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2007年01月16日

ワタリ蟹のパスタ、アボガドと海老のサラダほか

 池袋の東京芸術劇場中ホールで『桂小米朝のモーツァルト!モーツァルト!』を見た帰りにスラッシュのおふたりと近所で食事。
 上方落語家の桂小米朝は知る人ぞ知るモーツァルト通で、彼のオペラを落語を交えて紹介するという試みは以前から関西でやっていたらしい。生誕250年祭の掉尾を飾る企画として今回その東京公演が実現し、意外なくらいギッシリ詰まった客席を見て、ハテこの客層のメインは果たして落語ファンかオペラファンか、さあ、どっち?と考え込んだのは私ばかりではないだろう。ともあれオペラやクラッシックにそう馴染みのない人にとっては親しみやすくて非常に良い入り口となりそうな好企画だった。
 小米朝がまずクラシック音楽やモーツァルトをネタにした落語を2題演じて客席をほどよくほぐした後に、曲を聴けば誰でも、ああ、とうなずく『アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク』の弦楽四重奏を新日フィルのコンマス筆頭にそこそこ一流のメンバーが披露。そのあと二期会の歌手も加わって『フィガロの結婚』を超ダイジェスト版で見せる。二期会の歌手がひとりは柴田智子で、もうひとりは思わぬ芸達者な女性歌手で、有名曲のサワリを何曲か唱い且つ落語家の小米朝とピッタリ息の合った芝居もするし、小米朝のほうもまたしっかりと「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」を唱ってくれたりする。かくしてフィガロのちょっとややこしいストーリーがひと通りわかった上で、多少なりとも名曲のサワリが堪能できて客席は大満足のようだった。
 小米朝という人は正直いって落語はあまり買えないけれど、こうした企画物でMCをやったりする分には悪くない。花は十分にあってキュートだし、役者としても、役によってはそこそこ活躍できる人だろうと思う。いっそミュージカルにチャレンジさせてみるという手もあるような気がする。本業の落語をやると妙に萎縮してイッパイイッパイの感じなのが、今日はとても活き活きと輝いて見えたのが頗る印象的だ。


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