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2007年01月27日
湯豆腐、しらす大根、アスパラガスの練り胡麻和え
今週は外食が多かったので、久々にわが家での晩ご飯は超シンプルにして、妙にほっとした感じです(笑)。
ところで今週の初めに暖冬異変のことを書いたら皆様から続々とご投稿を頂戴し、今日の東京がこれまた春本番!とでもいうしかなバカ陽気だったので、『不都合な真実』はますます現実味を帯びてきて、まさしくタイムリーな出版物といえそうだ。版元はランダムハウス講談社だから、ひょっとしてあの蝶ネクタイをしたシニカルな紳士、宮田さんのお仕事なのかしら?というような業界ネタはさておき(笑)、これに掲載された数々の写真にはやはり愕然とさせられた。
キリマンジャロに雪がない風景はTVスポットでもよく目にするが、ええっ、チャド湖ってもう無くなったわけ!北極や南極はホントに『ザ・デイ・アフター・トウモーロー』の世界なんだ!てな具合に自然環境の大いなる変貌を写真で目の当たりにさせられて、半世紀にわたる調査のデータやグラフの提示で説明されると、地球温暖化の深刻さは今や想像以上のものがあると認めずにはいられない。もっとも本全体の作りに関しては、これこそ森林資源の破壊じゃないの!といいたいような紙の無駄遣いが見られるし、結局これってアメリカ民主党のプロパガンダ?という気もするのだけれど、プロパガンダにしてもこれだけの見識をアピールできる政治家がいるのだから、お粗末な日本の政治レベルとは全然比較にならない。
ただし「環境に優しいことはお金にもなる(中略)環境面の改善が、経済面の利潤につながる時代なのだ」だと明言して憚らないあたりはいかにもアメリカの出版物である。こうした前向きな姿勢(?)を抜きにしては多くのアメリカ人の心は動かせないのだろう。地球の崩壊がもうそこまで迫っているような壮大な話を展開しながら、最後には電気器具のプラグはこまめに抜くことが肝腎とか、縦型式よりドラム式洗濯機のほうが、デスクトップよりノート型PCのほうが省エネになるとかいった超ミニマムな前向き提言でしめくくられているのも私にはなんだかちょっと違和感があった。そりゃ個人が何もしないより何かしたほうがはるかにましだとは思うけれど、それよりもわざとすぐ壊れるように作った電気器具の販売や、修理費用よりも買い換えた方が安くつくような仕組みを企業に許しておくのはどうかしてるという気がするし、バリバリ稼いで消費にドンドン注ぎ込む人間こそが社会的に評価されるとしてきた価値観をどうにかしないと、結局根本的な解決には至らないのではあるまいか。てな経済活動に後ろ向きな考え方はアメリカ人のテイストに合わないんだろうなあ、きっと……。
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コメント (2)
私は農学部出身なのですが、学生時代に「自然」とはあるがままということであって「自然保護」というのは相反するありえないコトバであり「自然」と「環境」とは決定的に異なる…とかいう、いかにも学生らしい熱い議論をした記憶があります。
地球の表面がちょっと暖まったり冷めたり湿ったり乾いたりするのも自然で、微生物が腐葉土を作るのも人間がゴミを増やすのも「宇宙」の「宙」のメモリが違うだけだよね、とか。
四半世紀前のことを今でもよく覚えているのは、コンセントはマメに抜きましょうという環境保護の施策と、キリマンジャロの雪が!という自然の変化を結びつけた議論に感じる違和感を上手く説明できないまま年ばかり取っているせい。
で、この前の日記を拝見したあと、『不都合な真実』をネット書店で注文しました(笑)今日また日記を拝見して、2-3日で届くはずだったのになぜ来ない?と思い出したところです。
投稿者 猫並 : 2007年01月28日 10:52
>猫並さまへ
>私も西洋発信の自然保護観にはなんだか非常に違和感があるんですよね。私たちはそもそも自然環境の一部なわけで、保護するというのは思い上がりのような気がして。
小中高と一貫してミッションスクールで学んだので、週1でキリスト教の授業がしっかりありました。たしか小学校の教科書に石、花、動物(ゾウか何かだったような)、人間、神を順番に描いた挿絵があって、つまり人間は神に一番近い存在であるということの説明だったのですが、それを見たときのなんともいえない違和感がいまだに尾を引いています。万物の霊長たる人間は自然を飼い慣らし且つ保護するという発想がキリスト教文化には抜きがたくあるような気がします。片や人が死んだら次は鯛に生まれ変わる(笑)かもしれないので、命日には魚肉を絶つというような習慣を長く持ち続けた日本人の自然観とはどこか相容れないところがあるように思われてならないのです。
投稿者 今朝子 : 2007年01月28日 21:51
