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2007年04月19日
京都取材旅行4/17
2泊目からはこの3月にオープンしたばかりのホテル・モントレーに宿を移して近所の「イノダコーヒー店」でこれまた懐かしのモーニングセットを食したあと、地下鉄とバスで祇園に戻り、円山公園から徒歩で将軍塚に向かった。
これまでは取材旅行と銘打ちながら私用にかまけており、ここから本格的な取材敢行といっても、要は子どものころの遊び場をめぐる旅である。
ところで今回はポプラ社の矢内さんが京都をテーマにした現代短編アンソロジーの出版を企画されて、「祇園を舞台にした小説は既にいくらもありますが、お客さんの目から見た祇園ではなく、そこで育った人の目から見た小説を」というお話だったが、こんな風にはっきりと題材を示されて執筆依頼を受けることは意外に少なくて、これまで「ミステリーを書いてみませんか」といわれたマガジンハウス社、「捕物帖を書いてください」と言われた角川春樹事務所、「吉原を舞台にした小説を」といわれた幻冬舎に次いで4作目となる。捕物帖スタイルで『並木拍子郎シリーズ』を立ち上げたあと、「こういうものを書いてもらったらなあ」というふうなニュアンスの依頼が某社からあったけれど、そういった二番煎じ企画をいけしゃあしゃあと口にできる厚かましいセンスには呆れてしまって当然お引き受けはしなかった。料理は味がイノチ、出版人は企画力がイノチであります(笑)。
将軍塚は東山の山頂だが、小学生のころ平気で毎日のように登っていたので油断してヒールの高い靴で行ったところ、意外な急峻で足の甲が痛くなるは、人けのない山道に迷うはで同じ場所を降りるのが躊躇され、山頂から逆に下る舗装道路を辿って九条山のバス停まで降り、そこから河原町に戻って「月ヶ瀬」でクリームあんみつを食す。ここの寒天は東京にない柔らかさで美味しい。
「月ヶ瀬」でゆっくり足を休めたあと、今度はまた東山に向かって平安神宮から南禅寺へと歩きまわり、ふたたび祇園にもどってバスで室町に向かい、『膳處漢』で晩ご飯。この間朝9時から夕方5時過ぎまでほぼ歩きっぱなしで、お付き合いくださった矢内さんも私に負けず劣らずの健脚ぶりだ。
京都では近ごろ旧家の建造物をそのまま使った「町家カフェ」なるものが大流行だと聞いていたが、『膳處漢』はその手の人気中華レストランのようで、趣きある店内は満員盛況。こっちはとにかく歩き通しだったからめちゃめちゃお腹が空いてて何もかも美味しく戴けました(笑)。
写真上段は将軍塚から望む京都の町並み。中段は平安神宮の庭園。下段は南禅寺の隧道。
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