、これがいささか陳腐な盛り込みだし、『陰翳礼賛』の引用もありきたりなものに留まる。春琴を人形に見立てたり、引き抜きで衣裳替えしたり、バックに映像を使用するのも、これまでのマクバーニー作品と比べてさほどの新鮮味は感じられない。
 ただ一つ捨てがたいのは、谷崎が『春琴抄』と『陰翳礼賛』を書いた昭和8年という時代の風俗や社会現象を視覚化して、両者は日本が近代化のまっただ中にある時代だからこそ書かれた作品であることを強く意識させた点で、こうした視点は日本の演劇界においてはもとより、文学界でも新鮮だったのではあるまいか。
 ところで八代さんと食事しながら話していておかしかったのは、仏文学者の奥本大三郎氏が小説?をお書きになって、その中に勝見洋一氏とおぼしき食通の友人が登場して「ボクはあの『川上』の主人に鯛の捌き方を見込まれて、娘を嫁にやるといわれたくらいなんだ」と料理の腕を自慢するセリフがあるらしいのだが、その娘というのはひょっとして私のこと?と八代さんは思い、このまま本にしちゃっていのかなあと悩まれたのだそうである。勝見氏は昔から「川上」の顧客に間違いはないのだけれど小説の中では奥本氏は奥山先生になり、勝見氏は平田氏になってるそうなので、なぜ「川上」だけがマンマなのか!娘の立場は一体どうしてくれるのか!と私は奥本大三郎先生に抗議を申し上げたいのであります(笑)。




2008年02月27日

お好み焼きほか

お茶の稽古の帰りに麹町の「文字平」で三村さんと一緒に食事。
今日のお稽古では千家十職のひとり金物師の中川浄益師がこの正月に亡くなられて、跡継ぎがなく、これで指物師の駒沢利斎と併せて二家が断絶してしまったという話になって「家元も困ってはんのやわあ。今朝子ちゃん、どないしたらええと思う?」といきなり訊かれてしまった。千家十職については前にもこのブログで触れたが、お茶の諸道具を製作する職人さんたちがこれも代々で世襲で家元の取り巻きになっているシステムだから、「これまでなんとか続いてきたほうがふしぎなくらいですよねえ」と私が正直に感想を述べると「ほんまに、そういわれたら、そやなあ」と素直にうなずかれる先生なのであった。「歌舞伎役者でも今や国立の研修生が三分の一以上になってるんですから、今後のこともあるし、そういう職人さんたちもいっそオープンに養成するシステムとか考えはったほうがええのんちがいますか。芸大の学生さんとかでも、今やったらそういう日本の古いことやりたいいう人が前より増えてる思いますし、優秀な人が集まるんちがいますか」と適当にお答えしたら「確かにそろそろそういうことも考えなあかんわなあ。永楽さんに今度その話するわあ」とマジにいわれてちょっと冷や汗もんでした(--);




2008年02月28日

浅草田圃 草津亭

 今日は夕方から新聞社の学芸部長がそろって「勉強会」をなさるというので浅草の料亭にお招きを受けた。参加者は各社の文化部長、生活部長、編集委員、NHKの科学文化部長といった16人の方々で、こちら側はスラッシュの進藤さんと幻冬舎のヒメが参加。浅草の名料亭のお座敷に高座を設けて総勢19人の小人数で落語を聴いて、そのあと会食をするというのだから何だかメチャメチャ贅沢なイベントである。
 ところで私がなぜそこに招かれたのかといえば、鈴々舎馬桜さんの「明烏」を聴いてから、ふたりで吉原の文化について対談をしたからである。馬桜師匠とは初対面のはずなのに、どうも初対面という感じがしないのでフシギに思っていたら、進藤さんに「今野さんと似てらっしゃらない?」と耳打ちされて頗る納得!今野さんとは知る人ぞ知るペヨトル工房の社長で「夜想」の編集長として70年代アングラブームの仕掛け人であり、その後もずっとマニアックな文化を支え続けている畏友なのだが、確かに顔も声も話し方もオタッキーな物知りであるところもそっくりで、ひょっとして鉄仮面みたいな双子?とか思ってしまうほどでした(笑)。
読売文化部の演劇担当である杉山さんとも久々にお目にかかり、去年来、小耳に挟んでいた演劇界の激震ともいうべき人的異動についてお話を伺えて、これまた一気に色んな疑問が氷解したのでした。